時空警察特防隊Bランク出動!
1
≪我は超騎士アルデバラン…我が偉大なる目的を妨げるものは生かしてはおかん…≫
火星のように砂漠のような惑星…
宇宙ステーション・コスモ建築予定の宇宙空間の近辺に異変ありと調査の指令を受けた、時空警察特別防衛隊ランクC V.キャノンのメンバー。
「酸素がある大気だ」モバイルのような惑星の大気の成分を調べる装置で確かめたところ、生命はいなさそうな枯れた大地だが呼吸はできる。
宇宙船を着地させ宇宙服を脱ぐ。
メンバーはタイガータンク、隊長のジム、ネオ、シャノン、ノーバート・ウィーナーの五名だ。
そしてすぐ敵の宇宙船が着陸してあるのを発見!
でてきたのは巨人の超騎士だった。
「データでみるアリスタンダータイプだよ。また、この手の敵が多いな」タイガータンクがいう。
「僕はアリスタンダーを肉眼でみた。こいつはまだ小さい方だ」隊長のジムがそういった。
「アリスタンダーは比較対象のようなモノサシにあつかわれるようですが、魔人の住む魔界からやってくるのでしょうか、彼らは」シャノンが分析する。
「よし!いくぞ、荒れた大地でのバトルだ」ジムが号令をかける。
ネオが先制攻撃を仕掛ける。
「いきなりいくぞ!ネオダイナマイト」
≪マジックシールド≫
アルデバランが魔法を唱えると楯があらわれ、それでネオダイナマイトを遮断した。
ボンボンボン
ウィーナーが無口なままサイコキネシス銃をうつ。
ビュオーーーン!オンオンオン
電子音がこだまする。
クモの巣のように縛りつけようとする光線がアルデバランめがけてとんでいく。
≪ぬっ!?≫
楯を構えたまま片腕だけ縛りつけた。
「よし!一部分だけ。アンティンエプルでも停止できたから今度もいけると思った」ウィーナーは珍しく興奮してしゃべる。
ジムがライトフレームランチャーをかまえる。
「くらえ、火焔弾!」
オレンジ色の火の玉がノズルからふきだす。
アルデバランの体がかがやき、力を放出する。
「うっ!?」
【深海の碧い光】
未知の力で特防隊は全員ふきとばされた。
「グググ…こいつ!かなり強いぞ」タイガータンクはやっとたちあがった。
2
≪我らが王国に来て部下にならぬか?≫
「知らないようだな。こっちの宇宙にも時空警察というでかい強国家があるんだ!」ジムが叫ぶ。
「そうだぜ、猛者のいるなわばりならもうある」タンクがいう。
≪……≫
【アットソード】
アルデバランの手に硬そうな剣が握られている。
ぶん
ネオが斬りつけられた。
「ぎゃああああ、俺の悲鳴がそんなに涼しいか」
シャノンがいった。「弱音を吐いてばかりの人なら耳を覆いたくなるでしょうが、たまにしかはかない人が弱音を吐くと心地いいんでしょう」
「分析してる場合か」ネオがよこになってねじれている。
タイガータンクが槍を回転させてアルデバランにおどりかかった。
敵は再び無造作に剣を振るってきた。
タンクはとっさに極大のオーバーランスで防ごうとした。
ガギン
硬い金属音が鳴り、耳で聞いただけで拒否したくなるような嫌な音がした。
「おっ!折れた、オーバーランスが!」
≪アットソードは何より硬く作られている≫
ジムは無線で救援を送った。
汗をダラダラかいて、本当にまずい戦況を読んでいた。
本部より::::≪OK、時空警察特別防衛隊・ランクBを派遣します≫
3
グレートシティの中心部よりやや外れ、住宅街と都心部に挟まれたような道路ぞいにある店。
タイガータンク、ネオ、ジム、シャノン、ウィーナーの五人の特防隊が食事にやってきた。
清潔な白木にワックスがかかったような木製テーブル。イスも白い木だ。
お冷や(コップにはいった水)のかわりに茶碗にはいった熱い緑茶がはこばれ、お絞りと一緒に置かれた。
「日本食の店か」タンクがイスに座る。
窓際の席で、明るい店内には座敷もある。
「こういうとこって、家族とか親せきで入る店じゃないのか」
「法事の帰りとかか…ハハッ」ネオがいう。
料理はおけにはいった【寿司】、【イクラ丼】【マグロ丼】【刺身定食】【焼き魚定食】【魚介類丼】…
注文し、重たい湯呑をもちあげると苦い茶をすすった。
「あち?っ。それにしてもいつできたんだろうな。特防隊ランクBなんて」タンクがいう。
「ランクAはステファノ隊員以外まだ未決定ですよ」シャノンがいう。
店の中はまだ客が少なかった。
着物を着たおばはんと禿げたオヤジ、ちびっこふたりがイスを占領している。
「…それにしてもアンドロイドって感じがしたぞ、ハハ」ネオがいった。
「俺もだよ。実は。助けられて悪い気がしなかったけど、人間と違う人間みたいだったろ」
「いえてるな」
ウィーナーはテーブルの木目をいじっていた。
「冷静さと無表情に関してはランクAをこえてるって感じだろ」タンクがそういった。
「たしかにオレたちと違う力を持っている。でも滞空時間が短いからサイコ能力が続かないって感じだった」
そのとき、一人前用のおけにはいった寿司がきた。タンクが注文していた。それにお吸い物がついてくる。
タンクは割りばしを割って手をつけた。
刺身定食が来た。
「おれだ」ネオは運ばれてきた刺身定食にかわいい瀬戸物の醤油瓶から注いで醤油を皿に入れて、ついているワサビのねんどを箸で溶かした。
シャノンはウニ丼。ジムはサンマの焼き魚定食。横長の瀬戸物の皿にでーんとでかいサンマが焼かさって乗っかっている。「なんか威張っているくらい堂々としているぞ、さんまの尾頭付き」
ウィーナーは寿司定食だ。
「寿司って、すでて喰う人もいるらしいぞ」タンクが箸で寿司をつまんでいった
「でも、あのアルデバランですが、愛情みたいなものを持ち合わせていたと」シャノンがいった。
お茶が急須にはいったままテーブルの端に置かれた。
それと値段表がはさまっていった。
ジムはサンマを箸で腹から半分に身を開き骨をとった。
さらに醤油をかけて大根おろしをたっぷり乗せて口に運んだ。
「…いくら強い力もっているからって、やりすぎるとひどいぞっていってやるんだ。オレにいわれると悲しくなるぞ」
「ある意味ネオの愛情に似ているよ」
「え?オレ?」
「修行して力を会得するのに愛情が不可欠だったとかだろ」タンクがいう。
「そうか…悪いことしたかな」
「でも、愛情があるとたかられることがある。収入でも累進課税とかあるだろ」
「金持ちが天国にはいるにはラクダが針の穴を通るより難しいじゃないですか」シャノンがそういった。
「でも、他で得してるならともかく、自分でこらえているだけなのにたかられるとつらいよな。金持ちと違う」ジムがそういう。「ぼくなんか見た目ほど愛情もってないっていわれるんだよな」
ジムがいった。
「確かに愛情もってるからで、たかられたら辛いぞ。でも愛情もっていること自体でフリーパスとかいろいろあるんだ。税金と同じだ。ネオダイナマイトみたいな超能力とか、いまだって食事をおしく食べられることじたい、愛をもっているおかげなんだぞ」
「そうだよ。エリートみたいな真ん中の人って不利なの何かわかるか。薄情だろ。それで困るときあるんだ。でもたかられない。でもアルデバランみたいな超騎士とかになると強いからでいじめられる」
「それなんだ。やりすぎだぞって止めるとあっちからすると冷たく感じる」
「上と下で中途半端に薄情になるんだよ。アルデバランとか専門的な思想だけすすんで先走るだろ」
お茶を何人かつぎ足して飲んだ。
「えー隊長だからっておごれって?」ジムがおびえた。
「嘘だよ」
割り勘でレジで支払い。表に出た。
「うーん」
店先ののれんの前でのびをしている。
ジムは爪楊枝をくわえてでてきた。
「あーくったな」
グレートシティの町並み。
「じゃ。ここで解散!」
全員それぞれの帰路についた。
4
回想シーン
「このままじゃ本当に全滅だぞ!」ジムが叫ぶ。
≪ファイアーボール≫
火球が雨のように降ってくる。
特防隊は地に伏した。
風が荒れた大地の塵をまきあげる。
「ぐぐぐ…」
「なんだこいつの強さは…」
≪あとは手下に任せる。グレートホーン≫
大ザルのような牛のような角をもった体毛をはやした野獣人だった。
アルデバランは宇宙船に乗り消えた。
「なんとか。あいつさえ倒せば」ネオが死力を尽くして立ち上がろうとする。
「ネオダイナマイト!!」
ピカっと光り爆撃が炸裂する。
だが、グレートホーンの拳が煙の中から現れた。
ごう
怪力でネオをねじふせる。
「ダメだ。ボロボロのオレたちと体力の余ったこいつじゃ」
そのとき、五人の男女がテレポートしてきた。
「時空警察・特別防衛隊・ランクB」
(特防隊ランクB?いつできたんだ?)タンクは思った。
(ググ、内勤が主流になった女性の戦闘員までいる)ウィーナーが思った。
隊長:ハルボルーン(男)
パーン(男)
アース(男)
ソリューン(女)
シール(女)
五人のメンバーの連携は見事だった。
(なんというのかテキパキしている。これがランクBの力かよ…)
「サイコフレイム!!」
グレートホーンは五人がかりの攻撃に苦戦し、そして逃げた。
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