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2014年7月17日木曜日

地球が占領されるとき


時空小説2


夏の小説祭り!

時空小説二周年記念!





時空小説2  地球人の新しい幕開け



地球が占領されるとき











1


2015年.地球。
現実の地球と何かが違う仮想地球。それでいてなにかが現実の世界と共通している。

日本、TOKYO(トーキョー)

貧しいというのも何か違い。裕福とも何かが違う。人としてのぬくもりがあるシティのようでいて、何かがずさんで陰惨な血液が流れているような日本人。
ヒーローが存在しそうでいて存在するのか?
未来に期待できそうでいて暗澹たる気持ちで時間にしたら数%を送っている世界。
戦争も起きそうでいて起きない。
朝起きて学校に行く毎日は紀元前よりはるか前に発明されているらしい。

大学生のユニバーシャリィは日本人でごく普通の市民だった。

ソード部(剣道部に近い)の活動をして剣の腕を磨いているが軍人でもない。
「サーフィンを海でやってみたいな。足にどうやって板を固定するのかな」部活の誰かがそういった。
「…やってみたいけど…ソードの練習と両方やるとどっちも半端になるぞ。疲れて力がいきわたらない」
「でもさ、海のサーフィンか、スノボーかどっちかやってみたいな」

暗い生活でもなく明るくもないTOKYO(トーキョー)
小学校、中学校、高校、大学が一つの巨大ビルに集積されている。
電車で通う。近所のビルにも各種の学校がチラホラある。
テナントでサウナやら碁会所とかコンビニがビルの隙間に入っていたりする。

剣はステンレスソードかスチルソード、スポーツナイフだ。

その日本が、いや世界が宇宙人に突如占領された。



2


爆撃開始とともに自衛隊や情報では外国の軍隊も戦ったらしいが、奴らの新兵器に無残に取り押さえられたとか。

「くそ、新兵器じゃしょうがないのか…」
学校は休校だろう。
インターネットも変だ。
つながらないページが増えた。
あと情報源はテレビで全チャンネルはこの話題だ。

「アメリカはどうしたんだ!?」
どうも、曖昧模糊としたテレビのニュースやネットの情報だと宇宙人の侵入と統率が早く進行し、なにもかもジャックされつつあるとかいう。
TVもやつらの意図で許可されている節があるくらいだ。
「学校行ってみるか…だれも来てるわけないかもしれないけど、オレみたいなのがたむろしてるのかも…」
地震とかで避難している人たちのニュースをみたことがあるがこんなスチュエーションなのか。
スーパーもコンビニも活動してはいる。
「金が紙くずになるかもしれないって、違う意味でさ、浮かれて買い物していく奴らもいるよ」コンビニの店員がため口をきいてレジを打ってくる。
非常事態で通常の営業活動、バイト活動をするのも変だという風潮らしい。
「はあ」

ネットではマイクロソフトが表計算とワードプロセッサ、新OSを展開したときのようだという意見が数を多くしていた。

紙の計算している事務のオヤジは職を失うって「サルでもわかるインターネット」を読みあさって、学校では教科書以上にエクセルをマスターさせようとしたい時代が、オレが生まれるか生まれない頃そうだったらしい。
圧政に近い形で富を蓄積し、あたらしい労働と学習のスタイルを押し付けてきた大企業なのか、それで売れて大企業になったのか。
とにかく世間では征服された気分の切れ端を味わったわけだ。

学校の入学試験とか、教科書をくばられても征服されたって気分にならない。
「何千年も前から同じだろ」ってDNAや魂が記憶しているんだ。
本当に斬新なものに征服されると、心身ともに違うオーラが血液を沸騰させる。

あいつにあったとき、これからかなりの年月の後。
地球にくっつくように浮かんだ大戦艦のUFO。
そこには強制的に若い連中がいろんな必要から召喚されたが、最深部にいる地球を統括するボス。
オレと同じくらい若い奴で逆光で光ってよく見えなかった。
笑ってしゃべる。
俺たちと違う文明人って感じがした。



3


「インターネットってなんかTVと同じで流れてくるだけで、所有したって気がしないんだよな。やっぱダウンロードして手元に置かないとダメだな。電子書籍とかでもソフトでも」
TVみたいに流し込むのには都合がいいが、買って手元に置く楽しみがない。
この状況下でのんきにそんなことを考えていた。
「外国のサイトみても英語が読めないからな。映像と雰囲気でなんとなく…」
通常の記事もやっぱり更新されてはいるようだ。
侵略してきたエイリアンの情報は詳細にいたって出てこない。
いや、自分のみかたじゃつかめないという感じか。

「やつら宇宙人はオレらのネットのことどうみているんだ。さらに何世代も未来のシステムとかもっているって感じか。それとも軍事兵器のみ発達してるんだろうか…」

どうも日本語のページみても、憶測とか一次情報でもあまり詳細なのは出てこない。

「やっぱ学校行ってみるか」
無駄かもしれないが電車に乗っていってみた。
パラパラとだけど人がいる。
知っている奴が一人だけいたが、
「あいつか…なんとなく声かけにくいんだよな。話しかけやすい奴来てねーのかな」
携帯電話のメモリーにある電話帳に電話もしにくい。
「もう死んでます」
なんて伝わると怖くて直通はできない。

学校の先生がいた。
事件勃発直前まで講義をきいていた講師だ。
「ああ、先生」
その講師によると、今はまだ通常の業務や活動が日本でおこなわれているが、非常事態のためかなりせきとめられている。
ひと月もたったときには飲み食いさえ危うい。
通信も露骨にマヒしていないのに、日本はもはや正常に機能していない。

「余熱だけで運転しているのか今の日本は」

抵抗もしてないんじゃ、俺達をゆだねているのは空に浮かんだあの宇宙船だ。
はっきりみえて消えない巨大UFO。



4


なんとなくシーンとしていて、なにかをすると不謹慎だとしかられないけど、自重してしまう。
上からの指示を待てというより来ない。
情報をかっさらうように探るのがライフラインのように感じてしまう。

「どうせなら未来のアイテムとかくれ。コンビニも停止したら生活も何もできないぞ」
未来の音楽とかでもいい。

「今いったい何がおこっているの?」
腹立たしそうにそういっている女性の声が通りを歩いていて耳に聞こえてきた。
確かに非常事態がおきて長くなると、最初は斬新だったのが、腹に黒いものがたまっていく感じで、通常の生活を返してくれといいたくなる気分が蓄積していく。

それにしても日本も外国も宇宙人にあっさり征服されて、それでいいのか…
軟弱だといわれないのかと思うが、いまの日本はそんな世界だ。

オレは知っている。
生意気な奴なんか可哀そうだと思うことないんだ。
誰の仲間にも入れてもらえないのは生意気だからだ。
かといって従順なのがすべてよしというわけでもないけどな。
できればかっこよく生意気でいうことを聞きたいものだと考えている。
はっきりいって仲間に入れてもらったとたん大脱走とかいって有り金かっぱらってダッシュする(おー、もー帰ってくんなよ。とか手をふられて見捨てられるんだ)手あい、女でも男でも、女なんか男がだらしないなんていえねーはずだ。
自分がいうこときけねー女なだけだからだ。
そういうひとは自営業みたいに自分でことかまえるしかねー。
そういうオレも育ってねー。
かっこよく支配されて、整列し、役に立ち、逆らいたい。
そうだ、大組織のシステムの中で泳ぎまわるスーパーエリートをめざしたいんだ。
変な漫画小説みたいに自分の領土を支配するなんて遍歴すぎる…

でも、宇宙人に占領されてこれからオレはどうしたらいいんだ。
それこそ従順にあいつらに占領されるのか?それとも命を徹してレジストすんのか。

じめじめ怯えているのも今は居心地がいい。
ネットで情報集めてどうなるのかと…
あんがい物理の熱の項目にでてくるピストンだ。
気体の状態方程式。
圧力がかかっている。
狭い範囲でかつてのように広い行動がとれない。
ひきこもって縮んでいるしかないんだ。
自分のせいじゃなく、政治のせいでもない、外圧。エイリアンシンドロームのせいだ。
気体の理屈とおなじ。外圧のせいで気体の温度が上がって高温になっている。
いや…高温というより、まだ悪くない熱量だ。



5



重苦しい空気が、だんだん痛くなってきた。
「…そろそろ連中か政府か、アメリカか中国がなにか言ってくるだろ」
だがつかめない。

スーパーエリート…
思えば、感謝の心なんて当たり前にすぎない。
自分がお世話になってるって謙虚になりさえすれば、人間生きていれば人に感謝したくなるほど世話になっている。
それでいて感謝の心って難しいんだよな。
損得のそろばんが頭に浮かぶし。
頭下げ過ぎれば安く見られないか?
威張ればバカみたいだしな。

かっこいいお姉さん。
あれがスーパーエリートの極意なんじゃないかと推定している。
女性なんだ。サラリーマンのエキスパートを知っているのは。
漢の大元帥、韓心でも【飛鳥尽きて良弓蔵めらる。狡兎死して走狗烹らる】つまり、大活躍して働かされたのに戦争が終わって余計な権力者だと殺されたんだ。

だから…世の中どうしたらいいんだ。
出し抜いても、役に立ちすぎてもダメ。
バランス…か
かっこいいお姉さんなんか頭下げるか所と威張る個所がなんかオレにはわからない方式でうまいこと、くるくるとやっているんだ。
あれだ、しまわれず、煮られない。
SFみたいなシンセサイザーのきいた音楽のような感じで社会人を送れるそうだ。

自分がボスとか社長、CEOとか王とかだと何かがかっこよくないんだ。
ださい。
偉いのは確かかもしれないが変だし、かなりかっこ悪いことも我慢するんだ。
…取り分として悪い。
金がよくても買えるものなんて市販しているものだけだぞ。
特注とかピカソの絵とか、普通だったらこんなにしねーものに大金出してもつまらない。
変なサボテンとか盆栽とか高いのはわかるけど、なければないでいいんだ。
自営業のラーメン屋の店主なんかみていてうらやましいか?
へたすりゃサラリーマンの何倍も頭下げて店営業しなきゃならないんだ。
そういう血の努力割愛してうまくいっているやつは短時間だ。あとで酷なタイムがきちんと清算される。世の中のレジはよー。


そんなことを考えながらステンレスソードを指定の(銃刀法違反にならない)ケースにいれて肩に担いでいつもと違う異変のTOKYO(トーキョー)の往来を歩いていた。

巨大宇宙船の子機がバラバラと空から下りてきている。
「オウオウ、とうとう動きだしたか」
でも、写真とかYouTubeでよくみるありがちなUFOが肉眼でバラバラと目の前で動いていると怖い。
変に落ち着いている自分も、本当のリアルの怖さを知らないからだ。
そんな宇宙人とかエイリアンなんて甘くねー。

音を立てないでモニターに書いたデジタル画像みたいにすいすい動いている。
「ああ、そうかこっちの世界と違うリアルな世界の乗り物か。この世界だと合成写真の動きかたしているぞ」
つまり偽物だとよく見た世界だが、肉眼のリアルだと信じられない現象がはじまった。
つまり、ゲームとかコンピュータグラフックのモニターのはじっことリアルのTOKYO(トーキョー)の光景がつながったようにみえた。



6


目の前に本当にエイリアンが来ている。
宇宙服と鎧の中間のコスチューム。
ありがちなマンガにでてくる宇宙人。
だが、リアルなのはシンプルなデザインと機能的に見える地味な色あいとかか…

「あっさり屈伏するのか…それとも死をかけて抵抗するのか…」

一応ステンレスソードを抜いた。
練習で得意技。

左手で突きを入れる。
エイリアンは銃を構えたままよけた。
(以外そうか…!?)
右手に持ち替え打ち下ろす。

45

今度も避ける。
相手は無情に銃撃してきた。
(ホントに打たなくても…)
【ビックガン】

ガオン!

はじかれたように、当たらなかった…
だけど、チッこいけど、猛烈なエネルギーを蓄えた鉛玉が飛びぬけた勢いは新幹線触りそうになった恐ろしさだった。
「マジで…しゃれにならない重さだ」
声が飲みこむつばとともに凍りついて腰ぬけになる。
だが、ソバットの態勢で蹴り?+剣撃!
もう頭の中はふらふらだった。

横から跳躍するように右足をエイリアンの制服の横側に流し込む。
それとともに剣も適当に横切らせる。

ゴッ
とうとう命中させた。
67!!
だが、
冷たい玉が体を貫通していた。
シンセサイザーのきいた音楽のような電流のフラクタルのようなエネルギーが移動する白黒の映像が見えたんじゃなく内臓が見ていた。
「ゴウ…」
そこで気を失った…













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