ページビューメ-ター

2013年12月16日月曜日

アンティンエプル戦








ル戦











1


到着した。
アンティンエプルは待ち構えていた。
「よく来た…飲み物も用意してある」
みると大理石の切り出しのテーブルのようなものにライトな飲み物が並んでいる。
「もちろん毒など入っていない」

「すごいサービスだ」ジムがいった。
「フフフッ…5人か。ではダブルボディ(分身の術)で」
ブブブンとアンティンエプルは腕組みをはずして力んだ。
するとひとりだった魔人が5人に分散した。

タンクがいった。
「実力も5分割されるんだろ」
「フフ…そのとおりだ。お前たちとちょうどいいくらいだ。ゲームだが、勝ち抜き戦でどうだ。マイッタというか、死ぬかしたら負けだ」
「どうする」ジムがいう。
「いいさ、それでいこう。一番手はオレだ」ネオがいう。

大理石の柱が建ち並ぶ。
表面に美しい景色が浮かぶ。

アンティンエプルはいった。「フフ、イブはアダムの肋骨から造られたという。番い(つがい)とは元一つの体と魂がダブルボディのように男と女に分かれたものなのかも知れんのだぞ。妻とは自分を女にした分身体かも知れんて」

シャノンがいった。「なるほど…だから妻には夫の考えが読めるのか」
アンティンエプルがいった。「妻とはその男の子機(Pod)ような機械なのかも知れん」
タイガータンクがいった。「よその女のほうがわかったらどうするんだよ」
アンティンエプルはこう答えた。「それは…知らんな。わからん」

ネオVSアンティンエプル①


ジムは意外と飲み物をもう開けていた。
「うまいよ。軽い味わいだ」
「しびれたりしませんか?」シャノンがいう。


ネオがマジカルポケットから剣を出した。
にゅおーん
スネークソード…
「買えよ」
「買え!ネオ」

「ハハッ、気にいっているんだ」
アンティンエプル①は獲物を手にした。「デンジャラスアクス!」
恐ろしいようなハデなデザインの斧だ。

「暴走族のバイクみたいなデザインだぞ」ネオが構える。



2


敵は怪力ででかい斧をふりまわしてくる。
間合いに入れない。

ネオはあせった。
「強いぞ。これで5分の1かよ!」
「模擬の練習試合と違って首をもっていかれるからな」ジムがいった。

タンクがいった。「わかった気がする。女にもてるとかもてないとか…」
シャノンがいった。「私も…不名誉な理由でもてるのかと考えたことさえありますが。サラリーマン不適格者がもてるのかと子供のころ分析したことがありましたが、いや、管理職につきそうな奴がもてるのかと修正したりしました」
タンクがいった。「ダブルボディだよ。アビリティが何種類もあれば、その数だけ分身に分けられるだろ。才能の卵じゃ無理だろうけど、オーラ、剣、魔法、斧とか」
「すると、アビリティに対応して女性の分身の自分が発生すると」
「そうかも、アビリティの数だけもてるんだよ」
ウィーナーがいった。「自分の妻以外の女性にもてたいとも思わないが…」


ネオがネオダイナマイトをつかった。
だが、硬そうな髭を生やした典型的な魔人は手のひらでピタととめた。

「うわ!おおう、オレがかなう相手じゃないかもしれないぞ」
ジムが焦りだした。
「まずいぞ、ほんとうにそうだ。ネオで通じないならオレたち全滅かも」
「ホントに5分割かよ」

「この程度か…」魔人はとどめを刺そうとする。
ジムが声をかける。「ネオ、アリスタンダーをたおしてレベルアップしたんだろ!?」
「いや、あのときのオレのままだ、あああ」



3


ドス…
斧はネオをはずして地面に突き刺さっていた…
「やめだ。お前たちではわたしに勝てない。もっと人数を集めろ」

ジムが通信して時空警察の本部に応援を要請した。
ややしばらくして、通信業務を担当する部署がネット上に事情を発表。

エカルテ城

「お」
エドアールが時空警察の文章を読んだ。
「特防隊で苦戦か」
「応援に自薦するものはいないかと」
「オーブリー、エドアール、いってこい」クラークが推した。

秘書猫が返答文を書いた。
エドアールたちが準備をしていると、スフィンクスの画面にアンティンエプルが映った。

■□

「こんな神殿にコンピュータ端末があったとは」シャノンがいった。
大理石で地面と一体化したモニター。
「アーケードゲームの基盤みたいだ」
そのマシンでアンティンエプルはエカルテのコンピュータと通信している。
タンクも飲み物を飲んで休んでいる。
「悔しいけど、勝てないだろ」

「このウェディングホーン(結婚式の角笛)は向こうが来たいと願い。こっちが呼びたいと思っている相手を瞬間移動させることができる。ただ、使うにはそれなりの理由がないと働かないがな」
アンティンエプルは立派なひもがついている角笛を吹いた。

ぱおおおおぉおん
象の鳴き声のようだった。

煙とともにオーブリーとエドアールが立っている。
「うおお、テレポか」

「では始めるか」



4


アンティンエプルはいった。
「私はこのまま5体でいく。お前たちは7人になった。勝ち抜き戦の順番を決めろ。それは後で覆せない。それは許さん…だからよく考えて決めろ」

思案の結果こう決定した。

1:エドアール
2:ネオ
3:ウィーナー
4:タイガータンク
5:シャノン
6:オーブリー
7:ジム


向こうはさっきと同じデンジャラスアクスだ。


「エドアールまず一勝するんだ」オーブリーが慎重そうにいう。
「ああ、二体破壊する」
エドアールはグッド・ソードとやや小型のオーバーランスを担いでいる。
「武器は何本でもいい」魔人は笑った。

「いくぞ」まずグッド・ソードを抜いた。ランスはさかさに地面に突き刺した。
煙が舞う。

アンティンエプルは地面に刺さった斧を持ち上げた。
ぐぐぐん…
どし、肩に担いだ。
「…」

エドアールの動きが止まった。
スキがない。

「あれだ…五分割しているのに、あんな強いんだ」
オーブリーも目を見張った。
(強い…斬り込むと斧が来そうだ。どうする!?)

「クッ」
「こないなら、こっちから行くぞ」
ダッシュしておどりかかってくる。

キラーカッター

「ふおっ!」
エドアールは思い切ってジャンプして避けた。
デンジャラスアクスは地面に直撃し大理石に亀裂が入る。

だが、避けるだけが精いっぱいで反撃の余裕がない。
(クソ…一撃を入れたい、が…)

タンクも思った。
「ホントに力も何も五分割されるのかよ。おかしい…だとしたら、スタミナが減るのが速いはずだ」

「エドアールは魔法が使えない」オーブリーがいった。
「使えても止められる」ネオがいう。




5


エドアールは剣をかまえ対峙した。
ギラン
一瞬の間に飛び込んだ。
もはや思考していなかった。針で縫うように、考えられない隙間を、奇跡のようなスキをくぐりぬけた。
ガッ

ビッ
ビシ
グッド・ソードがかけた。
アンティンエプルに傷がついた。

「おおっ」

そのあと、エドアールはすばやくくりだした。

スカルボン 2678

肩に剣を重く落とされて、アンティンエプルはのけぞった。
「ぐうっ、喰らった…」
だが、ばねが反発するようにデンジャラスアクスを落としてきた。
「ハッ」
エドアールはグッド・ソードを真正面に構え、飛び込んだ。
ベギィ・ギァン

グッド・ソードが真ん中から真っ二つに斬れた。
デンジャラスアクスの刃圧に負けた。
だが、…
エドアールは折れた剣の残りをアンティンエプルの頭上に叩きつけた。
「がつ!?」

1874

着地するといった。「とうとう折れたか。長いこと使っていた…」
「いいぞ、エドアール」



6



エドアールはオーバーランスをとる。
「なやなかやるな、こんどは槍か」
アンティンエプルは構える。

スカイキング
魔人は跳躍した。
デンジャラスアクスを落下の勢いとプラスして叩き落とす気だ。

エドアールはスーパーエドアールになった。
「闘気を高めるぞ」

対する技は…

マンハッタン
「剣でもやりでもできる技だ」

背中に武器を背負うかのような構えで待ち受ける。

スカイキング 2500
マンハッタン  5412

アンティンエプルとエドアールが交錯した。

マンハッタンは入った。
エドアールにはスカイキングがかすった。 812

エドアールは腕を抑える。
出血してる…
アンティンエプルはまだ生きている。

タンクはいった。
「武器だ…奴は武器がいいんだよ。魔人の斧」

エドアールはまだ体力がある。
アンティンエプルはダメージをおったうえ、スタミナも連動して切れてきている。

「弱ってきているぞ…」エドアールがオーバーランスを構えていう。
「なかなかやるな…」

シャノンがいった。
「魔人の①には魔法攻撃がないようですが」
「力に編重しているんだよ」タンクがいう。

ギン
最後の打ち会いで、アンティンエプルは倒れた。
「勝った…」
アンティンエプル①は消滅した。




7


「ひとり敗北したか…」アンティンエプルはそういった。
ジムがいった。「時空警察隊の死体と折れ曲がった剣が落ちていた」
「ああ、あれな」
「おまえは、どうもその卑劣な雰囲気の敵と違っておだやかだけど、どういうことだ」
「ひとりだけキャラが違うよ」タンクがいう。

「…この塔の最上階(いちばんうえ)にいるのは私の主ではない。わたしは『アラジンと魔法のランプ』のイフリートが呼び出した主に従うみたいなものなのだ」
「なるほどなあ」ジムがいう。

「なら、なんなんだよ。このダンジョンのボスは」
「…破滅の神だ。かつて人類を創造した。この世界の人類とは別だが。破滅の神はアンドロギュノスの両性具有体だったという。なんでも、人類を男女に分けた方が、うまくことが運ぶともいわれている。それだけの単純なものでもないだろうが、破滅の神は雌雄同一体の人類を造った。だが、その人類は破滅の神のいうことをきかない。まったく人間社会というものがめちゃくちゃだった。あまりに醜く、神にすら逆らい。愛から遠く。果ては自らをむしばむ。その人類に嫌気がさした破滅の神は、まだ、救いがあった。人類を抹消して、まだ、自分に人類の創造ははやい。修業をし直し、新たな力に目覚めた時こそ…」
「破滅の神…」
「その修行途中できさまら、違う世界の人間に遭遇したという…。では、二戦目をはじめるぞ」



8


アンティンエプル②はドラゴンソードを握る。
ひきつづきエドアールがオーバーランスをとる。
ランスを旋回させる。
風きり音が唸る。

「…気をつけろ、貴様たちは破滅の神の怒りを買っておるようだ」アンティンエプルはそういった。
エドアールはおちついていいかえした。「何をしたというのだ…。しったことか…」

槍と剣が交差する。

「おお!」

エドアールのオーバーランスがかする。
敵はフレイムボムをうってきた。
「ぬうっ」
間一髪かわすが、火焔の熱を肌で感じる。

ネオがいった。「フレイムボムと剣の二つが特技か…!」