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2013年8月8日木曜日

アリスタンダー最終バトル
















1


クラークがいった。「三人で戦うのか…」
アルフレットがいった。「いや、…カーターたちが後から来るはずだ」そして、小声でアウトセーバーとつぶやく。
大剣があらわれ、握る。
肩慣らしにふるう。

ぶるん、と一太刀ふるうとつむじ風と大音響がまきおこる。
ぶるん、ぶるん。
あたりが揺れるほどの勢いだ。

クラークがモーニングスターを、まず、トールの槌にした。
「ジォヴェの楯がほしかったな…」
汗をかいている。

ヘラクレスがいった。
「わたしがやられたら、この楯をもっていけ」
「ああ、すまない」

「“地球”の薬草、シソだ」
アルフレットがヘラクレスにわたした。
「助かる…」
ヘラクレスはよれよれの体にシソをつかった。
だが、火傷がやわらぐくらいだった。
すでにしゃがみ込んでいる。


アルフレットがアウトセーバーを真上にもちあげた。
オーラをつたわらせる。

ガガガガガガ
まぶしく光る。

一気に遠慮なく振り下ろす!

暴風が剣閃からまきおこり、それだけで吹きとばされそうになる。
アリスタンダーの巨体にまっすぐ飛んでいき、スパークが何度もおこる。
稲妻が爆音を立てるように轟く。

「普通の敵だったら風穴があいているぞ」クラークでも恐ろしかった。汗をかいて、手が滑りそうになる。

12500

一万をこえた。




2


カーターたちの前に、アリスタンダーの腕が落ちてきた。
肉片が再生していき、バーラルデビルへと変形していく。

「魔王の息子、バーラルデビル…」
サソリ型の鎧を着た、魔族のナイトという感じだ。
手にはバーラルブレードを握る。

「父よ…用意していただいた闘技場でこの者どもを撃ち破ります。全滅した時は、父の手助けを…」

そういうと、アルセウス達全員を一瞥した。

「お前たち、三人が私の相手だ。のこりは手下の者どもに任せるわ」
ゾロゾロとガーゴイル、スネークナイト、マジカルサタンがやってくる。
大体全部で10体ほどいる。

「たったこれだけか、我が軍もこれほど戦力を失っていたか」
今生まれたばかりのバーラルデビルはそういって、“上”の闘技場にカーター、エドアール、オーブリーの三人とともに上がっていった。


3


魔王はクエーサーのジェットを口から吸収しはじめた。
「ゴオオオオオ」
青白い光が口に吸い込まれていく。

5000程度 魔王の体力が回復していった。

クラークがトールの槌をなげつけた。
「おおお、初めてのファイブクラブ!ヒットするか!?」

三人とも宙に浮いている。

トールの槌は回転して魔王に打撃を与えた。
ガガガアアアアン
派手な爆音を立てる!
3587

さらにスピンを激しく繰り返し、ねずみ花火のように魔王に再度ぶつかる。

ガアアアアア
2410

くるくる、余波でまわりながら、クラークの手元に帰ってきた。
さらに落雷が魔王を襲う。
「やった!雷神トールのいかづち」

3457

大音響に電撃のスパークの破片が散らばる音、あたりは震えてかがみこみたくなるような、死闘の場だった。

「いいぞ!奴の動きは遅い」ヘラクレスが残りの力を振り絞る。

正義の剣 978
魔王のライトニングカッター!

光の刃がクラークを焦がす。
「うおおお、よけられるもんじゃね」
かすったが、熱と斬撃で1235ダメージおった。
クラークの後ろに猛スピードでとびさっていき、ジェットストリームに飲み込まれる。

ヘラクレスに直撃したが、楯で防いでいた。
ガガガアン!
爆音が鳴りっぱなしだ。
滝の音など止むことがない。
そのまわりは滝がかれない限り、轟き続ける。

アルフレットは宙返りしてかわした。
「ハッ」
が、ブーメランの用に戻ってきて、かする。
587

「クソ、やられたか…」

アルフレットはオーラトレインを準備しはじめた。

はるか彼方から、オーラの列車が飛んでくる。
背中からも、

だが、巨体の魔人は両方のトレインの間が広すぎた。
両車両が高速でかすり続けるのが利点のこの技では…

魔王のマント
784
587
987

「クソッ、トレインは時間の無駄だ」
アルフレットがオーラをつかいつづけるあいだ、魔王は防御し続ければよい。
オーラの無駄つかいだ。

「フフフフハッハッハッ!威勢がよかったがそんなものか」




4


魔王の体が青白く光る!
≪ブルーレイザーブラスト≫

ダメージは少ないが楯や鎧で防げない!

「ガッ!」クラークは478喰らった。
ヘラクレスが874
アルフレットは345

ヘラクレスが完全に倒れそうになった。
「すまん。楯を…」
がっくりと気を失った。





ネオたちは、


ポールのいなづま斬り!
マジカルサタンに457
さらに電撃が直撃する。
784

マジカルサタンのフレイム・ボムでポールは焼き焦げたが、剣を突き刺した。
ライトニングカッター
光のカッターがポールの脇を切り裂く。
「うぐ…くそ、」
ポールはさがり、薬草を口に噛む。

ネオがいう。
「うお、オレたち、ザコあいてか。でも強いぞこいつら」
ネオダイナマイト!

爆撃をガーゴイルやマジカルサタンに炸裂させた!

ジムもライトフレームランチャーをとりだした。
「最終兵器!」
オレンジのまるい火焔弾を撃ちまくる。

ガーゴイル、スネークナイトに1200程度の熱ダメージが与えられる。


5


鎧を着ているのはオーブリー、カーターはイスカンダールの鎧。

「いざ」
バーラルデビルはブレードを抜いた。
かまえる。

オーブリーがイーグルフルーレで迎え撃つ。

スカラムーシュVSバーラルスマッシュ!!

「がは!・?スカラムーシュは入ったが…こっちも」
オーブリーのボンバーアーマーがくだけている。
よろけながら、かまえる。
「鎧が砕けるとは。危なかった。速い。そして猛烈に重い」

だが、バーラルデビルもこたえたらしかった。
「…」
無言で胴をおさえている。

カーターがいった。
「鎧はつらぬけなかった…だが、振動でダメージが」

バーラルデビルはフレイムボムを連射してきた。
「魔王の血をひくもの…魔術をきわめんと欲する。受けてみよ」
オーブリーは横に逃れようとした。
「うわああ」

だが、相手は渾身の力か、今生まれて力に満ちているのか、雨あられのように火焔の塊を放ってくる。

(くらった!……)
ドーン

火花が軽々しくはとび跳ねて散る。
「え!?」

目の前に氷の壁が現れ防いでいた。
「これは…アイステーブルの魔法だ」

カーターがいった。
「無意識のうちに呪文が発動したのだ。あやつれるようになれ」

エドアールが槍を旋回させながらいった。「どれ、オレの槍で」

ドン
バーラルデビルは剣ではじこうとしたが、重い。
ニヤとエドアールが笑う。
「もらった」
サソリ型の鎧で防がれたが、敵はうしろによろけた。

「今だ、エアーアタック!」
コンピュータでエディタを操作しているような。事務書類を何枚もこなすような、英語の学習をしているような、負荷が脳にかかっているのがわかった。

氷の風嵐がまきおこり、バーラルデビルをおそった。
敵は腕をかざして防ごうとする。
「あれ、混ざっているぞ呪文が」

カーターがいった。
「だが、鎧で防げまい」




6


アリスタンダーが強烈なガスの流れを操作しはじめていた。

「ムッ、クラーク君、くるぞ、奴の巨大な砲撃が」
「天体を操作して攻撃するようなものだぞ、周囲の景色が奴の武器なのか!?」

プラズマのジェット気流がしだいに一定方向にスピードを高める。

「クラーク君、楯を構えとけ、それと…ヘラクレスをかばってくれ」
「ああ、わかった」

アルフレットは両手を前に突き出し構えをとる。

高速の渦と洪水、雷鳴、暴風、青色の霧、
すべてがあと少しで押し寄せてくる。

「だが、やつもこの最大の攻撃で魔力を消耗しきる…」
「そうか…わかった」
「ぼくのバリアで」

熱いとは感じなかった。
むしろ磁力で冷えてくるような、体感の錯覚を覚える。

グルウルルルルルウルルルル

「おおおお、目が回るぞ」クラークが楯をかまえ、しゃがみこむ。
「こらえろ」

クエーサー

ジェットガスの直撃が三人に襲いかかる。
「今だ!アウストロガード96%」

グオオオオンンン・バリバリバリバリババババ

「いけ、アルフレット!!しっかりこらえろ!!!」クラークが叫んだ。
「無論!」

アルフレットが自身のオーラを発動してガードをかためる。
ヘラクレスは気絶している。
クラークはかがみながら楯を念のため構える。

あたりが青と白のグラデェーションにつつまれる。
雪山のふもとで自動車が猛吹雪で動けなくなり視界が雪だけになるのに似ていた。

「もう、何も見えないぞ…サイケなアートしか」クラークも呆然とした。
「フロントガラスは割られない!」

ところが大地震のように周囲が揺れだした。
少なからず不安を覚える。
「おおお、ガタガタいうぞ」

「むううん、エネルギーをさらに放出!ガード。奴のガス欠をまつ」

あまりの高エネルギーの渦とバリアの素粒子の衝突とに、時間と空間のひずみが生じた。

「ホワット!なんだこの光景は!?YouTubeみたいだ」
どこかの見たことのない世界の光景が映る。
過去の歴史かもしれない。
ビデオサイトのように画面がいくつも並ぶ感じだ。


「やや、君は!ヘクトリューシャ、君が午後からの患者さんか」エスーフエルフ・マロマデシャは黒い診察かばんを抱えてベットに近付いてきた。
「マロマデシャ先生ってあなただったの?大丈夫かしら」ヘクトリューシャは上半身をおこしていった。
「知り合いかい?おきて大丈夫か、ヘクトリューシャ?」ルターリャはいった。

学校から帰ってきてキッチンにあるテーブルを見た。
オレンジがいくつかかごにもられている。
空白の毎日が過ぎていく高校生活。本当にやらなければいけないものはなんなのか?
夏ミカンは冬ミカンと違って、皮をむくのが億劫なので剥いて食べる気がしない。
学生の本分勉強。教科書や問題集を開いてみると、やるきがなくなってくる。特に問題集の「テスト頻出問題」。市の図書館で見る大学の本格的な教科書は真剣に学問の書という気がする。かといって、「世界文学全集」はいきすぎだ。なまぐさすぎる。
自分が本当に欲しいものは何なのか?




晴れて、パミラ・ミミトンの店がオープンの日、年配の男性ふたりと若い男ふたり、女性ひとりの珍妙な組み合わせが店に入ってきた。
「パミラ・ミミトンの店にようこそ!うちは白パンもサーロもただじゃないよ!」


「クラーク君。バリアの中にいれば安全だ」
そういいながらも奇怪な光景にアルフレットたちは恐怖した。
支離滅裂な画像が次元の隙間から流れ、高熱の火花が散る。
「ホントに持つのか」



7


アルセウスはおもった。
(ダメだ、こっちの倍の数がいる。一対一でしんどいのに)

もうすでにふらふらの体力だった。

突然テレポートでキルケーがあらわれた。

ジムがおどろいた。
「アリスタンダーの部下だったのか!」叫ぶ。
温厚でおっとりしたのんびり屋でも、さすがに余裕がない。

「…」
無言でキルケーはヒーリングで体力を癒してくれた。
「おおお、ほんの少し回復していく…」

「石になれ」
剣の先から魔法を放つと、ガーゴイル一体が石像になる。

「おお、苦労して弱らせる前に石にしろよ」

どういうわけか、味方してくれるらしかった。

アルセウスは喜んだ。(よし、なんとか風向きが)
安心したとたんスネークナイトの剣で斬られた。

ジムがライトフレームランチャーのノズルから火炎弾をつぎつぎと敵に発砲していく。

ネオもマジカルサタンにスネークソードで致命傷を与える。

アランも頑張って奮闘しているが、なかなか敵は死なない。




8


キルケーが剣でスネークナイトに斬りつける。さらに呪文で火の塊を頭にたたき落とす。

アランはもう倒れて休みたい気分だった。
息が荒い。限界近い呼吸の早さだ。
目が酸欠でくるくる回る。
倒れて休んだらさぞ気持ちいいだろう。

スネークナイトはアランの攻撃を器用にかわすし、ガーゴイルは当たっても死なない。

アルセウスも一体倒すのに、自分が致命的に攻撃を喰らっていた。
(もうもたない。体力に余裕があるのは時空警察の制服のふたりとキルケーだけだ)


アルフレットたちは

素粒子の霧がだんだん晴れてきた。
原始スープからあたりが見えてくるようになる。

「うむ。まだ体力にゆとりがある。この分だと守った」

アリスタンダーの巨体が見えるようになった。
エンジンのいくつかが停止してエンジン音がかわったように、がっくりと腕を落としているように見える。

「よし、反撃だ、クラーク君」

アウストロクロス 
アルフレットからアウストロクロスが飛んでいく。
絞ったような、狭いかざきり音をたてて、魔王に向かう。

まだ素粒子の霧がのこるなか、遠方の巨人に大爆発がおこる。
スパークが連発しておこる。

9999

魔王は口から残ったガスを吸い込み体力を吸収しようとした。
「ぐがああー」

4150回復

トールの槌

軽快に回転し、爆音とともに魔王を破壊する。
落雷がプラスされる。

6412

ややあってクラークの手元に帰ってくる。

アルフレットがおちつきはらっていった。
「やつの最後だ」



9

ジムとネオが奮闘する。
最後にキルケーはジムとネオをヒーリングで回復し、消えた。

アランは泡を吹いて倒れた。
ポールも膝をついた。
アルセウスは最後にアルセウスクロスを打って相打ちになって倒れた。

「のこりはまかせろ!」ネオがネオダイナマイトで手負いを破裂させる。
ジムが長細いウィスキーボンボンのようなものを組み合わせたデザインのライトフレームランチャーを撃ちまくる。
先が少し熱くて手が火傷しそうになってくる。
エネルギーの残量がエンプティに近い。



10


「大丈夫か」ネオがアランの治療をみる。
アランはアリスタンダーとの戦いで岩石と衝突したときの腕が限界を越え、紫色にはれ上がり、不自然な関節の曲がり方をしている。
「ああ、これは複雑骨折だな」
さらに体中、スネークナイトに追わされた傷で、肉が裂け、血が流れ出ている。
顔もきずだらけになり、地面に倒れ呼吸が苦しそうだ。

「こりゃあ、口に水薬流し込んだりしたら、呼吸が止まるな」
ジムがいう。
「医薬品の残りが少ないぞ、大事に使え」

とりあえずネオは水薬を節約気味に体の生傷にかけた。
「がほぅうっ」
気を失いながらもしみるのか、アランはもだえる。
「大丈夫か?しみるのか…」

薬草をもんで腕のはれ上がった関節に塗り込む。
「下手に曲げるとまずいな。でも少しだけひねるか」
ネオは自然な曲がり方になるよう腕を曲げた。
「うううっ」

アルセウスも火傷と剣による大けがを負っていた。
「あー顔がすすだらけだ。兜を脱がせよう」
顔にトポトポ水薬をかける。
傷口が深い。薬草を傷口に押し込んでみた。
さらに水薬をかける。

「あとはこのひとか」
ポールをみた。
ネオがいう。「上に連れていくのは三人とも無理だな」
ポールは意識がまだあった。
「錠剤飲めますか?」
鎮痛と化膿止め、体力回復の薬だった。

「ごふっ!ハァハァハァ」
気つけに味付き回復薬を飲ませる。
「ゴクゴクゴク、ハア…」

「このまま横になっていてください」
「どうする?上に行って戦力になるかハハ」ネオがいう。
「僕らも少しだけ休憩を取ろう」ジムがいう。

ネオが煙草に火を付けた。
「それは、薬の効果をへらすぞ、ネオ」
「いや、いいんだ、ハハ。回復にはこれが一番」

ジムも空になるまで味付き回復薬を飲んだ。
「あ、生き返る。この人たち残していって大丈夫かな」
「ハハ、死なないだろうけどな」

「ゴホっ」




11


バーラルデビルの渾身の一撃がオーブリーにはいる。
「グッ…ハアー」

鎧がビキビキ音を立てて砕ける。オーブリーは数メートル後ろにふっとばされた。

「うぐ…たてない」

カーターがいった。
「オーブリーはもうダメだ。あとはわたしが」
「いや」エドアールがオーバーランスを回転させる。「面白い技を思いついた」

エドアールは跳躍すると、槍を軸にし、コンパスのように二本足で体を支え、蹴りをはなった。
「ハッ、槍術、蹴撃!!」

片足を蹴りに使うと必然一本足で不安定になる。
それを槍の反対側でつえをつくように支え、普通なら無理な体の支点をつくりだす。

油断するとエドアールの槍がくる。柱に槍の反対を押し付け、反動で勢いよく蹴りを出す。

綱渡り師が棒でバランスを取るように、オーバーランスを操る。
エドアールが調子にのって口走る。
「ハッハッ、練習したわけでもないのにカンがいいぞ、あいかわらず」
カーターもいった。
「彼は一般的な戦士の才能をもっている」

槍撃、蹴りなど数発ヒットした。

みるとバーラルデビルの兜の下の顔が険しい老人になっていく。

「確かにさっきまで若者の顔だった」エドアールが気づいた。「やつの体力も少なくなってきたぞ!」
歯を食いしばり、しわだらけで、苦しい道を生きてきた老人の険しさだ。

「戦神の一太刀」

「がふつ!」
バーラルブレードがエドアールのわきに強撃にはいった。
鎧を着ていないエドアールはこらえきれずダウンした。

カーターが動く。
「まずい、意識はあるな。回復していろ」

カーターはエクセレントシュートをはなつ。
「ムッ!」バーラルデビルは間一髪かわす。

カーターの後ろからゴーストアクスがぎぎぎと落ちてきた。
「危ない!」

874



12


アリスタンダーが魔王の剣をふるう。
巨人の剣が、クラークにむかう。
「結界の楯!」

ドガシ!

「うおおおおおお」
楯で防いだが、はるか後ろまでふき飛ばされる。
クラークはしゃがんだまま、スケートのようにとんでいった。

897

「どれ、正義の剣と二刀流か…」

落ちている正義の剣とアウトセーバーを両手に持った。

アルフレットの右手、左手

5467
6784

魔王が剣をきらめかせた。
“嫌な人の太刀筋” 

詐称、中傷、誹謗、欺瞞、…

タナンダの声が上空から轟く…
≪正義の剣をうごかせるからには嫌なひとの太刀筋を喰らいやすくなるぞ≫

「正義の心があると、嫌な人ができなくなるからな」
アルフレットが叫んだ。
確かによけられない。

1457…キン
897…ギン
487!ドス
1174!ゴス

「がは…回復タイム」

霊玉をアルフレットは割った。
生卵のように壊れる。
霊力があふれ出し、さっきの怪我が癒える。
3000近く回復した。

魔王もクオークやニュートリノの塵を吸い込み回復している。
「グガー」



13



(ライオンソードで距離をとりながら戦うか…アロンの剣はやや重い)カーターは思案しながらバーラルデビルと対峙していた。

「そろそろケリをつけよう。混沌の息子たるわたしは父の助けに行かねばならない」

(魔王の息子…すさまじいのはその意地だ。人数がいると油断したな)

アロンの剣を両手で構える。

戦神の一太刀

「グッ」
カーターはアロンの剣で叩き落としたが、ひらめきの衝撃波で動揺した。
数歩後ろに下がり、体制を整えようとする。
もう第二撃が来る。

「さすが、スキがない攻撃だ。だが甘く見るな」
素早く剣先を計算して避けると同時にアロンの剣の一撃を入れた。
どふっ

深く刺さった。
喰らったのはデビルの方だった。

紫の血液が溢れる。
「…く…っ」

「次の一撃で仕留める」

エクセレントシュート

敵はフレイムボムをせめてもの反撃にカーターにぶつけた。
エクセレントシュートは肩にあたり、サソリ型の鎧ごとこわして敵を攻撃した。
炎の塊はカーターを焼いた。
だが、イスカンダールの鎧で大部分は防ぐことができた。

そのときジムとネオが下から上がってきた。

「だいじょうぶか」
「そっちはどうですか」ジムが燃料の切れかかった銃をもっていう。

「…」
「…」




14


クラークが後ろから歩いて戻ってきた。

「よう、どうなった、おお、雷神の槍をつかってみるか…」

電子はマイナスで雷は電子の流れだという。
陽電子という+の電子もある。たぶん不安定なのか短い時間しか維持できないのだろう。
陽電子のパラメーターはあるが、存在がはかない。

クラークは陽電子の雷をおとしてみた。

楯を見えない床に置き、雷神の槍を両手で火縄銃のようにかまえる。
槍先にプラスの電荷が蓄積していく。

「おおお、発光していくぞ」

グルルルルルポポポピー

黒雲もあらわらない、黄金色の光が槍に吸い込まれていく。

「うおおお大それた爆撃をおこすところか…」クラークの顔が照り返しを受け金色に光る。

「ファイア!!!!」

ドン

アリスタンダーにむかってプラスの電荷の雷が襲う。
高電圧の力と陽電子の消滅の時、魔王の体内をえぐるように吸収して消えていく。

ズガガアザズアガガンンザザザンン

「グオオオオオ、稲妻が割れの体を溶かして、熱で焼いていく」

6748
1000
0


ゴトンゴトンゴトン…





15


バーラルデビルが奥の手を使ってきた。
「ブラックボール」

まっ黒いエネルギー球がおそう。
ジムがカーターをかばって直撃を受けた。

ズムムム

2400

ジムは気を失った。
「ドライアイスのように凍りついているぞ」

「タオの気をつかい、知性を整える」
カーターはタオで力をためこみ、跳躍した。

くるくる回転し、デビルにおそいかかる。
「ブラックボール」

カーターは直撃をアロンの剣で斬った。

ズムム

カーターは凍りつきながらも突き破り、敵にアロンの剣を突き刺した。
グザ
さらに足蹴り!

カーターはしびれてきて倒れた。

ネオがとどめに動く。
「いまだ、ネオダイナマイト!!」

ドガガンン


バーラルデビルは肉片になって最後には蒸発して消えた。