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2013年9月15日日曜日

修行






修行














1


ラグナクロク

軍の隊長エドアールとトム、他二名が汗を流して訓練をしていた。

「ハァハァ暑いぜ」
「舌がでているぞトム」
「舌だけじゃなく汗がだらだらだぜ」

木刀の素振りから型稽古、バーベルを使ったトレーニングまでして体を鍛える。

「暑い時は頭が回らないからとにかく体を動かせ!」
「汗だくだぜ」
「まったくだ」

「ぶつかり稽古だ。三人がかりで突進して来い」
「みてろよエドアール、流石に俺らのもう突進にひざを屈するぜ」
ドッシ!ドシ・ドシ…

三人が次々にエドアールにしがみつく。相撲のように倒そうとする。
「むん」
エドアールは足腰にちからをいれて踏ん張る。



ジャイロダイン


「アラン、名簿をみて荷物を車に乗せろ」
「もたもたするな」
「暑さで頭がやられるぞ、くらくらしてきた」
アランはもう弱音を吐いていた。

「まったくだ。さすがに暑さがこたえるな」アルフレットもタオルを水に浸して、絞って顔を拭いた。さらに首にかける。
「あっずるいぞ」
「ホラ、タオル。レンタルだ。今度から用意してこい」


エドアールたちはトレーニングのあとシャワーをあびた。
「いきかえるぜ」
「頭に冷や水をかけて熱をさませ!バカになるぞ」



2

地球・ロシア北部


夜になってきた。
オーブリーはキャンプの灯りから離れて散歩した。
森を奥に行くと、滝の音がする。
濃い樹木をくぐると滝が轟音をたてて落ちている。

「滝だ…」
オーブリーは衣服を脱いで滝にあたった。
(修行をするぞ)

人間は個で生息していない。
外界とつながり生きている。
魚が水からでると死ぬように、
水は魚の外にあるが、水と切り離して魚は生きていない。

気は体の中に電池のように蓄えられる。
だが、微少だ。
宇宙の気を一時的に流れ込ませて活用できれば…!!



3


翌日、ライオンソードで探索すると、スカルオーガがみつかった。

カーターはいった。
「やつの強さをどう見る!?」
オーブリーがいった。「そんな強くない。一対一でいける相手にみえる」
ファジオがいった。「一人できついがかなわないほどでもないところが助かる」
カーターは「やはりか…大地に封印されていた割にアリスタンダーに比べはるか弱い相手だ…」

森の向こうから現れた。

「いるぞ…」
ドラゴンフライの巨大なのが後ろにいる!

「パズズもいる…!」

オーブリーは星辰の気をつらぬくように、イーグルフルーレをかまえ、気の流れを共鳴させた。
「すう」

ギャオン、ギャイン、ズムウ、ズン、ギャギヤン、ギャンン

七宝星

はるか向こうの星から大自然の気がオーブリーの体内を通じて七つの風穴をスカルオーガにあけた。

「ガオオオン」

スカルオーガは七発貫通し激しく倒れた。
元の小さいインプにもどると大地に封印された。

「やった…!すごい技だぞオーブリー君!」カーターはおもわず興奮した。
残り、パズズ…

いきなりドラゴンファイアをはいてきた。

ごあああああ

オーブリーは落ち着いて、剣を地面に突き立てると、両手を前に出した。

「アイステーブル」
さらにドアを両手で開けるように横に引いた。

氷のカーテンがあわわれ、ドラゴンファイアを防ぐ!
「おお」
「いいぞ」

「グルウウオオオオオオ」
パズズは雄たけびを上げる。




4


パズズはドラゴンフライを巨大化させたような姿で、腕は二本、足は二本、トンボのような羽が4枚付いている。

羽をはばたかせて、飛空してくるが体が重いのかややスローだ。
爪できりさこうとしてきた。

サッ
オーブリーは剣をつきだしたが、あてるには無理なかする方向に突いた。だが同時に相手の攻撃をよけた。

ギュワン!

勢いよく振り向くとオーブリーはパズズに攻撃した。


皇申剣!!


オーブリーの後ろから入る気と前方に出る気の流れ、大自然のノアが充満してオーブリーの体を通し、その剣をもって一点に集中し流れ出た。

ドン!

パズズは後ろに吹っ飛んだ。




5

ジャイロダイン

パーカーがエジオンから連絡してきた。
ウルフが司令室のモニターで通信した。
「はい、パーカーさん…」
≪アルフレットを呼んでくれ≫

呼び出しのサイレンが鳴った。
狭いジャイロダインの大地では学校の校内放送のように音声を流すだけで全域に聞こえる。

「なんだ。大声で恥ずかしい」アルフレットが司令室に入ってきた。

「なんだ、パーカー」
≪アルフレット…地球から連絡がこない。戦闘が難航しているのかもしれない。行ってみてきてくれないか。今度の連絡船でいったんこっち(エジオン)にもどってこい≫
「…いいけど。ここを離れるわけにもいかない…」

アルフレットはダブルボディをつかってアルフとレットに分身した。

「いいか…アルフはここ」「レットは地球に向かう」
同じ自分で会話をする。

アルセウスがたずねた。
「…同じ自分なのにケンカしたり仲が悪かったりするのか!?」

「ああっ!?それは」アルフはいいよどんだ。
「レットのオレがドラゴンソードをもっていく。テイク」

レットがエジオン経由で地球に向かった。
ロシア北部へ。



6


オーブリーはもういちど七宝星(しちほうせい)をパズズにうった。

「うおおお、喰らえ!」
ズドオドドドド
だが…ただの連撃に終始した。

「ぐおおおお」
「クソ、カンが…」

パズズはエアーアタックを唱えた。
オーブリーやシールドなどとは比べ物にならない豪風がふきあれる!!

グオオオオオ

「うおおお!」
オーブリーは地に伏せた。

「皇申剣!」
ズドッ
(ただの突きだ…!おかしい!使えるようになったと思ったが慣れないのか!)



7



ゴールド・ウィン、バトルハウス


時空警察と親善試合がおこなわれていた。

コイン側の選手はエドアール、クラーク、ポール、エカルテ軍の兵士12ブルーレイピアの達人だった。
時空警察側は、ジム、ネオ、シャノン、ウィーナー、タイガータンク。

リングのマットは真っ青だった。

「ほう、硬質ゴムの剣」
獲物は竹刀のように模擬の剣。
硬質ゴムでうたれるとさすがに痛い。力いっぱいふるうと鞭のようにわずかにしなる。

防具はヘルメット、こてのみ。どちらもクッションがついている。

エドガーと秘書猫もきている。トムやラグナロク軍のメンバー。

槍状、斧状のゴムの武器がある。
エドアールが自分用の武器をとる。
「グッドソードと同じくらいの型だ。これにする」
クラークは防具をつけていた。
「やわらかいのついてるな、これ試合用だな」
そして槍をとった。
「槍か、ゴムでな…斧にするか」
剣の型をしないで丸い筒の長い棒もある。

動いやすいウェアをきて、エドアールも準備運動をしたりしている。



先鋒:エドアール
次将:ポール
三将:ブルーレイピアの達人
四将:エカルテ兵士
大将:クラーク


先鋒:ジム
次将:シャノン
三将:タイガータンク
四将:ウィーナー
大将:ネオ






8


「いいぜ、こてなんてなくていいぜ。試合に出ない奴がいうなよ」トムが声援を送る。

時空警察からきた審判が挨拶をする。

「先鋒まえへ…」
「エドアール、先方のお前がやられたら一気にもっていかれる」クラークがいった。だが、勝ち抜きではなく、勝敗の数で全体の勝負が決まる。

「彼か…手ごわそうだな」ジムも同じような棒剣をもってリングに上がる。
「ハハ…隊長だからって背負うな」ネオがいう。

「時空警察の隊長さんか…相手に不足はない!」エドアールも剣を両手で握って引っ張った。

「はじめ!」
審判が叫ぶ。

リングには真っ赤なロープがはられている。

「ハッ!」ババッとすばやく、ジムは両手で硬質ゴムの棒剣をかまえ、打ちこんだ!
「うう?」エドアールは油断していたが、すぐさま両手で構えてうけた。

またアクションを先にジムがおこした。
バッと引くと斜め横から打ち下ろした。
ビシッ!
エドアールはやや無理な体勢で片手持ちで棒剣でうけた。
はじこうとせず、すぐ手元に戻す。
(クソ…スポーツのケンドウ!?型がしっかりしてやがる)

ジムは浮きあがり真上から下ろすとみせて弧を描いて横なぎに撃った。
「フェイントだぜ!」トムが叫ぶ。

「エドアードしっかりしろ」クラークも叫んだ!

ドン!エドアールは気が散ったまま突きを繰り出した。(なんとかこれで流れを…!!)
ジムは冷静に見ている。
横に小さくかわした。
ジムは考えた。(相手はモンスターじゃなくて人なんだ!自分と同じ武器をもって対戦している)

エドアールは腕力に頼り、片手持ちにきりかえて、連発して斬撃を打ち込んだ。
「おおお、ハッ」

ジムは剣先でかするようにかわす。
エドアールが息切れしてきた。
そのスキ!
「もらった!」

両手打ち下ろし!!

ガッ!エドアールはこてで防御した。反則ではない。
「ハッ!」蹴りがジムの腹に打ち込まれる。
ジムは後ろに下がってダメージを弱めた。

「なかなか…」
落ち着いていたジムの呼吸が少しはずむ。

春雨
エドアールは両手で持ち力任せに放った。
ジムはかわしきれず、不安定に棒剣で守り、体の横方向に痛みを感じた。

「ハッ」
ジムはまた冷静にうちこんだ。
エドアールも受ける。
じりじり、押し合う。

「おおお、エドアールお前でそんなもんか、うちの敗北目に見えるな」クラークがヤジをとばした。

「クッ!」エドアールは正直自信があった。時空警察の隊長でも自分が負ける相手ではないと。

無理な体勢から鉄兜を撃った。
動作ののろいモンスターとか巨体ならまちがいなくヒットしている。だが、やや小柄なジムだ。人体が相手では…!?

腹筋を最大限活用しバネのように両手に持った剣を真上から斬り落とす。
ジムのヘルメットをたたきわるつもりだ。

(あっー)ジムはそう考えたが、ボーとしている時間がスローモーションのようだった。
だが、体も思考もスローだ。

剣を片手で上にあげただけだった。
バッシーン!!

重みに剣をおっことしそうになる。
さらにエドアールの蹴りがろっ骨に響く!!

「マイリマシタ」ジムは手をあげてエドアールを止めるとロープのほうにずりさがった。

ネオが「家で休んでいるのもいいけど、たまにしごかれるのも気持ちいいもんだな」といった。

「勝者エドアール」審判がいった。

ジムは少しよろけながらリングを降りる。
「ネオ!おまえはまだでてないだろ。あー痛いなー。先方試合負けかー」

「おおお、一勝した。でも次回から負け続けるだろな」クラークは興奮して汗を垂らした。




9


「次将まえに…」

ポールはエドアールよりやや長い丸いホースの様な剣をとった。
「これでいい、槍よりは短い」

クラークは上がってきたエドアールにいった。息が上がって汗をたらふくかいている。「うちの選手にアドバイスたのむな」そういって通路のほうに走っていった。自動販売機でジュースを買ってくるきだった。

「クソ、やりなれないスポーツタイプの試合で予想以上に疲労した。実戦のほうが疲れないぜ」そういってタオルで汗を拭いた。
トムがいった「そういうなよ。普段使ってない筋肉と頭の部分を酷使したさ」

(確かに…)エドアールは頭の中で考えた。長年の蓄積した疲労が消失していた。そのかわりやわらかい、使っていなかった体の部分がホットで汗で湿っている。

シャノンはレイピアを硬質ゴムにしたような短めだ。

両者リングに!

ポールは長い棒剣で距離をとる作戦だった。

「おう!」
横なぎ、カラクリ突き!責め立てた。

シャノンは剣先ではじく。
左からポールの剣がきた。
シャノンは剣を手で数秒握った。
ドシ!
さらに突きがポールをえぐる!
「グ、グググ」

「ファアル!シャノン」

棒剣を故意にさわる、握るは反則だった。
「ファアルをとられたか…」

触るか触らないか流すテクニックがある。

「クソ、敵はこしをひくくして挑んでくる」
再開。

ポールはスパークの電撃をおこして、目をくらませた!
反則行為ではない!

「く、特殊能力!」
シャノンは目をおおった。
ポールの長めの棒がシャノンを襲う。
「がっ」腕に一撃はいった。

「特殊能力ね」シャノンがつぶやいた。
エドアールがみていていった。
「オレのときと違ってケンドーの試合らしくない。マジックバトルみたいだ」
「どっちでもいいぜ。この手のスポーツ施設にいると緊張して疲れるぜ」




10


クラークがジュースを買ってくるとシャノンが勝利し、ポールが負けていた。

さらにタイガータンクが“ブルーレイピアの達人“エカルテ兵をころがしていた。
「うひぉおお。やっぱり負け続きか」ジュースを何本かもちにくそうにもっている。
「飲め」
「ども」エドアールがスポーツドリンクをとった。
「俺は缶コーヒーでいいぜ」トムがいった。
「すまん四本しか持てなかった」クラークがいう。

タイガータンクは相手に合わせて短い棒剣をもち、レイピア戦でも勝ち、さらに体術をかけて相手を封殺していた。

「勝負あり!」

エドアールがいった。「二連敗だ。一勝二敗」

ウィーナーとみんなよく知らないエカルテ兵。
タイガータンクがいった。
「シャノンとウィーナーは頭脳派で戦闘はいまいちだ」
ネオが稽古儀のような服を着て正坐しながらピョンピョンはねていた。
「知らなかったぞ。頭脳派なのになんで内勤じゃないんだ」
ジムがいう。「いや、あれなら戦闘の力もそんな不自由じゃないぞ」

はじまった。

丸棒をどっちももっている。

「エドアール、どうよこの試合!?」
「うーん…」

すぐわかった。
ウィーナーにエカルテ兵は手も足も出ない。

「うちの精鋭やられているぞ」クラークは試合前なので飲んでいないが、ジュースをコトと動かした。
「ダメだなこれは」
「俺ならもっとやられているぜ」

タイガータンクがあっちで叫んでいる。
「ウィーナーにコテンパンじゃコインも大したことないな。やられるなよ」
「さすが特防隊だな」ネオもいう。

「勝負あり」



11

オーブリーがスカラムーシュをうつ!

ドガ 2341

「があああ」
パズズはドラゴンファイアをはいてきた。

カーター、ファジオ、ワトソンも剣をとった。
「みんなで戦えば倒せない相手じゃないよ」

ファジオは闘気を高め、パズズにぶつけてみた。
(あせるな、人数はいるんだ…おちついて)

目に見えないが、パズズは一瞬動作を停止した。
「ハッ!」

ダッシュしてファイティングカッターをパズズの肩にくらわせる。

「うりゃあ」

ドシ 1234

「がああ」
爪がファジオをかする。
「うっ」

カーターがライオンソードを下からふりまわす。
「…」
あらゆる角度でゆすると振動をおこしカッターがとんでいく。
森の上に突きでたドラゴンフライにカッターがぶつかり爆音を立てている。

ぐわん、ぐおおん! 605

〈エアーアタック!〉
ギロンとパズズの目がカーターを睨む!

カーターの位置まで突風が襲いかかりカーターは大木に隠れようとした。

グオオオオオオオオ!


気をカーターに取られた瞬間、オーブリーがジャンプし、ドラゴンの頭部に直撃を入れた。

脳天直撃 5574

ガッ!!

「ごおあああ」

だが、振り向いたパズズにバクテリアブレスをもろに噴射された。

ズバアアアアア

「ごふっ!?毒ガス」

オーブリーはむせながら墜落した。
「ごっごほごほごほっ」
ちかくに自分のリュックがある。
水薬を出してふた口飲んだ。

バクテリア(細菌)がオーブリーの体内で増殖する。
「」ううっ気分が悪いぞ」




12


クラークの出番だった。
「よし、オレか…」
エドガーがいった。
「最低でも二勝したいところじゃ。二勝三敗」
「エドガーがでればよかったのにな」
「なに、歳じゃ」

ネオがリングに降りた。
「オレが大将か…」
ジムが掛け声をかける。
「ネオー四勝いけるぞー」
「ハハッ、あまり勝ちすぎてもな」

「あっちの大将、コインの王だよ」タイガータンクがいう。シャノンが「そうだよ、しらなかった?」とこともなげにいう。

「はじめ」
一礼して開始する。

クラークは硬質ゴムの斧をふりかぶる。
「よーし」

ネオがジムよりさらに切れ味良く入り込む。
「ヤッ!」

棒剣で斧の柄の深いところを押し付ける。
「ぐぐぐ、うごかせね」

「クラーク王―」猫が声援を送る。

「ハッ」ネオがバッとはなれる。
片手で剣をもって間合いを計っている。

「この!」もう一度ふりかぶる。
もうネオにはいりこまれ、つけね(斧の)を押さえこまれている。
「くそ」
「ヤアッ!」
ネオの剣が一本はいる。
ビシ!

「くおお、いてて」

ネオは離れて見会う。

「おおっ、いくぞミノタウロスハンド!」
ブオーン

今度は勢いをつけて斧がすっ飛ぶ!
「お」
ネオは後ろに下がった、つもりが足りなかった。
がっ
クラークの斧と衝突した。

お互い狙ったわけではないが、こてにあたってとまった。
「痛―、危なかった、こてか」ネオは腕をかいた。

「ネオってやつ強いよ」タイガータンクがいう。

クラークは考えた。
「ジォヴェの武器がないとダメか…、身体能力パワーアップしてないな、最近…試合でよかったけど超人でいかないとダメか」

クラークは斧を振りかぶったまま跳躍した。

「ジャンプスマッシュ!!」

ネオの頭より高く跳び上から斬り落とす。
「あー、斧で上から!」
ネオは棒剣で斧を守った。

ゴリ
勢いが激しく止められない。
ネオは自分の剣ごと頭に喰らった。

審判が笛を吹く。

ブレイク。

ネオはいきなりネオダイナマイトをつかった。
「ハッ!発破忍術」
「なに」

ドガンバンバゴン

クラークはロープの半分外まで弾き飛ばされた。
「…」

「ハハッ、反則じゃないけどずいぶん利いたな」

「くおっ、やっぱ本気出さなきゃダメか」

クラークは斧を投げた。
ネオはよける。
だが、トールの槌のようにもどってこない。

「あーダメだ」エドアールは飲みほした空き缶をグシャッとつぶした。