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2013年5月3日金曜日

ヘラクレスの訪問















1


ブロームインの魔法殿では新しい体力回復の道具を研究していた。
「薬品を調合するのもいいが、ガラス玉に霊力を封印したものをつくる」
ピンポン玉くらいのガラス玉を割ると、霊力があふれ出し体を包む。傷がたちどころにいえる。
「サーベルブリングに技術を盗まれるな!」


ゴールド・ウィンのエアポートに船がきた。
ヘラクレスがのっていたが、ブロームイン城を目指した。

エカルテ

オーブリーが自分から珍しくクラーク王を訪ねてきた。
「…オーブリー…」
「なにか用事がないかと思いまして…」
「…いまな、マクスウェルアーマーっていうのを考えててな。なにかアイディアないかな。マンガだと魔王とかが城の中で空中に魔力でハーアアとエネルギーみたいの光らせて何か開発してるんだよな」

秘書猫がお茶をもってきた。
タンポポの紅茶だった。

「それなら、空を飛べる鎧とか」
「いいな、それ!」

スフィンクスで電磁クラブの職人につないだ。
「空飛ぶのひとつな」
≪なるほど、いいな。私のアイデアは、普段の服を着ていてボタンを押すと電磁波が霧のように集まってきて鎧になるんだ≫
「いいけど、電波が固まるのか?マクスウェル方程式にそんなこと書いてあるのか」
≪いや、電池だと不可能だがクラウドで大規模電力施設を用意して初めて可能だ≫
「鎧、単独で機能しないのか!施設と連動した鎧か、金がかかるな」

そのとき、スフィンクスがキャッチホンのようにスピーチした。
【お話の途中ですが…ゴールド・ウィンで高視聴率のニュースがはいっております。表示いたしましょうか】
化粧鏡に人面獣の彫刻がサイドについた、コンピュータ、スフィンクスは自分の電子頭脳で考え発言した。中性的な声だ。

「ゴールド・ウィン?なんだろう、表示してくれ」
返答の文を学習して動作が変化していく。
クラークの返事もスフィンクスは着実に学習していた。

≪なに、ニュース?オレもTVをつける≫

ビデオ通信の画面が40%ちじまり、ゴールド・ウィンのニュース画面がニューンと広まった。

ディヴェルティメントのような王宮クラシックが鳴っていた。
ひとだかりができている。
「おお、誰だありゃ?」

ゴールドウィン王に謁見しようとしている男性がいる。
パレードのように左右に見物人がならんでいる。
「ずいぶん盛大だな」
ワーワーいう歓声が聞こえる。

≪ヘラクレスがコインメタトリーに到着し、ゴールドウィン王と謁見しようとしています≫

「ヘラクレス?」
オーブリーが「ああ」と声を出した。
「クラーク王がこっちに来る少し前ですよ。僕がコインに、エカルテに来たばかりのころだった。ぼくはクラーク王がくる少し前に地球から不思議な力でワープしたんだ」
「ああ、それで」
「当時、アリスタンダーという魔王が猛威を振るていたんですが、彼が倒したんです」
「アリスタンダー…ふーん」
「ほら」
≪あのアリスタンダーを倒した戦士ヘラクレスが…城内にはいっていきます≫

クラークがいった。
「俺がパーカーに連れられてきたとき、何の実績もなかったもんな。ガオンは倒したけど




2


ゴールド・ウィン王にヘラクレスはこういった。
「魔王アリスタンダーは闇の力で復活して必ず復讐に来る。この惑星の戦士よ、来る日まで準備を怠るなかれ。それと首の長い竜にラグナクロクあたりが喰われる。予知能力によるともう近付いている」

その後、ヘラクレスはゴールドエクスカリバーを量販店で購入した。
≪ヘラクレスがゴールドエクスカリバーを購入しました!!職業はヒーロー!!まさにヒーローです≫

「ほんとだ、買ってるぞ」


ザールの体の回復は遅れた。
自宅で寝ていたが、ある夜幽霊を見た。
「あ、あの女だ」
ザールが初回登場時に殺したブロームインの女だ。
スピリットとなりザールの枕もとに立つ。
「うおお、いいわけはきかんか」
半透明の首が長く体がない幽霊だ。
「足がないどころじやない!!」
恨めしそうな顔をしている。
くるくるまわる。
「ゴースト!!ゴーストバスター部隊をつくるぞ!」

ザールは寝込んだ。



3



クラークは妻のザフラを誘って前にいったプールホテルに食事に行った。
トテッチをつれて、オートコントロールカーにのっていった。
「車のハードディスクにいらない音楽をダウンロードしていれとくな」
「わかったわよ。ポータブルに入れればいいんでしょ」

少し走ってホテルにつく。
ロビーの広いスペースに託児所がある。
保育士と看護師の資格を持った保母さんが数名雇わられている。
安心して数時間預かってもらえる。
トテッチをあずかってもらった。

デパートによくある、子供の広場があり、やわらかいジムやブロック、キッズブック(この世界のキンダ―ブックのような絵本)などが置いてあった。
トテッチはほかの子供となかよく遊んでいるようだった。

「子どもを預かってもらって食事するのも悪い気もするわね」
「休養もいるしな」

エレベーターにのってあがった。
【においだけ焼き肉店】
「…ここにするか」
「いやよ」

普通の店で食事した。

ふたりはテーブルについた。
「わあ」
すでにグラグラ煮えてる状態でお鍋が運ばれてきたが、固形燃料でさらに火を保ってある。
「ああ、おいしそう」
魚介類やネギ、しらたきやしいたけがたくさんはいっている。


そのあと、屋上のプールにいった。
【水上プラネタリウム:メテオストライク】

「前に来た時と違うな。独身だったな、あのころ」


イスのついたボートが浮かんでおり、ふたりでのるとゴンドラのように揺れた。
水面がキラキラ揺れる。
ワインとフルーツボウルが備え付けてある。

天上にプラネタリウムが映った。
星がきらめいている。
星がキラと光った。
「ん?」

見ていると星が降ってくる。
映画のように今度は流れ星や隕石がどんどん落ちてくる。
「うおお、迫力が!」
いたるところに隠されているステレオから重低音の落下音や隕石激突の音がきこえてくる。
「うおお、やりすぎだ」

みていると世界最後の日みたいで恐ろしかった。
ドンドン隕石が降ってくる。
揺れる水面に火飛沫や隕石が反射して映る。

水がプールにどぼどぼ注ぎ込まれ、ボートが波打つ。

「パンチングマシンのラストみたいだな」

おみやげにトテッチにキッズブックを買って帰った。



4



ヘラクレスが指導するというのでエドアールは開発途中のマクスウェルアーマーを装着し、首の長い竜を退治することになった。

クラークもつきそった。
「よし、腕時計のボタンをおせ」
設計者はいった。

ボタンを押すと四方から電磁波がごうごう吹寄せてくる。
「うおおお、いかずちに焼かれるぞ!!おおおお」

「もうしばらく耐えろ。そうすればおまえは完ぺきだ」

エドアールが力尽きそうになったとき、青白いデザインの鎧を装着していた。
「これが!マクスウェルアーマーか!」

ヘラクレスがエドアールに助言した。
「よし、ステンレスソードと刀はおいておけ、グット・ソードのほうが身軽だ」
「はい」
「わたしもエクスカリバーでサポートする」

「空中を飛べるはずだ」

エドアールはマクスウェルアーマーの力で空に浮かんだ。

向こうから首の長い竜が飛んでくる。

ヘラクレスも空を飛ぶ。

「すごいぜ!エドアール!オレも肉の入ったスープが食えりゃあな」
ラグナロク軍が下から応援した。

空中春雨 3100

ドラゴンブレス 700
「くそ、鎧で炎は防げないのか!」

下から声が聞こえる。
「聞こえるかー。アーマーのおかげでその程度なんだ。やわじゃないぞ」

ヘラクレスがいった。
「そうだ、あなどるな!」

グッド・ショット 2211

ドラゴンの柔らかい腹に食い込む。
敵は火焔を広範囲にわたってはきつけてきた。

ガオオオオオオオオ

540

ヘラクレスはマイティガードでシャットアウトした。
「うおお、マスクウェルウェポン!!」

鎧から電磁波がグッド・ソードにたぐりよる。
グオオオオオンン

マスクウェルグッドアタック!!

ザギュ! 5641
「敵の体力は高いぞ!遠慮はいらん!」

「マクスウェルビーム」
掌から光線を出した。

ジュオーン!! 3451 

クラークは下から見ていたが「なによ、下の世界のボスたおしたからってこっちのボスに通用するかわからないぞ」といった。
だが周りを見るとみんな見上げて納得しているようだ。
「説得力あるのか…」



5


「よし、わたしがみせよう」
ヘラクレスはマイティオーラをゴールドエクスカリバーに乗せた。

マイケルクロス 7451

「おおっ。さすがだ」
「いけ、おいうちだ」

エドアールが空中でさらに跳んだ!!
「空中鉄兜!!」

空中鉄兜 2457

首の長い竜はダメージがおおきかったのか空を飛んで逃げていった。
雲のむこうにでかい竜のしっぽが吸い込まれるように消えていく。



6


トテッチはおもちゃの楽器を買ってもらった。

バインバイン!ボン!ピロロン!ポインポイン!

クラークがねころんで新聞を読んでいると、トテッチがキッズブックをもってとなりにきた。
「キッズブック!キッズブックはあたしの本でしゅな」
「おお…」
クラークがのぞきこむと、子供用カーテンをシャッとひいてかくれた。
「のぞかれましゅな」
しばらくするとおもちゃの楽器を鳴らす。

バイン♪



7


アルフレットはいった。
「慈愛の神よ。人間が悪の道に落ちても救わないのか?正しい教えをなぜに人間に解かないのか」
神タナンダはいった。
≪デカルトの哲学を読もうとして、普通の人間が気持だけで読んで理解できるだろうか?プリンキピアを数学と哲学を極めずに理解できようか。私の教えなど、人間にといても理解できまい。人間に必要な教えではないのだ≫

「調和の神よ。ならばあなたのなすことは何なのか?」
≪人間に教えても本質をゆがめられ広まるばかりだろう。そのうち私そのものが端に捨てられ忘れられる。人間のなすべきことと神々のなすべきことは違うのだ。そうなれば人間のつわものよ。私も顔をしかめ、奥へと下がるだろう。アナンダという女神は私の兄妹だが数千年前、人間に嫌気がさしてこの土地に下がった≫

数千年前

≪いこうアナンダ。もう人間には何も教えるまい。わたしとくるのか!?人間など放っておけばよい。たおすべき魔人はたおした。もう我々の出る幕はない≫


≪所詮、人間は神とは違う。最後の戦争で人間の手助けをして以来、もう人間にはかかわるまいと決めた≫
「面白そうな敵だ。ぼくがそのときいれば…」

≪神の酒を一杯飲まないか?≫
「神の酒?」

輝くようで落ち着いて見えるグラスに酒がそそがれた。
≪知恵の実が向こうの山に茂っている。ひとりでに実が落ちて転がり、川にころがり、酒の川に発酵するのだ≫

「え?知恵の実!?それは人間には禁物じゃ。いや不死になる生命の木だったか」
≪善悪を知る果実だろう?その名の通り飲んだものが悪の心であれば、生命の木の命(ライフポイント)を失うだろう。楽園を追われ…正義の剣と同じだ。不死の生命の力と相殺する≫
「善であれば!?」
≪やはり、不老不死に毒だったかな。あなたならだいじょうぶだろう≫

アルフレットは飲んでみた。
賢くなったような気がする。
「慈愛と調和の神タナンダよ。暁について語りたまえ」
≪人間にかかわらないと決めたが、あなたはまたここに来るがいい。そしてきかせてくれ。今の人間がどのようであるのか?…若く美しい女性が、幸福に裕福になるのはそう悪いことではない。だが、同時に堕落の道に落ちる恐ろしさは禍々しい…正義の剣で闘うがいい。人間の強者よ≫

アルフレットはグラスいっぱいをゆっくり味わった。
波のさざ波をきき、駆け巡る天の盤をみやり、時間がスローなのかスピーディなのかはっきりしない世界で。

アルフレットは帰り道つぶやいた。
「まったく、ときどき会うのも悪くない。慈愛の神タナンダか…仲たがいしないように気をつけるぜ」
酔いながらふらふらと歩き、口を拭った。


≪お客さんは帰ったの?≫
タナンダに比べると小人の妖精のような女の子があらわれた。
≪ああ、帰った…何百年ぶりかの人間だ≫
もうひとり、蝶々のような羽をパタパタいわせている。
≪ずいぶん楽しそうに飲んでましたなあ。こんなところまで来る人間かあ≫
≪人間世界ではマハーラタというのが暴れているとか≫
≪知っているのか?そんなこと≫
タナンダが意外そうにいった。
≪下界が映る池でやってました≫



8



ライオンナイトが宇宙船から下りてアクシャラ宮にはいろうとした。
マドラ星、マドラ国の大地。

荒地があたりをつつみ、荘厳な建物といえばみえるのはアクシャラ宮のみ。
干からびた大地がおもだった。

「おまえは…?」
「アルフレット、お前たちが襲ったコインのソルジャーだ」

アルフレットはいきなりオーラを50%まで高めた。
ライオンナイトもゴールドエクスカリバーを抜く。

ライオンナイトは瞬時に分析した。
(油断のならない相手!)

まず、アルフレットはグッド・ソードで試した。

「気分が軽いぞ。新しい自分になった感覚だ」
滑るように動きだし、剣技をくりだしていた。

春風の伊吹 4455
ライオンナイトは楯をかまえるすきもなかった。
「ぬううう」

自分もオーラをたかめ、技を撃つ。

突点緑波 
オーラをまとわせた突きだった。

「アルフレットバリア」

978

「攻撃主体の我がオーラと違うな…守りも攻撃も強い」
「その楯は強そうだけど」

アルフレットの右手と左手 
0
2300

「マハーラタ様により本当の自分をこの楯に封じ込めていただいた」
「!体が傷だらけになっても楯が無事なら死なないのかな」
「この楯が割れるとき本当の自分の死がおとずれる」
楯の中のライオンが吠える。

高昇破波圧剣 

煮えたぎるオーラでゴールドエクスカリバーが溶けつつある。
「融点を計算しなよ、おっさん」

アウストロクロス 60% 3451

オーラがライオンナイトをつつむ。
軽い爆音を立てて爆発する。
いまのアルフレットの60%はこんなものだ。
「ぐうう、剣が融けてもかまわん!」

ブオオオオオン 2994

「ぐっ、防御をおろそかにした…ぼくとしたことが…」
アルフレットはヒーリングで回復している。

ライオンナイトのゴールドエクスカリバーはオーラの熱に負けて消滅はしなかったが、ぐんにやりまがった。




9



クラークが王座で本を広げている。
「マクスウェルってなんて実名よ。電子辞書で調べるか。ん?ジェイムズ・クラーク・マクスウェル?なんだと!?同じクラークか」

秘書猫が本を運んで王座の横のテーブルにおいた。
ドサ…
「図書館から運んできましたよ」
「ああ、すまない」

ゲーテ:ファウスト
フランシス・ベーコン:学問の発達

「たくさん読んで勉強して下さいよ」
「ああ、復興近いな。支持率回復してきているし…」



夜。
トテッチがキッズようテントにいりびたっていた。
クラークが入口からそっとめくってのぞいてみた。
トテッチがはらばいになってキッズブックを読んでいる。
あっけにとられた表情でかたまっている。
お菓子の箱やおもちゃの楽器、キッズブックがみえる。

ブブ!

トテッチは楽器に手をのばして音を出した。
「失礼しました」
クラークは退場させられた。
「トテッチ城だな。室内にな…」



10


時空警察のトップ

比較的午前の早い時間から会議が予定されている。
「ああ、会議だ。めったに使わない会議室に移動するぞ」
秘書にいう。
「私も参加ですか」
「ああ」

もうひとつ上のフロアにある会議室につくと鍵がかかっている。
「あたー、議事がきまってない会議だから、だれもセッティングしとらん。鍵をもってきてくれ」
「イエス。どこに?」
「同じ階の小さい部屋だった」
「そこのドアに鍵は?」
「カードで開く」

会議室は単純な鍵で開く。
遅れてきた別のトップがみていった。
「なんでカードでしきらないんだ。いまどき?」
「会議中誰も侵入してきやせんからかな」
「盗られるものも何もないし」

開けてみると空の部屋で、ガランとしている。
イスとテーブルがあるだけだった。
「なんか寒々しいわい」





11



「アルフレットボール」

オーラの玉をぼんぼんてのひらから放つ。
ライオンナイトは融けかかっつたゴールドエクスカリバーではじく。
耐熱剣で斬られると、ボールはくだけるが、だんだん熱をもって煙が上がってきた。

しゅゅうううう

「ぬおおお、剣が限界か、最後に一太刀くれてやる」

ライオンカッター 2310

「僕にこれだけダメージがあるのは素晴らしいけど」
そういって正義の剣をとる。
「正義の剣」



12


会議で、以前サイクロプスプロジェクトを担当したトップが発言した。
フォードさんだ。
四人のトップが会議室にいるが、トムスン氏、フォードさん、愛人を部屋に入れていた紳士、グッド・ソード、実店舗を企画したトップの四名だった。

「えー、わたしは時空警察の植民地をつくる計画をたてております」
「植民地?まさか時空警察が侵略などというまいが」
「ええ、時空警察のどこかのエリアに別の星の住民が暮らすニコニコタウンをつくるか、あるいは別の星に土地を買いニコニコタウンを建築するかです。ただ…」
「…」
「それは植民地というのか」

本来、会議の発言に助言したり、参加しないとないのだが、誰も他人のプロジェクトに口を出す余裕がない。むしろ足を引っ張る発言のほうが多かった。
それに他人の企画は聞いてもよくわからないので口をはさめないのが現実だった。

「コインあるいはエジオンの住民は、時空警察のエリアの住民と見分けがつきにくい。文化も。庭のテントに違う民族がいる感じになりにくいですな」
「ふむ」
「…」
「ようは、チャイナタウンとかアメヨコみたいに外国のニコニコタウンが違う文化の中にあるというのを予定していたのですが。まあ、以上です、企画はその段階にとどまり…」

誰も用意しないのでお茶もない会議室だった。




13


会議室―休憩

「ふむ、おい缶コーヒーをコンビニで買って来い」
「下のフロアで買ってきます」
秘書は買いにいった。

もうひとりは携帯で電話している。

フォード氏とトムスン氏は談話している。


会議―再開


「私は女性戦士ようのスターティングソードを開発企画しており…女性用の一般的な武器にデザインしようと…無印良品をイメージし…」
「…」
「グッドソードの女性版みたいだな」

彼の発言は終わった。

「私は時空警察初の実店舗をオープンしており、時空警察の顔として広告、次世代技術の展示、内勤の多い警察に外との接点を用意しました。えー、来客数など統計は以上」
グラフをスクリーンに映すがたいして誰も詳しく見ない。
「後日、参照したい方はイントラネットで公開しておりますので」

以上だった。



14

アルフレットは正義の剣を抜いた。
ライオンナイトは融けたエクスカリバーを地面に捨てると、スパイクのついたほこを握った。

「いくぞ、神の剣…」
「…」

ピッタア
アルフレットは金縛りにあったように動けなかった。
「なんだと!?」

そこに容赦なく攻撃が来た。
   
ジャストミート 4578

ガゴッ!!!!
「がっ!?動けない!!」
ジャストヒット …
「く!?なぜとどめをささない?」
「武士の情けだ。その武器、正義のあかしがないと使えないようだが…」
「なるほど、武人ぽいというわけか。今の攻撃が来ていたらいくら僕でも危なかったけど…なぜ、お前のような奴がレベルラハムに従っている!?」
「あの方の心は浅くない。表面的な生き方をしたものは他人の苦悩が理解できぬ。あの方の深い心は自分自身の苦しみから来ている。そして、それをくさらずにいきぬく強さ。それがなければ、わたしが従うだけの器が磨かれなかっただろう」
「なるほど!?でも逆に質の違う苦悩にさいなまれるもは自分と近い人しか理解できないようだけど」
「…」




15


その後…ヘラクレスはゴールド・ウィンのインターネット処理施設を見学した。

「このマシンでコイン全部のネットをコントロールしています」
「ほう」
「各家庭にデータを送受信してまして」

工場のような飾り気のない施設だった。

「ここで全部集めて外の星とつながるんですか?」
「そうです。水道水がでかい土管から細いパイプになって各家庭に配られるみたいな」

客商売からほど遠く、機械しかない室内は無機質の極みだった。
「ここからは、めったには入れません」
「ええ」
厳重なロックの部屋を開ける。
銀行の巨大金庫のようだ。

「マザーコンピュータ室です」
ヘラクレスは案内されて中にはいる。
「以外と小型ですね」
丸くて堅そうで重そうなマシンがピコピコいっている。
「CPUが集積してますからね」
そのわりにむき出しのコードがうじゃうじゃうねる。

技術者がメンテナンスするときに座るイスがひとつだけある。
あたりまえだがここに生活臭のかけらもない。
「発光ダイオードが点滅してますが」ヘラクレスは質問した。
いろいろな色のダイオードが点滅する。

「電力がもったいなくないのですか?」
「ああ、故障が直感的にわかりやすいんですよ。生物でいえば痛覚みたいなもので…」
「このドアは…」

技術者があけてみた。
真っ暗でよくみえない。
「これは…ああ、ゴールド・ウィン城の巨大扉となかでつながっているんだったか…?」
「大砲が飛んできそうですな」
「ははは…ひとくい植物とかね」

これ以上奥はない。このマシンはノート型PCを接続していじる。
「無機質だが、カフェテリアみたいなしゃれた雰囲気がありますよ」
「見慣れないからでしょう。斬新なデザインに感じます。業務用なので飾り気がないですが、シビアな雰囲気がありますから」