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2014年9月4日木曜日

マジックギャル







ック







1


ゴールドウィンの国では、次々と三人の男が殺人にあった。
殺人事件はゴールドウィンは勿論、コインメタトリー全域でまれで猟奇事件に国はあらゆる意味でわきかえった。

一人目の男性は学校の講師で、つい最近試験官をしていた。
二人目は警官の若い男性で、ゴールドウィンでは軍に比べ小規模だが警察が設置されている。彼はまじめに勤務しており、殺人に巻き込まれる道理などないとされた。
三人目は学生だった。

その数日前、一人のゴールドウィン国の女がバズオーンの研究所にはいりこんだ。
彼女は国も国の男性も嫌気がさしていた。
「自分の心に嘘をついてまで富を得たいと思わないわ。たとえ恵まれなくとも自分に正直でありたい。この国が裕福なのは自分を偽ることと引き換えに得た富だわ」
酒に酔っていた女は、無人のバズオーンの研究所にはいりこんだ。
やけになっており自殺願望も秘めていたようだった。

そこで女がみたものは…!?
ビンにはいったどす黒い血液だった。
「…アリスタンダーの血液…あの、魔王の?…」

バズオーンはアリスタンダーの血液で動くサイボーグをつくるか、魔界と交信する血液を使ったコンピュータを開発するかしようと研究していた。研究は困難でそううまくいかなかった。

ノートにそう書かれている。
酔っていてよう深く読まなかったが、注射器があるのに女は気がついた。
「ろくでなしばかりのこの国にいたって…」
女はアリスタンダーの血液を吸い込み、自分の腕に注射した!!

雷がガガガアアンンと鳴っている。


【アリスシスター】女は人間から魔王の血が混じった妖怪人間へと変貌していく…



2



地球・日本

中学三年生の女子が窓の外から星をながめていた。
「遠い遠いお空の星の王子さま。あえますように」

願いは聞きいられた。
それは大神でもなく、三神の上の宇宙の則のなせる技かもしれなかった。

彼女は地球からはるか遠い天にまであげられた。
そこはゴールドウィンの国。

「こっこれは…ここは剣と魔法の国!?」
女の子は念じて見た。
ググググオオオオンと右手に光が集中する。
「ハッ」

【ライトニングボルト】
「わたし魔法がつかえるようになっている…」

マジックギャルの誕生だった。
彼女はいずれライトアリスタンダー討伐の旅に出る。



3



エスフラーデス号とエンデパンダンスとの戦いに終止符がうたれる前

時空警察から使わされた、交渉を専門とする隊員

バビロンのアロンのところにやってきた。

アロンは頭の禿げた老人の姿で背丈は4mの巨人の格好だった。
「はじめまして、アロン神。修業は完成しましたか」
「わたしに神などつけなくてよい。時空警察からの使者はひさしぶりですな。型どおりの古い挨拶じゃ。用件はなんじゃな」

彼は時空警察の七人の天使の話をした。

「七人の天使…して、その役割は」
「それは…まだ、よくわかっていないというのか、決まってないというのか」
「重要な使命がないのに、時空警察と必要以上につながっていると目をつけられかねん。第一、何のための仕事なのか決まってないとは…」
(ぐ…むふう)
「え、えーと。手土産に暗黒魔獣王エンデパンダンスの首をもってくると」
「エンデパンダンス…!?」
「係りの者がもってくるはずになってまして…」
「ふむ」




4



レナがエスフラーデス2号の工場でエンジニアとして作業している。
「もう、エスフラーデス2のメインのソースコード全部抜きだして書き変えてやろうか」

シャッターの方から光が洩れているが薄暗い。
つなぎを着ているレナがさけぶ。「おおーい、おじいちゃん」
そのとき、ナギサがやってきて声をかけた。
「やっ」
「わっ。ナギサじゃん」




「………そんな悲しいこといいなさんな…」ナギサがそういっている。
「……の前じゃ男の人かっこつけだすもんね」レナがそういっている。
「…でも、男の人弱気になるの。なぜか」

残念ながらこれ以上盗み聴きは不可能だった。


その後のナギサ(渚)とレナでした。




5


地球・アメリカ・オレゴン州

「カーター、僕はもう旅行なんていけないよ。ちょっとさぼっただけでこんなに筋力が弱るのかい。こんなんじゃガオンが来たって勝てないよ」
ワトソンがカーターの家の庭でカーターにいった。
「少しまえ、わたしもそうだった。もうなおった…」
話を半分聞き流しているようできいている話し方でカーターは答えた。
「へえ、どうやってなおったのさ」
「緊張感が足りないんだ。それで具合悪くなったりばてたりする。前より怖くないだろ」
「そういえばそうだぞ。前のぼくってちょっとびくびくしていた。お買いものにでかけても警戒心がなくなったけど…その代り吐き気がしなくもない」
「家で寝そべっているような感じでたるんでいるからだ」
「ショッピングも見物もすぐ疲れて、もういいやとなるんだ。そういや金髪が何人かの男女を引き連れていた…ようにみえるけど、イスに腰掛けた上半身がディスカッションしているようにみえるんだ」
カーターが元気にゴルフのクラブをいじりながらいった。
「垢がたまってないんだ。仕事や生活の雑音なんて金脈だ。旅行や買い物で落とせる。というより垢がたまってないと買い物も楽しめない」
「そういや昔より楽になったなあ。僕の小説も『誰が読んでいるんだい』から『知る人ぞ知る』までいくようになったし」
「インターネットのサイトやソフトウェアの開発もだんだん簡単でなくなってきた。コンピュータでなにかしたいという垢を使い果たしたんだ。サイト一頁つくるだけでこんな苦痛な大作業なのかって世界全体が悲鳴をあげている」
「デザイナーとか垢がなくなるとしんどくなりそうだな。医師なんか反対に腕が太くなりそうな…」



6


コインメタトリー・エカルテ城

オーブリーやエドアールは来ていないようだ。
秘書猫とエドガーとクラークが話している。
クラーク王は雑誌を見ながら王座に座っている。
「へえ、トップは気のきいた楽しみをして見せびらかすのも仕事のうちだ。仕事が激務だとうそぶいていると後継者が誰も来ない。インセンティブを高める仕事は重要であるか」
「そうですな。後継者どころか部下の大部分がやる気をなくしますな」エドガーがいった。
「そうですよ。王様で遊んでいるなら自分もこのくらい贅沢していいか鳴って国民はなるんです」秘書猫がいう。
「少しさぼるアバウトな上司のほうが好まれるみたいなのありますな」
「ダメなの、人に厳しくて自分がさぼる上司ですね」
「背もたれにずっとすわって垢がたまってきたかな。垢ってためるものじゃなくて経歴によって自然と蓄積するものだからな」










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