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2013年5月5日日曜日

抽象アート映画、ショートフル


再び、危機迫る




再び、危機迫る







1


その後の店長としてのジュール…

ジュールが店舗の事務室でお茶を出されている。
「はい、ジュールさん」
「いや、そろそろ現場に出ないと」
「私たちがやりますから、ここでくつろいでいてください」
「あ、電話だ」
「ああ、いいですわたしが出ますから」

ジュール…もててるよ…。


時空警察―会議室


トムスン氏のプランは特防隊の設立だった。

「特別防衛隊、特別戦闘隊、特防隊、特戦隊、いいかたはのちに煮詰めるとしまして、今の予定では、緊急時の災害のレベルに応じて出動する隊をランク分けすると。ランクAからランクDまで用意し、選りすぐりのソルジャーから適度な強さの戦士を、訓練し。ランクAなど強力な武器を惜しみなく与えます」
「…」
「ふん」

「電車の車掌など人間味を見せる仕事でなく、あるときは事務的に自分の意思を表さないで機械のように処理する必要があるときがありますな。そのため帽子を深くかぶり、目線を見せない。公平であると同時に厳格。そんな感じで特防隊のソルジャーは無機質であり、任務中はですが。キャラに人間味をだしてはならんと」



2



魔王アリスタンダーはヘラクレスに敗れ、“きらめく水晶の宮殿”に封印されていました。

魔王イブリーズは神の人間に従うという命に逆らい、とがめられたのでしたが神の命令は聞きます。人間にこうべをたれるのを拒否したのです。
今彼は地獄の管理人となり、あとから送られる悪人たちを監督することになります。

アリスタンダーはプラスとマイナスがゼロから対になって発生するように、悪と善として不思議な自然の力から生まれました。

善神マリズアリスは人間であったヘラクレスに神の力を授け、自分の分身としてアリスタンダーを封じ込めました。
半神や2/3が神なのではなく、神と人間の融合体であり、善神そのものでもあります。
イエス・キリストが神の子なのか半神なのかという問いが、ナンセンスで神の分身体といえるかのようなかんじでしょうか。三位一体説など大真面目に宗教家が学問として研究しているのです。


魔王アリスタンダーは一対一の対決でヘラクレスと対峙し敗北を喫したため、今度は魔王軍を創造し、神の力に対抗しようとしています。

“きらめく水晶の宮殿”からは一歩も出られないのですが、自分の魔力を高めた炉(ろ)に火を燃やし、フイゴの風で火を煽り、世界を支配する軍団を創造する日々です。

ブロームインのザール王子はスピリットに監視させています。
彼女はザールに殺された後、魂がさまよい、アリスタンダーの力によりスピリットとして手先になりました。

また、惑星バルハルの帝国ギズモンドの王をおくりこんだ自分の分身とすり変わらせました。彼はゾンビ兵を生産し、ハーランドと、もともと仲が悪いのを利用し、争いをもたらせています。

“きらめく水晶の宮殿”の封印もあと数日できれます…





3


時空警察

ジュールが店長としての任務の休日にトレーニングエスカレーターを訪れた。

メラネウスがメータ―類のメンテナンスをしていた。
「おっ!?ジュール、今何している」
「店長。こっちが本職!」
「店長?」

「なるべく強い敵とファイトしたいな」
メーターを自分で設定しようとしたとき強敵の気配を感じた。

ジュールは滑走路にむかった。


打ちっぱなしゴルフを巨大にしたような巨大な滑走路。
戦闘艦など離着陸するほか、空を飛ぶ戦闘員の飛び立つ場所でもある。

向こうから魔神がやってきた。
「典型的な魔神だ!」

巨大な体に悪魔の羽がはえ、手に巨大な剣をもっている。

宇宙空間がじかにみえる。大気があれば青空が広がるのだろうが、重力の渦により、この地帯には大気が薄い。

その薄い雲がジェット気流にのまれるように高速で左から右に移動しているのが見える。

まっ黒い宇宙空間そらとぶ魔人が巨大に広がり浮かんでいる。

「魔王アリスタンダー」
「アリスタンダー!?」

ジュールはグレートソードをもった。
「古いけど…」
ジュールはグローブをはめなおしながらいった。
「めちゃんこ、手加減しないぞ!!」

高速ジェットノイズ

ジュールはまるで高速のエンジンに回転させられているかのように目が回った。

グーオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンン

「うおおおお、??!本気でいかなくちゃ、ぼく一人で倒せる相手かな」

魔王のくちからクエーサー級のジェットが噴射された。
円形のプラズマがルーレットのように高速回転し、ジェットが中央に向かって吹きだされる。

「くっ、おおお時空バリア」
魔王が口を開いた。
「こっちこそ手加減せんぞ、口のきき方に気をつけろ。覚悟はいいかこれから貴様を地獄に連れていくぞ」

「おおお、ぼくが…ふるえている。この敵は!?オーレちがった…くそ、思うように体が動かないぞ。のまれている!オーラ全開!時空剣!!」

時空剣 8974

スピードブレーキ…

急に世界の回転にブレーキがかかる。

「うおお、めまう…!!夢斬(居合抜き)!」

夢斬 8987

魔王はまっぷたつに切れた…次の瞬間、切れたのは大型時空船だった。
「あ?なに!?弁償は保険でお願いできるかな。おちつけ、動揺するな」

警察のシャトルが残骸となって浮かんでいる…黒い海のような宇宙に…



4


「ぬおおお、温情に温情を重ねた相手…斬るときはもはや思考はいらぬ…」

国破れて山河あり! 9012

「口だけじゃなく手ごわいな…やつ(ヘラクレス)並みかも知れん。だが…痛みに耐えて笑えるか」
無現斬…

ザシ、ギシ、ドス、ギジ、

巨大な魔王の剣が連続して襲いかかる。
ジュールはバリアハンドを最大にしてかわす。
「うおお、地獄の本当の恐ろしさを知らないな」
グレートソードでさばく!はじく!
「自分のしていることの恐ろしさを理解させてやるぞ」

オーラシュート 

ジュールのオーラが最大まで高まった。
高熱の火の玉のようになり、凶暴性が最大と化す!
「言ってわからない相手は、ひねりつぶす!!!」
「魔王相手に何をほざく!」
「そして…地獄に追放する!ゴウ・トウ・ヘル」

「オーラシュート Go」

ググググウチュオオオオオジューンンン!!!

光の玉が次々アリスタンダーに襲いかかる。

7841

「ぐ!」

8791
「おお」
9784
「ごおおお?」

「まだだ、まだ続くぞ!こらえられるか!!」

9999

「があああ」
さすがに魔王アリスタンダーも逃げをうった。
「フ、ファアハハハハァ、今度あったときはワシの部下に貴様のはらわたをえぐらせてやるわ!ワシは指一本使わずにな!ワハハハハ」

ジュールはもう追いかける体力がなかった。
「い…いったか…手ごわい」




5


ラグナクロク軍―駐屯地


「ああ、今日の訓練は映画にしようぜ」
「映画?」
「ああ、イメージトレーニングだ」
「SFかよ」
「ばか、俺達の日常がSFだろ、ファンタジーでいいんだ。敵はファンタジーの
かわいいモンスターかもしれないだろ」
エドアールがいった。
「そうだな、肝心の時に筋肉痛じゃまずい。頭を柔軟にするのも任務のうちだ」
「お湯を沸かしてくる。おまえらの分のカップラーメンつくってやるぜ」
四人組はカップラーメンを喰いながら映画を鑑賞した。
「いい勉強になるぜ」
「敵はSFだけじゃないんだな」



エカルテ城

スフィンクスを電話モードにしてクラークが何か話している。
ガチャ、ブツ、ツーツー
「まったく、クレームいれてるのに、上から命令するなってなによ」

それから横を向いてアルフレットにいった。
「アルフレット、もめるなよ。休戦というか調停中だぞ」
「すまん、以後気をつける」

スフィンクスがしゃべった。
≪クラーク王、時空警察のジュール氏から電話です≫
「つないでくれ」

≪ぼくだよ…時空警察のジュールだ。強敵だよ。さすがのぼくでもこたえた。≫
「アリスタンダーとかいわないよな」クラークがいった。
「なに!?」アルフレットが動揺した。
≪そのまさかだ≫
「いったいなぜ」
≪そんなの警察の仕事だよ≫
「レベルラハムとの戦争がやっと調停なのに、別の魔王か…」



6



アランとアルセウスが退院し、エジオンに帰還しようというころ。
アランがエカルテの端、荒地のある土地を散歩していた。

「あー、いい空気を吸って体をアイドリングしとかないと」

黒い雲がガーとあつまってきた。
「む」

魔王アリスタンダーがその爪で今度はアルセウスを狙ってきた。

「魔王アリスタンダー、復活の生け贄にきさまの心臓をえぐってやろう」
「うおおお、ゴールドエクスカリバー」

魔王の爪 ザグ
アランは肩から服がやぶけ、血が噴き出す。
「おおお」
アランクラッシュ 140

「フフフフウ…」
アランは神経が張り詰めた。
「アドレナリンが…」余裕をかまさないと凍りつく、だがアランのレベルではそんな余裕がなかった。
入ってはいけない扉をあけてのぞいたら、見てはいけない残虐な場面に遭遇したようなおそろしさ。
勝てるわけのない無惨な敗北!

夜の森のような、なんでもないのに足がすくむような不気味さ。
あっちの茂みでゴソとかいったらどうしよう。
自分はひとりで森にいる。
でてこないが、突然何かができてたら?なにかが…

ゲームだと魔王はおそろしくないが、魔法の武器防具を持っているからだろうか?いい勝負だからか?

絶望と恐怖、スリラー小説というよりサスペンスにある人間関係のどす黒さをなぜか感じた。

なぶり殺し!アランの抵抗もむなしくダメージがない…

見えない力で壁に叩きつけられるような、地震で家がシェイクされ260℃視界が逆さになったような…

アランの攻撃はもう、魔王にあたらない…

アランは足をのばしてペタンとすわりこんで寝てしまった…
恐怖にもがき、血を流し、絶望にやつれ、気を失って初めて楽になれた。



7


エドアールたちが映画をみおえ、カップラーメンを食べ終わったころ、地震が起きた。
「なんだ!?」
「地震?」

武器をもって外に出ると以前エカルテをおそったマリットとカリットのかたわらがいる。
「くそ…連絡しろ。俺がくいとめる」エドアールが剣を抜いた。
「わかった、えーと、ラグナクロク国王に、とりあえず」



改造マリットゾンビ


以前より体が腐敗して、つのに埃のようなものがまとわりついている。
「蜘蛛の巣がかかっているぞ」
敵はこっちに興味がないように見向きもしない。

「とにかく援軍が必要だぜ」
なにも刺激しないほうがよさそうではあった。

「棚から回復薬をありったけ持ってくるんだ!」
このあたりはひとけが少なかったが、高層ビル群や住宅街にむかわれたりしたら被害が大きい。

ドシ、ドシ、
改造マリッドが歩きだした。
「!まずい」
簡易春雨 1210

ズドドドド!
ギロ
改造マリッドゾンビがにらんだ。
「エドアール、王がエカルテに連絡してすぐ援軍が来てくれるぜ」
「わかった」
マリッドの爪がおそう。

剣を楯に!
かするようにすべらせさばいた。爪は地面の土をブルトーザーのように抉る。

「俺たちも」
ストロービーム銃 451
ロケットランス 87
ライデンソード 15

直撃がひとりをつらぬいた。
ピン!
「うっああわ」
数メートル先にふっとばされた。
幸いえぐられはしなかったが叩きつけられもう無理だった。

「おい!」




8

緊急対策室がエカルテ、ラグナクロク共同で設置された。
「クラーク王は指揮者ということで…」
「わかった戦地には人を派遣する」
ホワイトさんとエドガー、猫が集まる。

まず、アルフレットとオーブリーに連絡がいった。
「軍人もいたほうがいいけどな。前のあれだろ」
エドガーもいった。
「出動したら、関所を越えて救援にいくしかないですな」


ラグナクロク城
国王が心配していた。
「軍人を増やすか…だが国費が、戦闘メカを」

アルバイトの兵士がリモコンでモニターをとおしてメカを動かす。

ブロームインにはカリッドが現れたとニュースに映る。



9


目の前の前足を相手にエドアールは奮闘していた。
ドシャ!
土を力強い前足で蹴り、土砂を浴びせる。それだけで弾丸のようにこたえる。

「うぐっ」
「きたぞ、エドアール!まにあった」
リモコンメカが攻撃する。
リモートマシンガン 310
ガガガガ

「相手はガオンじゃないんだ!」

鉄兜 1904
「そうだ、マクスウェルアーマーはどうしたよ!?エドアール」
「あれか!エカルテ王に連絡をとれ!」

リモコンメカが囲もうとする。
一斉射撃 ガガガガガガ

2403541879957145

火薬が焼ける薬品のにおいが立ち込める。
「グリスが焼けるみたいな匂いだ」

携帯電話でクラークがいった。
≪いいか。いくぞ電撃が襲うからな≫

「ぐあああああああ!」
稲妻が辺りからエドアールをかこみ、高圧の電流が彼を襲う

マリッドゾンビの直撃がメカを一体ずつ破壊する。
さらに、青白い炎をブオーとはきだす。

「いいぜ、奴の目はこっちに向かない。メカなら予算が死ぬだけで助かる」




9


エドアールはきがつくとマクスウェルアーマーを装着していた。
「よし、行けエドアール!俺は通信がかりだぜ」
ひとりはダウンしている。
「おれは薬品をもってくる!」

「おおおマクスウェルウェポン!」

ガガガガアアン!と稲妻が剣に走る。

マクスウェルグッドアタック! 5410

「ぎゃおおおおおー」
敵は火焔をはきちらす。

345

意識がエドアールにむいた瞬間リモコンメカがマシンガンをはなつ。
「バイトでも腕がいいでしょ!?」

ガガガガ 210310451・…

メカにカメラがついており、それでモニターごしに戦える。
その中継画像がクラークたちのスフィンクスにも映っている。

クラークがいった。
「ああ、あの鎧でアルフレットたちがつくまで持つかな」
もう一つ通信が来た。
アルセウスからだ。
≪クラークさん、アランが本当の重体だ。ICU(集中治療室)にはいっている。病院のTVでニュースをみたが…わたしも動く≫
「そうか、いってくれ、国境を超えるとジープが用意してあるそうだ。それにのれ!行先はクラウドで指定するそうだからな」




10


エカルテからラグナクロクとの国境まではタクシーでいく。料金後払いで国つけだ。緊急事態の優遇処置だった。
「いそげ、タクシー乗り場まで」


直撃! 
「ぐあっ!?」
「へへっ。鎧で逆に電撃を喰らうさ」
それはなかった。

だがマクスウェルアーマーの防御力は高い。

451

「空中戦で行くか」

≪無駄なエネルギーはこらえろ、と伝えてくれ≫
クラークが助言した。
「おい、エドアード、無駄なガソリンは使うなっていってるぜ」

「そうか…」

春雨 3000

救急車なみに飛ばしてアルフレットがつくまで1時間はある。

モンスターはメカを食いちぎりだした。
ガブ

「くそ、休みたくなってきたぜ」エドアードは弱音をはいた。
「エドアード!あと小一時間もかかるらしいぜ」
「ああ!よその国からならそうだろうな。クソ!メカの残骸だらけになるぞ」