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2014年3月8日土曜日

エパフロデット登場





エパロデト登







1


発車前の宇宙船。
飛行機の客席のように座席が並んでいる。
まだ、テスト中のようで本格的に離陸態勢にはいっていない台風の目のような雰囲気が流れている。
ラジオもノイズがはいる。
客が来る前の10時ころのコンビニエンスストアのような。

エパフロデットがガラガラの座席にはいってきた。
大柄で筋肉質のエパフロデットはサングラスをかけ、こしかける。
「……」
窓の外を無言で見ていた。
不意にとなりに大柄だが細身の女が飛び込んできた。
「エパフロデット!ひさしぶり」
「あ…迎えに来てくれてたのか!しばらく」
「辛い研修も終わってやっと国に帰られるのね」
「ああ、十分すぎる以上に修行してきた。誰もかなわないかも知れないさ。そっちも?修業は完成してパワーアップしたって感じしてるけど」
「もちろん。みていて、楽しみにしていていいわよ」

研修から解放された開放感でエネルギーがあまっていた。
「グレートシティに帰ったら…」

エパフロデットの武器を持っていないときの技。
エパフロデットバスター。
相手を高々と持ち上げ、ジャンプし、中空から落ちる。
足の膝を立てて棘をつくり、そこに相手を突き刺すかのように着地の衝撃をたたきつける。

「ああ、余暇のときに仕事をしようとするから疲れたりするんだ。だんだんなれてくると、空いている時間に仕事のことを考えてしまう。それで楽しめないんだな。ハッハッ。仕事とプライベートの時間をめっきり区切るようにしたんだ。あーでも終わったなー」

クラスルームに学生が順次着席していくように、ガラガラの客席が混雑してくる。

「あー、オレはクリスチャンだからさ」
「なおってないのね。その口ぐせ」
「まあ、同中楽しんでいこうよ」




2


ステファノがノートパソコンを開いてプランを練っていた。

なぜだ…!?バスケットやってましたよね。とオレをみてささやくのは。四角パスはとれないやつが悪い…。

時空警察の隊員専用のウェブページを閲覧して、きがついた。

エパフロデットが帰国…!?
イエス…
企画部を中断して一刻も早く特別防衛隊、隊長の任務の辞令を提出したくなる。
ヤツ(怪物)が…



3


アルフレットとマハリクはグレートシティの往来を歩いていた。
マハリクに話さず、アルフレットは頭の中で考えていた。

アメリカは自由の国という感じがする。
自由の代わりに助けてくれない世界。
時空警察のメガロポリスは青く澄み渡っているがみえない掟にしばられて窮屈な空気を感じる。オーラに守られると同時にしがらみを感じる。

時空警察のジュール。
なぜか彼とは顔を合わせづらい。
面と向かって顔を見るのも話をするのもはばかられる感じがする。

エジオン。はじめてついたときはSF映画に出てきそうないかにもって感じの異星。
だが、エジオンは大したことない。
そんな感じがした。
それはパーカーと一緒にいるからだ。中央から下を見下ろす感じでいるからそう見える。
ここグレートシティは下から天高き時空警察のビルを見上げる形になる。
広大な大世界を感じてしまう。

ABCホテルにチェックインした。
ABCホテルとは料金の安いホテルだ。
朝食にコーラとハンバーガーがでるだけで、昼と夜はなし。

「エジオンのジャイロで働いただけじゃ外貨がこんなもんしかない。パーカーもクラークもせこい。このままだと節約して5日もすればなくなる」
マハリクがいった。
「まあまあ、お金なくなったら魔法陣ですぐエジオンに帰ればいいから」
「そうか、ありがとう」

アルフレットは資金がなくなったらドラゴンソードを下取りに出そうと考えた。
剣は三つもあるし、正義の剣は売るわけにいかない。

コンビニでヌードルを買ってきた。セルフでお湯をいれてもらった。
「ハイ、フォーク」
近くの公園で二人で食べた。
「ズズズ」
「グレートシティも二度目だ。アリスタンダー討伐とかいわなけりゃ、国から旅費も出ない」
「まあ、いいから」
「明日の昼はシリアルに牛乳をかけてもらおう」
「ここのコンビニで?」
「そう」

その後、書店に行った。
金がなくても時間がつぶせる。
立ち読みしないまでも、タイトルや雰囲気で世界観を知ることができる。
「おっ!?」
みるとメガロポリスの首都グレートシティ。メガロポリスのもう一つの都市フィラデルフィア。
「メガロポリスの二大都市か。行ってみたいが運賃が…」
マップをみるとデカポリスは別の塊だ。
デカポリス、グレートシティ、フィラデルフィアとならんでいる。
海だけの星のそばの都市とある。
「ふーん。デカポリスはさらに10のエリアに分割される」

その本を買ってレジで支払った。
クラシックコンサートの割引券をくれた。

「なにその券?」
「ペアチケット。『聖槍ロンギヌス』割引券」
「みにいきたい」
「いくか…明日だ」




4


コインメタトリー・エカルテ

クラーク自宅

こたつに娘のトテッチとクラーク、妻のザフラがはいってTVをみている。
「このあいだの『聖槍ロンギヌス』すごかったな」
トテッチがいう。
「おっとう!おっとうともうお別れかと思いましたな!」
「ああ、最後のあれな」

楽団が聖槍ロンギヌスを演奏する。
「キリスト受難。ドロローサの道か…」
アルフレットとマハリクは席に座り聞いていた。
大勢の客がいる。


座り心地の良いイスにもたれて、ふたりと全員は聴きほれた。
自分一人で聴くときと違って、敷き詰めるように座る客のおしりの重さが自分にプレッシャーをあたえる。迫力だけ増幅されて伝わる。
だが、そのぶんつかれた。
終わってロビーでジュースを飲んでいるときにはぐったりしていた。

「古代王国に行ってきたみたい」
「ムウン、疲れた。警備員にあたまをさげられ紳士にされた」
「でもそのぶん、迫力でたし」



5


帝国への出張から帰ったヴィクターは人事報告をみて笑ってノートパソコンを閉じた。
ダン!

「エパフロデット…身長じゃ負けてなくても、横幅と体重で全然勝てねーんだぞ。食いものも、酒も違う量食って体壊さない体だ。あんな体だからウォトカとかストレートで飲んで壊れないんだぞ。あの年でおっさんのガタイしてやがるだろ!?」

怪物との評判だった。



6


ABCホテル

「アルフレット、アルフレットおきて。あー靴はいたまま寝てる」
「ZZZ…うーん、ハッいかんぞ、男の部屋に…」
「ハンバーガーの朝食、食べないとさげられるし」


その日の昼。
ふたりはコンビニでコーンスープの温かいのと、ゆで卵を買って公園で食べた。
「あったかいね」
「ちゃんと塩ついてるし」
「味塩とかだね」


空港から旅行バックをひきずり歩いてきたエパフロデットは女性と別れた。
「じゃあね。また」
「ああ、それじゃ」

アルフレットとマハリクにあった。
「む?やけにガタイのいい野郎だ。軍人だな」
アルフレットはみていった。

アルフレットはエパフロデットに話しかけた。
「おい、時空警察でトレーニングしたいんだが金が少ない。そのかわり最強クラスの修行でいいんだが案内してくれないか」
「…おい、金がないからって暴徒とかすなよな」
「なんだと貴様」

「いいだろう、俺が稽古をつけてやる素手での格闘だ」エパフロデットはそういった。
「なんだと!?望むところだ」

アルフレットがつかみかかろうとすると、エパフロデットは旅行バックを捨てて消えた。
シャ

「なに!?」
「こっちだ」
エパフロデットはアルフレットにむかって猛烈ダッシュした。
ダダダダダ
さらに軽く飛んでドロップキック!
アルフレットはとっさに腕でガードした。
「うごっ」
ドガ
アルフレットが数メートル吹っ飛ばされた。
エパフロデットは軽く着地。

おきあがりながら、アルフレットはいった。
「く、オーラでガードがおくれた。全開でふかす」

マハリクが心配した。
「あああ、あのアルフレットが、大丈夫なの!?」

グオオオン
アルフレットが輝きだした。
エパフロデットが突っ立って見ていう。
「ホウ、暴徒にしては強いオーラだ。このグレートシティのふもとで恐れのない」

「アルフレットパンチ」
4888
「フン」
エパフロデットは軽くひねり返し、アルフレットをぶん投げた。

「のわあああ、バカなこのアルフレットが」
地面にたたきつけられる。
「ぐっ、この力は」
エパフロデットはいう。
「オレはオーラをほとんどだしていないぜ」
「…なにやつ」
アルフレットはオーラパンチを連続して出した。
エパフロデットは軽く突きを前に出した。
ズドン
アルフレットのミゾに深く食い込む。
「ぐ、ぐぐぐ」

「じゃあな」
去ろうとするエパフロデットにアルフレットが呼びとめる。
「こ、これをくらえアウストロクロス90%」

ボッウッ

「エパフロデットガード」
アルフレットの火力をガードが全部はじいた。
「!」

エパフロデットをアルフレットの体をもちあげると、高だかとジャンプした。
「アルフレット!」マハリクが叫ぶ!

「エパフロデットバスター!!旅人の強者よ、安らかに眠れ」
アルフレットは万力で絞められたように動けなかった。
着地とタイミングを合わせ、ひざをたてて棘にした足にアルフレットの胴体をたたきつける。
ドウ
「がああああああああああああああああああああ」

「さらば、とどめだ。サイコシェイク!」
エパフロデットはグーを握り締めた。
空間そのものがシェイクされ、アルフレットの肉体がちぎれる。
「のあわあああああ!???#$$」
9999

ドザッ…

マハリクが助け起こす。
「大丈夫、無茶するから」
「ああ、なんとかな。かっこ悪いところを見られた…」
「いいから」

エパフロデットが旅行バックをひきずりながらいった。
「時空警察で戦士を募集している。仮免許なら受かるかもしれないぜ」


クラークをとおして話はオーブリーと炎の女王の国にいるエドアールに伝わった。

オーブリー「アルフレットがやられた~!?ただ、投げ飛ばされただけだろ~」

エドアール「バカな!あの、アルフレットがミンチにされた!?それほどヤバい相手が!?」