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2013年11月4日月曜日

エルモント家とハォゼンツィズ家






エルモントとハォゼンツィズ









1



エドアールがブラウザメールでアルバリシアと電話している。
エドアールが見ているウェブページがアルバリシアにメールのように見える。
そしてみているページはラグナクロク方面の旅マップだ。

デフォルトした地図に観光や遊興施設などがのっている。
商業施設のほうは運営している旅マップのサイト運営者に広告費を払って乗せてもらう。

「ここなんかどうだ!?」
キーをカタカタたたく。

≪シアターロッキングチェア::ここは?≫
≪うーん、映画もいいけど≫

「それじゃあ…」
カタカタ
≪色柄の皿展示会、優雅な陶磁器など≫
しばらくして返信が来た。
OK
そして携帯電話に電話が直接来た。
アルバリシアはしゃべりだす。

チケットを二枚ダウンロードしてお財布カードに移した。
ピッ


エドアールはオートコントロールカーをもっていなかった。
ラグナロク軍隊長とガウス研究所の責任者の年金をもらっていたが、チューブの中を走るロケットチューブでいくことにした。

ジェットコースターの席を思い出させる。
無音で振動して走りだす。

フオン・チューン

「速いな。チューブの中は気圧が違う気がする」
「なんかヒンヤリするわね」


色柄の皿の展示会はエドアールには退屈と“興味深い”の中間のような感じがした。
「びっくりするようなアートのほうがよかったかな。でも、きれいな絵だ」
「一枚買ってもいい?エドアール」

人は展示会の中はパラパラだったが、モールの通路などはすごい人だった。
家族づれ、女の子のグループ。ハイスクールか大学くらいの3人ずれ。大荷物を持っている旅行者。ビジネスマン風のバックとスタイルの男性。小母さんと娘さまざまだ。


喫茶店でエドアールはジンジャーエールを頼んだ。
ガラス張りのストレートな喫茶店で、大粒のコハク色をしたシュガーがガラス瓶に入ってスプーンがささっている。
店内の照明は暗い。
アルバリシアはレモンの輪切りが刺さった紅茶を飲んだ。
テーブルは過半数が客で埋まっているようにみえる。

長引くと疲れるのでもう帰ることにした。
エドアールはガラス張りの喫煙室に入って煙草を吸った。
アルバリシアは外で待っていた。

ガラスの表面にワイパーのように水が滝のようにサーッと流れる。
たばこの煙を洗い流すのである。

エドアールは煙草に火をつけた。



2


アルバリシアの悲鳴が聞こえる。
(そんなバカな…!!?)
エドアールは一瞬思考が回らなかった。
外に出てわかったが、広い幅を置いてあっちがわの窓にモンスターが映っている。
「こんな街中で!しまった、迷ったがソードは置いてきた」

のちにラグナロク軍隊員のトムが、「エドアールがいたから狙われたんだぜ。壊れた建物弁償しろよ」といった。エドアールは否定した。


エドアールは外に飛び出した。

マジックドラゴン 一体

「クソッ!丸腰(武器なし)だ」
みると建物の中の公園のような場所に剣が台に突き刺さっている。
花壇があり、碑文が刻まれている。

「模造刀…?いちかばちか」
エドアールは「ちょっと失礼」と剣を引き抜いて見た。

ズ…アアアア
「ぬ抜ける…」

ブラックイーグルそう石に刻まれていた。
のちに分かったが、オーブリーがもっているイーグルフルーレと対になす宝剣だった。

マジックドラゴンはフレイムボムを唱えた。
「火を吐くのではなく魔法を操作するドラゴンか…」

火焔は建物を焼く。

このときスーパーエドアールの片鱗が見えた。

ブラックイーグル 4512

マジックドラゴンはけたたましい叫び声を上げる。
暴れて周囲の建物を破壊する。

「二撃目!」

マジックドラゴンはチェーンブロックの魔法を唱えた。
魔法でできたチェーンがエドアールを縛りつけようと襲ってくる。

「動けなくする気か」
空中でエドアールはブラックイーグルを魔法のチェーンに斬りつけた。
半分すり抜ける。
魔法でできていて幻覚とかホログラムのようだ。
だが、
オーブリーのイーグルフルーレと同じく魔法をはじく。

風圧を受けるような抵抗があった。
ジョキ
魔法は薄くなっていき消えた。




「とどめ、スカルボン」

スカルボン 5003

マジックドラゴンが首をのばして舌をだらんとたらしているあいだにエドアールは首をはねた。


次の日 ラグナロク軍駐屯地

トムが騒いでいる。
「オートコントロールカー買うために金がいるぜ。スペースインベーダーみたいなの造るぜ。パソコンの中、設計のためのデータでいっぱいだ。表計算ソフトにもデータたまってるぜ」

エドアールの話を聞くと。
「ヘイ、写真は撮ってきたのかよ。インベーダーの部品に使うから一枚寄付しろよ」といった。



3



アルフとアルセウスはスクロールサッカーというものをやってみた。
「ビーナスはおもしろいな」

なかにはいってみる。

カードで金を払う。
一回40コインだった。
簡単なゲートがおりていて、先に進めない。
みていると向こうの床が真ん中から開いて学校のグラウンドがでてきた。
そしてゲートが開いた。

太い声の電子音のアナウンスがしゃべりだす。
≪さあ、サッカーゲームを楽しめ。若者たちよ。ステージによって周囲の景色が違う。制限時間以内に得点できたら、次のステージに進める。さあ行けサッカー戦士よ≫

室内の壁も雰囲気が出ている。
「スクールだ。学校のグラウンドだ」

≪そのとおり、第一ラウンドは学校のグラウンド!さあ、ファイト!≫

床がランニングマシンのようにスクロールする。

アルセウスがいった。
「無限に長いグラウンドだ」
実際は制限があった。

「敵チームはいないのか」
みているとゲームのキャラクターみたいなのがあらわれる。
「どけい!」
アルフはぶつかった。

ブザー音が大げさになり、ファウルをとられた。
「敵キャラだ。さわると沈没か…」

また、サッカーボールをもって走る。
スクロールして壁の景色も移動する。
てかてか光る玉があらわれた。
さわってみると、ノーファウルとでる。

「敵に触れてもファウルにならんぞ」
ゴールが見えた。
ホログラムの敵キャラクターがキーパーをしている。
アルフはアルセウスにパスした。
アルセウスはキック!
ゴールした。

≪準備はいいか!?第二ラウンドは月面。緑の芝生のほうがよかったか!?さあ、得点せよ!!≫
軽快なサウンドがなって心が弾む。

「よっしゃあ」

いったんゲードまでさがらされる。
また床が開いて月面のぼこぼこした床がでてくる。

「ほんとに月面だ」
「どこかの月の砂をひろってきたんだろう」
≪そのとおりだ!ハッピーエンドはまだとおい、まずは第二ゴールをめざせ≫

「軽快なアナウンスだ」

二人は走り出した。
敵キャラをパスでかわす。

「ごぼう抜き」
「パスしてごぼう抜きというのか」

砂浜の第三ラウンドで脱落した。

ゲームエリアをでて、ふたりは歩きだす。
「ふー遊んだな」

その瞬間、アルフはこけた。
ズル!
「サッカーのやりすぎであしがもつれた!」

ふたりは異次元の世界にワープしていた。




4


グウウウウウンンン
ブオオオオオオワムワムワムワム

「なんだここは」
「…異世界!?」

ダサイデザインのゆらめく空間だった。
「あ、あれは!?」

みると人形がイスに腰掛けてストップしている。
溶けた金属をたらしたみたいにつなぎ目がない金属のマネキンという感じだ。

アルフが汗をかいた。
「まずいぞ、相当手ごわい!」
「…わかるのか?わたしにはよくわからないが」
「あのなんでもない金属に強い力がおさまっている」
「誰がつくったんだ」

ハウエルスとイス横の石版に書かれている。
いかにも誰かが開発途中でそのまま置いているという感じだ。


目の部分にそれらしい模様みたいな装置がある。


アルフは用心深く近づいた。
p、ppppp

「ホワット!作動した」



5


ハウエルスはゆっくりイスから立ち上がった。
≪…≫
無言の無音で振動だけぶーんとしている。

耳の部分にイヤホンを逆さにしたように細かい穴がたくさんあいている。マイクという感じだった。

ぶーん

ハウエルスの手にライトフレームランチャーがにぎられている。
ガチャ
両手で持ちだした。

「くるぞ、さがれ」

ボウン・ボウン!
オレンジの火炎弾が勢いよく発射される。

「なにものだ!?だれがつくった」
「他に誰もいそうもないぞこの空間!」

アルセウスの腕にかすり、火傷をおおった。

「アルセウス君!約半分のぼくが本気を出して手ごわい相手だ。君は身を守っていてくれ!!」




6


アルフは煙とともにアルフレットソードを握っていた。
ブワアアアアア

「かなり本気でいく」

ハウエルスはライトフレームランチャーを連射してきた。
ボウボウボウボボボ

「ふん」
アルフは片手で握りつぶす。
「あまり触ると熱いぞ」

≪…≫

エネルギーが切れてきたようだ。

「いくぞ」

アルフはオーラをかなり本気で放出した。
素振りをする。
ぶおんぶおん

アルフレットソード  7645

ハウエルスは自動車事故の実験の人形のように揺れた。

ガクン、グングン

ソードにひびが入った音がする。さらに逃げるように煙がもうもうと亀裂から漏れる。
「…!」
ハウエルスは無言で剣をつかんだ。
アルフは恐ろしさの余り剣を思わずはなした。

バギ
まっぷたつにソードを折ると何もない空間の床に捨てる。
「…」

ハウエルスはつかつかせまってくる。
アルフはたちはじりじりさがる。



7


アルフはバスケットボールを手のひらに逆さにポンともちあげるように、あるいは財布を手のひらにのせて浮かせるように、二本目のソードを出して持ち上げた。
パシ

シュオッ

構えて突きを放つ。

牙突!


8461

バキ
剣の先端がハウエルスの胸にあたって砕けた。
ハッシッとハウエルスは剣をハンドでつかむ。

「ヘルプ…ヘルプ」
アルフはさがる。

二本目の剣もへし折られた。

ガンガランと音を立てて転がる。さらには煙になって消える。
「大丈夫か!?アルフレット!」
「ノー。ダメージがあるのが幸いだが万力だぞ」

ハウエルスの手にいつの間にかドラゴンソードが握られている。



8


ハウエルスがドランゴンソードをものすごい速さでふるう。
ビュオッ!!

「うお!?」
アルフは敏速にかわす。だがよけきれる余裕がそんなにない。
「早い…」
「どうするアルフレット」

もういちどドラゴンソードを猛スピードで旋回してきた。
シュオッ!
アルフはいなかった。

「!?」

ハウエルスの背後にいる。
「体術でいけるか」
ハウエルスの首をつかむと逆さに投げ落とした。

ドシ
跳び箱を失敗したマネキンのようにみごとにくずれる。
うぉんうぉん

「こいつは罪深い人類とすりかえるために神が開発している第二の人類だ。機械生命体というのか」

ハウエルスはおきあがり、むかってくる。

アルセウスがいう。
「いや、アーティストはどこからアートをもってくる!?こいつとの戦いに敗れたアーティストは死んだり病にかかる。異次元からアートを持ち出そうとする者の番人かもしれない」
「ああ、マイケルジャクソンはこいつにやられたんだ」
「あるいは時空をとびこえようとするものに懲罰を加えるパトローラーかもしれないぞ。動けなくされるかも…」


ドラゴンソードを指でつまんでおさえると、アルフはみぞおちにパンチをうちこんだ。
ドフ!?
「おおっ!?こいつ妙な弾力があるぞ、液体金属のような。ぬくもりもある。硬いようで柔らかい」

そのすきにソードがかすった。
ビュオッ!
874

「うお」
アルフの腕から血液が流れ出す。




9


「くうう、こいつを喰らえ」
アルフは両手をつきだし、拳をはなした。
バチバチバチバチ
放電するかのようにオーラが走る。
近づけるとスパークする。
また放した。
オーラの備蓄が水あめのように伸びる。

「アウストロクロス 78%」

まぶしい光とともにオーラがハウエルスの体を襲う。

ズドーン!!

煙の向こうからハウエルスがみえる。
「!」

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「もう、本気を出せ!!アルフレット!」

ハウエルスがもう突進してきた。
「!?なんだ」
ブレイカーダウン
フルスロットのパンチだ、にぎりしめた拳から光がもれる。

アルフの顔面をつきやぶる。
「が」

さすがのアルフも意識を失いかけた。

3784




10


エドアールがラグナクロク中心街にある総合施設をあるいている。
地球でいうスイスの首都ベルンにありそうな。
大きな時計が建物の前面についていてメルヘンのような雰囲気だ。
あたりが暗くなると流れ星が落ちてきそうな、おもちゃやさんのようなそんな雰囲気だ。
灯台のようなライトが夜うごめく。

エスカレータをのぼる。
ショッピングモールからいろんな施設、公共施設も内包している。
エドアールはグッド・ソードを帯刀してどのフロアにもおりず、次々とエスカレーターをのぼる。
あるフロアでおりる。
喫茶店にはいる。
茂みが半分くらい喫茶店を覆っているが半分むき出しだ。
クリスマスのようなそんな暖かい雰囲気だ。
伯父のラグナクロク国王がいる。
席に着く。
モーツアルト交響曲31番がかかっていた。
エドアールは伯父にいろいろなことを聞かれた。
ラグナクロク軍のこと、ガウス研究所、従兄で婚約者のアルバリシアのこと…

いろんな人たちが楽しそうに歩いてショッピングをしている。

ラグナクロクも今は平和だ。