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2013年4月12日金曜日

コーヒーブレイク







コーヒーブレイク








1


「こりゃ駄目だよ。休んでないと」ジュールが二人を見ていった。
「無理だな。俺とアルフレットが行くしかないか」クラークがいった。
「オーラを無駄づかいさせるな」アルフレットはヒーリングメスをかるくふたりにかけた。「サービスだ。あとは休んでろ」

二人はかすかに意識がある。
血を流しながら半開きの片目でみている。
メラネウスとジュールが応急処置をする。
「死にはしないよ。でも無茶はやめた方がいい」
水薬を傷口にじゃぶじゃぶかけた。
薬草を口に入れて痛み止めにかみしめさせた。

「しみるかい?」
「い、いや大丈夫だ」オーブリーは口が聴ける程度だった。だが、エドワードは薬草をなめると眠りだした。

「あー、背中にも薬草をちぎってはりつけなよ」
「包帯をもってくればよかった」

「いくか!」クラークがホーリーモーニングスターを握りしめた。
「ああ、グッド・ソードの出番だ」と剣を持つ。
チャキ

フルスライニング 

くるくるハンマーがとんでいく。
「ゴーストアクス」
蜃気楼の様な斧がゴゴゴと音を立ててハンマーにぶつかる。

ギー

「ゴーストドア」

入口のドアが急に開いて、バタンと嫌な音を立ててしまる。
ギー、バン!

「もりあがるな、おい」
「怖くないか…上等だ。クラーク君」

ハンマーを拾うと、もういちど投げた。
「スーパークラーク」

「特に変わらないよ」ジュールが見ていった。

ヒュンヒュンとんでいく。
ゴーストアクス…

ギギギギ・ゴー

そのとき別のゴーストアクスが飛んできてレベルラハムのゴーストアクスを追撃した。
「お?」
「エカルテからだ」

「あの女バンパイアのだ。いやゴーストか、別に血を吸わなかったからな」クラークがいった。

次々、ゴーストアクスがとんで攻撃してくれる。
「カメが投げそうだ」アルフレットがいった。

レベルラハムのバリアにゴーストアクスがどんどんつきささる。
だがダメージは薄い。
レベルラハムは念じている。

「む?」

アイスオーシャン

北極とか南極の氷河が混じった海が空中にぽっかり空いた穴から滝のように流れおちた。

「火力か?クラーク君!それとも」
「全員水かぶるぞ」
ジュールが叫んだ。「バリアだよ。急いで!」

「私目が痛い」メラネウスがいって逃げようとした。

「アウストロガード!!半径 20mをガード 厚さ40cm 」
アルフレットがオーラで傘の様なバリアを張った。

ドバア

氷河の混じった海が落ちてきたが、バリアが防いだ。
「おおお、大量のオーラを消費するぞ!!」
「そんなスタミナ気にしてどうする!序盤だぞ!アルフレット」

滝が落ちてきたようだったが気がつくと水は消えていた。
「おおお、本気出すぞ。スーパークラーク!!」

オーバークラーク ハンマー  3451




2


アルフレットがいった。
「クラーク君…それでは埒が明かない。僕が一瞬で蹴りをつけよう」
「おおお」

レベルラハムは目を閉じ祈るように力をためている。
あたりがまぶしく照り輝き、神々しい。
さすがにラフムとラハム、異世界の果てのまだ異世界の住人だけあった。

アルフレットも金色に輝きだした。
「まぶしくて目が痛い」メラネウスは腕で目を覆った。

「すごいエネルギーがぶつかりあうぞ」ジュールでさえ防御の体制をとりはじめた。

「僕が大神の世界でみにつけた、オーラトレインより上の最後の技」
「…」

「スペースブレイク!」
「おおお、宇宙を壊すほどか」クラークがふせた。

321・・・0

Go!! スペースブレイク

キラキラ輝き、太陽が間近で光るかのようだった。

見えたのは白い色の蛇だった。あまりに美しく違う意味で息をのんだ。
「はっ」

うねり方が見事で、何が見事なのか!?蛇なのに何かが優雅だった。
龍が舞う。
その偉大で堂々とした迫力と光景は見る価値があると、闘いの中誰もが見とれた。
(レベルラハムの本体だ!)
心の中で思った。
時間が停止している感覚だった。

(ザフラとトテッチは?たぶん静止している。時間がストップしている)
クラークはそう考えていた。
(これほど偉大な竜なら、滋愛といくつしみの心をもっているに違いない。まるで救い主だ)そうここらの宇宙の最優秀戦士たちでさえ、甘い願望にとりつかれた。

!これで戦闘意欲をなくさないものは…!?

アルフレットが力を最後まで開放した。
「たとえ時間が止ろうと、神々しいホワイトドラゴンが現れようと!!」

きがついたとき、白蛇(はくじゃ)はさすがにスペースブレイクがこたえたような叫びをあげて、空に逃げていった。
傷ついたオーブリーとエドアードをさらって。





3



アルフレットはエドガーやホワイトに雄弁に語った。
「そのとき奴が神だと気がついた。そして自分が神をこえていることに…」
「まあ、スペースブレイクは利いていたみたいだけどな」クラークがいった。

エカルテ城の大食堂を臨時の作戦室にしている。
闘いのあったニュートラルブリッジを応急修理して、全体会議が明日の午前にある。
エドガーがいった。
「それでエドアードとオーブリーの救出は!?」
クラークが包帯をいじりながらいった。
「そりゃ、冥福を祈るしかないな」
アルフレットもいった。
「彼のソードはあずかっている。だが救出もなにもどこにいるかわからない。致命的だ」
「そんな薄情な」エドガーはおどろいていた。
とりあえず、敵が去ったのであちこちで修理が始まっている。
「対策本部作って、俺が代表になるか…」


全体会議には4国の王とジュール、メラネウスが参加した。
ザールはダイヤモンドケルビムに与えられたダメージが回復せず眠っている。

「残留した放射能とかありませんかな」
「ガイガーカウンターで測定したのか!?」

特に異状はないということで、壊れたニュートラルブリッジを会議に使った。

和菓子が皿にのっている。きれいでおいしそうに盛られている。
緑茶が湯呑に入っておかれている。
「もてなされてるよ」ジュールは意外とうれしそうだった。
一同着席し、全体会議が始まった。

「この敵、話を聞いてみれば、自分のこともできない奴が、八つ当たりしうちらの国破壊してくれたんだな。言われる筋合いないってな。こっちは遊びで国運営してるんじゃないのに、自分のこと自分で処理できない奴に頭叩かれる必要これっぽっちもないぞ。自分のこと自分で処理して、誰にも迷惑かけないようしんどい思いしてるってのに、他人にあたって生きていいと思っている思い上がりが!今度襲ってきたら、頭かち割ってこれっぽっちも悪くないからな。あっちの世界の聖書に書いてあるから何よ。向こうのお偉いさんに逆らったとかこっちに関係ねぇな。逆恨みでくるなら、木っ端みじんに滅ぼしてやっていいだろ。あいつらみたいに遊びで生きてないってな。吠え声上げたいだけのバカなんか殺して捨てていい」

クラークの気迫にみな緊張した。
「まあ、…子供がいたら泣き出しますけどな。でも、その位の気迫で良い」
「そうだ、もうしばらく来ないなら復興に力を入れても…。時空警察の方としては?」
お茶を飲んでいたジュールが答える。
「ううん。絶対とは言えないけど、僕ら警察の常識からすると当分はこないと思う」
「それどころか標的を襲いやすい星に帰る可能性が」メラネウスがいった。




4



ラグナクロク国王がアルバリシアにエドアードがさらわれたことを伝えるか議題にあげた。
「やめたほうがいいんじゃないの」ジュールが腕組みをしていう。

「そりゃ怒るわな。将来の夫だし。俺の国民なんで俺がやられてはらたてねーのよな。俺のこと殿だと、みとめてねーからだな。便利屋程度だな」
クラークが笑いながらいう。
「あなたが国民を叱ってかばいあうんじゃないですか?クラーク王」ラグナクロク王がいった。
「そうだな。すまん」
「ハッハッハッ。お互いまだまだということで」ザールの父、ブロームイン王がいう。
「そうだ。ザフラとトテッチ怒るな。あのふたりな」笑顔になったクラークがいう。
「ゴーストアクスの幽霊が味方してたよ」ジュールが思い出したようにいった。
「あれか…墓なくなるからな。エンリルだからエカルテだな」



5


布令役(ふれやく):「あ、王さま」
元国王:「話は聞いているよくやってくれた。うまくいったな」
布令役(ふれやく):「わたしでしょうか?」
元国王:「国民はうまくやっているようだ」
布令役(ふれやく):「それは結構ですが」
元国王:「まだなにかあるのか?」
布令役(ふれやく):「……」



6



エドアードはオーブリーにゆすられて目が覚めた。
「気がついたか」
「ここは…?」
「わからない。やつにつれてこられたらしい」
あたりは荒れた山道で、土がむき出しの道があり、わきにはかれたように見える草が生えている。
水気がない。
塩分を含んだような土地なのか、乾いているように感じる。

「グッドソードがない。チッ、しまった」
「まずいぞー、丸腰で」

二人はとりあえず歩きだした。
傷が痛むし、喉が乾いた。
とぼとぼ無言で歩く。
甘くて酸っぱいジュースでも飲みたかった。
腹が減っていた。

「歩けるけど、疲労しているな…」
「休むとことがないか…!?」
少し高い所に山ブドウがなっていた。

「おい、あるぞブドウだ」
少し腐っている実がふさの上にあるが、かえって食欲をそそる。
つるがくるくる乾いたコルクのようにまいている。
木の幹も余分な水分がどこにあるというような体格をしている。

オーブリーがもいで口に入れた。
「甘い。醗酵して酒の匂いがする」
「どれ、俺も食べる。喉が渇いた」
口に甘い果実と酸味と酒くささがすこし。
「あと、ふたふさくらいしかないな」

ふたりは心に活気が戻り、潤った気分になった。
「できれば風呂かシャワーでも浴びたいな」エドアードがいった。
「ああ、血だらけだ。服もなにも」
「相棒がいうにはこういうとき都合よく温泉なんかが沸いて、サルがつかっているんだ」
「ハハハ」

気分がよくなり、何か取り組みたい、リフレッシュした気分になる。

「あいつはなんでこんなところに放っていったんだ」エドアードがきく。
「ああ、おそらく、アルフレットの攻撃が想像以上にこたえたんだ。それで俺たちを牢に入れるどころではなかった…そんな感じがするな」
「では、?」
「ゆとりを取り戻したら、ぼくらを探して捉えるだろう」
「あのニコちゃんマークの世界か…宮殿の地下牢とかに放り込まれるとか」エドアードが怖じ気づきながらいった。
オーブリーがうなずいて答える。「ああ、トランプのクイーンみたいだった。確かにスマートだけど無慈悲で鉄面皮に感じるな。奴隷にされてこきつかわれるんじゃないのか」
「ハッハッハ」


二人が話していると、向こうから馬にのった騎士のようなのが三体近づいてくるのが見えた。

「もうきた!」
「ブルーレイピア一挺しかのこってないぞ。どうみても助けてくれる人じゃなさそうだ」



7


馬をとめ、3人の騎士がおりる。

「オーブリーとエドアードだな」
「そういう貴様たちは?」

「マハーラタさまの三騎将」
ライオンの楯を持った騎士がいった。
なんと楯なのにライオンの頭が生きていてときどき吠える。
「ライオンナイト」

頭に鉄兜をかぶった騎士がいう。
楯は長方形の鏡でサイドに金のアクセサリーの装飾がほどこされている。
鏡には美しい女の顔が映っており、なにやら動いている。だが音声がきこえなく、パントマイムのようにみえる。ジェスチャーでは何がいいたいのか不明だ。

「ビューティナイト」

巨漢で、サイの頭が楯で裏返すとマントヒヒの頭が楯の騎士がいう。
スピアというには巨大でバカでかい。
槍の対は棘のついたドリルだ。

「逆さにしても時計の針が進むだけ。サンドグラス」

「レベルラハムとの関係は?」オーブリーが質問した。

「レベルラハムはマハーラタさまがあやつるソシャールウェポン。あの方が直接操縦している」
「なるほど」
ペロリと舌を出した。
「相当ヤバいぞ。君は丸腰だし、俺はレイピアしなかい」
「お互い魔法は使えないしな。捕まるか…いったん。それとも!?」
「いちかばちか…」




8


ライオンナイトがいった。
「そんな万全でもない状態で我らに挑むのは無駄だ。マハーラタさまが侵略のために造ったアクシャラ宮で回復せよ。いつでも我らとは戦う機会が与えられるであろう」
エドアードが不審に思いきいた。
「なぜ、そんなことをする!?」
「兵として別の戦いにおくりこむため」サンドグラスがこたえた。
「なるほど」
「そういうわけ」オーブリーがいった。「嘘つきに見えないし。いったんそうしたほうが…」
「逃げる機会があるよな」



マドラ国という、国と星の名前が同一の世界だった。
無人の惑星に移住し、基地とした。
地球の2/3くらいの大きさだ。

大部分は荒野と海、自然が残り、球体の一部の身に人口の建築物がある。


アクシャラ宮で二人は部屋を与えられた。
風通しの良い建物で広い。

通行できる個所に限りがあったが比較的自由であった。

使いの物がいうには、回復を待つためしばらく静養しろという。それから兵としての任務を与える。食事に毒などは心配しなくてよい。

そういうことだった。

「日本の将棋だ。とった駒を自分の駒にする作戦だぜ。ナンガサクからきた日本人が持ってきたことがある」
「なるほど、それにしてもマネーまでわたされるとは」

インド風のデザインのコンビニがある。

さらにある武器防具店があった。

バーラルアクス
8000
 
血みどろの斧。骨でできているともいう
バーラルコントロールアクス
40000
4ジャム
技をインポートすると覚える。フリーハンドなども作動する
アバウトコントロール
3000
 
ソフトウェア・制御がいいかげんだが、破壊力がある
ゴーストアクス
3000
 
ソフトウェア・念力で斧の幽霊をつくる。魔法と武器の中間
ステンレスソード
400
 
インスマスとの戦いで使用。熱でボロボロになる
チェーンソード
2874
 
機械剣。チェーンソーのように自動で斬れる

最終決戦の夜明け











1


空から緑色の塊が転がりながら落ちてきた。二球いる。
ジュールとメラネウスだった。

ふたりともサイクロプスのかっこうだった。
「サイクロプスア―マーできたよ。ロケットにのらないできたから時間がかかった。最新のスーツだよこれは」
メラネウスもヘルメットのようにサイクロプスを脱いだ。
「はじめまして。時空警察のメラネウスです。星はレベルラハム。罪状はダイヤモンドケルビムを違法に改造したこと。コインを破壊したこと。戦犯扱いですな」

クラークは大食堂に二人を通した。
「奴さん、ニュートラルブリッジを占拠したぞ。いつでもこいってな」
挑戦状の様なものをたたきつけてきた。
それによると、レベルラハムは神のしもべとして修業を積んでいたが、神の教えをうけいれず、自分たちの道を歩んだ。そして神に罰を与えられ、その恨みからこのような行動をとっているという。

クラークが武器をいじりながらいった。
「ただの悟りきれないザコだよな。神ってどこの神よ。大神ジォヴェか?単なる逆恨みでそこまでするんなら教え聴いとけばいいのにな」

「人の目盗んで自分の居心地良くするからだよ。落とし穴があるって教えても無駄さ。先を進んでいる人が何でも教えればいいってもんでもないんだよ。自分で墓穴掘って痛い目見ないとわからないのさ」
ジュールがいう。
「ホットレモンどうぞ」クラークが手づから差し出した。
「墓穴掘るのはいいが、逆恨みはまずいですな。まず自分たちの理想と教えが最初から違いますからな。欲求が違うんですよ。一般的信条と。だいたい反社会的な願望をもってる」
「口でいってもわかんね。武力で制圧するしかないんだ。言葉やロゴス(論理)が通じない相手は鞭でうてってな」
ジュールがのみながらいった。
「たいがいただの馬鹿か、自分たちなりのこだわりがあるかどっちかだ。どちらにしろこちらの言い分なんて受け入れないよ」
メラネウスがいった。
「あちらにしたら、いいお世話ですからな」

クラークがいった。
「いつでも挑んで来いっていってるけど、しばらくほっとくべ。挑発にのると調子に乗る。相手にされないくらいがいいんだ」
ジュールがいった。
「まあ、僕も上官や先輩の指導をきくとき、考えるよ。言うことよくきくの男に多いけど、エリートになるけど自分で動けない人間になりそうで。ほら、あるだろ親のいいなりのひ弱なエリートみたいで嫌になるときあるよ。でも、バカな理想掲げて天狗になりたくもない。相手のほうがレベルで上かくらい判断できるようになりたいね。格好悪いだろ、だらしない趣味してると」
メラネウスがいった。
「メガロポリスに生まれて恵まれた人生送りましたが、社会人で苦労しました」





2


ラフムとラハムの世界。
世界を建設したラハムと妹ラハムがいた。

ラフムの妻となったのはレベルラハム。当時マハーラタといった。
ラフムは世界の王だった。
ラハムは王の妹で権力者だった。

マハーラタはラフムの妻となり、ぜいたくな暮らしをし、うぬぼれた。
当のラフムのいうことすらきかなくなり、おごり高ぶり、自分はいと高き存在だと信じ、自分はラハムより上だと考えるようになった。
ラフムの説教もごまかし、逆にラフムにいうことをきかせるように奔走した。
ラフムの思想より自分の考えの方が上だと、おごり高ぶった彼女は本気でそう信じた。

「おまえが、みじめな暮しをしていたとき、それはお前がのろまだったからではないか。それをわしのせいにするなど。
今の暮らしは自分の実力だと。
自分にそれだけの権力(ちから)あると、
智慧がわしより上だと。
世界のことを知っていると、
わしのいうことが邪魔だと。
去るがいい。
ラフムとラハムから、
お前のような女は命を取っても良いが、
温情にて…。
自分の世界を築くがいい。
己が正しいというのなら、
お前には貧しい暮らしと、
粗末な寝室がまっているだろう」

マハーラタにはみじめな暮らしがまっていた。
怒りと復讐に燃えた彼女は修行をやり直し、
高い力を手に入れた。



3


「みんなですごろくやるべな。戦士集めてな。あんな女ほっといて、あとで殺すベ」クラークは戦争前に宴を開いた。

オーブリーはブロームインから、アルフレットはゴールド・ウィンから、エドアードはラグナクロクから、ニュートラルブリッジに向かう。

エドアードとオーブリーが組、アルフレットとクラークが組、ジュールとメラネウスが組となって戦う。

ザール、ダガー、シールドは手当てを受けている。
アラン、アルセウス、ポール、クピドーたちも入院している。

ラグナクロク軍の四人組をエカルテに呼び、すごろくをはじめた。

「おもしろいな」
「だろ!?違法に改造してリアルにスリリングにしたぜ」




4



時空警察…
アランが入ったか、夢だったかの高層階。
厳重に不法侵入者をカットするシステムが構築されている。
時空警察のトップの役がついたおじさんが勤務している。


「女性用のスターティングソードをつくって販売しようと思ってるんだが…」
愛人を部屋に入れている。
「女性警官とか女剣士とかいるの?」
「いるな…。この部屋なんか結構狭いな。もっと上に行くといい部屋が当たる。出世すればな」
「そう」
「今のこの部屋を与えられる前は、結構外勤とかが多くてよかったよ。でも、出世して今のポストになったら長時間、缶詰って感じだ。一度出社したら外に容易に、帰宅時間までは出られない。一段下のポストの時のほうがなんだか自由だったような」
「でも、専用の個室があるし、特別室じゃない」
「まあな。でも自分で自然と制限がかかって、外に出たり入ったりしにくいな。規定では外でコーヒーを飲んでも悪いわけじゃないんだけどな」
グリーンティを愛人が入れて、テーブルに置いた。

「そういえば、二杯目のお茶をみるのに…トイレにいきたくならないな今日は…」
トイレは同じフロアの共同を使うことになっている。

もっと上に行くとほとんど自分専用のトイレと事実上同じことになる。汚すと誰が汚したかすぐにわかる。

「レディースソードじゃ売れないな」
デスクに向かい、見本の木刀をながめながらアイディアをねる。
「宝石剣みたいなネーミングもありきたりだし、なめられる。グッドソードなんか気軽さが売れるんだ」
「無印良品ってかんじ」
「一般兵でも、使えて性能も悪くない。値段も良心的、そして女性用…」



5



クラークは国民に宣言をした。
「高台から宣言するか」
「あんなところから話声きこえませんぞ。せいぜい顔を見せて手を振るくらいで」
「人が集まりませんよ」
「なによ」

【クラーク王は今度の戦争で敵を粉砕する。そして復興のためのプランも考えている。いや、戦闘しながら考え、かつ勝】

インターネット、TV、新聞などで国民にアピールした。
反響はまあまあだった。

「どうよ。支持率上がったか」
「いえ」




6



時空警察

以前グッドソードを企画開発した部屋。
SP(ガードマン)がソファに座ってお茶を飲んで休んでいる。

男性秘書は机の前に立って、席に座っている紳士とやりとりしている。
「いいか、国民は、いや他の友好的なエリアの星の住人は、普段の生活を覆すようなプランやイベント、製品をまちのぞんでいる。わたしも客の立場になれば同じだ。黙っていると当たり前の生活が当たり前に続く。誰かが画期的なできごとを計画、企画して爆発させてほしい。たるんだ日常に何か刺激を与えてほしいと望んでいるんだ」
「イエス。わかりますが…」
「それで、グッドソードは成功したが、今度は何をするかだ」
「祭り…」
「それもいいが、わたし一人では」
「ふーむ」

SPは壁にかかっている奇怪なアートをながめて首をかしげている。

「君、なにかないかね」
紳士がたずねた。
「ええ、新理論とか…センセーショナルで現実を変える技術となる…」
SPが答えた。
「物理とか医学か…うーん」

三人とも煮詰まった。
「よし、」秘書にいった。「おやつを買って来い。コンビニが角にある。コーナーショップだ」
「何を買ってきます?」
「いい、考えろ。自分で考えて買って来い。わしに考えさせるな」
財布からコンビニプリペイドカードをだしてわたす。札をだしてわたすかわりにこのようにする。
5000も?」
「バカか余ったら使わなくていい」




7


クラークはいった。
「やられた兵士は入院してすごろくでいう、一回休みだ。アルフレットみたいに粉々になったら地球に戻って、ふりだしに戻るだ」
エドアードがグッドソードを点検しながらいった。
「残りの兵士は?」
「2強ずついく。残りは守りだ」

雷が鳴りだし、ラグナクロクの建物に落ちた。
「まずいな。もたもたしてると、支持率がまた下がる!」

指示がいきわたり、それぞれニュートラルブリッジにむかった。
四つの空飛ぶ円盤の懸け橋に建築途中のニュートラルブリッジはまた壊され、やり直しだろう。


レベルラハムは一回の広いスペースの中央に目を閉じ祈るかのような恰好で宙に浮いている。二階のまだ上くらいの位置だ。
電撃の火花が辺りを走り回っている。

レベルラハムの髪がふわふわ浮いている。

クラークがいった。
「そういや奴、ラハムを模倣して創造されたっていっていたぞ」
ジュールがいった。
「本体があやっているスマートフォンって感じか。リモコンで動かす鉄人みたいな感じだろう」
「大神(たいしん)は手助けしてくれないのか!?」
「大神ジォヴェなんて、僕たちの善悪の彼方にいる。僕たちの論理なんて超えているんだ。ぼくらにしたらいい人なのか悪い人なのか途方もなくてはかれない」

ジュールがいった。

大聖堂のように中央が抜けた建物。
二階、三階からは柵が丸く広がり、下をのぞき込める。

「来たか…」
レベルラハムは目を開いた。

オーブリーがいう。
「僕が行く」
エドアードがグッドソードを抜いた。
シャアアアーン
「どこまで通用するか」




8


「鉄兜!」

レベルラハムは適度な位置まで降りてきて、相変わらず宙にいる。
エドアードが跳躍する。

「ギガースキラーサンダ」

かのギリシア神話でギガース(巨人たち)を粉砕したゼウスの雷。さすがのギガースさえおそれ慄くという。

グッドソードに落雷が落ちる。

「ぐあああああああ」

4150

エドアードは黒焦げになり墜落した。

オーブリーガ見て驚いた。
「まえに違うゲームをクリアしたぼくでも危ないぞー」
「エドアード君はもう駄目だ」アルフレットはヒーリングオーラをかけて応急手当てをした。
メラネウスが口に水薬をながしこむ。
エドアードは気を失っている。
「いかん。体温が高いな」服を脱がせ、胸に薬草を張り付ける。その上から水薬をドボドボかけた。
「…」

「もうやられたのか…やばいぞ」クラークが観察をおこたらないように、目を凝らして学んでいる。

オーブリーは迂闊に動かないよう、様子をうかがっている。
(怖い…手が出せない…どうする!?どう動く…)

ジュールがいった。
「これは半端じゃないよ。敵の攻撃は…」

エドアードがおきあがった。
みなびっくりした。
「ゴボ…ガッハ、ハアハア」

「立てるのか?」クラークがいった。
「一太刀いれて倒れる…」
「無理しないで寝てたら」アルフレットでさえいった。

よろよろしながら、グッドソードをかまえる。
オーブリーがいった。
「それじゃ、ぼくがサポートする。あの“巨人殺し”(雷)がきたらぼくにまかせろ」
エドアードはうなずくと、最後の力を込めて跳躍した。

すぐさま、さっきの巨人殺しがきた。

「フン!フフフ…ギガースキラーサンダ!!」

巨大な体格の巨人でも打ち砕く雷がおそう。
ごうごう音を立てて落ちてくる。

「イーグルフルーレ!!」
オーブリーがフルーレを投げた。黄金のコンドルとなって飛んでいく。
エドアードのグッド・ソードに“巨人殺し”が落ちる前にイーグルフルーレに落ちた。

ガアアアアアン!!

「あれは魔法をはじく。あの雷に耐えられるかも」
黄金のコンドルはあたりを照らすように光っている。

ピッカアア

「いまだ。喰らえ」
エドアードが鉄兜をたたきこむ!
レベルラハムはまぶしくて目がくらんでいた。
「!!……」
腕で目を押さえている。

鉄兜 741

反対の手にバーラルアクスが握られている。
ザク 3124 ι

斧はバランスを崩したエドアードの背中に落ちてきた。
「ガッ!!」

地面に叩きつけられるように落ちた…

黄金のコンドルは発光をやめて、剣になりオーブリーの手元におちてきた。

クラークがエドアードの背中にアロエ軟膏を塗った。そして味付き回復やくを渡して飲めといった。
エドアードは気を失わなかったが戦闘はもう無理だった。
「俺にいわせれば、高慢だ。いくらすごい力があるといえバカにされているきがするぜ。被害妄想で自分たちの国を破壊されちゃ。侵略者のほうが歓迎できるぜ」



9


オーブリーがジャンプした。空中でテレポートソードを握りなおす。
レベルラハムの手が光り、ミラクルストームが放射状にはなたれる。

ブオオオオオオオ

シュン!

「消えた!?」ジュールがいった。
「テレポートだ」アルフレットは腕を組んで突っ立ってみている。足元にグッドソードを立てかけている。

レベルラハムの背後にワープし、攻撃する。
(とらえた!!!)

脳天一撃 2341
「くっ!!アルバートバリア」
レベルラハムの周りに虹色のシャボンの様なバリアができた。

アルフレットが助言する。
「あれは、あらゆる攻撃を半減するぞ」そしてエドアードのグッドソードをみていった。
「僕のとさやとベルトが違うな」
「ああ、ほんとだ」エドアードは回復薬の栓をキュポン抜いて飲んでいった。
「グッド・ソードのさやは形状とか色とかいろいろありますよ。ベルトも」メラネウスがいった。
オーブリーは空中でもう一度テレポートした。
フォン!
だが、次の一撃はバーラルアクスでとめられた。

クラークがいった。
「やっぱりあいつ、バーラルレディと同じ攻撃するぞ。あいつが親玉なんだな」

オーブリーは攻撃をテレポートでかわすが、自分の攻撃も当たらない。
「くそ!だんだんソードが熱くなってきた」

「オーブリーバッテリーが切れるぞ!」クラークが下から叫んだ。

「おれが」エドアードが立ち上がる。「さっきよりは回復した」

跳躍しレベルラハムにむかう。
ミラクルストームがおそう、エドアードは全身に浴びたが、そのまま突っ込んでいった。
「おおお、空中春雨!」

空中春雨 978

オーブリーがテレポートした。
テレポート二度うち 874

アイスシャンデリア …
二人の上に氷でできた冷えたシャンデリアが 落ちてくる。

「うおお」
「おお」
シャンデリアは音を立ててくすれ落ちる。
砕けた氷が刃となりオーブリーとエドアードを切り裂く。


「大丈夫か!」