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2014年7月22日火曜日

メテオストライク








テオトラ









1


時空警察領域、グレートシティのさらにむこうにある古い街フィラデルフィア。
お昼すぎ、モーニングカフェでアルフレットが昼休みを取っていた。
コーヒーにパンの昼食を注文し、他の客たちのようににテーブルについていた。
マハリクに「お昼に帰ってくればいいのに…」といわれそうだなと思ったが、なんとなくそうしたかった。

アルフレットはアルフレットリガーというアルコール濃度の低い酒を研究していた。
(ウィスキーとか焼酎は確かに薄めて飲める…でも、手間だ。ビールは弱いがワインとか強すぎるのではないか?少し多く飲むと悪酔いする。いっそ低アルコールのおいしい酒を造るか…)

そのとき気で感じた。
「ホワット!?この強烈な危機感は!?」
だが、ここは時空警察領域だ。
アルフレットが行動するまでもなく、専門で隊列を組んだ時空警察が動くかもしれない。
アルフレットはカフェの窓から空を見上げた。
「!」

アルフレットはとびだした。

(時空警察の猛者はなにをしている?!間に合わない!)


漠(バク)が強烈きわまる攻撃をした。

【苦よもぎ】

松明のように燃える星がフィラデルフィアの土地めがけて落ちてきた。

アルフレットはオーラを放出して空に舞い上がった。
「アウストロガード100%。完全防御!」

巨大な隕石はとてつもなくでかい!

聖獣のような漠がなぜ…

「おおおお」
両手でアルフレットは金色に輝きながら全力で隕石を止めた。
ドオオン

オーラが肉体の内部からドクドクぬきとられていく。
すべての力をアウストロガードにもっていかれた。
その力をもってしても防ぎきれない。

「ぬおおおお」
アルフレットはさらに命を失う覚悟でオーラをひねりだした。
≪さらば、フィラデルフィア!さらばマハリク!一か八か≫

【アウストロクロス100%】

隕石に全力のオーラを打ち込んだ!

ぐおおおおんん…

巨大なエネルギーの衝突は核エネルギーをこえた。
やっと時空警察が気づきだした。

ジュールが監視室のモニターをみていてイスをむきなおした。
「あああああっ!!大変だ。フィラデルフィアに隕石が!火事だ」

「ぬおおおおん。力が尽きるまでオーラをたたき込め、アルフレット…」

ヴィクターがいった。
「あれは…ジュールと同じ、メテオの力」
「そうだ、ぼくの修行して得た力と同一だ?!どういうことだ」

アルフレットの肉体は融点をこえて沸騰していた。
バラバラに消滅するのと引き換えに苦よもぎを消滅させた!

漠は消えた。



3


エカルテ城

クラーク王とエドガーが話していた。
「軍と違うフリーの戦士がオーブリー以外に見つかってよかったな」
「ロビンですか…」

そのときスフィンクスが通信情報のアラームを鳴らした。
《警告。緊急通告。時空警察からです。リセットせずメールを読みますようお願いいたします》
「なんだ!?」

秘書猫が入ってきた。
「どうしたんですか?」
「アルフレットがやられた…!オーブリーにグレートシティ、いやフィラデルフィアか。病院に入院している。見に行ってもらう!」



4


オーブリーは宇宙船に乗り、フィラデルフィアめざした。
「あの…アルフレットがやられるなんて」

オーブリーがフィラデルフィアに到着すると時空警察で治療をうけているという。
いってみるとアルフレットは半分サイボーグの体になっていた。

病院の中庭で二人は話した。
「ひさしぶりだな。オーブリー。この通り半分メカだ。アルフレット・マーク2といったところだ」
最新のパーツを埋め込まれ、時空警察の技術で生き返ったアルフレット・マーク2.
オーブリーはいきさつをきいた。
「そうだったのか…まあ、君が世界を救ったのだ」オーブリーはそういった。
病院特有の癒されるような風が中庭にふいている。ゆっくりしたすんだ風だ。




5


アルフレットは退院して、ひとり自宅マンションの前まで歩いてきた。
「やっぱヤサがあるっていうのはいいね」

ドアを開けるとマハリクが「おかえり」といって出迎えてくれた。
「半分機械の体になった…っていったらなんていうだろう。あああああ」
「…病院で知っているからもういい」

フィラデルフィアは古くそれでいて近代的な街で、夕方時刻には柔らかい夕日につつまれる。
「コーヒー淹れるから」
マハリクはそういってキッチンに行った。
「あああ、退院してコーヒーを飲むなんてわざとらしいみたいだ。あああ」

マハリクとマンションの一室でコーヒーを飲んだ。
「オーブリーも、しばらく滞在して帰ると言っていた…」アルフレットはそういって熱いコーヒーを飲んだ。アメリカンコーヒーという感じがした。
「オーブリー…ああ、病院にいた人」

マハリクはこのマンションにいると大勢の中に埋もれて楽だと感じていた。
自分のオリジナルを開発しなくても、住居者のだれかが解決した方法をサルまねできる。
逆に集団の常識に縛られるというのもあるが…

「あのね。ホーマックいって家財道具買い整えてきたから」
「ホーマック!?ああ…あっちの方角にみえるな。オレはまだ探索してないが」

フィラデルフィアのこの近くには似たような巨大マンションが数件は立っている。
それぞれ趣があるように見える。
マハリクはホーマックの見える方向の部屋の窓から外を眺めるのが好きだった。

マハリクはまたキッチンに立った。
「あああ、アルフレットがシャワーを浴びるとアルフレットシャワーだ。機械の体が漏電する…」

アルフレットは部屋にはいり、ノートパソコンを立ち上げてみた。
「マハリク…彼女がいるだけで大海原に航海に乗り出した気分だ。そのうえウェブも開くと、二重に世界があるような気分だ」
マハリクはアルフレットにとってかっこいい女性だった。だが、その分一緒にいると怖い。
「かっこいいが怖い。一緒に暮らすとガタガタ来る」
女性とは端末のようだとアルフレットは考えた。
ソースコードをキーパンチしてソフトを彼女に打ち込まないとない。
そのため自分の頭脳が空白になるような気がした。
「メリケン粉を固めてクッキーにしているような。粉だらけだ」
食事のソースも頭の中のソースも味が半分に減るようだった。


もう一つの情報の宝庫はフィラデルフィア大図書館だった。
そのサイトを開いて見ていた。
「あああ、今度行ってみるか。マハリクをつれてか?つれないでか」
ネットにあらゆる本がインプットされているか?されてない、キーボード単純にパンチするだけで可能だけど、ものすごい仕事量だ。
一部の本がタイプされてネットにころがるどまりだ。
だから、大図書館はネットにない情報の宝庫だ。

夕食は中華スープだった。
「たっぷりスープが飲めるな」
「うん」



6


オーブリーはまだフィラデルフィアに滞在していた。
ビアガーデンをのぞいていたが、ビールを飲まずフランクフルトを買って食っていた。
「ケチャップがうまい…」
バカみたいに派手ではないが、落ち着いて盛り上がっていた。
「それにしても…アルフレットの女…あの妖気どこかで…」









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