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2014年5月26日月曜日

軍虚■ぐんきょ







軍虚■ぐんきょ







1


グレートシティの宇宙空港。
デカポリスからグレートシティに向けて飛んでくる飛行機の発着場もあれば、宇宙船を受け入れる機能も整っている。

その日も日常の業務が続けられ、大勢の旅行客が利用していた。
巨大なルンバのような業務用清掃車が半自動で動いている。
ノズルから水を放出し、たわしが回転し、吸引機が水を吸い込み乾かす。
かたすみにあるなんの変哲もないモーニング喫茶店。
注文していたコーヒーをすすっていたはずの客が突如魔法を唱えて喫茶店に被害を出した。

ドーン!!
「ホワット!?」
「フレイムボムだ」

火災は鎮火されたが被害は出た。
時空警察直下のグレートシティでテロ行為だった。
犯人は捕まり、牢に身柄を拘束した。
そこからが難しかった。

マンデンブルー大佐、ジュール、メラネウス、グルーザー女史が会議室に集まる。
「星は?」
「イカルスのマージと名乗っている」
「フォルトナト少佐との戦闘の報復か…やっかいだな」
ジュールも悩んだ。

グルーザー女史はあせって決めかねた。
デカポリスまで会議を持ち込むか。あるいはアランがあった“お偉いさん”たちは民間事業が主で軍事行動の裁量はない。
マスコミはメガロポリス総裁であるグルーザー女史の判断を仰がず全宇宙にニュースを発信してしまった。
「チッ、…」

グルーザー女史は時空警察としての意思の発表を迫られた。
あせっていたグルーザー女史は「報復はない。時機を見て拘束したマージをイカルスに送り返す」と発表した。

群衆は時空警察ともあろうにひ弱な判断だという意見や、イカルスに圧力をかけない重厚な判断という賛否にいりまじったレポートを提出し続けいている。



2


コインメタトリー・エカルテ

クラークがスフィンクスをみていてニュースで見た。
「おおおおっ!?とうとう時空警察が爆撃されたか。ひとごとじゃねーな」
「さよう。エカルテ軍の隊長のわたしも真剣になります」エドガーがいった。
「なるほど…先に諜報員をおくりこんだからおとなしいのか、時空警察は。こんなのノウハウが蓄積していてノータイムの判断で動けるんじゃないのか!?やつらプロだろ」
エドガーはひげをいじりながらいった。
「さあ…盤面ごとにふさわしい判断が必要なのでしゃろか…」
「最近、オーブリーいないけどな」
「時空警察からコインは独立を保つが友好がポリシーで、長い間の四カ国の決定ですな。
時空警察との関係を悪化させるのも愚。いいなりになって支配されるのも愚ですじゃ」

批判と賛否の声は次第に高まる。
《時空警察はなめられる。交渉もせずに人質を解放か!?》

デカポリスの10の区域によるトップの会談がおこなわれた。
その会談の意見文がメガロポリスのグレートシティに送られてくる。
これが最終決定会議だった。

マンデンブルー大佐、フォルトナト少佐、ヴィクターダイナミックソルジャー、ジュール、メラネウス、民間から“ライオンステーキと愛人”のお偉いさんが相談役として参加、グルーザー女史で会議を行う。

会議室までの道、ジュールとメラネウスは話していた。
「やれやれ胃痛になる会議だよ」
好ましくない議題のせいかグルーザー女史が指定した会議室はものすごく質素な硬い部屋だ。
「時空警察も狭い」メラネウスがいった。「わたしがこんな会議に呼ばれるとは。戦闘任務ならともかく」
「軍部の頭脳の人数が足りないよ。こんな若造が呼ばれるのかい?ビジネスに力を入れて本業の警察業務の力が入ってない感じだ」

会議室ではヴィクターが先にきて茶をすすっていた。
「よっ、自分の担当の部署もきりもりがやっとのオレが参加しても説得力ないな」
「やっぱりかい」
「でかい組織だと思っていたけどな」
グルーザー女史は最後にあわただしく入ってきた。

結果、体力に余裕がある時空警察にとってイカルスを攻撃するのは攻撃的すぎるとの判断。
余裕とゆとりを見せて24時間以内に人質の解放をイカルスに宣言。

そう決定した。



3


コインメタトリー・ブロームイン

ブロームイン城の部屋でザールと魔法軍キャプテン・シールド、密偵のダガーがテレビをみていた。
「ハッハッハ、おもしろいやつだ。ビジター。どうだあいさつにいってみるか」
「…」
「…」

ザール王子はビジターと時空警察のもめ事をニュースで見ておもしろがっていた。

ビジターは…

「ビジター様、時空警察と戦争になったらひとたまりもないのでは!?」
「ふん、確かに全力の戦争では不利だろうな」
「では?」
「時空警察に反感を抱いている不満分子と連合をとり、かく乱する作戦だ。おそらくは惑星バルハル…コインですらその手の手あいはいるのかも知れん」

ザールたちの魔法殿では魔法の杖を研究していた。
「エアーアタックを封じ込めた杖だ」

問題は封じ込めた魔法をネーミングにつけるかだった。
ザール王子に決定が委ねられた。
「ふーむ。エアーアタックロッドとかになるわけだ。つけないと風の杖とか、それぞればらばらに…」
「仮想魔法ですが本当に魔力のないものだと使えません」
「魔法が音痴の私では…?」
ためしにザールがふるうとエアーアタックが発射された。
「なんだつかえるぞ」
「眠っている才能か、気のようなものだと…機械からでるビームライフルとの違いで」



4


特防隊ランクC V.キャノン がマージをイカルスに送り届ける仕事をうけおうことになった。
宇宙船が進む。
隊長のジムがいった。
「今回の任務は戦闘はなしか…」
タイガータンクがいった。
「ビジターともめてみたいよ。最低でもツラがおがめるよ」
「そんなこといっていると、飛ばされるぞ!」ジムが叫んだ。
「人質は?」
「おとなしくしている」



5


メガロポリス・フィラデルフィア住宅街

アルフレットがマンションにもどると鍋を持ったマハリクがでてきた。
「ハイ、中華スープ」
「中華スープがでてくるのか」

二人は食べた。
「近くに品ぞろえのいいスーパーもコンビニもあるし…」マハリクがいった。
「ちょっと行くとショッピングモール街もあるよな。コンビニも数件ある。攻略するのが手まだ」
「…そんなにコンビニ使い分けてどうするの?」

話はマンションのロビーにある応接セットのことになった。
「誰もいないのかと思ったら、あそこで立ち話している人がいた」

最初、外からみたとき応接セットが栄えて見えたのは中に入れてもらえないとよく見えないからかと思った。入ってみるとただのソファと観葉植物だがよかった。
アルフレットは地球にいたとき使っていたウィンドウズXPをおもいだした。
あの「天気のいいゴルフ場」になんとなくにていた。
すぐ見あきるかと思ったが、なんだか78年は見あきないような気がした。

地球
ウィンドウズXPのサポートが終了しようとしていた。