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2014年6月18日水曜日

次回新作映画小説予定 「ヘレネ」

次回新作映画小説予定

「ヘレネ」

伝わるところによれば、「エウリピデスの悲劇」紀元前412年上演。

パリスがヘレネを連れて、トロイにむかう。

だが、それはヘレネ本人ではなくその幻影であった。


ヘレネ…

何の根拠なのか、知らず。


世界一の美女という。ヘレネ。

トロイア王子、パリスが美貌に魅惑されトロイア戦争がはじまったとさえ伝わる。

テセウスによってさらわれたが、ペルセフォネ(ハデスの妻:冥界の女王)とのテセウスが冥界に向かった間に、トロイにつれもどされた。

などなど、話が入り組んでいる。

ギリシア神話の伝承を基にした演劇小説!


ビール

「ビールこぼすなよ。いくら土だからって」












夢十夜(前編)








夢十夜(前編)









1


これまでの時空小説では、嫌なこと辛いこと、不幸や災いなどを、すべて怪物の襲撃として扱ってきた。
そのため、人間関係や町のひとなどは都合のよい話、ファッション雑誌みたいにうまい話ばかりにした。
この小説で発明されたスタイルというわけではなく、古くから戦隊物、ヒーローものではそうだ。だが、だんだんそれでは話が幼稚、あるいは作り話にみえることから、文学のように人間の心の葛藤、わだかまりみたいなものをストーリーに取り入れてみよう。ヒーローは最初から強いか強いのではなく、葛藤し、どうのりこえたかなどを話に取り入れようと思う。



2


第一夜


メリーサ女王の王座のわきにぼくとロビンがならんでたっていると、いかにも意地の悪そうな老婆が兵士にひっぱられてきた。
あっけにとられてみているとメリーサが兵士にいった。
「どうしたの?そのお婆さん」
「ハッ、普段から素行が悪いうえ、不審な動きが多いのと、近所の人の苦情から引っ張ってきました」
「どうなの」
女王が老婆に詰問した。

「…だませるべさ…。リバーサイドドラゴン。誠実だからだませるべさ」
「…」
「…」
女王もぼくも黙った。やがて女王は口を開いた。
「こういう人は頭おかしいの」
なおも老婆はこういった。
「あんたたちだっていい思いしてるべさ。私がギった(泥棒)したとろこで何も悪くないべさ。誠実な人間だましやすいだろわい」
ワンウリー城の主と最近なったメリーサは雇われ女王の立場だ。
「誠実な人間だましていると誰にも相手にされなくなるの」
「相手にされなければ、嫌がらせしてやればいいべさ、そしたらやつら相手にしてくる」
「…考えてわからないの?そしたら下等な人間の世界に落ちていくの。誠実の大切さを学びなさい」
「…放火してやる。私を甘く見ていたら火をつけて改めてやるからね」
ぼくもいった。
「確かにバカだ。救いようがない」ぼくは帽子を取って胸にあてた。この老婆の禍が自分に降りかかりませんように。
「終わってるずら」ロビンもいった。
メリーサがいった。
「もういい、牢に投げ込んで」
「ハッ」

老婆は引っ張られていった。
もう声が遠くなったところで老婆の狂気の怒りの声が聞こえた。
「コナラー!!」
「神妙にしろ!!!」

大神の声が聞こえた。
≪誠実な人間と下等な人間で分けて住まなくてはならなくなった。見よ、誠実な暮らしをしたいものは身を清め、心を洗うがいい。
人を苦しめ利益をむしりとるものは何千年も前から悪と決定している。悪人は悪人と暮らすがいい。互いをむしばむことが本人のためになろう。
誠実で清いものは迫害から守られる。鍛えられているからである≫


3


第二夜

次の日、ぼくとロビンはまた立っていた。
昨日の老婆の話になった。
「そんなこといったら過失で牢に入っている人の方がかわいそうなの」
ロビンもいった。「それ以前に周りの人の迷惑だろ。それだけで牢に入れられて当然だよ」
ぼくはいった。「善悪とか優しさで諭すとかじゃ治らない。こっちが迷惑だってガンと鞭をくわえないとだめなんだ。やつらの底意地の悪さは人間じゃない。やつらの言い訳をいちいち聞いていたら際限がないんだ。悪知恵があれだけあって頭が悪いなんて言い訳にならない。正しいことが嫌いなんだ」
「どうしたの?そんなムキになって」
「いや…」

そのとき華やかな女性が王間にやってきた。
「こんにちは、女王様。また遊びに来ましたけど」
ワンウリーの国ではちょっと最近人気のある女性らしい。

「…またあなた。遊びに来るのはいいけど、わたしあなたの肩なんてもってないわよ」
「まあ、まあそういわずに」
メリーサは説明した。
「このワンウリーの国では古い因習から来る身分制度があるの。ここに来たばかりの頃勉強させられたけど。わたしたち部外者にはいまいち理解できないけど、それでいざこざがおきたりもする」
「へえ」
ロビンが生あくびをかみ殺しながらいった。
「で、女王はどの位に在籍したんだ?」
「わたしは…すぐに最上階急に認定されたけど。この国の人の制度だし…」
「それ、私は満足してますけど、以前は男性の王さまでしたの。女性の女王様がこの国の支配者となられたんですから、すこしは浮かれて暮らさないと」
「…」
「…」
「ハハッ」
「まあ、私のことはいいから友達と楽しくやって」
「ハイ、女王様」

彼女は帰っていった。

夜、牢

「ブツブツ……わたしはあの男を知っている。盗人の盗賊だ。人殺しもしている…ぶつぶつ。悪人はあっちの方だ」
老婆がふと顔を見上げると男の顔があった。
「念仏は唱え終ったかい。婆さん?」オーブリーがにこやかにいう。「悪人かい?いや正義の義賊だぜ、あんたにくらべたらな」急に怖い顔になった。
老婆はビクッとふるわせ牢の壁に下がった。
「大神の声をきいてまだ顧みなかったな…。僕は知っているぞ。生身の人間には善意があるんだ。おまえにはそれがない。空っぽだ。悪魔め。貴様は悪意だけの悪魔だ。神につくられた人間はそんなんじゃない!」

「ケヒェーッ!!笑ってられるのも今のうち、お前を反対に牢に押し込んでやるからね、ゲヒヒヒヒッ」
オーブリーはキョトンとした顔をしたが落ち着き払っていった。
「そっくりお返し。笑っていられるのも今のうちだ。3.2.1.0
がばあと老婆の口から火玉がろうそくのようにでてきた。
プカプカ浮かんでいる。

「おっと」
ひょいとオーブリーは霊玉に人玉を封じ込めた。
「おまえの親玉と住み家を後でしっかり白状してもらうぞ~。それまでこの玉に入って入れ!!」

【バーラルレディ山姥】



4



第三夜

「わたし悪人には罪を許して近づかないのが一番だとおもうの」メリーサ女王がいった。「むやみに接触するとまた被害にあうでしょ」
「罪を許した分自分にラッキーがまいこんでくることもある」ぼくはいった。
ロビンが「それをみて人のいい奴だと腹黒いこと考えるやつは地獄にトンズラするずら」といった。

モンスターの襲撃でけがをしたという男性とその妻である女性がやってきた。
「どうか、治療が完了するまでの費用を…」
「人を助けるということは自分たちに負担が来るということなの。あなたたちを助けるにしても国のお金はそうあまってないわよ。助けられないなら威張るなと言われそうだけど。わたしに国のお金を富ます能力なんてないから期待しないでね。でも、気の毒だから国からお金を出します」
ぼくは思った。時空警察とかコインなら制度が整っている。
だが、それは国の人が一人一人負担している結果だ。
あと保険の仕組み。数学的からくりとか経済で効率よくトカトントンやる方法がなくもないのだ。

「ありがとうございます…夫も怪物に負けないよう武術を鍛えるといってます」

大臣がやってきた。
「国民を助ける費用は国庫にないこともないが、潤沢で余ってないですじゃ。ケチくさく支払うしか今のうちの国には方法がありませんですじゃ」
「そうね。気前のいいところを見せたい気もするけど」
「…ないんじゃ仕方ないずら」
メリーサはいった。
「男がだらしないからいけないの」
ぼくはいった。「苦いお茶を飲んでつつしむよ」
「お茶を飲んでごまかしてもだめ」
「…ずら」

「あー、女王様っていっても、こんな辛気臭いのが続くのかー。晴れ晴れとしたできごとでもないかなあ」

時空警察などではロボットが大量生産し、モノが豊かなのと文明が発達していることで金銭的に有利ではある。
だが、オーラまでとられるとケチくさくなるのが現実だった。
国民のため大会やお祭りなど公式に企画し、オーラの株式相場を上昇させ、豊かになろうという話さえ出ているという。



5


第四夜


夢十夜といいながら夜ではなく昼の出来事ではある。
これははるかのち、異国に帰ったオーブリーがこの時のエピソードを顧みて、夢を見ていたような異質な十日だったという意味である。
楽しいというより、生臭い悲喜交々な複雑十夜なできごとである。

中には楽しいエピソードもある。

映画もそうだが、限られたシステムで(それこそ未来の世界だと実体験をできるバーチャルな装置があるのかもしれない。それでテープ:記録:をあじわっているのかも。だが、文字だけという限られた手段で異質な思い出を読者に与えることができないかの挑戦である)


ある日、メリーサ女王がいつものようにぶつくさいいだした。
「まったく、この国の人にはゆとりってものがないの!?どの人たちもバタバタバタバタ文句ばっかり言っていて。まだ来てそんなにたってないからこの国のことをよく知らないけど」
ぼくはいった。「そして、来てすぐ美の小箱を開けて長い間眠っていた」
「…そうだけど。どこかにおちついた、静かな生活を送っている人っていないのかしら」
「前来たあの女性は」ロビンがいった。
「ああ」
「みんな生きるので精一杯なんだ」
「それを何とかするのがわたしの仕事かあ。前世の記憶ってあまりないけど、おぼろにおぼえている。こんなざわざわしないでしっかりした生活だった」
「ホウ…」
「お国が違うずら」

そこに修行僧がやってきた。
「こんにちは、女王様」
「あなたは?御坊さん」
「涅槃にいたって静かな暮らしをしております」
「ホウ。それでどんな」ぼくはきいた。
「横になって楽に苦行をしておりましたところ、悟りを開き涅槃にいたりました。王の道と僧の道は違いますが」
「どうやって鎮痛したの?」
「喧騒や仲たがいから抜けきらない、修羅世界の人間も何が違うのかと思い浮かべておりました」
「で?」
「彼らは口では文句をいいながらも好き好んでいるのです。戦いに興じる戦士が戦争のある世界から離れられないように」
「そんなんじゃ、嫌だと思えば逃げられるわけ?わたしもおしゃれな世界に逃げ込みたいわよ」
「…諸説ありますが、今行ってもありがたみがないことを当の本人がよく知っていると」
「…なるほどね。本当の私が御存じって」
(斬新な新説だ!いえてる戦神なんか好き好んで争う。ぼくもある!!)
「ですから、解脱とは欲を捨てるということ」
「なるほど」



6


第五夜

メリーサが料理を作り始めた。玉ねぎやらなにやら香辛料をつかい創った。

地球
レベルラハムにやられた傷も完治した地球の神がたとえて料理のようなものをしている。
何を作っているのだろう?


第六夜


兵士が三人の男をつれてきた。
「このものたちがどうしても女王に会いたいというもので」
「そう」

三人の男は突然服を引きちぎり襲いかかってきた。
「ゴブリンだっ!!」

ぼくはイーグルフルーレを抜いた。
カシャアアン

ロビンもブルーレイピアを抜いた。

兵士も「抜剣!」と叫び、腰のスチルソードを抜いた。
ぼくは一突きでゴブリンをしとめた。
メリーサも石化の術でゴブリン一匹を石にした。

ロビンのブルーレイピア ガッ 148
ゴブリンの爪 
「ぐっ」
ロビンに87ダメージ
兵士のスチルソード ゴッ 174
ゴブリンは体あたりをした。
兵士は倒れた。
ロビンがレイピアを突き刺す。
202
たおした。

「王をやっていれば憎まれることもありますので」兵士はいった。
「はぁ、疲れる」メリーサはいった。
「でもそうだ、うまくやろうとしたって憎まれるもんだ」ぼくはいった。
「この国は厳しいんじゃなくて、貧しいの。」
三匹のゴブリンは息の根を止められナベで煮られた。



7


第七夜

メリーサがいった。
「保険を作ることにしました」
オーブリーがいった。
「僕も入るぞ」
ロビンもいった。
「オイラもはいるぞ!」