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2013年11月8日金曜日

バーラルレディとの激戦







バーラルディとの激戦









1


ジムがグッドソードを握る。
タンクが忠告する。「バリアに気をつけろ。体表を覆っている」
三体とも敵は女性の人間の姿をしている。

春雨 ガガガガ
バリアで覆われた腕でガードする。
568
反撃にフレイムボムと違う炎を反対の腕で造りあげ、なげつける。

ジムは落ち着いて斬りはらう。
「ハウッ」
そこで動作を止めず踏み込んだ。
「両手突き!」
ドッ!
978

だが火炎を喰らった。
赤黒い火炎だ。
ボオオオッ!
ジムは「しまっ…」と声をだしたが、火に焼かれた。
熱湯をかぶったように熱い。
ジムは反対方向にころがるように倒れた。
火は消えたが火傷をおう。

874

タイガータンクが最大サイズのオーバーランスを持ち上げる。
上から降り落とす。
ズドン
敵はかわすが、もう一本が落ちてくる。
「二撃目!捉えた!」

バーラルレディはバリアでカバーし腕をクロスするがもろにオーバーランスを喰らった。
1478
「フェイクにかかったな。でもバリアがじゃまだよ」



2


ビーナス

異次元の狭間から出ていた。
アルフとアルセウスは喫茶店にはいった。

ガランとドアにくくられた鈴が鳴る。
外気の澄んだ風の匂いから、店内のコーヒーと喫煙の煙の名残が混じった風が鼻から頭に流れる。懐かしいような気持ちになる。
入って慣れるとマヒするのか、意識に上らなくなる。

アルフは気がついた。「昭和60年代の日本の香りだ」
「二本?」アルセウスがいった。
「俺は地球のアメリカ人だが…ガキのころオヤジに連れられて横浜の波止場から日本に上陸したことがある。そのころの匂いだ」
ピンクの10円電話がある。

木でできたテーブルに座る。ほとんど人がいなさそうだ。
四人掛けに向かい合わせにゆっくり座る。

窓の棚に砂漠の砂を思わせる黄色で岩石みたいな質感の敷物とそのうえに観葉植物の鉢がのる。
「…砂漠のオアシスみたいな。ヤシの木を思わせる」
「本能のレベルで癒される飾りだ」

ダルマウィスキーの瓶で作られた人形。
キューピー人形が小人の洋服を着ている。

運ばれてきたコーヒーがセトモノという感じのコーヒーカップに入っている。
L字に区切られたというのか、カウンターと窓の席がそうなっている。
「ブランデーが入ってないか?このコーヒー」
アルセウスがいった。
「うーん、そんな感じがする。角砂糖と窓の外は海か岸か」



3


オーブリーにバーラルレディ・ヨルムンガンドルの攻撃がかする。
オーブリーはすり抜けた。
「?半透明にすり抜けた?オレが?そこまでパワーアップしたか」

二撃目もすり抜けた。

「自分の攻撃もすり抜けるか?!幽霊にでもなったか」

皇申剣!

オーブリーの背後から、エジオンの大自然のノアが吹き抜けるように集まり、イーグルフルーレから一点に吹きだした。

ズッギャー 6879
ヨルムンガンドルは吹き飛んだ。

「こちらの攻撃は当たる!?」

バーラルレディはおきあがる。
クイックパンチを飛びかかり、オーブリーに叩きこむ。
スカッ
すり抜ける。
「!?ダメージがないぞ」
オーブリーはスヌーカーを撃った。
ドッ

バーラルレディの首に突き刺さる。
血が噴き出す。
敵は、まだ平静を保ち首を手で押さえる。
目は三角で真っ赤に塗りつぶされている。

バーラルレディは無限陣を描いた。
空間がゆがむ

「!」




4


オーブリーの体が空間のゆがみにまとわりつかれる。
「ぬおっ!?吸いこまれる」
ゆっくりとオーブリーは飲み込まれた。カエルが蛇に飲まれるように。

アランがいった。
「5対3になったぞ」

だが、ヨルムンガンドルも気絶したかのように倒れた。
「5対2だ」

パーカーがエジオンソードのアクセルをふかす。
グオオオオオオ

超重力の渦が高まり超重力と化す。

真ん中のバーラルレディがプレッシャーで崩れ去りそうになっている。
圧力に耐え切れず爆発だ!

ボンボンボンボガンゴオン 4998

バーラルレディは高温でしばらくふらついていたが、体制を整えた。

シンドローム キンキンキラギラ

パーカーはダメージを受けさらに混乱した。
872
「うぅうっ」
エジオンソードを剣としてふるいアランにふるった。
「おおおっ!?正気にもどれパーカー」
アランはゴールドエクスカリバーでうけた。
アランはパンチをパーカーにたたき込むと、正気をとりもどしだした。
「ううっ…」

ファジオはカーターに教わったサンラストブレイクを使おうと思った。
「あれ、やってみるか…」

地球:パズズを倒した後の回想


カーターはファジオにいった。
「わたしには使いこなせないかもしれないが君ならできるかもしれん」

アロンからカーターが教わったサンラストブレイク。
まず剣の柄の端を左手で握り、宙に放り投げる。
それを右手でキャッチ、そしてふるう。
「キャッチした瞬間拍子を置け。勢いをながしてばねのように反動で打つ!」

片手でこの動作を両方やると、筋肉が疲労し勢いが今一なのと、脳のコントロールがややおくれる。
サポートの左手はそれだけに集中し、両手持ちは以外と狙いを定めにくく、片手で思う存分ふるう。だが、強大な握力がないと失敗するだけでなく腕を傷める。

「上級者になると剣を空中でくるくる回して握る。あるいは足さばきを躍りかかるように…」
最終段階は天にある太陽を輪切りにし、その炎を剣にまとい、敵にたたき落とすという。

ケンダマにありそうな技であるが、さらわれた王女を助けるために編み出された技だという。

ファジオはファイティングカッターでサンラストブレイクをはなった。

(やった…!!)
喰らう瞬間、シンドロームをファジオにかけた。
ドゥギャ 5678!!!!

バギ ファジオの剣がバッキリと折れた。
そしてファジオに678ダメージ、そのまま気絶した。

バーラルレディはまだ体力がある。

アランがいった。
42だぞ」

タイガータンクが叫んだ。
「しっかりしろ!!うろたえるなよ。はげませよ」
なぜか巨大化して特大のオーバーランスをグンと持ち上げる。
真上からたたき落とす。
バリアがきれてきた、バーラルレディにつきささる。
3215
反対の槍を投げつけるように放る。
1564


5


ジムはサムライ切りをはなった!
片手を腰にあて、姿勢を低く横なぎにグッド・ソードをうつ。

ザ 1678

バーラルレディはバリアをつかった。
赤くにじんだ光に包まれる。
ジムのグッドソードを手でつかんだ。
熊の腕のような剛腕になっている。
「うおっわ!?」
ジムはつかまれたソードをはなしてしまった。
敵はへし折ろうとしている。
ベキキ…ベキン!

その瞬間、マジカルポケットからジムはライトフレームランチャーを取り出していた。
ズオン!
1000

バリアを張った状態から敵はレイザーを撃ってきた。
物体のように一時的に空間に存在する。それを手でつかみ、手槍のようになげてくる。
ジャベリン・レイザー

チュオン 1000
「うおぅ、制服が焼ける」
ジムは転がりまわり火を消した。

タンクがいう。
「敵は魔法の力を半分は使い切ったはずだぞ」
「それもそうだ!これだけ術をつかってるんだ」

アランがゴールドエクスカリバーをふるう。
ゴオン!

手のひらで止められた。
150

クイックパンチ 986
素早くアランはパンチを打ち込まれる。
「グ」クラクラ…
さらに
クイックパンチ 869

もうふらふらにアランはなっていた。
剣をつえに立っていた。

(クソ…エジオンを守る力を…)
アランはよいことを心に願ったので、体力が回復した、体力が回復した、体力が…

パーカーがエジオンソードを高熱レイザーモードで起動した。
フオンフォンチィイイン

シュド、ジューゥゥウゥゥウゥ、オオン

3154
火の雨がバーラルレディを襲う。
1235
2451

バーラルレディはエントロピーを崩壊させた。
頭がぼーっとする。
アパシー状態だ。

バリアをつかったバーラルレディはバーラルアクスを投げつけてきた。
勢いをつけて回転してくる。
タンクは右の槍を地面に落とした。
ドン

一本の槍を物干しざおのようにふりまわし、アクスをからみとる。
そのままひっかけふりまわし、反対に送り返した。
ドガ!

当たらなかったが、足元に刺さる。




6


アランが両手持ちで挑みかかる。
「何とか一太刀でも!」
バーラルレディの脇腹に食い込んだ。

987
「やった…やっと」
次の瞬間ドス黒い火焔がアランを焼いた。
剣から火が伝わって燃え移る。
「うおおおおお!?」
645

パーカーのエジオンソードが鳴る。
「ダウンロードのお知らせだ!エジオンソード開発チームの連中は外貨をよこせといいやがる」
ダウンロードしてみた。
剣の柄に小さく文字が表示される。

6000コイン

【ダウンロード中:高速移動モード】
パーカーの口座から引き落とされた。
チン

「高速移動モード?」
パーカーは音速兜の様なスピードで動いた。
「早い!」
そしてカマイタチを剣から発射する。
ズドドオド 3012

バーラルレディはゴーストアクスを投げつけてきた。
「高速移動モードはよけるのにも使えるぞ!」
剣を持ったまま、テレポートソードのようによける。

パーカーは弧を描くように旋回する。
風の精と化したようだった。

ズザザザンン 2894

バーラルレディは弱ってきた。
パーカーの素早い動きでの連射にたえかね、自らの体を毒竜にかえた。
ウゥウウウウン

アランが叫ぶ!
「あああ、あいつの体が」

自らの体をあえてエジオンソードにつきさせ、動きを止めた。
「なっ、!?まずい剣がぬけん!!」

【自らの体を崩壊させる】

ズドドドドド…

高圧のエネルギーが炸裂する。
ジムもタイガータンクもアランもまずいと直感した。

アウストロクロスが対抗するように輝いた。
ピカ!

二つのエネルギーの衝突!
レットのアウストロクロスはバーラルレディの自らを燃やしつくす、生命の力をかき消しながら膨れ上がる。

ジムとタイガータンクは地面に伏せた。

その真上!
レットはパーカーとアランを抱えて宙を飛んでいた。
「まったく、オーブリーがいてこれじゃ世話が焼けるけど」

爆発は縮んできた。
レットは二人を置いて着地する。

「助かったぞ。アルフレット、テレポートか」
「大神の力でね」

みるとバーラルレディの死骸が焦げ付いていた。
「死んでる…」
「燃やしつくしたんだ。自らを…」





7


オーブリーは陣のなかで自分に似たなりの男を見た。
「君は…君も義賊か?」
「タルテモンド・タルヤョーヴナ…」
「タルテモンド…」
オーブリーが近付こうとすると半透明の壁が現れ、はばまれた。
ピキン

「な…バリア」
「単純な時間稼ぎの陣だ。おとなしくしていれば、直に出られる…」
そう男はいった。
そして無言で笑っている。

「なぜ、黙っている!?君は…」
オーブリーはまた近づこうとした、相手は無言で立っている。
その瞬間エネルギーの圧力を感じた。

宇宙空間に穴をあける。
SFなどでよくあるが、あれはやはり高エネルギーや莫大な熱が現実空間をゆする材料だろう。単純のようだが熱やエネルギーが次元の狭間をゆするだろう。
レッドのアウストロクロスとバーラルレディのエネルギーの衝突が次元に穴をあけオーブリーはひきよせられるように現実空間に放り出された。

同時にバーラルレディ・ヨルムンガンドルが目を覚ました。




8


ファジオはまだ気を失っている。
オーブリー、アラン、パーカー、タイガータンク、ジムの5体2のバトルだ。

バーラルレディ・ヨルムンガンドルの体から黒い霧が発散した。


レイチェルモンドはモニターで戦況を見ていたが、パーカーの支持率が下がっている。
「こ…これは、バーラルレディの支持率の低さが移っているぞ。だが、一時的なものだ、倒せば回復する…やつらバーラルレディはこの世界では侵略者だ。支持率など低いに決まっている。やつらには惑星に故郷があるのか!?都市生活をしているのか不明だな。暗黒の霧の星とかに文明と違う魔の世界を築いているのか…」


さらに、味方全員の運の良さが下がった、運の良さが下がった、下がった…

パーカーがいった。
「うおお、いつもラッキーで克服してきた私が、不運に…並んでも見れないぞ…」

【アンラッキー】
「だから、いいことをしないとダメなんだ。運の良さが下がって、不運なことばかりおこる」
アランが叫んだ。

ゴールドエクスカリバーをふるう。
ゴン 689
その勢いで剣が折れた。
「うおおお!?とうとう折れた。熱と長い戦いで劣化していたのか…アンラッキーが続くぞ」
パーカーがいった。
「自分もだろ、こいつら普段から慢性的に不運に包まれてやがる。説教(アドヴァイス)するなら、嫌でも我慢していいことをしろというしかないぞ!」

アランがいう。「前向きなのだけが取り柄のオレが」
オーブリーもいった。
「ゲームじゃないんだ。運の良さなんて」
レットがいう。
「いや、ありえるね。電磁力線なんてあるかないかわからないものが方程式の通り動いているんだ。ゲームと同じように運の良さが数学的にすら測れるのかもしれない…。そして、いいことを普段していると上がるのが道理だ」

オーブリーが新技に目覚めた。

【ラッキーフォース】

イーグルフルーレの剣先からビームのように幸運の力が降り注ぐ。
グングングングオオンン

9002

「ほう、オーブリー君、9000をだしたか、いいぞ」レットがドラゴンソードをかまえながらいった。

タイガータンクがいう。
「こっちの一体も片づけたぞ、大蛇にならなかった」
ジムもいう。
「もう生き返らないぞ。完全に死骸だ」

人間の女性の姿で倒れていた、ヨルムンガンドルがとうとう巨大な蛇へと姿を現した。

「リバイアサンをけばくしたような毒竜だ」パーカーがいった。
「ドラゴンソードがきくかもね」レットが剣をかまえる。


9


ビーナス


街を歩いていたアルフとアルセウスの目の前に輝くドアがあらわれ、階段を降りてきた人物がいた。

「みろ、連中はあんなものを持っているぞ」
「空中からドアが…新世界に来た気がする。もっと見せつけてほしい。悔しいくらいじゃないと面白くない」

降りてきた男はアルフ達を見つけるとこういった。
「ン?お前らが今度の敵か!?手に入れたこの炎の剣で成敗してくれる」
「なんだ、おまえは!?なんでいきなり」アルフでもひいた。
アルセウスがいった。「誰だ貴様は…」

男は答えた燃え上がる炎の剣を握り締めている。「ソルコリギター・ソリィコギッチ…異世界のドアの向こうは未来都市のようだが…」










バーラルレディ襲撃








バーラルディ襲撃








1



エジオン

パーカーは基地のコントロールルームでイスにもたれて居眠りをしていた。
突然電話が鳴った。
PPPPP

「はっ、なんだ!?アルフレット!?ウルフか」
電話に出たのは女性の声で、時空警察からだった。
≪緊急事態発生。レーダーで確認していますか?バーラルレディが数体エジオンに接近しております≫
「なんだと!?ホントだ」
≪強力なモンスターのため時空警察から二名派遣いたします≫
「すまない」
≪ジム隊員とタイガータンク隊員の二名です。戦況により応援を送ります≫


パーカーはジャイロダインの司令室に電話した。
モニターにウルフが映る。
「襲撃だ!ウルフ。アルフレットとアルセウス…ああ、やつはビーナスだ。アランをおくれ。強敵が集団で来る」
≪パーカーさあん、ジャイロを狙われたら危険ですよ≫
「そうか…!ならアルフレットをジャイロダインに置く。アランをエジオンによこせ」
≪ラジャ≫

レットはもうエジオンで暮していたが、ファジオはどうだろう?
パーカーはレイチェルモンドに連絡した。
「連絡を取ると彼らは向かっています。オーブリー氏とファジオが」
「…場合によってはカーター氏に応援を…いや地球も襲われるかもしれないしな。敵とどっちが先につく!?」
「ファジオたちです。レーダーの動きから予測すると」

彼らはロシアの病院を退院し地球から向かっていた。



2


パーカーが叫ぶ!
「バリアだ、あれで建物のない戦闘しやすい地域に誘導しろ」
レイチェルモンドがいう。
「…イエス。ですが…敵のパワーをかんがえるとバリアをひきちぎるかも」
「ないよりはいい」


アランが到着した。
「アルフレットはジャイロダインを死守するといっていたぞ。オレもパワーアップした。力になれる。前に戦ったときはずたぼろだったけどな」
レイチェルモンドがいう。
「私とアラン君、パーカーさん、じきにオーブリー氏とファジオがきます。5人で戦闘ですか」
パーカーがいう。
「敵もぐんぐん近づくバーラルレディの編隊だぞ!?一匹で危ないのに」
「ガオンとレベルが違うからな」アランが力んだ。


3


パーカーは煙草を何本もすいつくした。
ファジオたちの到着の知らせを黙って待ち、レーダーに見え隠れするバーラルレディの集団を見やり、いらいらしていた。

腕を組んで立っている。
コーヒールームに行っては喫煙した。

「レイチェルモンド、こういうときはソルジャーを整列させて待ち構えたいもんだな」
時空警察の応援もまだ来ない。



4


ハウエルスの手にビームサーベルがにぎられている。
ちゅおうん

400

アルフレットはスペースブレイクをつかった。
「スペースブレイク約四分の一」

大地震のように異次元空間が揺れる。

ズームムムウン

ハウエルスはふっとび、そのままたおれがっくり動かなくなった。


トルルッルウル

不思議な機械音が鳴る。

ハウエルスはのろのろおきあがり、イスに座る。
充電されている感じだった。
上の空間から音楽のジャケットのようなカラフルな映像がとんできて、ハウエルスの金属の体全体に映った。
「虹が輝くようだ」

映画のように、何もない空間にTV画面のようなものが浮き出る。

それはまだ存在しない異次元世界であった。

苦労をして成長する人間と違い、装備するアイテムによりパワーアップするハウエルスの世界。
金がすべてともいえるが、倒した敵から装備を得ることもある。
人間社会、古代から文明の現代まで嫌気がさした人が違うルールの世界を求めて暮らせるように設計されていた。


「モデルハウスのCMのようだ」
「ああ…」





5


レイチェルモンドがパーカーに報告した。
「レーダー、またターゲットを見失いました」
「クソッ!宇宙船と違いサイズが小さいから…!!」

ファジオとオーブリーがエジオンのエアポートについた。
エルダがむかえにきていた。
エジオンは緊迫している。

「ファジオ、これから戦争だよ。準備はいい?」
ファジオは無言でうなずく。
「地球でも戦ってきた。前より慣れた…」

パーカーの基地に集まる。

オーブリーが挨拶した。
「あ、ああ、パーカーさん。オーブリーです。クラーク王から使わされた」
パーカーは片手を差し出した。
「オーブリーさん、よろしくお願いします。ジャイロダインの見学はバーラルレディとの戦闘の後だ」
「ええ、強敵だとか」

パーカーはイスにすわってモニターをみているレイチェルモンドにいった。
「どのくらいの戦闘力だ?敵は」
「時空警察のコンピュータ、リトルによると…」



6


エジオン周辺は磁気嵐にみまわれた。
「吹雪でもないのに、見えない磁力線がふぶいている感じだ」
「たしかに、思考も混乱します」


オーブリーとファジオはコーヒールームで待機していた。
アランが無料自動販売機で缶コーヒーをとってきた。

「まあ、ニュースでも見ていよう」
そういって壁にビックなニュース画面が映る。

ジャイロにいるレットが映った。
≪ジャイロダインは任せろ。もう一人の俺アルフは遠くで何も知らずに旅をしている≫
オーブリーがいった。
「あ、アルフレットだ」

パーカーが入ってきて煙草に火をつけた。
「どうも、バーラルレディの体から妨害電波の嵐が発生しているらしい。近いぞ」
「目に見えない吹雪みたいです」ファジオがいった。

レットがいった。
≪僕からの贈り物だ≫
メールを送ってきた。

壁の大きな画面からメールが飛び出してきた。

ホログラムのカラフルな玉や星の形の立体がジャラジャラと落ちてくる。

オーブリーがいった。
「やめろ、光の塊が落ちてくるぞ」
≪ははは、電子ブックもとびだすぞ≫





7


タイガータンクとジムが小型時空警察艦にのってエジオンに向かう。
タイガータンクがジムにいう。
「エジオンのパーカーっていう人の手腕を見るのが楽しみだよ」
「僕もよく知らないけど」
「今まで戦ったっていったってガオン程度なんだろ。今度の敵なんて危険度大だ。おれたちは警察で有料で援軍やるだけだけど、上のひとなんか下から槍で刺されるんだよ」

「紂王と百官」という歴史小説を広げている。

〈朕(ちん)からすると、あの武成王でさえ、自分の我の勢力を張るために発言したりする。確かに商(殷:イン)の国で歩が悪くなっては苦しい。それは百官誰しも同じだ。商を守ることにかけて誠実さと勤勉さで並ぶものは確かにいない。だが、職務が個人の私情、一身上となっている。聞仲(聞太師)は朕の身を慮って諫言するようでいながら、朕をたてたりはしない。代々の商に忠誠を誓い、この紂に忠誠を持たぬ。この二人なくしては、商の大きな祭りごとに差し支える上、まだ、このふたりは朕の片腕がつとまるから、迂闊に逆らえぬ。生身の人間でなく超人の…うんぬん。
思えば朕の権力の届く範囲など狭い。諸外国に対し権威があるといえ、商の中では紂の一存でできることなど限りがあり、朝廷の印がないと認められないことが山ほどある。うんぬん〉

「この紂王が座布団何枚も重ねてあぐらかいて、どっしり座っていると聞仲とか武成王に下からドつかれると、ピョンと跳ねあがって慌てるのがおもしろいんだよ。オレもこの城で奉公して暮らしてみたいよ」
「百官たばねる王?昔の歴史ものか。君とかマナー悪いとかいわれるような気がするな」
「なんでだよ」
「荒れくれものの血を引いていそうだからだ。僕とかひ弱だけど生え抜きの組織人だからだ」
「フォン・ノイマンって科学者IQが高いだろ。悪人みたいに言われるけどメガロポリスにもどったら伝記たくさん買うよ」
「緊張してきたな。こういうんだよ。オレにはコイン一枚であとはいらねぇ」



8


パーカーがいった。
「バーラルレディの宇宙空間の移動の遅さは、宇宙船でないためだろうか」
レイチェルモンドがいった。
「それもありますが…どうも、進路をまよっているような」
「エジオンからの近距離をガードしているのかもな」

ファジオがコーヒールームから出てきた。
「…」
パーカーはふりむいていった。
「…まだだ、敵はこない。それより時空警察の方が先に到着するな」


9

タイガータンクがいう。
「自分が下っ端の仕事やらされているとき、店や町に欲しくて素敵なもの並んでいるように見えるだろ。でも買えないだろ」
「…」
「偉くなると酒がおいしくなるくらいだろ」
「下っ端でも美味しいけどな。もうつくぞ」
「オーバーランスのでかいの二挺かついで活躍するとバズーカ肩に担いでる気分になるんだよ」


エジオンに船が降りた。

ジムがいう。
「時空警察のジムです。よろしく」
「早い到着でうれしいです。敵はまだ来ない。うろついているようにすら見える」
パーカーもいった。

オーブリーがファジオにいった。
「かなり人数がいる。これなら」




10


タイガータンクがいった。
「たしか、地球という星この近くだろ」
レイチェルモンドが返事した。
「ええ、地球はむこうで、宇宙船の開発が遅れていますが、コンピュータとスマートフォンがかなり進んでいる…」
パーカーがさけんだ。
「きたぞ!」

ゴゴゴゴゴとあたりが揺れだす。
思考をみだす電波で人間不信に陥りやすくなる。

「!?バリアをさけるようだが」
「こっちのもくろみどうり、建物のない位置に向かっています」
「見えるのだろうか!?バリアが」
「なんとなくみえるんだろ」タイガータンクはオーバーランスをかついだ。


全員外に出て自動車でむかった。
レイチェルモンドは基地で連絡かかりだ。

「三体いるぞ、これだけか」
車のラジオでレイチェルモンドが応答した。
≪ガー、どうやら上空に数体待機している様子≫
「くそう、妨害電波でよくみえないか」
「砂嵐で雲隠れだ」

有無をいわさずタイガータンクが左右の槍を肩から打ち下ろすようにはなった。
ドン!ドン!

バーラルレディはバリアをはった。
赤色の滲んだ光に包まれる。
ビィィィィン
一撃目を手で防いだ。
二撃目はかすった。
654

「バリアか…それでもダメージがあるな…」

ジム、タイガータンク、パーカー、アラン、ファジオ、オーブリーとならぶ。

真ん中のバーラルレディがエントロピーを崩壊させた。

ン・オオオオオンン

パーカーが腕で顔を覆う。
「熱と違う熱だ。精神が蒸し暑い」
ファジオもいった。
「闘気が高まらない」

オーブリーがスカラムーシュを放つ。

ビシ 
長い爪ではさみのように剣先を防ぐ。
「バーラルレディ・ヨルムンガンドル」

毒気を含む煙がもうもうと上がる。