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2015年5月3日日曜日

アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (18)





アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (18






1


フォールスチャートはナノテクノロジーを駆使したような精密なフォークやドリルを組み合わせたような指先を動かしながら語った。
≪どちらも、反則の力を使おうとした。細かいことはいい。ダブルアリスタンダーにスタジアムごと爆破されたくなければいうことをきけ!ダブルアリスタンダーの5号と6号などすでに完成済み!≫

フォールスチャート
いわゆるメカロス。武人系統のボスと質が違うが部下がいるボスキャラ。バイオテクノロジーに関し知識はあるが無関心だ。


スタジアムにはどよめきがおきたがやがて沈黙に変わった。

ステファノ 「第一試合は両者くりこし。第二試合はどちらも失格か…」

エドアール「いわゆるメカロスだ。新しい武器やメカの発明で部下をガバナンスしているタイプだろう」
アルキポ 「なんで魔界四武者があいつに従っているんだ?」
グマーズ・マウ 「それは…戦闘で肢体を損傷したとき、代わりになる部品の機械を補ってもらうため…」
メラネウス 「なるほど、キャラが違うように感じたが」
ウッドデック 「マシーンのモンスターだけがやつの部下ではないということだ。失格か、まあいい。ここから先は見物させてもらうぞ」
 
ヴィクター「やつがダブルアリスタンダーを製造したのか」
テモテ 「なんか白物家電って感じのロボットだったよ」

試合は休憩となり、観客は席を立ったりバラバラになった。

テモテ 「でも、あのスペースブレイクショットって全力で撃ったらすごい破壊力になると思うよ」

トラの帽子の男 「なんかスト2みたいな…闘うと楯がなくなっていく格闘ゲームみたいだったかやがや…」




2



ネクロポリス戦記といいながら、スポーツの大会みたいなおっとりしたムードになっている。
だが、これはギリシアの半分神話、半分史実とされるトロイア戦争をモデルにしているのである。
かの戦争は今では骨子がのこっているだけで詳細は散逸して不明とされている。ホメロスのイリアスなども存在するが。
だが、その骨子をみると、当時の人の武人の考え方は意味不明に感じられるのも確かだが、時空小説みたいに陰惨な戦争というより、武人の埃を競うような、悠長なところが感じ取られる気がするのである。敵ながらあっぱれというのかお互い力をひけらかしているだけみたいなようにも感じられる。子供の意地の張り合いみたいな個所も。
残された骨格からトロイア戦争を積分して復元してみるのもおもしろいのであるが簡単ではない。




3


グラディウス帝国のセルウィウス。
横目で時空警察のネクロポリス大戦をみながら、彼は夢中になっているものがあった。
高エネルギーのレーザーをあてると時空にひずみが生じ、イデアの世界を盗みみれるのである。
この実験に夢中で戦争のことは彼はやや無関心だった。
その実験であることがわかった。
ギリシア神話、ヘシオドスの「神統記」。この世のはじめには混沌であるカオスがあったが、ガイアとウラノスがカオス(混沌)から生まれた。だが、実はその前にカオスからエロスが生じたとある。プラトンはそれほど初期から存在するエロスとゼウスから下ってアフロディテの子、エロス(キューピッド)を分けて考えた。万人向けのものと天上のエロスと。

このエロスは実験によると絵空事ではない。ゼウスのような人格神でもないようだ。
どちらかというとイデアの世界のような「設計図」の倉庫であるようだ。
ウラノスやクロノス、さらにその子のゼウスなど、偉大なる男神がその苦労の果てにみいだした世界。その世界における「設計図」。
男らしさの型のようなもの。
女らしさの美徳、優雅、規範、からくり。
現代におけるマンガ博士にある意味近いのである。
武術のあらゆる型。社会経済の素晴らしいルールの型。科学技術・魔法技術のあらゆる歴史的に価値のあるもの、文化、芸術、もろもろの価値のあるもの。

それは男と女というふたつの純粋な水晶球のようなものがあるらしい。
エロスはその二つの吸引力ということになっているがあいまいに広い意味に使うと文化の型なのだ。

ともかく男性機能をつかい鍛えるとその純粋な魔力を持つ水晶球のようなものからデータをダウンロードできる。
女性らしくすれば、女性の型がダウンロードできる。
自分で開発してもいいが、歴史的に太古の、それこそカンブリア大爆発のころ別の惑星でも超文明が残した遺産を手に入れることができるようなのであった。

とにかくゲイがいい悪いというのではなく、男と女の機能しかこの世に存在しない。
見渡す限り天の上をのぞきこんでも、この二つを極めることが限りなく続く。
これ以外がでてくるのは100景年先の宇宙か、時空の見えない果てだろう。

セルウィウス 「無尽蔵にダウンロードできればクロノスの黄金時代のような素晴らしい文明が再現できる。だが…ポテンシャルが高い。それは不安定で危険だということを意味している」
彼はイデアの世界、エロスのふたつの文明にみとれている。

「レーザーをあてた個所は空間がゆるくなっている。しばらくの間。そこを“苦”を代価に支払ったものにのぞかれやすくなる。別にこっちは困らないが。やはり太古に滅んだ超文明の遺跡なのだこれらは…」
天念の現象であらゆる創作家、発明家はイデアの世界をのぞこうと意識せずに考えているようである。

気位がイデアの世界をのぞく鍵になっているという見解もある。
向こうは蜃気楼のようなホログラムのような残留思念であるかも知れないが…
えり好みをするのである。
自分と気位を同一にするものにのぞかれやすいという。
つまりは向こうの機嫌を損ねると覗くのを拒否される。
自分と気持ちが通じるものが見えてくるのであろう。

セルウィウスは画像をみていた、ライトを次のイデアにむけると拒否されたかのように…ぶくぶくと海草が泡になって消えるようにちぎれて消えた。

(笑って消えた…?こっちをバカにしたように)








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