ページビューメ-ター

2013年4月25日木曜日

復興と新しい旅立ち





復興と新しい旅立ち










1


アルフレットは旅立っていった。
「なにがあるんでしょうね、あっちの世界に」秘書猫がクラークにきいた。
「なんでも正義のパラメーターがあがると強くなる正義の剣があるらしいぞ。悪いことすると使えなくなるとか」
「魔力で斬るサイコソードみたいですよね」
「なんかな」

クラークは財政を裕福にするため、新しい武具を開発することにした。
電磁クラブの親父を呼んで話をした。
「あの、前に注文したパワー・オブ・ザ・ガードは?」
「まだだな…仕事が進まない」
「そうか、それでな…さらにマクスウェルアーマーという鎧をつくって売ろうと思っている」
「マクスウェルアーマー!?して、どんな?」
「それを考えるんだよ。俺、電磁気学の知識なんかほとんど知らないけどな」
「私も教科書持ってるだけの素人に近いな」
ふたりは電磁気学の教科書を開きながら相談した。

逆に2点、AとBの距離を電磁力の力で測る。
重力でもいけると思うけど、電磁力はクーロンの法則で逆二乗で弱くなる。
力が2点でどのくらい弱るかを計ってモノサシにつかうんだ。
特殊なメーターで2点の力を測定した。
力の差から距離が計算できる。
ところが距離が2倍になると力は4倍弱くなる。

球の表面積が二乗に従いますから電磁力線が疎になるという。
でも、違うかもしれない。

距離というスカラーを力という単位が違うもので計算するから釣り合わないんだと思う。
力はスカラーか?
力をルートして距離とおなじ単位で測れる。


F=ma
Fは力だ mは重さ、重さはスカラーだ。aは加速度
加速度だ、加速度とはスカラーではない、メンスラ(測度、モノサシで比べてはかれる単位)単位が、スカラーを動かすモノだ。プログラムで考えよう。スカラーに+1の演算をする単位が加速度だ。単位がスカラーでもないスカラーをいじる単位とでもいえる。
つまり単位質量あたりに速度というスカラーを増やせる単位だ。
でも速度もスカラーといえるのか?
速度に時間をかけると距離が出てくる。
距離というスカラーと比べると、スカラーを時間で微分したモノ、時計で測ったものだ。

とすると力は基本加速度、加速度は時間で微分したスカラーに足し算をする演算装置、

だからだ、速度も加速度もスカラーを微分したものなんだ。
力もそうだ。
つまり力は距離を二乗、つまり積分した者と釣り合うんだ。
違うか?
つまり、単位時間当たり、スカラーの変数に足し算を演算するモノとはスカラーの逆二乗が単位だ。
計算するとF-1/2 =L(距離:スカラー)
なんだか微分の式みたいになる。
要はスカラーを微分したモノが単位だ。
結局スカラーかスカラーじゃないかというより、それを微分した単位ということだ。

とすると、逆に二乗の法則の正体は?微分積分で計算している?

でも、つりあわないよ。

=F

単位電荷を置くとこうなる。
つまり、力とか電荷の次元の単位を合わせると、時間で二回微分している次元で、L(距離:スカラー)は逆二乗にすると単位がつりあう?
電荷はそのまま比例して力がる強くなるところをみると電荷と力の単位はイコール?か

ちがうか。
クラークはホワイトボードを消した。

力も加速度も電磁気力も同じだ。
時間ごとにあるパラメーターのスカラーに足し算する演算数値だ。
そして、電磁気力は遠く離れるほど足し算する数が弱くなる。

図形を積分して面積を求める。
次元を落としたスカラーに近似する。
ということは時間で微分した速度、加速度は、スカラー(量)よりまだ下の世界?
だから積分するとスカラーにレベルアップしてあらわせるんだろう。
ポイントは空間で微分したならスカラーより下の世界はないかも。
時間で微分したなら、歯車仕掛の機械だ。
だから時間ごとにパラメータをあげる。プログラムみたいな装置だ。

重力で考えると質量のある物質は重力発生装置だ。
距離の二乗に反比例するのはやっぱりガウスのいうように、球の表面積なんじゃないの?

それだ!光の速度が有限なように、重力の届く範囲も限定されている。
重力が強いと光時計が遅れる。
重力が広範囲に伝播するが、落下してくる物質は加速し続けるが、光の速度に近くなると加速しにくくなる。最後は衝突だ。でないとパラメーターをあげたまんまになるよ。

重力の強い太陽の周辺では光の速度が遅い。
落下してくる隕石は加速するが、光の速度をこえられないため、一番加速する、太陽との距離0時点で速度が相殺されている!?
なんでかというと光時計が遅くされているので加速した隕石は太陽に近くなるにつれ相殺される!?
なぞがなぞをよぶ。

二人はマクスウェルアーマーの開発計画がうまくいかないまま仕事を終えた。



2



「かえりましたか」秘書猫が王間に入ってきた。
「ふー、ああ、疲れたな」
「うまくいきませんでしたか」
「また今度話し合う」


惑星エジオン

エジオンは夜だった。
パーカーが酒を飲みながら、彼女とゲーム盤をやっていた。
「もうオレのばんか…3、一回休みだ」
TVのニュースでコインメタトリーの戦争が終結したと報道している。
「なに!?やっとか、なんとかなったみたいだ、ああ、ビルが半壊している…」
「お酒もう一杯もらっていい!?」
パーカーはチーズをフォークで刺して口に入れながらニュースを見ている。
「あいつらもうすぐ帰ってくるな。エジオンも軍事を強化しないと危ない」
TVを観たままワインを少し口に入れる。
「いいわよ、パーカーあなたの番よ」
「うん?そうか、いや休みだ」


3


アルフレットは大神の世界で目的の館に到着していた。

神タナンダの目の前にアルフレットはいた。
大自然と館がつながっている。
南海の海小屋みたいなおもむきでもある。
夜空に星が光る。
造り物のように月がぐんぐん軌道を遊泳する。

夜なのに何かが光っている。
太陽でもなく、星でもなく、海から光が届いている様子だった。
「神タナンダよ、あなたはレベルラハムを放っておくのか。調和と慈愛の神とよばれるあなたが。あなたは大神ジォヴェに限りなく近い存在のはずだ」
タナンダは横たわったままアルフレットをうるさそうにみた。

≪調和の神だなど人間が勝手にいっていること…レベルラハムも同じだ。わたしがやらせているわけではない…≫

中性的にみえるその姿は巨人のようだった。
「だが、あなたの力は偉大だ。少しでも力を貸してほしい。奴はまた追ってくるかもしれない」

≪あなたは我々神々の日々の生活がどんなかご存じか?天の星雲の盤をながめ、自然の息を吸い、海の貝で曲を奏でてみる≫
「タッ!リゾート地みたいにくつろいでるのか!」

≪わたしは戦争などに気が向かぬのに、手足を動かす気になれん≫

アルフレットはしばらく考えていた。
「それならここで一局、手合わせを願いたいね」
≪…神に挑むのか…お前の体は確かに2/3が神…よほど強敵と戦いたいらしい。私はジォヴェと違いすでに戦いなど飽きているのだ≫

そういいながら、体を起こす。オーラが高まるのがわかる。



4


グッド・ソードは消滅しそうなので控えた。
アルフレットナイフ ピカ

確かに光ったが0ダメージもない。
「通じないか…」

≪人間の域を出ない若者よ≫
ジャングルコントロール 3333

「くっ!」

オーラトレイン…
ゴゴゴゴッゴドンドンドンドンガガー 1245
トレインは一瞬にして消えた。

「ダメージがあるじゃないか、次の技!」
慈愛の神は手のひらを突き出した。

プールヴァヴァット 6410

「くそ、ヒーリングメス」
≪フフフ…体力を回復してやろう≫
アルフレットは一瞬にして元のスタミナに戻っていた。
「すごい…これが神々の力か…」

≪これに耐えられるか?すべてを悟りつくせるか!?シェーシャヴァット≫ 

「!…」
アルフレットは全オーラをバリアに使った。
「出力最大、前方偏重!アウストロガード100%」

シェーシャヴァット 9998

気がついたとき、アルフレットは倒れて寝ていた。
「これは…」
≪7日間も寝ていたぞ≫
「7日…」
≪正義の剣、これをやろう≫




5


時空警察

ジュールが手伝いに駆り出されている。
一般客に公開された一般客店舗をオープンした。
「警察が一般客ようの実店舗をもってどうするのさ」
ジュールは店内従業員の仕事を初めて体験していた。

警察は内部仕事が基本だが、一般人に時空警察をアピールしようというプランだった。
カフェテリアが用意されて、お客さんでにぎわっている。
「バイトを雇いなよ。ソルジャーが店員の仕事するのかよ」

時空警察の一番見晴らしのいいビルの何フロアかをリフォームして解放店舗フロアにしていた。
観葉植物とインテリアのライトで水もながれてないのに植物店のように涼しい。
サイクロプスアーマーの展示ハウス、テクニカルウェポンの銃口、カッターの一覧。ゲームコーナー、時空警察が開発したコンピューター展示、グッド・ソードの鞘とベルトが棚に並べられて販売されている。
開発途上の次世代技術のアピールでスポンサーを募集したりしている。

グレートシティのアーティストの芸術品や絵画もバラバラに展示されている。なぜかアランのアートも一枚飾られていた。
新型ホワイトグラス、アート販売コーナー、小物の置物、インテリア販売。

「しばらくみたら、飽きるよこんなの」
ぶつくさいいながらもジュールは手伝っていた。
「ジュールさん。これどうします?」
「あー適当でいいよ。学校祭じゃないんだよ、責任者が決めることだよ」


学校のチャイムのようなキンコンカンとベルが鳴る。
「なんの合図だい」
「次世代科学と医学の公演です。『科学が変われば未来が変わる、医学が変われば生活が変わる』」
「時空警察が研究のスポンサーになって開発してる研究かい」
おちついて、耳当たりのいい音楽が静かになったりやんだりしている。
鳴りっぱなしと違い、演奏したりやんだりしている感覚が、どこかに楽師がいるふんいきをつくりだしている。

バイオテクノロジーで開発した、育てやすく枯れにくい観葉植物の展示販売もおこなわれている。


コストと効果を計算して造られた公開店舗だというが、開発途中の製品のピーアールや製品の広告などが映り、効果を狙う。
展示品が多いスペースと休憩のフロアを効果的に区切り、休んだり、また見物したりが快適にできる。
レストランなど一度着席すると会計を払ってでるまで席に固定されるのが普通である。客がその辺をいたずらに歩き回るのはほかの客に迷惑だし、常識でできない。そうできているのだろうし、それでいい。
ネットカフェなどマンガを探すため席を立ったり座ったりが可能で、長居できる雰囲気になっている。図書館もそうだろう。
客のい心地をよくし、回転と利益を計算していた。
実際のフロア面積はそう広くない造りだが、広く感じるように計算されている。





6



ジュールはカウンターのほうに歩いた。
「ああ、ジュールさん。配布用のクーポンが一種類きれたんですけど事務所からとってきます」
「ああ、いいよ。いっぺんに配ったらなくなるよ。こういうカウンターの裏になにがあるのさ」
カウンターの裏側に入ってたなをみると、クーポンや広告用のパンフレットが入っていた。
「ふーん」ジュールはカウンター用のパソコンを見た「おお、いいパソコン使ってる」

ジュールはぶらぶらカフェテリア周辺を管理しにいった。
バラけている広告用のパンフレットや配布用クーポンを並べなおした。

時空警察トップの判断では、ネットショップなどの通販、ダウンロード配信、コンビニのようなスピーディな実店舗以外にショッピングモールの総合店など、“お買い物”を楽しむ客用の実店舗が普及するはずだとの考えがされていた。

事務所にはいるとこぎれいだが比較的狭い。オープンしたてだから清潔だが、休憩用エリアと仕事用エリアが簡単に区切られている。
イスに向かってデスクトップのパソコンを使っている女性が二名いる。
「このソフトウェアは?」
「店舗運営管理用の業務用ソフトです」
「へえ」
「クラウドで時空警察の本部とつながっています」

入場客の人数、空調、カフェテリアの空席状況など、コンピュータで半自動的に管理し、店員の移動を促す。
プロのノウハウをもったソフトウェアが(設計者がノウハウを封じた)閲覧している店員にアドバイスしたりする。
在庫の品切れや売上も大部分自動で集計され、カラフルなグラフが自動で表示される。

「それで、どう?」
「大した問題はありませんし、大体ソフトの辞書が問題の解決アンサーをもってますから」
「ふーん、実際に接客する店員とこういうデスクで管理する店員、どっちが大変だろうかとか考えるね」

売場の店員はカウンターのパソコンやストレート端末をチェックし、この業務用ソフトの集計値から行動したりする。
「代理店長もいつまでかな」ジュールは休憩エリアでコーヒーを飲んで休憩した。

店員が実際に起きた問題処理を端末に入力し、問題が起きた時の対応ノウハウの参考にしたりもする。

顧客は五次元サウンドの音楽とざわめきの混じった、ときどき音楽がなりやみ話声が大きく聞こえてハッとする店舗で休日を楽しんで帰っていった。



7


グレート・シティー時空警察のトップ

「とうとう念願がかなって実行した。時空警察初のアンテナショップだ。ジュールとかいう若造が店長をやっているらしい。いいか、ただの実店舗じゃない。時空警察の顔(フロント)なんだ、これは…!!
SP(ガードマン)と若い男性秘書がいる時空警察の部屋。

「運転が軌道にのって、効果が目に見えたら、コインメタトリーに二号店、三号店を出す。これだ」
そういってデスクに広げたマップにペンでトントン叩いた。
「エカルテ、ブロームインここに二点、そのあとはエジオン辺りをアバウトにめざす」
秘書は軽くうなずいて沈黙している。
SPは応接のソファにこしかけて、「イエス」とうなずく。

「ところでジュールという青年を知ってるか?」
秘書の男性が答えた。
「なんでも戦闘能力が飛びぬけて高いとか」
「戦闘!?君は」
「私は頭脳労働が主で…」
SPがめずらしく口をはさんだ。
「きいたことがあります。普通の兵士が2日でねを上げるレンジャー(特殊部隊)に3年いたとか…あと実戦経験が豊富で戦地に実際足を運んだ数ではだれもかなわないと」
「ふむ。レンジャー…わしも現場の数では負けてない。若いころはな…この狭い部屋でうんうん企画したかいがあった。実行店長のジュールという青年に挨拶しとかんと」





8



ラグナクロク城

国王が執事となにか話している。
「エドアールはアルバシリアと婚約した」
「後次の話でしょうか」
「ふむ。カロリーナの婿を王にしたとしたら…婿養子だ。エドアールとカロリーナはもう遅いうえ、元から無理だ」
「といいますと?」
「エドアールとアルバリシアのふたりは私の知る限り、お坊ちゃんお譲ちゃんだ」
「それは娘ぎみも同じでは」
「カロリーナには不思議なところがある。箱入りで育てたにかかわらず、世間の現実を知って世渡りができる奇矯なところが」
「そうですか?わたしにはただのお嬢様に…」
「…オーブリー殿はクラーク王にきくと地球という星から来たそうだ」
「あの戦争で活躍したソルジャーの…オーブリー・ウォーターですか」
「うん、カロリーナは彼を弟のように見ている節がある。だから追いかけっこをしたがる様子だ。血が濃いのかもしれない。姉弟のようにお互いを知っている感じがする」
「ははあ」
「だから、姉弟くささを消すために追いかけたりしたいのだ。そうすると恋になる。だが」
「だが!?」
「結婚したとして、よくて仲のいい姉弟だ」
「いいじやないですか」
「うん、まあいいが、カロリーナは意気消沈しかねない気がするな」
「贅沢では…?」

能力と経験知がカロリーナとオーブリーは男女を逆にした感じがあるのかもしれない。
オーブリーは親分の子分にも慣れるが、自分でも小規模の子分をもてる。
両刀使いのような感じだ。
両方半端に育つと、器用貧乏になる。
盗賊の親玉のようになるかもしれないし、クラーク王の遊兵になるかもしれない。
意外と子供の一人もいない(妻はいる)ゴールド・ウィン王のあとをつぐのかもしれなかった。

それは…中間管理職とは全く話が別なのだ。

カロリーナ姫は自室で化粧鏡の前に座っていた。
「…」



9


クラークはマクスウェルアーマーについて、マクスウェルの電磁気学の本を読んでいた。
「昔の人だな…電磁波を予言したか。だれでも電波なんてあたりまえだけどな。今の時代。オーラをうたがうな。俺、魔法もオーラもないぞ、ただの戦士だ。アルフレット帰ってこないな」
本をとじてわきに置いた。別の本を開く。
「ローマ皇帝アウグストス(オクタヴィアヌス)、税金は安かったがあらゆる品目に税金をかけた。宮廷での生活はしっそだった…なるほどな。尊厳者(アウグストス)と呼ばれるだけあるな。俺とちがうな。朝起きると洗面用の水差しに水入れてあるとかか…?」



10



「なになに?女性警官とあとから採用した従業員の間に軋轢がある!?警察の仕事じゃないよ、これは。婦人警官は撤退だよ。ぼくも店長引退…」
ジュールが事務室にはいると、休憩中の女性従業員がお弁当箱をひろげている。
「小学校の遠足みたいなお弁当だ」
「…不経済になりますから…」
ジュールはデスクトップのパソコンで時空警察に報告書を書いた。
「こりゃ、ここじゃ、お昼食べづらいな。外に出るか」

食べ終わると、たばこの煙をブワーとはきだしている。
「すごい喫煙率だ。お弁当派と喫煙派か。喫煙室を設置してもらうかい?煙いよこりゃ」
ジュールはドアを開けて出た。
「そのうちいじめられるよ」

バスケットに清潔にたたんだタオルがいれてある。
「上からの指示でつくったけど、遠慮してあまり使わないよ」
薔薇水をみずさしにいれ、洗面器で顔をあらうサービスだった。

「モニターとか絵だけだと渇くからっていったって、手間がかかるよ。モニターならつけっぱなしでいいけどさ」