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2014年2月4日火曜日

詩小説、フロントガラス…





フロントガラスに大粒の雨水がすいつき、

ワイパーが規則正しい動きでガラスの表面をふき取る。

夜というには早いはずだが、

雨模様の天気のせいか深夜に車が走っているように感じる。

道路の前や横を走る車のヘッドライトやバックライトが、

雨で滲んでぼやける。

クラクションや排気音が麻酔がかかったようにうつろに聴こえる。

運転席の男にそっぽを向いている気まずさのまま助手席に座っている。

いや、違う…なにも問題は起きていない。今現在…

雨ぞらの暗さとフロントガラスが濡れてにじむ光景に、そう錯覚している。

どこをはしっているのだろう…?

昼間の明るいときなら、なあんだあそこか、とわかるのかもしれない。

市街地の中、案外あの辺を徒歩でショッピングしているのかも、

何週間か前の昼のわたしは…

歩道の向こうは温かい小売店の看板や入口…

十字の交差点をなんどか通過していくと、歩道の店舗がシビアにかわってゆく…