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2014年4月29日火曜日

エドアールの日常

















1


ついこの間まで大学生活を送っていたエドアール(またはエドアード)。
レベルラハムとの死戦や魔王討伐の旅をへて、強力な実力を身につけつつある。
ラグナクロクの自宅から、午前に出発した。
エカルテのクラーク王に参謀としてまねかれた。
ようは会議の仕事だ。
ラグナクロク軍、隊長の職務である。

国境の関所をこえてエカルテにはいる。
エカルテ城にはいると大広間の片隅に受付がいる。
女性の受付に名乗ると小部屋の一室を案内された。
今日はここに泊まる。
クラーク王に直接会うのは明日でいい。
寝台が一台だけの狭い質素な部屋だが落ち着く。
壁にちいさな絵がかかっている。
毎回部屋が違うので絵を眺めるのが楽しみなエドアールだった。
「いかにも絵画という感じだけど変哲もない絵だな。ふむ」
荷物をきちんと部屋に置いて、オーバーランスと炎の剣を壁の隅に立てかける。
シャワーを浴びて旅の埃を落とす。
モバイルフォンをみて連絡をチェックする。

それから、大食堂に行く。
だれも食事している人はいなかった。
エドアールは給仕に料理を運ばれ食事した。
ワインをグラス一杯ごちそうになった。

部屋にもどる。
明日は会議だ。たばこをケースからとりだしお気に入りのライターで火をつける。
煙が室内に充満する。エドアールはテーブルの上の灰皿をひっぱりよせた。
書類を手に取り読み始める。
「ふーん」
灰皿に吸いがらをおしつけ、ベットに倒れた。
その日はぐっすり眠れた。



2


洗面と朝食をおえ、服装を整えるとエドアールは王間に向かって歩き出した。
階段を昇る。昔の建造物だけあってクラシックだ。
レベルラハムのときマリッドとカリッドに破壊され、改築したが、近代的にできていない。
ノックするとクラーク王の声が聞こえる。
「おおう、はいれ」
「失礼します」

「会議は愚神ビジターのことだ」
そういってスフィンクスにビジターのビデオを映してエドアールに見せた。
「…こいつがビジター」
「そうじゃ。新たな脅威になるかも知れん。イカルスは以前と変わってきた」エカルテ軍隊長で白髪頭で白髭のエドガーはそういった。
「まあ、そういうことだな。お前がどこか行っていた間にこんなのがでてきた」
「…オーブリーは?」
「やつは午後にならないとこないぞ。いま11時過ぎか」
秘書猫もモニターをみている。
「それにしてもイカルスに来る前は魔人としてどこにいたんでしょうね!?」
「魔人の国とかかな」クラーク王が適当にそういった。「王宮らしくモーツアルトのバイオリン曲かけているけど…イ長調」
「ああ、そういえば」エドアールがいった。
王座で足を組んでいるクラーク王がいった。「どうだ?見て戦って勝てる相手にみえるか」
「…一対一では勝てないかと…。アリスタンダーは岩石のような魔人でしたけど。タイプがやや違いそうだ。戦闘タイプから人格から」
「アリスタンダーのほうがツラがよかったけどな」
「ハハハ」秘書猫がいった。
「そういう問題ではないな」エドガーがいった。

そのとき扉が開いてオーブリーがはいってきた。
エドアールにぶつかるようになって、「おっ、やっぱり来たのかエドアール。あとで大食堂で昼の食事を一緒にしにいこう」そういった。「なに、ビジターか。あいつはそう問題じゃない。イカルスを丸く収めているようにも見える」
「実際な」クラーク王がいった。

イカルスは生活環境は政府とレジスタンス軍の紛争時代より良くなっていた。
だが、悪徳をひろめているだけに魔人なのはたしかで正義の神ではないようだ。




3



「義賊の映画って正式政府がだらしないから流行るんだ」オーブリーが昼食を食べながらいった。
「それじゃあ…政府が正しいと」
「グレートシティなんかそうだ。政府がしっかりしていると世直しの義賊がただの言い訳に聞こえてくる。でもいい政府なのに圧政にちかいものになるよ、ありゃ」
ハムをパンにはさんだもの、ミルクコーヒー、ポタージュスープがでた。
「しっかりしたオヤジもよしあしみたいな」
「そう。そうなる。ちょいハズレているワルがかっこいい。粋なみたいな」
「時空警察はしかたないな。警察だありゃ」

警察なのに大佐とか少佐とかいう位があるのはなぜだ。

「そうだろうな。国って敵度にだらしない方が国民が落ち着くのかもな」
オーブリーはおいしそうにムシャムシャ食うが、エドアールはついさっき食べたばかりのような気がして飲み物をゆっくり飲んでいた。
「どうした?食べないな」
「ああ、同じここで、朝食を食べ過ぎた」



4


王間にもどるとエドガーとクラーク王が話していた。
「それにしても」クラーク王がいった。「イカルスなんてコインからみると点みたいに見えるか見えないかの遠い距離の星なんだけどな」
エドガーが解説した。
「イカルスの公転軌道により、周期的に見える時期がある。恒星の反射で滲んで遠方なのに大きく映るが実際遠いし小さい天体だ」
「小粒なのか」エドアールがいった。「理科の授業で習ったな」
オーブリーがいった。「接近してきた日時に宇宙船で飛び立つと比較的短時間で着くんだ」
エドガーがいった。「大接近日というのがある。中接は結構近い」

その後、王間に書棚がひとつだけあり、クラーク王が意味深な図書を集めたものをみんなでよんでいた。
「…」
「……」
気がつくとオーブリーもエドアールも秘書猫もクラークもなにかの本を読みふけっていた。
「あー」
「興味深いぞこの本」
「注文して買ってけれ」クラークがいった。「お茶にするか」
秘書猫がいった。「緑茶と和菓子を」