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2014年8月1日金曜日

隊列をみだすな














1


エカルテ城

クラーク王の前に勢ぞろいして集まっていた。
退院し回復したエドアール。そしてロビン。時空警察から帰ってきたオーブリー、ラグナロク兵トム。
秘書猫とエドガーがひかえている。

エドアールとロビンの回復を祝ったが、クラークがいった。
「それにしても…レベルラハムは10分の1が味方で10分の9が敵だな」
エドアールが力んだ。「かなり手ごわいモンスターを引き連れていた。やつは強力な軍勢を組織しているのかもしれない」

「レベルラハムか…バルハルで一度再戦したんだ」
「なんだって」
「勝てない。一対一じゃ。それに…惑星バルハル、帝国、アルフレットのお見舞いと旅が連続したから少し休みたい…」オーブリーはそういった。





2


ここ、時空警察領のグレートシティ。
この大都市の空気は20002014年代の地球(日本)の空気と対照的であろうか?
澄んだ空気が誇り高く、冷たくはりつけている。
生まれたばかりの児童のように気高いものに憧れる気風。
それでいてグレートシティの欠点は、完全無欠のルールに支配され、誰もが服従してしまうところだろうか?
自由を求めるもの、新しい道を求めるものにはおしつけがましい、世界の常識が重くのしかかる。

地球の同時代の空気は中規模~小規模の集団が独自の憲法をうちたて、お互い小競り合いをしながらひしめき合っている。
だれもが社会というものを疑っている。冷静でも神聖でないのが社会であるが、誰かが決めているわけでもないので仕方ないという意識がある。
統一的な概念がなく思想が入り乱れ、誰もが創始者になれる世界。
他人の一派を否定しようと思えば、少し知恵をひねればいくらでも論白できる。
絶対無比なものなど存在しなく、誰もがあてがないと同時に自分だけの世界を保持できる世界。
欠点は、自由に相手を批判して、自分たちの旗を揚げられる半面、金ですら絶対的な価値をもっているのか、疑心暗鬼になる。太平洋戦争のころの日本と違い、絶対的に規律がない。そのかわりバラバラの意思を持っている。
もう少しで、それぞれの信念により進路が決まるかのように、自分は自分な世界にみえる。


気風というものはトップの誰かが(今の日本では誰々がどこそこのトップとか、もちだすだけで御法度のように見えるが)決めるものではなく、組織の組員全体の意思が反映されて生み出されるだろう。
グレートシティの今の気風も、100200年間くらいは維持されるが時代とともに移り変わる。そんな程度の価値観年なのだ。

コインはというと…四つの円盤が組み合わさって、それぞれの文化をもっているため、文化が入り混じるという意味では、現代日本に近いものがある。
しかし、価値観念の平板化という点では現代日本にくらべそうである。しかし、わかりやすい世界でもあるといえる。



3


フィラデルフィアのアルフレットの高層マンション



「おかえり」
自宅に帰ってきて、アルフレットはマハリクのつけているTVをみて内容が伝わってきた。
一人暮らしのときは、自分の純粋な意思でTVのスイッチをいれる。ところが開けていた家に声と映像が満たされるが、内容が伝わるだろうか?
インターネットのように強い信念がないと内容など入らない。
ところが、家にいた誰かが見ていたTVはやわらかく伝わってくる。
「オレのオーラではない。マハリクのオーラで映像が発光している…」
他人の力でTVをみることの新鮮さをアルフレットはかみしめていた。

アルフレットは考えていた。
マハリクはオレの組んだソフトウェアを「このソフトは受け付けません」とはならない。
そうだとしたら、オレには無理だ。
反対に、どんどん吸収していくため、頭が空白になっていく。
自分の独自の考えなどもう底をついた。補充しないと。大図書館に行ってみるか。
書くことがないのに無理して書いている人みたいだ。

「ああああ」

マハリクは実はこの世に生まれて見た目や精神年齢より若い。
生まれたてといっていい。
大人の状態で生まれて、疑似記憶のようなものをレベルラハムの魔力により与えられている。
その知識で思考もするし、アルフレットの影響でも動く。
生まれ育った文化は人間の基底回路のようなソフトウェアとして働くのだろうか。




4



オーブリーがロビンにブルーレイピアの技を教えていた。
「これだ。これがスカラムーシュ。撃ってみるんだ」
「こうか!」
ドッ !

「そんな感じだ。腰を入れてこう!」
「ひとつ覚えた」

【ロビンはスカラムーシュを覚えた】

「それにしても、エカルテにはいろいろなもんんがあるな。オーブリーのアンちゃん。森の贅沢と一味違うぞ」
「蜂蜜じゃなくて花から直接蜜を取れるか!?」
「そんりゃむりだろ」
「花の数だけ味の違う蜜が取れる」
「嘘だろ!。?」








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