あの日の囚人 第九話
もと囚人はあるひコンビニにはいった。
「ふつうより広いな。マーケットとふつうのコンビニの中間みたいだ。1.3倍くらいあるぞ」
気がついた。
普通のコンビニよりシャープで知的なのに。
「面積が広いだけに温まりにくいんだ。ふつうのコンビニは狭いからあたたまりきって
熱平衡になっている。クールじゃないんだ。従業員の側からすると違うけどね」
エンジンと同じだ。冷めた状態からガスを燃やして温まる過程で動力を生み出している。
だから燃え尽きた状態だと頭悪いような、ぼーっとするような、アパシーのような無気力になる。
だるいんだ。
それでいくと…
囚人は知恵をひねった。
フェイスブックなんか狭いと思われたら最後だ。
クールじゃないとなる。
美術館とかハイカラな喫茶店とか、広い。だだっ広い。
温まらないから寒いんだ。
でも、知的な空間を味わえる。