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2014年6月27日金曜日

Another War ―もうひとつの戦争― 第十四部


Another War  ―もうひとつの戦争―





Another War  ―もうひとつの戦争―







時空小説2周年記念!

夏の小説祭り!





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1


魔剣士が語りだした。
自分たちの浮かんでいる地面よりさらに上空を指差し、こういった。
≪あの渦から新たな脅威と禍が現れようとしている≫
「しゃべらなくていい」オーブリーは小声でいった。

みると雲が渦を巻いて暗く光っている。

≪おまえたちが欲望を満たすために、宇宙の則の最上部まで調べ尽くし、論理的な骨格を会得し、新たな技術や富を得ようとする腹には、このような魔物につけいられるのだぞ≫

「…」
コインと帝国の戦士たちは沈黙した。
新しい文明は欲しい。その欲はあるが…

ビックスケルトンもいった。
≪われら、魔戦争を永続させる魔人だが…よりまだ醜悪で陰辣な魔物がお前たちの匂いを嗅ぎつけている。お前たちは闘いの力をえて富を得たが…われら朽ちた腐敗の悪魔より堕落した悪鬼が獣のような欲望に目をつけ寄ってくるであろう≫

アーナーズバスラーがいった。
≪我々は再び封印され眠りにつくであろう。富と欲望を満たそうとするお前たちの心に、何を言い訳になる楯として弁護できるのか、眠りの中できかせてもらうぞ≫

やがて、渦は消え、宙に浮いた地面は地上にゆっくり落下した。

戦いは終わった…


2




再び、アルセウスとフォイエルバッハにつれられ、宇宙船でユニークシティにもどった。
セプティミウスがおわかれのときこういった。
「帝国にはオーブリーとエドアールでも女の子がうらやましいと思うくらい女の子が優遇されている地方があるよ…今度いってみたらいい。男性に対してすごく厳しいんだ。ふたりでも音を上げるだろうね。前にいったけど、帝国は万別さ」
オーブリーとエドアールはめんくらった。
「オレたちでも女の子がうらやましくなるか…」
「女性が楽をしすぎの土地…」



ホテルで夜。

エドアールが探索に行くと部屋を出ていった。
オーブリーは疲労して寝ている。
クラークは部屋で酒を飲んでユニークシティのTVを観ていた。


ホテルのバーにはいった。
シダーコールという酒を頼んだ。
カウンターで飲んでいると、やや離れた席に中年よりまだ上のオヤジと若い子娘が酒を飲んでいた。
「お酒のおつまみって臭い」
「臭くて、抵抗があるからつまみにいいんだよ。臭みを味わうんだ」

エドアールはいいことをきいたと思った。
なるほど、ランチみたいにガツガツ食べるものじゃないんだ。酒のつまみは、ちびちびやるのに臭くて食えるか食えないかくらいのほうが都合がいい。
同じつまみを頼んでみた。

次の日ユニークシティを散策した。

エドアールはお土産物屋でキーホルダーをみた。
[お土産は通販いたしておりません。ここでしか手にはいらない]
なるほど、帝国のユニュークシティに来たという記念になる。
アルバリシアの土産と二つ買った。

クラークはブテックをみかけた。
グレーのマネキンが二体物語を語るかのように並んでいる。
「あの服きれいだな。嫁と娘に着せたいぞ」
薬味の強そうなアートで周囲を大人の雰囲気に鎮圧している感じだ。
ブラックサンシャインというブティックで買い物した。
「かしこまりました」
店員は愛想がよかったが値段がクラークでも高かった。
「クラーク王でも高いんですか」オーブリーがきいた。
「エカルテはそんな潤わないから給料そんな多くないぞ…」


レストランでスパゲティを食べた。
「今回の長旅ご苦労さん」
「こんなところで大戦争だった」
昼間なので酒は遠慮したが、ワインでも飲みたい雰囲気だった。
三名とも疲労でぐったりしていた。
帰る気力がなくなるのもまずい。
ハーブが抵抗のない程度に匂いをあたえてるスパゲティだった。

食後デザートにケーキがでた。
「ライスワインのケーキだ」オーブリーがいった。
「サケケーキです」ウェイターがいう。
「四角い」エドアールがフォークでさして口に運ぶとアルコールの香りがする。


三人はクラークの宇宙船で帝国を後にした。