ページビューメ-ター

2014年4月8日火曜日

炎の女王の世界















1


ビデオゲームのような広い平面世界にエドアールは立っていた。
オーバーランスを肩にかつぎ、鞘におさめた炎の剣を腰に下げ。

「モンスター退治か。シンプルだ」
デフォルメされたような植物の緑が美しい。

でろでろれれええん
【バーラルレディヘッド】

「…ろくろ首か」
バーラルレディの顔だけが空に浮かんでいる。
歯をむき出しにし、舌をのばしている。

エドアールは静かに炎の剣をぬいた。
燃え盛る火焔の剣。
「いくぞ…」

春雨 1100
かすって上空に逃げられた。
「ちっ」

ゴオ
体あたりを仕掛けてくる。
「ドラゴンシールド」
腕にシールドをつけて両手を使えるようにしている。

【エントロピーを崩壊させた】
「くっ、アパシーだ」

だが、
【スーパーエドアール】
アパシー(無気力状態)を跳ねのけた。
「いくぞ、仮想呪文、ファイアーボール!!」
ドンドンドン!

火球が数発襲う。
バーラルレディヘッドに二発命中!
「ぐきいきいいい」
悲鳴を上げる。

「ここにいると新しい技が思いつくぞ」

【レフトハングオン】
左手の剣にしがみつくようにグライダーのように滑降した。
ズッガー
ヘッドの下部分を切り裂く。
流血も焼けて止まる。
4325

「一匹だけなら話にならんぞ」
ドーン
花火が鳴ったような音がした。
もう一体。
バーラルレディヘッドが二体で踊り狂う。


2


「とう」
エドアールは敵の高さまでジャンプする。
「五月雨(さみだれ)」
ズガガッガガ
4512

どす黒い炎を吐いてきた。
ごああああ
「ドラゴンシールド」
楯で防ぎ着地する。

もう一体が、目からビームを放つ。
【怪奇光線】
ガー
「ぐっ」
エドアールはくらった。
魔法騎士の鎧の上から567ダメージ。

【シンドローム】
キンギンギラギラ

エドアールは伏せた。
「意識を失ったらまずい…」
こっちは一人だ。
そのときファイアーボールが降ってきた。
炎の騎士が馬に乗って後ろからやってくる。
≪力になる≫



3


「火焔手裏剣!!」
燃え上がる炎の十字手裏剣がおそう。

1800
1802

「エドアール殿!何を遠慮している!?」
「そうか、よし」

【レフトハングオン】
軽快にジャンプし滑空する。
4512
バーラルレディヘッドは真っ二つになった。
地面に落ちてきて燃えている。

炎の騎士は炎の剣で攻撃。
たおした!

「経験を積むと、火焔手裏剣が炎の剣の仮想魔法でつかえるようになる」
アドバイスされた。

「ニフラムのビンが!」
液体のお金がチャージされている。


4


エドアールはもういちど炎の女王にあった。
そしてエノクの靴を褒美にいただいた。
いろんな能力がトッピングされて少し上がる。
力、精神、運の良さ。

ファッションリングをアルバリシアのお土産に買うと、炎の馬車でラグナクロクに送り届けてもらった。

「ふう、仕事が終わって帰ったって感じがする」
授業など終わると、解放された感覚があるだろう。
だが、自習を図書館でしているとする。終えるのも自分、図書館を出てどこに行くのかも自分、
場面が切り替わったという感覚がない。
そのかわり強制されるストレスもない。
仕事は使われて強制されるのでおわると体が自発的になる。
自習や自営業、社長などは常に自分の意思で自分を動かしているから慢性痛になるだろう。

エドアールは思った。
「…あるやつがいた。彼が自営業でどんなに成功したとしても、くやしくない。やったな、すごいぞって気分になるだけだ。だが、一流企業に就職してうまくいっていたら?なんだかしゃくぜんとしないで、おもしろくない」



5


炎の女王とパミラ・ミミトンが会話している。
「大自然は父なる畏怖するべき力。それから逃れて自由を手にした我々は父性を失い、母なる原料の混沌となった。それゆえ、形づくられていなく、秩序が必要なのだ」
パミラ・ミミトンがいった。
「自由ではあるが、経験も何もない。科学の進歩が長い歴史で常識とされた基準を破壊し、また母なる混沌へ…」


かつて厳しい自然が人間の生きる人生に制限を加えていた。
人間の王は自然あるいは神の仕業として、その責任を逃れることができたといえる。
いわば動かない現実が背もたれだ。
だが、現代の社会に置いて科学が進み、労働すらしなくてよいように価値観が変換している。
女性は子を産まなくてもよく、DNAを操作しなんでもできる。
コンピュータの進歩が働くという意義と価値観を覆す。

100200年以前の世界とスタイルも何も自由になり世界観が変わった。
そのかわり通用する秩序をみいだすという父性の仕事が出現している。
自由になりなんでもできるどころか、自分で通用する世界を造らなければないのだ。
自然が構築した掟から逃れられたが、こんどは父なる自然に逆らったため助けてくれない。
それが、パラレルワールドとしてかかれた、試論の複数の世界なのだ。
コンピュータのシュミレーションソフト、CADで建物を構築するように、現実化する前に論理的に試論して実験してみた。小説という道具を用いて。
ほとんどの自由な世界は壊れる。
成り立たないからである。

やはり根本は古代からまかりとおるルールをベースにしていなくてはいけないと筆者は考えている。