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2013年3月21日木曜日

エドアードの恋がたき




エドアードの恋がたき






1


エドアードとアルバリシアの見合いの日が来た。

音楽館、前にきたことのある喫茶室でアルバリシアが待っていた。
あっちでは楽団が演奏しているのだろうが、喫茶室ではレコードのクラシックが低い音量でかかっている。
ふだんオーディオで聴くと退屈になり、途中で別の曲に変えてしまうクラシックがこういう場所だと、様になるものだとしみじみ感じた。
自分の母親と二人でお茶を飲んでいると、父がエドアードの両親を連れてきた。

(あれ?本人は?)

そうおもったが、両親どうしあいさつしている。
今年のニューイャー・コンサートは素晴らしかったとか、国の政治はどうとか。
なんだかんだと会話して、エドアードが呼ばれてきた。
親たちは二人を残して帰っていった。

アルバリシアは「自分だけのこしてかえらないでよ」と不安になった。
少し会話し、飲み物を頼み、(わたしは二杯目だった)楽団の演奏プログラムを聴きにいった。

ホールの席には客がずらっと並び、楽団の演奏家たちがならんで、オーディオや携帯プレイヤーで聴くのと違って、自分の意思で止めるわけにいかない。身を任せて聴いているしかないという雰囲気だった。

エドアードは落ち着いているように見える。

プログラムはベートーベンのコリオランと第三番:英雄交響曲だった。
家で聴くと無駄に壮大なだけで、「いや、大げさでしょう。なにをそんなに」となる音楽が、本場の音楽館で聴くと、その場の雰囲気にふさわしく、遠慮なく壮大な迫力でいいという感じになる。

アルプスの雄大な自然の景色の中、ホルンが響きわたったとしたら、迫力だろう。だが、自宅の部屋でホルンが響いたら、無駄に響くだけだ。

結婚のためのお見合いという、心理的衝撃も音楽を聴く心に影響を与えた。
楽団の人たちが規則正しく機械みたいにバイオリンや楽器を動かすのも迫力があった。

エドアードは中間休憩のとき、「なるほど、クラシックなんて今一どこがいいのかわからなかったが…メモリープレイヤーで聴くと、大したことないことを大げさにふかしてる頭の悪い奴みたいに感じて最後まで聴かないのが、こういう席だと、壮大な迫力を信じるしかないように感動するのか」といった。

ビリビリと音楽がつたわってくる。
演奏家だけでなく素人観客の私たちもその場の雰囲気をつくるのに参加している。
みんなでこの場をこしらえてるという味わいだった。
わたしは二週間くらい、船に揺られている感覚が二日酔いの様に残った。



2


エカルテ城 王間


クラークが秘書猫にいった。
「ネットとかTVニュースみると、いろんな地方で新しい武器開発してるな。盛んにな」
「そうでしたか、彼が求めに行ったグットソードとか…」
「それでうちでも、何か開発して販売することにしてな」
ホワイトさんが口を開いた。
「それはグッドですな」
「…」
「…武器だとサルまねみたいで悔しいから、ラッキーストーンという魔除けのお守りつくろうとおもって」
「ほう…」
「アクセサリーすか?」
「ああ、彫刻石を聖なる炎で焼きいれしてな、デザイン・エンジニア募集してデザインさせて、ホーリーランスとかゾンビキラーみたいに魔除けの効果あるし」
「肩こりに効くかもしれませんな」
ホワイトさんがいった。
「…それで、値段いくらにするか決めような」
「石の値段は?」
「いくらもしないな。デザインと魔除け以外原価なしみたいな」
「エカルテらしいですけどね」
ホワイトさんが壺を眺めて戻ってきた。
「デザイナーの募集と選別をわたしが手配しましょう」
「たのむな。詳しそうだし」
「一個一個形が違う方がいいでしょう」
「そうだな。定規格でおんなじだとつまらんからな」

「焼きいれは城の聖職者に頼んでな」
秘書猫がいった。
「なら…宝石が安すぎると不気味ですし…」
「デザインにも金がとられる」
3000コインぴったしで」
クラークがいった。
「そうだな。とりあえずそのくらいで…都合悪ければ後で変更…」

そう決まった。




3


駐屯地


「エドアードはどうした」
軍隊の兵士の一人が煙草を吸いながらいった。
「へい、紙を巻いたみたいな煙だぜ、コンビニのたばこなんか上品に燃えるのに」
「安ものさ、葉巻みたいにガサツな味だぜ」
「あとで具合悪くなるぞ」
「映画に出てくる昔の人のシガレットみたいだ」
「で、あいつは?」
「ああ、研修とか言って出かけたさ」
「研修?」
「エカルテ王国の軍に、軍のリーダーみならいとして勉強にさ」
「へえ?そうか!見合いしたんだったな」
「それでだ。おやじが坊ちゃんなのさ」
「はあ、職を得ないと結婚できないからな」

エドアードとの結婚は家に帰っておちついてから、両方の両親ともども話し合い、2年後ということで、婚約という結論になっていた。

「結婚は打算だみたいにいってたやつが、『やる気の出る娘だった。軍を統括する大元帥まで上り詰める』とかぬかしやがったぜ。恋は盲目だ」
「ハハハ、エドアードがか…」
「そんないいものなのかい、結婚なんて」
「いや、やめといたほうがいいぜ。きっとこうなる。『ヘイ!俺の財布から生活費ぬきとっといて俺に命令するなよ。逆だぜ』ってな」
「ハハハ…」
「たいがいの女なんてならずものなみに威張りたいやつが多いんだ。エドアードでも危ないぜ。あいつを切り込み隊長にして、様子を見ろ!」
「下っ端やりたくないから結婚して上官のふりしたい女か」
「おもうに、あの金髪の浮浪者なんか、エドアードがいうように預言者だぜ。あやつとの戦闘に敗北したエドアードは嫁にも敗北するぜ」




オーブリーがラグナクロク旅行を終えてエカルテに帰ろうとしたとき、また、公園でカロリーナにあった。

エカルテ軍に研修に行く途中のエドアードがふたりをみかけた。
「ん?アルバリシア?いや違うか…あの男は?」
エドアードはアルバリシアに子供の時以来会ったが、カロリーナは子供時代はどうかわからないが、名前くらいで顔を知らない。だが、三人とも親戚のせいか雰囲気が似ていた。

「…」
見間違いと判断したが、頭のどこかにこのことが記憶に残った。




4

エドワードはエカルテについて、城の軍の隊長エドガーをたずねるまえに、武器屋をのぞいた。


ロケットランス    :2480
ビームライフランス  :3890
ブルーレイピア    :4900
青白鉄のこて     :2900
青い酒        1ジャム :10000
☠死の薬       2ジャム :20000
オートクチュール   3クラウン:6000000
ラッキーストーン   :3000


「輸入品よりロケットランスが安い…」
エドアードは店の中を見て回った。
「こてか…」
敵もグッドソードのような切れ味のいい刀をもっていたら…?防具はありがたい。

「ラッキーストーン?」
見るといろいろなデザインのものがある。
「魔除けのお守りか」
アルバリシアのお土産に一つ買って包んでもらった。

その後、エドガーについて、エカルテ軍の統率の仕方を見学した。
城のアルコーヴに宿泊し、休んだ。



5


クラークが王座でホワイトや秘書猫と話していた。
「ラッキーストーン売れてるな」
「お寺にもお金が落ちるし、デザイン・エンジニアにも仕事が入りますし。粗利益が国庫にはいる」
「税金もな」

そのときメール電話が届いた。

✉☎ ゴールドウィン王

≪やあ、クラークさん。実は相談したいことがあるのですが≫
「ああ、どうしました。ゴールド・ウィン王?」
≪実は開発中のバイオソード、通称マンティコアがぬすまれましてな。なにせ途中から極秘開発となったため警察が公に捜査できないのです。極秘捜査員が動いてますが、それほど慣れていない。あまりない事件でして≫

「それなら、うちにもってこいの諜報員がいます。依頼してみましょう」
≪そうですか、またお願いします。それと、あまりバイオソード開発の情報は…≫
「漏れないようにですか…わかりました。力になります」
≪申し訳ない≫




6


オーブリーが呼ばれた。

クラークがいった。
「エカルテ王として、オーブリー・ウォーターに依頼する」
「ハッ」

「普段の給金とは別に軍資金8000わたす。余ったら返せよ。それと、手前味噌だけどな」
そういってクラークはオーブリーにラッキーストーンを渡した。
「これは…?」
「ラッキーストーン。魔除けのお守りだ。敵はゾンビじゃないだろうけどな。旅代がいりようなときは、売り払って活用してくれ」
「わかりました。そうさせてもらいます」
「それと、バイオソードの開発は途中から極秘になったそうだ」
「極秘…」
「すまないけど、あまり公にならないでくれっていうことなんだ。すまないけど仕事の依頼お願いするな」


オーブリーは城をでて考えた。

「バイオソードの開発が途中から極秘に?分子生物学のやばいメカニズムでもつかっているのか~?。マンティコアか、なるほど生物兵器って感じがするな。だけど、ぼくにゴールド・ウインの警察でも詰まる操作なんて、そんなつてぼくにはないんだぞ~」

オーブリーはコーヒーハウスにいって、対策を考えることにした。

煮詰まった焙煎のコーヒーをカップに入れ席に着く。
「どうしていいかわからないとき、考えてくれる部下が欲しくなるなあ。でも、どうしていいかわからないことを考えるの上司の仕事なんだ~。それが個人事務所の苦しいところさ」
オーブリーはあたまをかかえた。



7


地球―アメリカ―オレゴン州

カーターは病院のベットで休んでいた。
妻や妹が、見舞いに付き添っているが、病状は悪化したり快方に向かったりだった。
ワトソンは「アルフレットに連絡するかい?」と悩んだ。
アルフレットがヒーリングメスで治療してくれたが、アウトソルジャーのウィークボゾンのせいなのか、ガンが進行し病は治癒しなかった。


カーターはタオ(中国の道教を英語でタオという)書物を買って自分で治療と修行を試みた。
そのため、体調が良くなると、病院の屋上にあがり、ステンレスソード(インスマスとの戦闘に使用した、地球のスータ―ティングソード)をふるい、タオの呼吸をマスターしようとした。


「おい、カーター入院中にトレーニングは体にさわるぞ」ワトソンは止めたが、タオの力でカーターは単なる剣術師からタオ道師戦士に成長しつつあった。

医師も「たしかにタオの力のせいか、ガンが委縮している。CTスキャンで見ると間違いありませんな」と認めてくれた。

そんなある日…

夜、病院の屋上で瞑想しつつ、剣をたずさえ、突っ立っていると、インプ(小悪魔)が浮かんで飛んできた。

「おい、おまえ、オレはパズズ様の手下の下級悪魔だ」
「悪魔の使いが私に何の用だ?」
「パズズ様は鬼巨人のオーガーと仲間だが、地上の大地に封印されている。封印を開く鍵をよこせ」
「そんなもの、私は知らんが?なぜ私にきく」
「地球の大地を開く鍵だ」
「宇宙には違う惑星もある。私は行ってきた」
「ガオンなんかとパズズ様を一緒にするなよ」
「おまえのいう、鍵とやらは、地上と別天地にある。そうだろう?」
「よくわかったな」
「私を連れて行け。それなら鍵を探してやらなくもない」
「よし!ハナシがわかる」

カーターは病身のままどこかの惑星にワープした。



8



研修から帰ったエドワードはアルバリシアにラッキーストーンのつつみをわたした。
「ありがとう。エドアール、大切にするわ」


アルバシリアは花壇の花に水をやった。
そのとき母親が話しかけてきた。
「あら、アルバシリア。あなたの宝物?」
「ええ、そうよ。私の宝物」
鼻歌を歌いながら、アルバシリアはエドアードをおもった。
二年…あと二年したら私たちは結婚するのだ。


いつものコンビニ
「ヘイ!税金対策に赤ワインを買おうぜ。輸入で300400円くらいだぜ」
「ラグナクロクにはコンピュータとソフトしかないみたいに言うな」
「もめるな。あと二年も軍にとどまるんだぞ、おまえら」
「なんだって、決めるなよ。懲役二年だぜ」
「他に働き場もないだろ!?」

「味付き焼き肉な。もやしも」
「ああ、冷蔵のとこにあるだろ。袋にはいったの。全く軍隊なら焼き肉くらい自炊させろよ。経費で」
「予算も俺が管理することになった」
「ええ!?エドアード、本格的に軍人かよ」
「そうだぜ、素人のうちが花だ。あの金髪の大男みたいに安月給でつかわれるぜ」

四人組はレジで精算し、安アパートに歩きだした。

オーブリーがそのあとに入ってきた。
「いくあてもなくて、また来たか…」
歩き疲れて、缶コーヒーを買って外に出た。

公園で飲んだが、喉が渇いていて一気に空になった。



9


オーブリーは深刻に悩んでいた。
「さーて、あてはあるのかな?」
ラッキーストーンを眺めて見た。

そのとき、エドアードが出勤しに通りかかる。
「あ、そのストーンは!貴様」
「ん?なんだ」

エドアードはアルバシリアにプレゼントしたはずのラッキーストーンをオーブリーが持っているのを見て勘違いした。
「そうか、以前アルバシリアとあっていた。貴様何者だ!?」
「ちょっとまて~!?」

エドアードはグッド・ソードをぬいた。
この剣は表面を特殊な魔法金属でコーティングしており、軽くて切れ味が良い。

ガッ!
「おっとおおおお」
オーブリーはよけると、イーグルフルーレを外した。
「邪魔になるからな。それにこの剣はもったいない。貴重な宝剣だ。ブルーレイピア一本で勘違い野郎を…」

スライディング、シュート 
オーブリーは滑り込みの姿勢でスライディングしレイピアを突き出した。
地面を滑り、しゃがんだ姿勢で突っ込む。

「グッ、見たこともない技!金髪の浮浪者なみか!」
エドアードは大柄の剣を地面に突き刺すようにして、オーブリーのレイピアをふせいだ。が、蹴りを足に喰らう。

「よけたか、みたとこ軍人の青年のようだけど」
「だまれ!」

半回転うち!さらに、上から振り下ろす。

オーブリーはブルーレイピアでうけたが、手がしびれる。
さらに上!
体を半分避けて、剣が落ちても触れない距離を開けると、ブルーレイピアを繰り出した。
スカラムーシュ 2004

「ガッ!」

アルセーヌ4世 1007

「うご!」

横なぎにグッドソードがくる。
しゃがんで、蹴りとレイピアをつく。
「くそ、すばしこく」
オーブリーのスタミナが弱まったところをエドアードは見逃さない。

春雨 1764
「ぐぅ!」
ザザザザザアアン
オーブリーは直撃を受けた。

どちらも、ダメージを受け引き分けた。
その後勘違いとわかり、和解したが、ゴールド・ウィンのバイオソード、マンティコアのことをオーブリーはたずねた。

「…もし何かつかめたら教える。だが、ラグナクロクは正反対の土地だからな…」

ふたりはわかれた。



10

「やつの春雨は痛かったぞ―」
オーブリーはラグナクロクのホスピタルの薬局で水薬を買って飲んだ。

水薬
150
 
ダメージを回復 500
味付き回復薬
100
 
ダメージを回復 400
とんぷく
50
 
ダメージを回復 200
抗がん剤
150
 
ガンを治療


エドアードは駐屯地で備蓄のとんぷくをつかってオーブリーにもらったダメージを回復した。

「なんだよ、エドアードしっかりしろよ。また恋がたきかよ」
「猛者がおおい。グッド・ソードの切れ味に頼るだけではダメだ」
「そんな、昔の教養小説に出てくる将軍みたいに律儀になるなよ」
「ワッテルノ―の戦いとかな」
「いざとなれば戦闘ロボがいるさ」
「あれは、材料費と設計と製造費が高いんだ。戦って壊れると修復できない」
「年金払って俺らをパワーアップしたほうが割がいいんだぜ」
「なんかそんな感じだ。部品を輸入に頼るからなラグナクロクは。年金なら若者のバイト口が増える」

エドアードは包帯を巻きおえると、外に出ようとした。
「パトロールに行ってくる」
「俺らは内勤を務めるぜ。何かあったら連絡しろよ」

市街地に向かって歩き出すと、モンスターが襲ってきた。

改造ゾンビ 3

「人造人間か?バイオ生物?」
エドアードは剣を抜いた。




11


エカルテ城

クラークがいった。
「ホーリーランスとかゾンビキラーとか人造人間とかに効くのかな」
秘書猫がいった。
「生体ロボットだから無効でしょ」
エドガーがいった。
「聖なる力は幽霊やゾンビ、吸血鬼の怨念とか魔法の力をさえぎるんだろう。機械ゾンビなんかだと、動力がなにかによる。ゴーレムとか、ブードゥのゾンビなんか術者の神通力で動くから、回線を断ち切る効果があると思うな」
「そんなもんか」


ラグナクロク


改造ゾンビにエドアードが斬りかかる。

ガガガガガ!ザシ

春雨 1570
「手加減せず斬り倒せる!」
改造ゾンビ一体はバラバラになってふきとんだ。

だが、残る二体が襲いかかる。



12



魔法殿

ザールが魔法殿の研究員に話を聞いていた。
「肉体は物だから、剣で斬られると失われるが、精神は実体がないデータみたいなものだから、回復魔法でもとにもどるのか?」
「おそらく」
「コンピュータのファイルみたいなものか」
「わかりませぬ。ただ、精神が薄いと壊れた肉体は傷薬でも、魔法でも修復に限界があるとか。あるいは肉体の限界があると」
「パソコンのボディ(本体)が壊れても中身を移し替えると大丈夫みたいな」
「それを研究しているのです」
「死んだらどうなる」
「生まれ変わって別のボディ(肉体)からやり直すのでは?でも、中身は保存して移しかえされる」
0歳児からな」
「ですが、肉体を二つ以上持つ者もいるという説が」
「スマートホンをひとりで二台もつみたいなか」
「精神を二つの機類にわけるような」
「片方がやられると…?」
「通路を通るか、飛躍して、もう一方に戻るとか」
「ふむ」
「ザール王子も魔法術の修行をされますか」
「それをいわれると痛い。魔法が使えない剣士だ。今の私は」


エドワードに改造ゾンビがつかみかかる。首を抑えられ、ばか力で閉められる。
「ぐ…ぐぐぐぐ」
自由な腕で斬りつけるが、かすっただけで、さっきみたいなダメージがない。
「く」
蹴りを入れて逃れたが、エドワードは攻撃ごとに休みながら戦っていた。
そのため、次の攻撃までにのろい敵がしがみついてくる。
「くそ、グッドソード」
ギン 800

「ハアハア…」
ガシ
つかまれた。




13


カーターがワープしてみたのは、自分が宇宙空間に浮かんでいる光景だった。
「あの星は?」
インプ(小悪魔)が答えた。
「惑星バルハル」
地球の大陸は地球儀をみてわかるとおり、一回転してまでつながる大陸がない。
みるとバルハルは一周して大陸がつながっている。
「バルハルとやらは、貫いてつながっているのか」
ぐるりと地球儀を回転させるように、カーターたちは星を一周する。

「そのとおり、あそこに地球を閉じる大地の鍵がある」

カーターは惑星に吸い込まれるように落ちていった。





エドアードは力んで剣をふるい、斬りつけるが、「血液がないのか渇いた植物みたいなボディ」
初めの一体は、エドアードの力技にふっとんだが、軽く力を入れただけでは、樫の木に斧をぶつける硬さだった。

スタミナに限りがあるため、剣撃をしては間合いを取る。
改造ゾンビは執拗に迫るが、二体目の頭をこなごなにした。

「ハアハア…あいつの技を利用させてもらう」
エドアードはしゃがむと改造ゾンビの足をねらって、鉈うちした。
ドアガ!

全部たおしたが、すぐ気になった。
アルバシリアの悲鳴が聞こえる様だった。
「アルバリシアが危ない!」

駐屯地

「おい、ブロームインの国王のSNSをみろよ。俺にセミに似てるぜ」
「ホントだおい」
「俺は隠し子かもしれないぜ」
「そんなわけないだろ」
「雰囲気とか特徴がミニコクしたみたいだ」




14


エカルテ城 王間

クラークがのびをしていった。
「さーて、そろそろ事務室いってデスクワークこなすか…」
「そうですね」

エドガーもホワイトもいなかった。

当たり前のように侵入してきたものがいた。

「誰だ楯を…
「はい」
秘書猫は壁に掛けてあるジォヴェの楯とホーリーモーニングスターをとって、クラークに渡した。

「レベルラハム…」
女性で人間の背丈だ。
「レベルラハム?」
「あなたの故郷である地球の神を粉砕した」
「神を…?地球の?もっと詳しくききたいな…」

ニコリと笑うと腕から光の竜巻を出してきた。

ミラクルストーム

ゴオオオオオオオオ

大地震のようにエカルテ中の大地が揺れる。

クラークは楯をかざしたが、だんだんおされていく。
「ぐおおおお?ジォヴェの楯が」

楯がひび割れ壊れていく。

ゴオオン

「…」
ジォヴェの楯は壊れた。
「ラフムとラハムをささえる柱、女神ラハムを模倣して私は創造された」
「ラフムとラハム?」
「天の果て、地の果て、アンシャルとキシャルよりまだ向こうの太古の文明の世界」

クラークはモーニングスターを棍にして、投げつけて見た。
(勝てそうにないけどな…、どのくらい通用するか!?)

フルスライニング

勢いよく回転してレベルラハムにむかっていく。

レベルラハムはお祈りのように指を合わせて何か祈っている。
「神をまねて生み出した。私たちの母さんが。私たちの母さんはなにをしているんだろう?私がこんなに怖いのに…  バイオキマイラ 出でよ 模倣マリッドとカリッド」
(不気味な歌、歌いやがって)

全体が見えないほど巨大な獣と竜をまぜたような、巨獣が現れた。

城が崩れるかというほどの地震だ。

ドドドドオドドドドオ

フルスライニングは獣にあたって簡単に跳ね返った。

「青銅の像(スターチュ)のようでありながら、青い海のようである二柱…」

気がつくと地震は収まり、辺りはめちゃくちゃになったが、敵は霧散していた。
謎のような言葉を残して消えていった。
クラークは腰が抜けて30分くらい立てなかった。



15


少し前、アルバシリアの屋敷にモンスターがおそってきた。

フレッシュゾンビ
ゾンビトロル

「…!エ、エドワード!!
アルバシリアは家にはいり鍵をかけようとした。
モンスターはアルバシリアの首にかけているラッキーストーンの聖なる力で、動きが1分ほど停止した。

「なに!?こいつら、ロボット?ロボットのゾンビ」
そのすきに慌てて家にはいりドアを閉めた。

モンスターは回路が狂ったようになったが、徐々に動き出した。
妨害電波がきかなくなったように。

ドアに二体しがみついたところに、エドアードが到着した。

ジャンプして上空から躍りかかるように剣を振る。
フレッシュゾンビをまっぷたつにした。

「まにあった。あとはこいつを倒せば!貴様くらえ!」
エドアードはグッド・ソードを切りつけた。

ガシン! 410

ゾンビトロルは腕力でエドアードを吹っ飛ばした。

「があ!」
朝からオーブリー、改造ゾンビ、フレッシュゾンビと連戦して、体に疲労が蓄積している。
最後の力を振り絞ったが、押され始めた。

春雨 875
スタミナがない!

ゾンビトロルの拳が顔面に当たる。
ゾンビパンチ 265

「く…オーブリーとかいうやつに、ついてきてもらえばよかった…ラグナロク軍のあいつらじゃ、たぶん戦力にならない。俺達はついさいきんまで、ただの大学生だ」

そのとき、空からホワイト・シンデレラウィッチがホワイトヒールをエドアードにかけた。
「幸あれ!」

エドアードの傷と疲労が回復していく。
「おおお、これは…おとぎばなしだとおもっていたが、シンデレラウィッチが実在したとは」

グッド・ソードをかまえ、新しい技を放つ。
「感謝する」

鉄兜 鉄兜でも二つに割る。真上から両手持ちで斬る


2410
ゾンビトロルは首のあたりまでふたつになった。さらにエドアードは生き返らないよう。首をはねた。

「やった!」
そのとき、地震が起こった。
「今度は地震か…」

ゴゴゴゴゴオ
しばやくして治まった。

アルバシリアと母親はエドアードに感謝した。