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2014年1月5日日曜日

時空警察特別出動






時空察特別出動










1


エルダとファジオがのったツアー宇宙船はコインメタトリーのブロームインのエアポートに到着しはじめた。

≪座席に着席して、シートベルトをおしめください。あと1時間で目的地、コインメタトリーのブロームインに到着いたします。くりかえ…≫
緊張感があるので座っているだけで早く時間が過ぎたきがした。

「やや、シートベルトがしまらん」
慌てるオヤジをみて感謝する気になる。

駆動音が滑らかにガスを噴射する様なのがゴオオオオオボオボと乱暴になっていった。
窓から一瞬見えた。
「あれが、四つの円盤の星?コイン…」
「くっきりみえる。確実にそうだ」

意味深な信号が走っているのが敏感にわかる。
自分は客で緊張しないが、パイロットや向こうのエアポートのひとたちが戦っている。
新米でないにしろ、着陸のためのプレッシャーに勇気で対抗している。
経験を積んだなら不謹慎でない意味で仕事を楽しめるくらい行くだろう。
自分は座り心地の良いイスに深く座り、力むふりをしてみる。

急激に反射にガスをだしてブレーキをかけるのか結構揺れる。
ベテランのパイロットだと熟知して「なあに、なんでもありませんよ」と行くだろうな。
着陸のための最後の勝負!コンピュータのソフトウェアまかせなのか、機類のチェックが仕事なのか!?
レバーをにぎるのか。

浮かんでいる。
宇宙空間に。
トンネルのような駐車スペースというのか格納庫に入っていく。
ゴンドラがポートにはいるように。

安心を促すアナウンスがかかる。
船にブロームイン内部に運ぶ橋がかけられた。

順番に降りる。
バック等はエアポートの中で受け取る。
≪ロッカーにしまいました、手荷物をお忘れのないよう…≫

「…」
ファジオはすこし額に汗をかいて、興奮した。
「降りるよ」

ツアーなのだが、降りるのに混雑した。
まごまごしている旅行客がいるが、そのぶん自分たちはゆっくりだ。

ツアーコンダクターが軽く案内する。
エアポートのお土産物屋。
四角い箱にきれいな包装紙でつつんである。
エアポートの通行人はみんな多荷物を抱えている。
そのため、店内の狭い通路ではお互いの荷物がぶつかりそうになる。
品物にバックがふれないよう気を使って疲れた。

ブロームイン内のホテルに案内された。
今日は一日ここに泊まる。
やっと地に足がついたきがした。



2


ヒゲそりのクリームから使い捨てヒゲそりまでそろっている。
一回サイズのチューブというのか試供品のようなやつだ。
「…」

アルフレットから携帯電話にかかってきた。
宇宙船の中にいたときにほしかったな…とか思ったがでた。
≪ブロームインか…≫
そういっていた。

喉が渇いて冷蔵庫のビールを飲んだ。
あとで高い値段なのを知って失敗したとおもった。

うつるTVもめずらしく、窓からの景色も新鮮だ。
だまってソファにこしかけているだけで5日は楽しめそうだった。

観葉植物もみたことがないものだ。
盆栽のように面白い。

地球でいうインドやインカのようなエキゾチックなホテル。
ネットをいじれるノートパソコンもついている。
マップをみて予習してみた。

民宿と高級ホテルのような場違いな雰囲気を併せ持っている。

夕食は牛の丸焼き。
それをでかいナイフで調理人が切って唐辛子ふうの辛味を鉢のような壺にどっぷりひたして、二度焼きする。
テラス席のように大勢で横長の楕円のテーブルを囲み、調理師がその中で調理する。
火をボンボンたいて照明を暗くして、野火で豚を焼いている感じだ。

酒もブロームイン独特の酒。イーゼル。
果物のようなエーテル臭、それを追いかけようとすると無味無臭の焼酎のような味になる。
囲んでいるツアーのお客さんの顔が火に反射して赤い。
肉と酒だけの夕食だった。


そのころ…



3


「ヴィクター隊員、ジュール隊員、ステファナ隊員、全員最強のフル装備で行くようにとの指示です」

テレポートマシンにむかう。
ジュールがいった。
「ヴィクター、またホワイトグラスをはずしていただろ」
「ああ、呼び出し音で通じた」

エニゴンモニスタがまた暴れている。
ついこの間の戦地にむかう。

GO!


塔をのぼっていく。
ジュールが戦ったフロアまでつく。
宙空のつつぬけ。

三人は空を飛んだ。

輝く星雲が見える。
別天地のような。

エニゴンモニスタが動いている。
巨大な蛇のように。

「やつは…」
「あいつかジュール」
「そうだよ」
「イエス!」


「!」「!?」「!!」

もう一体蠢いて曲がりくねっている。

≪神 アストロイザー≫

「アストロイザー!?」

天を舞う二匹の化けもの。

≪我々は本体の神の両腕にすぎない≫
人形劇の人形を腕にはめているような、巨大な蛇が腕のような。

「なるほど、シット!奴は本体の右手とかだったのか…」ジュールがいう。
「どうりで、本体が見えないほど巨体」ステファノがいう。
「…普通の敵はオレには止まって見える。…だが、こいつはどうかわからない。パーフェクトボムでいっきにふきとばす!!」

ヴィクターが完全に構えにはいる。

「ぐああ」
「おおお、力が抜き取られる」
声を上げたのはジュールとステファノだった。

「すまん。悪いがお前らも力を貸せ。パーフェクトボムに力をためる!!」

ルーオオオオオオオオ

シュゴオオと周囲の気が渦を巻く。

「強引だよ。これじゃ病気になって寝込むほど、エネルギーをもぎとっているぞ。…でもいけヴィクター」
「OK、かなりしんどいけど耐えます。撃って下さいヴィクター隊員!」

「まかせとけ」
内心ヴィクターは致命的ダメージに届くかバクチだと踏んでいた。
敵も黙って待っているほどおとなしくなかった。

【三連撃】

【ブリザードボム】
【アイスナパーム】
【グレネード・シュレー】

「グッ!?冷凍攻撃の応酬か」

三名の隊員とも凍りついた。
「イエス、防寒具を装備してきて正解でした」
口に凍りついたつららを手ではぎとる。

ヴィクターもパーフェクトボムをため込むのに防御の取りようがない。
雪山で遭難しかかっている山男のように雪だらけになっていた。
「あと少しだ。耐えろ」

構えたヴィクターの手に巨大な球状のエネルギーがあらわれ膨らんでゆく。

キューンブオオオオオオオオ

「ハッ!」

ピカ


ズズズズビビビビシイイイイイ

64512



4


「やったか!?」
天の上では爆発の収集がつかないでいる。
もうもうたる煙だ。

「イエス。きつかったけど、かなりの破壊力だ」ステファノがいう。
「…いや、この気配は!要注意だよ」ジュールがいう。

ズゴオオオオオオ

三名とも気絶しそうにショックだった。
二匹というのか両腕ともまだ生きている。

「シット!!」
「あー、まだピンピンしてやがる」

ヴィクターは息を切らして突っ立っている。
「はぁはぁ…」


敵の攻撃

【精神エネルギーをドリンクする】
【生き血を吸う】

1500
2556
1715
「うわわうあ、こんなに体力を持っていかれる」
「パーフェクトボム以上です。敵は回復している」
「ぐ、クソッ」


ジュールがオーラシュートをうつ。
ガガガガンゴッゴゴオン
致命的な爆発音が鳴る。

9999

【ダークサイクロン】

「うおおおお」
「思考がマヒする」


さらに
【死の言葉】
【脳細胞破壊】

致命的な攻撃がさらに続いた。
【両手からの極度の怒りのマグマ】

「な…なんなんだ!こいつ!?」


5

ジュールとステファノが地に伏した。
「ぐ、このぼくが、簡単に」
「なにものなんだ、」
「くそ、回復アイテムだ」

そのとき髪の長い人間よりやや大きな身体の男が近付いてきた。

【イエスのパイパーアウストロクロス】

ヴィクターのパーフェクトボムよりこぶりな魔法球が破裂する。
ふおおおおん

ヴィクターは考えた。
(誰だ…!?)

まばゆい青白い輝き。
両手は爆発している。
23654

さらに三人に光の玉が降り注いだ。
4000回復
【イエスのクール・ヒーリングボール】

「まだだ、まだくるぞ」イエスはいった。
「よし、もういちどパーフェクトボムをくらわせる」

空中に浮かびふたりは天を見る。

イエスとヴィクターがオーラのエネルギーをぶつける。

シュガオオオオオオオ

「おおっ!?」
「二人同時!?」

パーフェクトボム:43211
イエスのパイパーアウストロクロス:31248

「ごおおあああああ」

ダークパズル…
ダークサイクロン…
ダブル攻撃

イエスのまわりに八つの護符があらわれガードした。
「おのれ、そうは喰らうか」
イエスは体が一回転しただけで無傷だ。

「オレに剣の技を使わせる気だな」
ヴィクターはハイパワードソードを抜いた。
ブン、ブオオオオオン

「風神剣!!」

左手のアストロイザーに斬りつける。

ドガガ 23454

「イエス、ソニックブーメラン」
「僕が右手を」
ジュールがグレートソードに力をためる。

魔封剣 23451

最後に敵は怒りの攻撃を放ってきた。

【両手からの極度の怒りのマグマ】

イエスが力を放った。
「この回復術にも欠陥がある!体を冷やして回復するが、あまりつかうと半作用が出てくる」
【イエスのクール・ヒーリングボール】

4人はこの聖なる力に守られ、しのいだ。

あたりはキラキラ輝き、雪と雪解けのような。
もう吹雪で視界が見えなかったのが晴れ渡り、絶景が見えたような。

だが、四人ともくたくたで、ぐったりしていた。
「やわなつもりじゃなかったけどな…」ヴィクターがこぼした。
大爆発の連続で、もうこりごりというきになっていた。
しょんぼりしてショッキングなエピソードは映画でもおことわりという。

「はぁはぁ、まだまだ」時空警察の意地。「今度の勝負で1000年は暮らしていける強力なアイテムが手に入る気がするよ」ジュールはそういった。

「イエス、まだ凍えそうです。あったまりたい」
ステファノも笑ったが、涙でぬれて食物にかじりついているようなしょっぱい味がしていた。

イエスがいった。
「いこう。上に何かある」




6


塔の上
像がある。
「これがおそらく、奴の本体だ。自らの体をダイヤモンドの像に封印している」
「どうするんだ!?」ヴィクターがきいた。

四名に聞こえた。
そっちから、何かかかわらない限り、向こう1500年は静かに眠りにつく。
それだけは約束する。

そう聞こえた。
「…」
「このまま眠らせておこう」
イエスはそういった。

やすらぎと愛

「生きているだけで幸せだという実感でいっぱいです」ステファノがそういった。
「…いやしいようだけど、宝は?」
「フン、そうだぜ」

光る粒が落ちてきた。


【奇跡の真珠】











第一次戦終了祝賀ムード









第一次戦終了祝賀









1


パーカーの基地。電話に出るとファジオだった。
「ファジオだ。旅行に行くから休暇を取るという」アルフレットがいう。「オレもジャイロに戻るか」
パーカーがいった。「まて、祝賀会を開いてからだ。結構な期間緊迫していた」

カーターはすでに地球に帰る船に乗っている。


エカルテ城

「エドアール…オーブリーも戻っきて」クラークは喜んだ。
「でも、最後は時空警察が倒しましたね」秘書猫がいう。
「そうだな。まあいい。でも、お祝いだな、とりあえず」
「エドアールは10000コイン得た金をどうするんだ?」オーブリーがきく。
「…ドラゴンソードを売っている店を探してみる。折れたグッド・ソードの代わりだ。アルフレットにきいた。実は地元なのに気がつかなかった」エドアールはそういった。
クラークもいった。「武器防具といえば、ブロームインのな。魔法騎士の鎧。これいいな。大量に仕入れてエカルテ兵に装備させるか…」
エドガーがいった。「いくらですかな。ほう3400コイン」
「どれどれ」オブリーもモバイルでチェックした。「まえ、もらって装備したボンバーアーマーは8500コインもするぞ。それよりは安価だけど…」
「まとめて注文しましょう」エドガーがいう。
「ちょっと、まて電話かける」

20甲冑注文した。
65000コインに値引きしてくれた。

「これからエカルテの標準装備にするからな」
オーブリーとエドアールにもいきわたる。



エドアールはドラゴンソードを買いに出かけた。
それほど苦労しなくても店は見つかった、がソードは品切れだった。
かわりにドラゴンシールドを10000コインぴったりで買ってきた。

「防具が豊作だ。ハハッ」エドアールはそういった。

エドアール
装備:
槍:オーバーランス
剣:半柄の剣
鎧:魔法騎士の鎧
楯:ドラゴンシールド



惑星エジオン

アルフレットが夜、コンビニの前を通りかかった。外は寒い。窓の中はあたたかそうで明るい光に照らされていた。
湯気が窓を内側から曇らせているように見えなくもない。
「寒いね…」
アルフレットは中にはいると、他の客が何人かいる。本人はそうでもないのかもしれない。だが、他人のアルフレットにははしゃいでいるようにみえる。
「なかいいね。頑張った自分に御褒美に甘いものでも買うか、ひさしぶりに」
パッケージにはいった簡易ショートケーキ。だが、うまい。
どらやきの豪華なつつみの。甘いものも甘いのでビールにしようか。ババロアケーキ。
「ううん。どれにするかな」
眼に鮮やかな商品が飛び込んでくる。
暖かい暖色系のやわらかいやさしさだった。

結局フルーツ・ケーキをひとり分買って、缶コーヒーも買ってレジでエジオン証明書を見せてポリ袋にいれてもらった。


次の日

「…」
アルフレットは自分の仕事部屋からパーカーにメールを入れた。
アランとアルセウスは仕事部屋ですることがないとすぐコーヒールームでたむろする癖がある。
《パーカー。コインのエカルテでは魔法騎士の鎧というのをさんざん仕入れたぞ》

パーカーは自分の司令室で寝ぼけていた。
「うん、メールを見るか。なに」
パーカーもメールを送った。

《コーヒールームにこい。とりあえず会議だ》

パーカーは煙草に火をつけた。「フーッ。いくつ仕入れる」
10甲冑だ」アルフレットがいう。「壊れてもはきかえられる」

運搬宇宙船の会社がエジオンに運んでくれる。
もちろん他の積み荷といっしょだ。

ザールがメールを書いてきた。
≪毎度お買い上げ。ただし魔法騎士の鎧といっても特殊効果はない。魔法を防ぐとかはない。注意しろ。それとこれも荷物に入れた。おまけだ。奈落の肩あて≫

「なに!?レベルアップが早い代わりにあらゆる能力が半分くらいに落ち込む!?」
「まさにアルフレット用のアイテムだな」パーカーはそういった。
以後、奈落の肩あてはアルフレットの装備となった。



2




ファジオとエルダは座席でシートベルトを締めて着席していた。
第一の目的地はコインメタトリーのブロームインだ。
エキゾチックな土地にいきたいとのエルダの要望からだった。

途中宇宙ステーションによるそうだ。
窓を見ても見なくても、自分たちはお客さんだから黙っているが、まわりは離陸の準備で緊張しているのがわかる。
ジープのような風変わりな車が近付くような近づかないような、カメラのフラッシュをたいてさるような変な動きをしている。
あっちのエジオンの空港でも、コンピュータから従業員から神経を怒らせてなにかを確認、チェックの厳しいので、バチバチ火花が上がっている気配だ。

ちょっとだけ、客なのに反対の従業員の気分に浸ってみる。
こっちはなんでもない顔をしてシーンとしているが、あっちは青い顔をして神経質になっている。高い買い物をしているとの実感。

エルダは今朝、出発の時ショールを組んだ腕に巻きつけ、こういった。
「ニィハオ」

今となりにいる。

「健康診断でストロボを焚かれている気分だな」
「CTスキャンとかっていう意味?」
エルダは意外と客になりきっているのか?

まだ発車しない。
時計を思わず見た。

子供になった気分なんだ。ファジオは実感した。緊迫しているのはあっちでこっちは無責任にリラックス。子供のころの自分と両親の関係。

振動音や風の切る音がプロの仕事というかホンモノの宇宙船に乗っているという気分にさせる。

アナウンスが入る。
見回りのツアーコンダクターがまわる。
なにか外でも専用室でも素人にはわからないサインを出し合っている気配がする。
ツアーコンダクターはブロームインの二日まで案内するという。
予定ではそこで切れる。
自分とエルダは帰るも、メガロポリスまで向かうもフリーだ。

≪~では、発車いたします≫
スルスルスルと滑らかに動きだしたのはわかる。
いつの間にか垂直に近く浮き上がっている。
「おおすごいな」
「地球の船はもっとがさつだったわよね」

こんな簡単に行くなら自分でも運転できるとファジオはおもった。
窓の外が暗くなる。
夜の景色だ。星が見える。
エジオンをみたいが窓から見えない。

ここに来て初めてファジオは不安を感じた。やはり自分は地球人という気がする。こんなところまできては、エジオンならまだしも、さらに遠くの宇宙。地に足がついていないという気になった。

他の乗客の雰囲気と居心地は悪くなかった。
やや不安で神経質だが、そのぶん清潔で背筋が伸びている。
おでかけのきちんとしたムードで帰りの船なら、ぐでぇとだらけているかもしれなかった。

ファジオは少し退屈になり、エルダが何か言ってくれないかなと考えたりした。
手が空いて、なにかチャンネルをいじりたくなる。
エアーイヤホン、ラジオのチャンネル。新聞、案内の小紙、こんなものだ。

夜なのに昼の新幹線という感じで乗客たちはみんな生真面目な顔をしている。
夜なのにカフェインか何かで目が覚めて、何か目で追っている。どうせ明日は休みで寝てていい。

ライトな飲み物が配られた。
ツアーコンダクターは地球のスチュワーデスと同じような仕事もする。旅行船と会社が結合している。

向こうからくる別の宇宙船とすれちがった。
ファジオはニヤとわらってみていた。
「ずいぶん近距離を走るんだな」
「ほんと、ぶつかったら危なさそうだけど」

機内は人工的な空調だった。ボンドや革のような安定した気分になるがスカスカしている。
「ああ、ややこぼしてしまった」
初老の紳士が前の方の座席でもがいている。
退屈しのぎにもっと何かしてほしかった。

体内時計でいう夜になって、ワインが配られた。
樽ごと船内につまれているというだけあって木のにおいと焦げたトーストのにおいが強かった。
ファジオとエルダはグラス一杯だけ飲んだ。
あまり飲むと悪酔いして前のオヤジのように具合が悪くなる。




3



≪レストランルームはただいま大変込み合っております。大変ご迷惑をおかけいたしますが、時間をずらすなどしてご利用くださいますよう…≫
アナウンスが流れる。
「どうする?夕食こんでるみたいだけど」
あまり食べたくないと思ったが、まったく喰わないわけにもいかない。
まわりをみると自分のオヤジかくらいの年の人が多い。
若者が少ない。もし、若者的なことで困ったことがあったらどうしようと思った。
いや、年配のオヤジの方が安心していられるか…

「少しずらせばすいてくるから、もう少ししたら食いにいこう…。アナウンスでもそういっている」
ファジオはサングラスをいじった。

船の金額からしてビリヤードなどの遊興設備はなかった。
軽めの夕食をとるとスリープルームを確認しにいった。
カプセルで眠る。
一人ひとケース入れる。

ドライシャワー
WCルーム
女性用化粧室
男性用喫煙室
医務室
自動販売機コーナー
手荷持用フリーコインルーム


スリープカプセルに入ると冷温と温風であっためられたり冷やされたりする。
チリコロ水の流れる音が流れ続ける。
たちまちファジオは眠りに落ちた。

■□
自分でセットしたタイマーで目が覚めた。


座席に戻る。しばらくしてエルダも来た。
「おはよう」
窓の外は相変わらずだ。
蒸しタオルが配られた。
顔をあらってきたが、暖かいタオルで顔をふくと気持ちいい。
あと、ブロームインの名産品やなんかのならんだ広告カタログ。
冊子のようなもので見ていると暇がつぶれる。

「やや、よく寝た」
オヤジがなぜか親切に感じる。





4



船はいつのまにか宇宙ステーション:プレートニクスについていた。
アナウンスがかかっている。
TVゲームのように浮かんだブロックの板が窓から横にみえる。
エルダと二人で降りた。

船の乗組員はプレートニクスで物資をいつもの予定通り仕入れて補充し運搬していた。
基本データをやりとりして常に前もって到着前に準備しておく。
ゴミや廃棄物も有料で引き受ける。
リサイクル処理システムが作動している。

アナウンスでいっていたが、食事をとりたい方はここでとるのもいいといっていた。
食べることにした。
宇宙ステーション:プレートニクスはジャイロダインと趣が違った。
ジャイロダインも宇宙ステーションだが自分たちのステーションということで客と従業員の違いで見え方が違う。
コンビニの店長が違うコンビニに入ってみるみたいな感じか。
「ふーん、にぎやかだ。ジャイロは自分たちメンバーしかいないという気がする」

レストランにはいってみた。
基本座っているだけなので腹が空かないような、未知の世界に踏み入れて新しい体験なのとで逆に腹がすくような。
単身ここにきたらどうだろう?身軽で怖くないだろうか。少し緊張しているのに気がつく。
ショッピングモールの派手なレストラン街なんか、デザインが派手でかっこいいが緊張してのどが詰まらないかとの心配も出てくる。ところが通路からのぞいて見るとみんな楽しそうに快適に食っている。
よく「TVがついていないと食事が食べられない」ときく。
なるほど、飯を喰うなど、毎日のことでありながら難しい作業をこなしているのかもしれない。
忘年会でお通夜になったら凍えてはしももてないし、喉につかえる。そんな大それたことをしなくても毎日の食事でも同じことがおこりえるのだろうか。
お祭りみたいな賑やかな所で食べれば、安心するかもしれない。学食とか。でもそこで浮くとマイナスの作用になるのでもあるな。
縮こまって緊張して怖いから食いにくくなるのだ。
自分は知っている、お葬式とか盛り上がらないで悲しむのがあたりまえだから、かえって食が進む。大往生とかそうだ。
エルダと自分なんかほうきではたいても壊れないかもしれないが、ハンマーでたたくと壊れるカップルなのかもしれないと考えた。
エルダがよろこんでくれているうちが花なのかもしれない。
むこうが喜んでいるからおいしく食べられた。

宇宙船に戻る。
点呼は磁気カードを入口のリーダーが読み取ってコンピュータが計測してOKのサインをだす。
ファジオとエルダは席についていたが、乗り遅れてプレートニクスにいる客がいた。
≪大変申し訳ありません。船内にもどらないお客様がおりますので、もうしょうし…≫
アナウンスがかかる。
プレートニクスのコントロール室に連絡がいき、放送で呼び出された。

そんな感じでスタートした。
前の方の座席のオヤジは、「みやげにキーホルダー買ってきた。ややや、失敗した。自分の分を買ってこなかった。帰りによったとき買うか…」「もう買い物してきたんですか?」
ファジオはクスと笑って聞いていた。
お土産物屋によくあるキーホルダーとか小物がたくさん並んでいたな、と思いだした。
宇宙にまで出ても同じか。



5


エジオン

アルフレットは夕べ、予知夢をみた。
自分の体が強敵により粉砕され、再び機械の部品を埋め込まれた。
半分サイボーグだ。
「アルフレット・マーク2だ」

そこで目が覚めた。「ハッ…」


コインメタトリー・ラグナクロク

エドアールが軍の訓練をしている。
「強敵はたくさんいるぞ。訓練を怠ると食われる」
「そうだぜ」

素振りで汗をかいている。
「上が大問題をなんとかさばいてくれているから、オレたちは自分の周辺の問題を処理するだけで暮らせるんだ。勉強して改心したぜ。今まで自分一人の力で生きていた気がしていた」
「そうだぜ。そんなの小5くらいで気づいていたぜ」
時空警察から軍隊の経費で輸入したスポーツ用の剣。
ゴムでできた筒のような棒でしなる。
これで徹底的に鍛えている。
「甘いぜガンの時代だぜ」