ストレート勝ち
1
初戦の勝利を得て、エスフラーデス号の中ではやや浮かれたムードになっていた。
D:ジル 「厚かましくなるから、あまり男の人をおだてないでください」
マイクオン☜
D:アルフレット (時空警察でいわれたか…)
B:セプティミウス (南無…)
B:エドアール 「おれもたばこ吸ってくる…」
A:サンダナ 「!!…炎の剣…いったいどこで発売されているんだ!?」
D:アルキポ 「自分自身のしゃべり方をまねするのは難しいんだ」
B:トム 「先輩ぶるなよ、エドアール!あれ!?いないぜ」
D:アルフレット 「ホラ、地球という惑星のコインだ。これをやるから命令を聞け」
D:イプセン 「なに!?なんなんだアンタ!?こんなの帝国で両替したら安いに決まってるぜ」
A:ナギサ(渚) 「初戦勝利~!」
A:レナ 「うまいこといったけどね。ストレート勝ちってかんじ!?」
B:ポーラ 「機類のチェック完了」
D:イプセン 「時空警察なんか、さんざん人を笑わせておいて、ビシッとしてろって注意されるんだぞ」
艦長:セルウィウス ≪それはまた、時空警察も面白い訓練をするもので…≫
セルウィウスがモニターに映る。
≪えー、皆さん新聞を読んでいるでしょうか?各世界の戦士がこうして集結しているわけですが、暗黒魔獣王という外部の圧力により可能になったということ、戦争が終わって帰国するとこうもつながっていられないようでして…≫
B:エドアール 「なんだと!?各世界の力関係の友好がくずれてきているのか」
≪情勢を見ると、パッピーフレンドというわけにはいかないようでして…≫
2
睡眠と休養は各自自分の体調にまかせて取る決まりになっている。
各フロアでは必ず一人は交代でコントロール室(戦闘室)に当直。
これから、暗黒魔獣王をエスフラーデス号で追跡することになる。
D:アルフレット 「おい、時空警察のエース。オレがワンランク上の自分に目覚めるには何が足りないんだ!?」
D:アルキポ 「そんなこと、俺が知るか」
D:アルフレット 「そ、そんな…」
D:アルキポ 「お、おい。俺にいわれたくらいでおちこむな」
艦長:セルウィウス ≪ええ、当直のかたは、通信機でコントロール室に集合させて下さい≫
B:ポーラ 「エドアール君、トム君たち、集合よ」
リフレッシュルームに集まっていたエドアールたちはコントロール室にでてきた。
B:エドアール 「どうしたんですかポーラさん」
B:トム 「ついにきたかよ」
艦長:セルウィウス ≪これから、暗黒魔獣王を追跡に向かいます。その名はエンデパンダンス≫
C:オーブリー 「暗黒魔獣王の名はそれか…」
艦長:セルウィウス ≪時空警察からのレポートと照らし合わせると、やはり正体は宇宙や次元の根本を司る魔獣。昔の人が描いた世界図。巨大な大蛇が世界の一番下にいて、その上をかばや象が並んで支えている。そのうえを大地が…そんなのがありますが、数学のように現実世界を根本から規定している物理法則のようなものだと。さらに時空警察の憶測では恋愛や結婚がうまくいかないことと関係ある敵だとか。当然倒すと根本的構造が壊れ違う世界になるといいます。象や蛇の配置が変わるような感じでしょうか≫
C:オーブリー 「パラレルワールドに肉体が転送されるのかも」
艦長:セルウィウス ≪さあ…≫
D:アルフレット 「原子力がある世界とない世界。アルツハイマーが治る世界と治らない世界。いや少し昔には存在しなかったのかも。さらに…恋愛や結婚がか…」
A:ナギサ(渚) 「上下関係がきっちりしてないところでは恋がうまくいかないのでは?」
A:シャノン 「そうかも」
艦長:セルウィウス ≪時空警察の情報からも判断してますが、われわれグラディウス帝国の考え方では、ピタゴラスの定理など誰かが気がついただけで、問題が解決するのです。以下に認識する、気がつく(アウェアネス)ことが大事か。それがないと人類は原初の怪物にまだまだ苦しめられる!!≫
C:スキャッチ 「…確かにそうだ。が、学校の勉強でも何でもそうだということになる」
A:タイガータンク 「まあ、そうだよ。子供のころから学校行って机に向かわされる。人生体験の中でも気がつくし」
艦長:セルウィウス ≪宇宙の根本を司り、人類の幸福の障壁となっているモンスターですが、そのでかぶつさはやはり極端だ。この船があるからといって油断はできません≫
3
エスフラーデス号は広大な宇宙を航海して漂った。
この宇宙船の位置だと、コインメタトリーは点にしか見えない。望遠鏡でのぞいて画面に円盤が四つあるコインが映る。
惑星バルハルが片側に美しく光る。
D:アルフレット 「惑星バルハルが近いか…他の星は点にしか見えない」
D:イプセン 「ホントだ、きれいに光っている。海があるからだ」
バルハルの海が恒星の光を受けてテラテラと輝いている。
D:アルフレット 「セオリーだとどのように敵を追跡するのだ」
D:イプセン 「オレが習った範囲だとな。レーダーだ。それから望遠鏡で見当をつけてのぞいてみる。写真を撮って分析。あとソナーのように電波をぶつけて帰ってくる情報で判断だ」
D:アルフレット 「なるほど」
A:レナ 「不審な動きをする影を映写しました」
全員 「なに!?」
拡大してもぎりぎり判断がつかない。
追跡して調査、さらに船の針路をそっちに向かわせる。
B:エドアール 「あまり近付くと危険じゃないのか」
B:ポーラ 「それはあるかもね」
B:トム 「反対に逃げられる可能性もあるぜ」
結局船は直進して追跡した。
A:レナ 「いた。拡大するとドラゴンの巨大なものにみえる」
艦長:セルウィウス ≪よし、それがエンデパンダンスだ≫
エスフラーデス号は何枚も写真を撮り、レーダーで確認し、さらにソナーで電波をぶつけて見た。
A:ナギサ(渚)「でかい…この船と互角!?」
C:オーブリー 「こりゃ人間の手に負えるでかさじゃない。人間は道具を持ったサルだ。文明の利器にたよって恥ずかしくないさ」
B:エドアール 「…そこまで自慢のソードをふるいたいわけじゃないけどな。ミサイルやビーム砲を使っての戦闘も楽しめる」
A:タイガータンク 「頭脳戦をしかけてこないかわりに、バカ力勝負だろ!?ブルトーザーつかって悪くないよ」
艦長:セルウィウス ≪今どき、ですが。実際は我が帝国のシュミレーションでは…砲撃の打ち合いは恐怖との戦い。ゲームのように安心してミサイルが打ち込めますか。判断と指が恐怖で震えては…≫
D:アルキポ (ええ!?シュミレーション!?帝国でも実戦で軍艦動かしたことないのか!?そうか…そんな巨大な敵そんないないし、人間同士の戦争でも…)
艦長:セルウィウス ≪日頃の心身のトレーニングが肝心なのだという帝国の最先端の分析結果です。以上≫
標的に近付くにつれ、殺気がじわじわと届き始めた。
緊迫した空気に船内はなりつつある。
B:エドアール 「このくらい張り詰めていたほうがいい…」
C:オーブリー 「いや…最後までそういってられるかな。だんだん怖さがでかくなる。スケールモデルから実物に近付く感じだ」
4
セドウィックやテモテ、ヴィクター達の間で、七人の天使の最後の一人が知らされた。
「アロン神!?」
テモテ 「それでぼくたち七人の天使の仕事は」
ヴィクター 「それはまだはっきりしてねえ」
ジュール 「まってよ。もう一度確認する。七人の天使は、ぼくジュール、ヴィクター、エパフロデット、テモテ、セドウィック、ステファナ、そして最後にアロン神」
セド 「それで、そのアロン神ってのは?」
ヴィクター 「あのミカエルとかガブリエルって先輩方よりまだ古い最古の勇者だって」
テモテ 「最古の勇者」
ヴィクター 「いいか、ミカエルって先輩はギリシア文字でいうエプシロン(ε)に該当する。アロン神とはアロンアルファつまりアルファ(α)に該当するんだってさ」
セド 「アロンアルファ!!?」
ヴィクター 「つまり最初のもの(α)だっていうんだ」
ジュール 「だけど信託によるおつげによると、そう簡単に時空警察に力を貸してくれそうもない。そこで手土産をもっていけってさ」
テモテ 「手土産?!」
ヴィクター 「暗黒魔獣王エンデパンダンスの首だとよ」
セド 「魔獣王の首…」
ヴィクター 「水竜の神とならんでアロン神は縁結びの神でもある。エンデパンダンスは良好な縁結びを害する魔獣だってことだ。にわかには信じられないし、お告げの話だけどな」
5
D:アルフレット 「つくづく…すまん…」
D:アルキポ 「おまえオレに頭下げるのやめろー。みんなマネしだしたらどうするのよ」
C:ポール (ここにいる連中は頭一つず抜けている…だが、実戦で綿密な経験を積んでエカルテ軍に帰ったとき力を得ているのが目的だ。あんな馬鹿力の戦士なんか自分と違うステータスだからくやしくないけど、戦闘経験や頭脳戦略を高めれば…)
A:サンダナ 「時空警察も成長がストップして悪賢くなってきたみたいだぞ…あと少しで追いつけるな」
B:エドアール 「船の中のソードショップで買ってきた」
タイガーソード
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熱気のメーターがフルになると破壊力大。命中率は低め
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B:エドアール 「帝国にはいい武器がある。これは闘気を高めてもダメだ。熱気がフルチャージされたとき爆発的破壊力を放つらしい」
B:トム 「無駄遣いするなよ、エドアール。三つの剣かよ。そんな武器当たらないぜ」
B:エドアール 「ああ、命中率は期待できない」
A:タイガータンク 「買った。タイガーソード。おれタイガータンクだから」
A:レナ 「ふーん。タイガーソードね。結構な値段だけど。最新の武器だね」
A:タイガータンク 「剣を握るのは久しぶりだよ」
闘気
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■■■■□□□
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熱気
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■■■□□□□
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破壊力
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45%
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勇気
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■□□□□□□
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集中力
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■■□□□□□
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命中率
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28%
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6
とうとう魔獣王エンデパンダンスを目前まで追った。
無人の火星のような天体が画面にはみ出るくらい見えてる。
それに収まるくらいのでかさのエンデパンダンスが宇宙の闇に浮かんでいる。
C:オーブリー 「なんというでかさだ…」
C:ポール 「後ろの天体はもっと遠くにあるからあのくらいの見え方なんだろうけど…」
艦長:セルウィウス ≪全員配置につけ!!戦闘開始!まずスターシュートを試す。レナ隊員!≫
A:レナ 「了解!チャームエナジー充填35%アトミックエナジー15%チャージ…バーストオイル67%!!」
艦長:セルウィウス ≪全メーターがフルになったら発射せよ!≫
B:ポーラ 「発射制御は私が」
艦長:セルウィウス ≪よし!まかせる。ほかの合同実戦のメンバーもみていてください≫
C:ポール (勉強になる…)
敵が肉眼で見えている。
暗黒魔獣王エンデパンダンス。
その姿は…
頭は東洋の龍。ワニに水草カメのような髭がもじゃもじゃしている。
その動体に短めの足が6本。
それに砲門のようにずらっと何かの生物の頭部がくっついている。
C:オーブリー 「剥製のキメラみたいだ。でもバイオテクノロジーの時代か…合成魔獣!?」
艦長:セルウィウス ≪バイオキメラといったところでしょうか!?≫
その頭部は蛇、ドラゴン、人間の女の顔、蛇、ドラゴン。
反対側には蛇、ドラゴン、虎、ドラゴン、魔人の顔。
発射!!
スターシュート
ぶわっと、蓄積したエネルギーがまぶしいように放たれた。
窓はスクリーンにガードがかかり、グレーでまぶしさをカット。
空気のない宇宙なので爆音はいたってゼロだった。
がるうううううううう
D:アルフレット 「おお、やったか」
D:アルキポ 「どうなんだ。まぶしい光だったけど…」
64512
A:レナ 「100%命中はダメでした。半分かすった模様。6万半ほどのダメージ」
艦長:セルウィウス ≪第2撃にチャージするか…ミサイルで即追撃するか≫
魔人砲
巨大な敵の側部の魔人の顔から砲撃が来た。
「危ない!砲門が開いた!!」
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