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2014年1月24日金曜日

あの日の囚人


体の頑丈な囚人がねころんで壁のしみを見つめていた。

すると、おもしろいマンガが描いてあるのに気がついた。

読み終わると次が見えてくる。

囚人が頭の中で妄想しているのか、壁のしみがそう見えるのか!?

囚人は夢中で読んだ。

何日も過ぎた。




いつものようにマンガを夢中で読んでいると、大地震が起きた。

「揺れている…ものすごい揺れだぞ!?大丈夫か」

マンガが読めなくなる。

それどころではなかった。囚人はマンガのことを考える余裕もなかった。

それほどの揺れ方だった。

刑務所は大混乱だった。

さすがの囚人も、地震が止まるのを願っていた。



囚人はガタガタ震えた。

みなそうだった。

きがついたとき刑務所は壊れていた。

囚人は自由の身になった。

心配ごとの一つを解決してくれたのは別の心配だった。

囚人は湖の近くまで逃げた。

まだ、余震が続いた。

囚人も恐れた。

また、囚人はマンガが読みたかった…

自由になったのでなんでもできる。

マンガに書いてあったようなことを実行したかったが、大義なのでやめた。

そのころ喫茶店でコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。

アップルのスティーブ・ジョブスが死んだのを読んだ。

「あのマンガと同じだ。ジョブスが夢見て形にできなかった作品はなんなのだろう?!」

それから幾日も過ぎた。



づつく…