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2014年7月20日日曜日

セドウィック登場













1


時空警察 エリア8

ヴィクターとジュールが立ち話をしていた。
「時空警察って弱肉強食の資本主義的であるんだな。ただし外部の世界に対してそうなんだ。強大な軍事力、資金力を開発して、それをバックに外部に働きかけている」
ジュールがいった。
「まあ、そうだよ。戦争屋よばわりされても仕方がない…」
「ところがだ、内部の人間に対して資本主義みたいなことできないんだな。ある意味当たり前だけど身内同士、時空警察内部だと共産主義みたいに見えてくる」
「ああ、そうかも」
「貴族社会とかも同じ。外部に対しては領土だとか武力で自分たちの立場を維持しようとするけど、身内や家族の中で間で闘争本能むき出しにしねーよな」
「…いえてるかも。家族だけで家にいると共産主義みたいにおとなしくしてるのがマナーになるんだよ。生きた馬の目を抜くなんてことマナー違反になる。おりこうさん主義だ」
「それだよ。どんな強大な帝国主義も天守閣の中では競わないでおとなしくする共産なんだよ。資本主義の内部には共産主義が隠れている」
「?…※リバーシブルな…なにか」
そのとき誰かやってきていった。
「それもすっごいひがんだ言い方じゃん」
皮のようなスーツをぬいでヴィクターの手に持たせた。
「汗だくだな」ヴィクターはめんくらった。
「セドウィック(セドリック)!帰ってたのか」
「ああ、今帰ってきた。全く疲れたよ」

2


時空警察内部の闘技場

「こんなところがあったのか」ヴィクターが驚く。
「最近できたんだよ」
原子力でも破壊されない防護壁でおおわれた、硬くメカニカルな闘技場。
超越戦士の闘技で建物が破壊されないよう堅牢につくられている。
その様子は原子力発電所の施設のようだ。


「異世界でうんと修行してきて新しいアイテムとか、能力とかめちゃんこ手にいれてきたんだよ。その武器と力で悪人をバッサリ成敗するんだよ」セドウィックがそういって、はしゃいでいた。
「…おちつけよ、みっともない。時空戦士がペリカンスクール(小学生)のガキみたいに」ヴィクターがとめた。
「…セドがそれだけ興奮するってことはよほどの仕事量をこなしてきたみたいだけど」ジュールがいう。
「そりゃあもう、いまからみせるよ」

声がこだまする。
ガランとした巨大な鋼鉄製の部屋
三名の戦士がいるだけであとはシーンとしている感じがする。
このくらい広いと体育の授業のように大勢がいないと何か変だ。

セドウィックはオーラを高めた。
ウーン

「荷電粒子剣!」
そう叫ぶとセドの右手に機械剣が握られていた。
「アポロンスーツ!!」
指をはじいた。
全身スーツが素粒子からまとわりつきセドの体をおおった!

対するヴィクターも宙空に浮上する。
ジュールは審判だ。

「オレの新技も今見せる!遠慮なく打ってこい」
「それじゃあ…ヴィクターでも泣きべそかくかも!いくよ、油断しないで」

空間に浮いたセドウィックは念仏を唱えるように理力を集中している。

「めちゃんこ」の姿勢でオーラの攻撃をしてきた。

「いくよ、受けきれるか!?フレアニックオーシャン!」

太陽の近距離爆発のような荷電粒子の渦が海洋のようにあふれだして周囲を埋め尽くした。

グググゥウウウウンンンン

「こっ!このエネルギー量」ジュールも地面でガードした。

ヴィクターもオーラをつかった。
「おおお、パーフェクトバリア。あらゆる属性を打ち消す防護壁で敵の攻撃を防ぎきる!」

視界が磁場と電場の乱れでノイズが走って見えた。
まさに荷電粒子の海であった。

あたりいちめんに45000
「ぐっ、バリアに全オーラを使い果たしちまう」ジュールはまだあたりが嵐の後の海洋のようにキラキラ光っているなかでいった。

「僕が一番長く修行してきたんだよ。ズルをつかわずにね」ニヤ
うれしそうにセドウィックはいった。

「悪人にも、仲間うちでも一番厳しいんだったよな…セドは…」脱力してヴィクターはいった。
「ツバメも帰ってこないよ…」ジュールはそういった。



3


テモテもセドウィックの帰還の報をきいた。
「セドウィックが…!」
ジュールとヴィクターとテモテが話しているとセドウィックがやってきた。
「やあ、テモテ。ひさしぶり」
「あっ、ああ」
「先輩方の戦士が昔やっていた、片手で逆立ちして星を持ち上げてささえてますっていうの。やってみるか」セドウィックがいった。
「ミカエルとかラファエルって先輩がたかい?」
「そう、それだよ」セドがうれしそうにいう。
「その何代も後輩のオレたちは7人の天使って役職名というのが肩書になるらしいぞ」
ヴィクターがいった。
「ええっ。誰と誰だよ?」
「オレ、テモテ、ジュール、セド、ステファノ、エパフロデット…あとは…」
「あと一人は?」
「おかしいな、6人しかいないぞ…」



4



エリア5

ジュールとセドウィックが
「時空大全の編纂!?」
「そういう話だよ。分厚いありがたい書物を編纂するんだってさ。そのうちはっきり伝わってくるよ。上が考えたんだ。重要な文をおさめて出版するんだってさ」
「書類仕事か」
「校訂から、編集者の仕事、執筆、なんでも事務仕事が回ってくるよ」
「そりゃ大仕事だ。大変な仕事になるよ」
「一気にやっても無理だから長期間のスケジュールをかけてやるらしいよ。膨大な人数のひとをつかって処理するらしい」
「電子辞書をフルに活用するよ」
「あわてると息切れするよ。体力がいる仕事になるよ」












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