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2014年11月13日木曜日

World planet huger ワールド・プラネット・ハンガー 2







2


World planet huger
ワールド・プラネット・ハンガー

閉ざされた世界










5 主題


この小説の主題は何なんだろう?
世紀末の世界。太陽が欠けたSF世界を描写するとこだろうか、共産主義の疑似体験をねつ造したものだろうか。読み物として面白ければ良いのだろうか。
文学。
自分のものと他人の物の区別がつかない人がいるとする。
誰か他の人が持っていて、自分にないからうらやましくて、自分のものだと錯覚してしまおうとする。そして泥棒、強盗に近い形になる。
そういう心理を分析するのだろうか。

ロシアの名作ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」などを読むと、人間の暗黒描写など書いているように見える。違うのかもしれないが。だが、分析的ではないように見える。
神が創ったのか、人間が墜ちてそういう現象が発生したのか、そのカラクリを解明する意図はないようなのか、現象を写実的にかいているような。
それが評価されて世界文学の地位を得ているのだろうか?

もらえない人はかわいそうである。だが、神はなぜそういう現象を用意したのか。罪と罰なのだろうか。だからといって犯罪をゆるすのもおかしいはずである。
悪人を許せ。7回の7倍ゆるせ。そうキリストはいうが。

なぜ罪と悪と罰が存在するのだろうか。

それに対する答えを模索するのも、この小説の任務でない気がする。

スピカがパンケーキを焼いた。
アレクセイもマチルダもフォークで刺して食べた。
「うん、うまい」
枯葉が散るこの世界で、ほっぺたをぶつけたような、そんな温かい甘さが元気にした。

悪人を許していたら善悪の基準がぐらつく。
それは事実だ。
それに妬み。
妬むのは後回しにした方がいい。
悔しいのはいいことでもあるが、妬むと罪の世界に落ちやすくなるのかもしれない。

「おいしいですね」
マチルダもほっぺたが落ちそうな感じだった。

あなたもわたしも、犯した罪の分罰せられている。そうなのかもしれない。だからこの世の不都合が存在するのだと。だが、罪なしで人生を全うするまで生きることは不可能なのかもしれない。できるだけ罪を償い、罪滅ぼしをしたものが幸福の度合いが強い人生を生きられる。
論理的に解明するとそうなのだろうか。
ドストエフスキーはどうしただろう。
彼は描写したが解明しようと考えなかったのだろうか。

「しっかし、食料難だからな。小麦粉もなにも」
アルクセイがいった。
「そういってソーセージかくしもってたり、ウオトカあおってたりするけどね」スピカがいった。
「配給のような世の中でもありますからね」マチルダもいう。
「本当に清貧で清いけど空腹に耐えかねている奴なんかいないよな」
「なんかそんなかんじ」二人の女がいう。
「自分どっかで罪作っている奴が本当に窮するのかな。でも怖ええな。助けあわないと」
そんなことをいっていると、全自動のスタビライザーが善人も悪人も裁いているということになってしまう。警察もいらなくなるし、経済学もいらなくなる。科学も…
どうも世界はそうはできていない。悪人の救済は善人の救済のあとまわしで何ら不都合がない。
どかんと印鑑を押したくなる。
救おうとしても救いかねるから悪人なのだ。

ハーモット伯爵がいった。
「そこで、われわれがいる。政治で経済じゃ」
「それもわたしたちが?」マチルダが静かにいう。
「まず、共産主義、帝国主義、資本主義などじゃ。わが世界の歴史に存在しては消えて一つた形態が数ある」
「学校の社会科で学びましたが、深く理解は…」
「それはそうじゃな。学校の教科書とも違う書き方をしている。あとで持ってくる」



6 ロケットの失敗


「ふうん、帝国主義の欠点の一つは単細胞のようにパワーアップして強くて正義を守るものが善だという……?…」マチルダはまばたきをした。
「…」アレクセイも無言で聴いていた。
「歴史的に400年ほど前のわが世界が多いでしたな」
「歴史小説とかで読んだな。うろ覚えだけど」アレクセイが口をはさんだ。
「ある意味単純バカのような世界でもありますが神経戦のような今の時代よりわかりやすい善悪かと」ハーモット伯爵はそういった。そして本を閉じた。「また、おいおい教授してにつめていきましょう」


「ねっぱった金!?」アレクセイが叫んだ。「わかるきがするぜ」
マチルダがいった。「なんですか?それ」
「え、わかりやすくいうとじゃな」
アリアロネンはどっしりした惑星アルヘレンのへその国だ。
全球体を統括しきれずあえぐ国。
物語ののちにはよその国もちゃんと出てくる。
ただ、地理のようにミニチュア化して書かれるだろう。
有機的な特徴まで創作できるだろうか。
数学の特徴はそれ自体本質であろう。
魚の骨の出っ張りは偶然じゃない。確実に機能なのだ。
言語は特徴が芸術的表現のようにアピールである。通信設備なのだ。
過去の英雄に論理的骨組とニュアンスのような、なっとくいく特徴を表現できれば、その英雄は生き生きと動き出す。

「買い物して買えるが、ねっぱった金で買ったモノはすぐ壊れるとか食べてもうまくないとか」
そういう説だ。
苦労して入った金と楽して入る金どこか粘りが違うというのだ。
「あるんだ!」アレクセイは叫んだ!「買えそうで、なぜか買えないとかな」
「そういう話ですか」
数字の上の大金はねっぱっている場合、関数グラフのようにぐにゅーんと圧縮して事実が買えるというのだ。
「数字で勝っているはずなのに、金の価値が相場のように揺れるというのですな」
あと、金をすぐ使わずに寝かせるとねっぱるともいう。
アリアネロンの国に伝わる経済学だ。



宇宙プログラムの計画を実行する用意はドタバタした。
技師ホビン頻繁に訪ねてきて打ち合わせをして、城の空き室に寝泊まりした。
「ぼくたちが組んだプログラムは絶対じゃないですよ」
あわただしく、計画はずさんで、アレクセイの采配もうまくことを運ばない。
原子力発電はまだ到底無理で、宇宙空間にコロニーのはこを建設する実験からだ。
あせりが、自信のない不安になる。
計画の意思決定が重い。責任者の責任逃れが幽霊のように浮かびあがる。
外部の業者も他人任せだった。
だめだ。気が重い。やりたくないから、計画をストップしてほしいか、流れるように通り過ぎてほしい感覚に一部の人が襲われる。
足がふるえて、へっぴり腰で進行した。
「だめだ、プログラムがガタガタいう。そっちはどうですか」

物事を推進する推進力が決定的にかけていた。
それでいて計画の中止も誰もいいだせなかった。
ハーモット伯爵もあせった。
脇から汗が流れる。
チグハグにいそがしい。
衝突事故はなぜかおきなかった。それより気迫の足りなさと意思決定の力不足からくる歯車の回転。
「外部の連中が協力してくれなくて」
いいわけがでてくるが、だれも「しかたないよ」という感じだった。
土台無理があるのか。だんだん怖くなってくる。
熱気がたりないでイベントを行使しようとするとこうなるのか。
ひとつ勉強になった。アレクセイがふざけて和ませたが無駄だった。
「なんだよ…」
とうとうマチルダが怒鳴った。
責任者がマチルダの王座の前に集まったとき、彼女は平素おとなしく、物静かなのが熱バーナーのガスが噴火したかのように怒りをあらわにして叱責した。
全員は半ば恐れ、半ば勇気づけられた。

「おまえ怖くないのかよ」
アレクセイがたずねるとマチルダは「そりゃ怖いですよ。あとで氷漬けのようにハートがなりましたから。今でも気まずいですし」
物事がおきるのに障壁となるポテンシャルエネルギーをこえないとどっこしょと進まないのかもしれなかった。

ロケットは全員が見守る中発射された。
宇宙空間まで荷物を装備して飛びあがった。
だが、
ロケットは軽やかに分離のときバラバラになり、さらには引火して爆発した。
全員は悪夢にうなされた。
アルヘレンの税金をつぎ込んだみんなの夢。
実験は失敗だった。
プログラムもあらかった。
全国家の人たちの口に入る楽しみがさっぴかれて、国に負担をかけての実験だった。


7 ライブのステージで高所恐怖症


悪人悪人って具体的にどういうのが悪人ですか!?
そうつっこまれそうだ。
「…」
悪人ってとにかく悪辣なんです、あの連中は。
そういいきるしかない。
具体的に説明すれ、描写すれとなるとかすんで消えていく。

「そういうのは心のスキが生んだ幻なんだよ」アレクセイがいった。
「おれなんかたまに街をぶらついても、街の人に嫌なこといわれないぜ、多額の税金投入したロケット失敗したとかさ」
アレクセイによると心から投影されたやましいものが鏡のように反射して照らして悪人を生むというのだ。すべては自分の心しだいだと。
「わたしなんか、すこしいわれるけど」スピカがそういう。
「大変な失敗をしでかしてしまいました」マチルダも意気消沈する。

アレクセイによると街の人は、「いいんだって、ロケットが成功したとすると、中央政府にかたみがせまくなるんだよ、こっちがさ」という。
「まあ、政府がうまくないのは昔からだからな。おれは政府要人じゃない」
「王宮の中央に出入りしてそれはあんまりですな」ハーモット伯爵がいう。
「なんだよ。爺さん。もはや俺たちゃ、王国の側の人間で市井の人間と対立する側だっていうのか」
「そうじゃろ」

「それって宙に浮いているみたいで怖いけど」スピカがいう。
アレクセイによると大手ネット通販とかライブのステージでライブやっている人間など、ぐるりと囲まれたお客さんと少人数で戦ったり、対立しているのと同じなのだという。
「従業員はネット通販のCEOと大勢の顧客との中間なんだよ」

「やめてくださいよ。僕そういうの苦手ですから。政府機関に採用されないとプログラムつくってもパソコンの中でシュミレートするだけだから、雇われたけど」ホビンもそういう。

平社員であれば客のサイドに近い立場だが、CEOは全顧客と孤立して戦う寒い職業であるという。
ライブのステージにたっている名誉というのか輝きみたいなものもあるが、孤独や孤立という怖いものもある。村八分の感覚と似ているが少し違うみたいな。

「おれたち王さまだってこの世界でここにいると寒いぜ」
「なんだか街の人の方が楽しそうに仲良くやっている気がする」
熱量みたいなものがグラフにすると人民のどこに分布しているかみたいなものがあるのかもしれない。よこしまな話だが。

そう簡単に王宮のメンバーとしてやっていられないのだった。
時空小説がお子ちゃまにみえる小説をこのワールド・プラネット・ハンガーで書けたら成功だが、時空小説は地図のように俯瞰的に、記号的に、ミニチュア化してかいている。メインのお肉を魔人とのバトルにして。
それにしても時空小説だと簡単に巨大組織が運営されているように書かれているのは確かだ。ある意味説得力に欠ける子供小説みたいに。

「おお、怖。高いビルのてっぺんで高所恐怖症でビビるみたいになるぜ」











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