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2013年2月7日木曜日

大神ジォヴェの世界 ② 修行






大神ジォヴェの世界 ② 修行





1


クラークは考えた。
一万年後のひとが俺達のエカルテをみて、エカルテ王国衰亡史とか書くんだな。そのなかにクラーク王とか登場して…


クラークは地下の武器庫の扉を開けた。
カビ臭いにおいが、国王になる前に入ったときと同じで鼻をつく。
クモの巣や積もる埃、もしかしたら、カビの匂いじゃなくて古い部屋特有の、古本の匂いか埃の匂いかもしれない。

バーン

あった…
ステルソードがエンリルの時代そのままのこっている。
だが、錆びてもろくなっているのが見て取れる。
聖なる力を宿した、聖なる炎で焼きいれしたステルソードも出てきた。
エドガーとはいったときは、そんな興味がなかった。
クラークはアクアネスソードをさがしていた。
エンリルの愛剣。

鎧もある。
古い本もボロボロになって積んである。
めくると、魔法か何かの本のようだった。
木箱があった。
質素なつくりで、そんな大事なものをしまう箱に見えない。
あけて、驚いた。
「アクアネスソードだ。夢で見たのと同じ形!」
だが、死んでる。魔法の力も何も霧散して消えてしまってる。


アルフレットはパーカーのSNSをみてて、トレーニングエスカレーターの修行を知った。
左手でひじをつき、右手で口を押さえて見ていた。

「修行か…」

アルフレットは大神ジォヴェの世界に行ってくるという。
「ああ、でも、つてはあるのかよ?」
「双面の巨人が夢にでてきた」
「そうか、生きて帰ってきたら、うまいもんでも喰いにいこうぜ」
「ああ」
「餞別というかお使いというか」
クラークはアクアネスソードをわたした。
「すきにつかってくれ、もしかしたら、この剣を生き返らせられるかも」
「アクアネスソードね」


2


クラークは考えた。部下だったらなめられたら、怖いし嫌だと思うが…
ザールなんて、他学だからなめられても苦にならないんだな。
俺の国じゃない。
アルフレットはカーターのときは、カーターの知り合いだし、パーカーのところに来てからは、同僚の戦士だ。今、王になってからは雇ってる知人の傭兵。
今は帰ってくるのかも怪しい、修羅の世界にいった昔の知り合いだ。



アルフレットは巨大な門の前に立っていた。
双面の巨人がいう。
「ここからが、大神の世界だ。ときどきテレパシーでやりとりする。ではいってこい…」
門が開かれた。
アルフレットは門を過ぎる。

(ジュラ紀の地球だ…!)
※約2500万年前から約13800万年前までをさす


首長竜のブラキオサウルスが三匹あっちにみえる。
(花が人間を和ませるためにつくられた、なんてあやしいぞ。ジュラ紀からだ…花をつける被子植物は。当時の植物は今も健在。恐竜は滅んだ。植物のほうが息が長い。細菌ならもっとだろうな)

ブラキオザウルス三体がこっちにむかってくる。

(人間のはるか昔に花が咲いたんだ。でも、誰のため?…お、やつらくる!!人を襲うようにできてる!!)

アルフレットボール 2345

ブラキオザウルス3体にダメージを与えたが、無尽蔵に感じられる体力だ。
「くそ!巨体なだけに!アウトセーバー!!」

アウトセーバーにオーラをのせてブラキオザウルス一体に斬りかかる。
「どあああああ」

ドーン 3457
「だが、敵は単純攻撃しかしまい」

しかし、草をはむ歯とはいえ、硬い草をかみ砕くため大いに鋭い。

キバ 998
のしかかる 2341

「ぐは…バリアが」



3

アルフレットは口から血をたらし、剣を持った態勢で宙に浮かんだ。

「アウストラクロス!!!」

4989

カッ!

まぶしい光が辺りを包み、三体の恐竜を焼いた。
黙々煙が上がるが、まだ、全部生きている。
「チッ!体力があるな…さすが恐竜だ」

「グルルルルー」

首をのばしてブラキオザウルスがむかう。
アルフレットは鞭を持つような感じでアウトセーバーの剣先を片手でつまみ、反対の手に力を込めて、恐竜の頭をたたいた。
ドシ!

「ガルルルウ!!*+*」
一体気絶した。

「のこりはと…」

連続してセーバーを斬りつけた!
ザク・ザギ・ザゴ・ザン!
血みどろになってブラキオザウするの二匹目は倒れた。

「ハア、ハア、最後だ!」

アルフレットボール! 2457

休まず、敵が沈没するまで撃ち続ける。

ド-ン、チュオーン、ドガーン!

煙が下がると、恐竜は死んでいた。
「ハアハアハアハア、これが大神の世界か…しんどい。だが強くなれる」



4

アランが時空警察いきの移動宇宙船にのることになった。
アランはゴールドエクスカリバーと荷物をかばんに入れて、アルセウスとパーカーと別れた。

「いってくる。片道一週間乗りっぱなしだ。速いのは高い」

列車の指定席のように席が決まっている。
間違っても他の席に座れない。
寝室は別に一人用がある、が当然狭い部屋だ。
一人部屋みたいになっている。

「食堂とかなさそうだ。食堂車みたいに座席で喰うか、自分のスリープルームにもってくかか」

全車禁煙かと思ったが、喫煙室がある。
発車まであと17分。
「あいつら、見送りに来ねえ」
席に座ると、ひじかけにラジオのミニプレイャーがある。
昔の人が考えた未来の道具みたいな設計のヘッドホンをかけて、鳴らした。
静かな音楽がかかっている。

アナウンスがかかり発車した。
≪本日は当機をご利用くださり、まことにありがとうございます。長旅のお客様は長時間、狭い機内で過ごすため、体調の管理にはご注意ください。各スリープルームに備え付けのマイクに用件を相談すると質問にお答えしますのでなんなりとご質問ください。では、ご旅行をお楽しみくださいませ≫

(狭い機内か…一週間、外に出られない缶詰だ)

アランは売店をさがしたが、自動販売機が車内にある。
シナモンティーを買って、また座席に戻った。
客がまばらだ。
席がくっつかないよう、プログラムが管理している。
窓の外は夜空の様な宇宙空間だ。
「…」
音楽とCMがときどきはいる。

文庫本を読んでみたがすぐ飽きた。
窓の外は、暗い。

≪つぎの停車はステーションNo.13 明日、午前900となります≫
(お…、今、午後415だから…)
夕食は駅弁とお茶が配られた。
乗務員がたまにだけどとおる。



5



アルフレットは火を起こして、焚火をした。
「…」
夜になってきた。火にあたり、体を休める。
「大神の世界も夜があるんだな」
クラークから預かった、アクアネスソードをさやから抜いてみる。
シャアアアア
滑るように抜ける。
オーラを軽くぶつけてみると、わずかに磁気が反発するようにはじく。
「ははあ。魔法力が抜けて弱まっている」
刀身にオーラをながしこんでみる。
パアアアと光る。蛍光灯のようだった。
だが、すぐ消えて、次からオーラを受け付けなくなった。
抵抗を感じる。
「持ち主と同じ魔法力でなけりゃ、再生しない。鍵と鍵穴みたいに。たぶん再生しても、僕は扱えない。おそらくクラークも…」



アランはスリープルームで寝て起きた。
ラジオの音楽も1時間くらい聞くと満腹になって聴きたくなくなってくる。
スリープルームのTVでいろんなチャンネルを適当に回して見た。
「退屈になってきた。連絡はないか…」
モバイルを見るが連絡はない。
通路のアートを眺めたが、45分しかつぶれない。
「ああ」
小型図書がある。
みると、ほとんど興味のない本が並んでいる。
無料で借りて読める。
よほど、本気で退屈になったら手を出そうと思った。

シャワールームにいく。
個室で2秒、80C°の熱湯の竜巻を浴びる。そのあとドライヤ―の温風が3秒。それで完了する。

聴きあきたが、ラジオをきいていると、ニュースがやっている。
エジオンが巨人の攻撃を受けたと新着ニュースが入る。
「なに!?」
アランは座席からとび起きそうになったが、いまさらもどるわけにいかない。
個人室にいき、ネットでみると、パーカーがエジオンがやられるわけがない。以前侵略してきた巨人だ。戦況をマスコミが放送する。
と声明を出した。



6


クラークはエカルテで知ったが、
「どうする。やられるわけないな。でも、あのてこずった巨人だぞ」
エドガーが、
「戦況をチェックし、不利になったら援軍を送るのがいい。遠すぎて、すぐおくれない」
「だな。こんなときにアルフレットがいないし、あっちにも軍人いるし」


パーカーは「時空警察は救急車だ!軍人がいるのに緊急でないと頼めない。地球からカーター氏が来てくれることになった!アランはもどらなくていい!」
地球はエジオンに比較的すぐ行ける距離だった。

アルセウスはランウェアを装着した。
ボタンを押すと、装備している。
「準備OKだ。パーカーいつでもいける」
「レイチェルモンドはエジオンのマスコミと連絡をとれ、最悪出動だ」
アルセウスがきいた。
「巨人はいつ来る!」
「15体くらいが向かっているあと推定12時間くらい」
「その前に地球からカーター氏とワトソン氏が到着します」




7


「やあ、パーカー氏ひさしぶり」
「協力ありがとうございます」
ワトソンもいった。
「悪い話じゃないみたいだし、わたしもきてみた。チェーンソードとジェットソードの二挺あればなんとかなるだろ」

アルセウスがいった。
「はじめまして、アルセウスです」
「はじめまして、アメリカのワトソンです」
「ハッハッハッ、アメリカは映画で見ました」
「こっちも小説などで拝見してます」
「アルフレットとクラークが見えないが」
「ああ、あのふたりは別の星にいっている」
「彼がいないと一人の負担が大きいな」

レイチェルモンドがいった。
「残念だが、談笑してる余裕はありません。戦力から判断すると、15体なら、ギリギリです。もしかすると援軍がいるかもしれない」
パーカーがいった。
「自動戦闘ロボでうかせられないか」
「金がかかるでしょう」
「…」
「軍人を増やすしか」
「そうだな」

客が到着した。
ぞくぞく着地している。
パーカーとレイチェルモンドが基地に残る。
残りは戦闘のためエジオンの荒野にでた。

カーターがいった。
「まず、わたしが、できるだけの数をこなす。たおれたら、あとは頼む」
アルセウスがいった。
「わかった。二番手は私が行く。私はいつも二番手だ」
ワトソンがいった。
「私の後はパーカー氏とあの軍人のひとだな…」




8


指令室にパーカーの彼女がはいってきた。
「パーカー、また戦争だって大丈夫なの?」
「安心しろ、ギリギリだ。外に出ないでここにいれば安心だ。バリアもある」
「わかったわ、お願いするわよ…」
そういって、引き返していった。

エジオンのマスコミに情報を流すのは、クラークやアルフレットがピンチになったら、来てくれるかもしれないからだった。
あと、時空警察。
逆に自分たちで処理できる戦(いくさ)なのに、人を呼びつけると不躾だ。
相手の好意で戦況を見てきてくれることを期待していた。


アランは移動宇宙船のなかで、ニュースをチェックした。
「そんなに記事が更新しない」
野球中継をみるかのようだった。
そんな心配しても仕方がないので、ビールを買って飲んだ。
途中停車はきがつかないでやり過ごしてしまった。
「早い、20分くらいしか停車しなかった」
2日でうだるように、飽きてきた。
人が初めより混雑している。



9


カーターが身軽に、動きまわりながら、ライオンソードをふる。
一体目の巨人が切れる。

184

後ろの数体もついでに切れる。
121

カーターはなるべく多人数にダメージを負わせる作戦だった。
敵はメガトンパンチをうってくる。
かろやかにかわす。
ながれるようによけて、タイミングを計りライオンソードをふる。
ザク、ドア、ガシ
99121,174

アルセウスがいった。
「よけるのが達人だ。だが、攻撃力はライト正宗と同レベルだ。複数攻撃できるのがうらやましい」

巨人は両手で挟むように仕掛ける。
ぶわ!
カーターはゆっくりジャンプしてるかのようにかわした。

直撃を額にくらわす。
247
ザン!
さらに、蹴りをこめかみに埋め込んだ。

巨人は死ななかったが一体気絶した。





10


「あと、14体だよ。なんとかなるな」
ワトソンはジェットソードを杖にして、両手で寄りかかりながらいった。

次の巨人が動いた。
ひたすら、拳を繰り出してくる。

反撃する間がない。
(疲労するのを待つか…)

ギラギラする笑みをうかべ、巨人はいきりたった。
だが、息が上がっている。

ライオンソードを二三ふるった。
レイザーのカッターが飛んで巨人を焦がす。
「giyau!」

そのまま頭にかかと落としを喰らわせる。
ドガ

「カーターの軍靴はいたいよ」
ワトソンはイエローのビジネスワイシャツをきて、黒のネクタイをしている。

アルセウスは戦闘を冷静に分析していた。
「地球か…カーター氏の動きを見ると、エカルテ軍だと群を抜いているかもしれない。身体能力はいいがビームソードの破壊力はバーラルレディにたいしてきかない」

巨人パンチを靴の底で受け、さらにカーターは跳躍する。

パーカーはモニターで見ていたが、「Yes、!うまい」とうなった。

巨人の身長の1.4倍くらいの上空から、雨あられのようにライオンソードのカッターが飛んでくる。
おおかた、周りの巨人にもつきささる。

落ちてくる反動を蹴りに利用して、巨人の首がねじれるほど、強く蹴りつけた。
さらに、肩にライオンソードをつきさし、跳躍して逃れる。

ジジジイジイバオン!

巨人は肩がえぐれて倒れた。

落ちてくるライオンソードをジャンプしてキャッチし、そのままふるう。

ぐううううううう

巨人たちは獰猛な頭で、勝さんを考えていた。



11


アルフレットは日の出とともに歩いていたが、なんとピラミットの小型の様な遺跡を発見した。
「なるほど、ほんとにジュラ紀じゃないんだ。大神の世界に文明があっておかしくない」

歩いて近づくと、つたなどが茂っている。ソテツなども生えている。
見ると女が黙って立っている。
「…」
「あの、あなたは、ぼくはアルフレット…ひとりで何をして」
「…なんだ、貴様は去るがいい…」
「このピラミットはなんです?」
「…近づくな…」
「いや、何かなと思って。それに近くに町とか…」
「…」
「!」

ものすごく速い拳が、アルフレットの頬につきささる。
「グ、痛」
アランと違って、アルフレットだから、痛いくらいですんだ。
(クラークがいっていた、バーラルレディだ!)
アルフレットはすぐ気がついた。
だが、回し蹴りが来る。

腕をクロスしてガードした。
「みぞおち狙いか…腕が痛いけど」

コマが回るようなリズムで突きやけりが来る。
アルフレットは腕でさばいたが、腕が痛くなった。
「今度はこっちの番かな」
アルフレットの拳がバーラルレディの顔面を破る。
「ウグ」
さらに、直にオーラを流し込む。
ピカ!

バーラルレディは吹っ飛んで遺跡の壁にぶつかってよろけた。
だが、アルフレットの拳が燃え上がる。
アランと違ってすく火は消えた。




12



三体目になると、カーターの動きが微妙ににぶくなる。

アルセウスが見てとった。
「スタミナを消耗してる。あれだけのスピードだ無理もない」

巨人はあい変わらす、単調なごり押しパンチだ。
カーターはヒュンヒュン飛んでかわす。
だが、疲労して、一歩間違うと直撃を受けかねない。

ひねり宙返り!

三体目の巨人は猫のひっかき傷だらけのようになり、血みどろで沈む。
グアアアアワ

「そろそろ疲れてきた。あと12体いる…」

4体目でガクンと体力が落ちてきた。

「カーター氏!危ない、よけろ」
「ハッ!?」

巨人のパンチが飛んでくる。
カーターはライオンソードで受けるしかなかった。
巨人は自分の拳が切れるのをためらわなかった。
「うお?!」
なんとか、剣で受けたが、バランスを失った。
そこに二撃目がはいった。
はじめてカーターはダメ―ジをうけた。

メガトンパンチ 150
巨人はいきり立ち冒涜の暴言をはいた。

「カーター氏…かわりましょうか?」
アルセウスがいった。
「ふう、いや、大丈夫です、こいつにとどめを刺して交替してもらう」
カーターはそういって、巨人を見た。
口が耳まで裂けてニヤついている。

カーターは剣を投げた。
巨人の口に刺さる。
「あが?」
カーターはジャンプして軍靴で顔面に蹴りを入れた。
そして、剣をもってねじった。
「ごごおお?!ごふ!」
四体目は死んだ。

アルセウスがいった。
「私の番だ」



13


中間幕の詩唱(なかまくのうた)

―クリスマスカロルを模倣して―

聖夜の謌唄

悲劇 クリスマスの労働者



錠前屋 「鍵を作らせ、壊させ、そして誰もいなくなった」
天使の声(あるいは世間の声) 「人をこき使うから―」
錠前屋 「親方が人をこき使うの当たり前なの。それのどこがおかしい」
天使の声 「子どもが大人を使うと、やがてはだれも見向きもしなくなる。ああ、自分が大人になりもせず。ただ、だだこねて人を使う。わがままなだけでひとをつかうとさびしい夜が来る」

合唱

そして、それが、宇宙の則―

錠前屋 「クリスマスにあまりに寂しい」
牛乳屋 「それなら、うちの牛乳を運んでくれ。配るときあいさつしてな」
錠前屋 「それなら、いろいろ人に会える」

牛乳を配る錠前屋、あいさつしてまわる。
錠前屋 「だが、大変な仕事だ。こんなのうちじゃ奉公人にやらせていた仕事だ」
世間の声 「はじめて自分が労働する。監督の仕事もできない、わがままものが人を使っていた。初めて仕事をする手つきだ」

牛乳屋 「賃金だ」
錠前屋 「これだけ。あれだけ働いて?」
牛乳屋 「自分が出すときはけちん坊。受け取るときはずいぶん気前がいい。仕事が終わったら帰ってくれ。今日はイブだ」

錠前屋 「やれやれ、また、さみしいのが始まる」
帰り道 賃金でパンとソーセージを買う。
錠前屋 「これで酒が買えりゃあな」
イエス 「このワインを飲みなさい。これはわたしの血」
錠前屋 「あなたは、パンをちぎってもなくならない。酒を水を沸かして造りだす。酒もなくならなけりゃ、パンもなくならない。おまけに生誕を祝ってくれる人が二千年後を絶たない」
イエス 「わたしの血がワインであり、肉がパンである。茨の冠をかぶらされ、十字架を担いで、人類の救済の仕事をした。傷つけられた苦労の傷口から溢れる血液がことごとく酒になる。飲みなさい。誰か人のために苦労すること」
錠前屋 「わたしはキリスト(救世主)じゃない。人のために働いたりしたら、バカを見るだけだ」
イエス 「救世主でなくとも、おなじこと。七たびの七倍許しなさい。自分の損しか勘定しないものは、孤独の世界に在籍と巻きものに記録される」

合唱

他人のために手折ること。愛すること。人のために労働すること。
苦労を厭わないこと。その難しさとありがたさ。
苦労の傷口から流れる酒を汲み、仲間と宴のお祝いを祈る。
清この夜。



14


バーラルレディはタキオンブレスで攻撃してきた。
「数年前に消しとべ」
口から輝くタキオン粒子:光の速度より早く、時間を過去に向かって進むとされる。の霧がおそう。

GaaaaGaaaatoruuuuukikokikokaann

アルフレットの口からアウトセーバーと叫ぶ声が聞こえた。
次の瞬間アウトセーバーが飛び出し、アルフレットはタキオンブレスをはじきかえした。

ややしばらくあってから、向こうの山が陥没して崩れ落ちた。

ドーン…

「危なかった」
バーラルレディはゴーストアクスをしかけてきた。
「おおおお、半透明の斧が」たおれてくる…

ギギギギーガアー

542

アルフレットは念じて自分の分身を生んだ。
「ダブルボディ!!」

二手に分かれたアルフレットはアルフレットボールを撃った。
「ダブルツイスト!!」

バーラルレディはかわしながら、何発か喰らった。
「なんなんだ貴様!?バーラルアクス!」
バーラルレディの手に血みどろの斧が握られている。

アバウトコントロール 3487!!
アウストロガードで451に防いだ。

「中ザコでバーラルレディがでてくるとは、大神の世界はしんどい…」

ダブルコサック 24101457

「がは?おのれ、何のために遺跡を狙うのだ?八つ裂きにされたいのか…」
「…」


15


アルセウスは音速カブトを発動して、巨人に向かった。
「むこうはすでに、カーター氏に傷を受けている」

ドン
超スピードで突撃し、ジェットキックを喰らわせた。
ゴギ
巨人はあまりの体当たりに首が曲がって骨が折れた。
そのままよじれるように転げてダウンした。

「おっと、一撃で殺してしまった…私としたことが失礼だ」

ワトソンがニコニコしていった。
「おやおや、エジオンは安心だよ…」

アルセウスはひざを折り曲げて巨人のあごを打つ。
「ガフ!」

さらにライト正宗!
「ぎゃふ」

音速ルーレット
ノワール 「があ」
ルージュ 「おご!?」

たおした。




16

アランは移動宇宙船の中で、落ち着かないような、退屈でしびれるような、エコノミークラス症候群になりそうな、心細い面持ちで車内で過ごした。開く
エコノミークラス症候群  肺血栓症(Pulmonary Thromboembolism)のこと。突然の胸痛、呼吸困難を起こす。長期間寝たきり状態の後に発症することが多いが、最近では長距離旅客機に搭乗した乗客にも散発する。

「戦況は悪くない…気にしないでいくか。オレが気にしててもな。でも胸騒ぎがする。パーカーが戦ってるのに雇われてる軍人のオレが楽しんでるとな…」

アナウンスがかかる。
≪時空警察エリアに到着いたします。このエリアでは6アウアーの停車となります。本地点が最終目的地の方はご準備をお願いいたします。ステーションNo.34 グレートシティアバカムステーションБ≫

窓から見える。
「おおお、巨大だ」
すぐ、内部に入って全貌が見えなくなる。

「ステーションとシティが融合してる…」
最初から内部に降りるため、下から見るとどう見えるのかわからなかった。

入国検査でパーカーの推薦状とパスを提出した。
データを赤外線でモバイルに受信すると、アナウンスが入っている。
ホテルに有料でスティし、次の日の午後、時空警察官のメラネウスを訪問しろとある。

人が多く、複雑な迷路にみえるので、アランは案内(インフォ)に従うことにした。

「ソードショップがある…」

ゴーグルホワイトグラス  2ジャム  補佐・通信、ゴーグルにデータが
ゴールドエクスカリバー  9999    耐熱剣・頑丈
ジェットソード      2987    アクセルをふかすと、自動で攻撃
テクニカルウェポン   4ジャム   電子頭脳武器・こて、銃、カッター
ボンバーアーマー    8500   鎧・爆撃につよい 
ランウェア        2400  動きやすい・ボタン一つで着脱
獣人化ガム       1000   噛むと、短時間獣人化する
マジックバリアフリスク  1500   魔法防御。攻撃を防ぐ飴
両替 1クラウン=200ジャム 
   1ジャム=10000




17

「アルセウスクロス!!」
「ぎゃう!」
ぐぐぐぐうるうう…
残りの巨人はいきりたち、一斉にアルセウスに向かった。

「があああ」
「ぎゃあふう!!!」
「ごごごごおごおおお?」

アルセウスは乱檄をくらい、ぼこぼこにされた。
「があああ。しまった、身動きが!!」
「!」

カーターが動こうとしたが、ワトソンが制止した。
「わたしが動くよ。ジェットソードがくさってしまう」

そういうと、アルセウスを囲んでたこ殴りにしている巨人を後ろから、斬りつけた。

ジェットソード 170
「アルセウス君を放したまえ」

だが、アルセウスは「おおお、いったい引き離しただけでは、こっちの手加減が…カーター氏!」

「まちたまえ。二刀流」
そういって、ワトソンはジェットソードとチェンソードで巨人を後ろから斬劇しまくった。
「そりゃああああ!そっちばっかり、気にしてると後ろからこうだよ」

ギギギギギ
ガン!ガン!ガン!



18


時空警察  エリア管理官 サブコーヒールーム

比較的小型の休憩室。
狭いが、家具が少し高級だ。
ジュールとメラネウスがコーヒーを飲んでいる。
「ジュール。君はもう赴任先にいってきたのか?」
「ああ、短い期間だったよ。任務は終えた」

メラネウスはがっしりした、筋肉質の大柄の男だった。
ジュールより一回り大きいといった感じだ。

ジュールがコーヒーをすすりながらいった。
「匂いの分子は40万種類あるというんだ。その受容体は1000くらい。分子が受容体にくっつくとシグナルが流れる。鍵と鍵穴が違ってもちゅうとはんぱに合えば、はんぱなシグナルが流れる」
「うん。それで?」
「音楽にもモーツアルトやベートベンがある。匂いのもとになる分子の組み合わせと濃度で、作曲みたいにあらゆるバリエーションになると思うんだ」
「へえ。ドレミのならびみたいな」
「うん。匂いが脳の複数あるチャンネルを刺激して、刺激がおこると思うんだ。仕事してると一方のチャンネルを力ずくで抑える。休憩のときコーヒーの香りがチャンネルを解放する。ただし、別のチャンネルを締め付けるから、しばらくすると別の何かが疲れだす…」
「なんかそんなかんじだ。たばことか酒とか…仕事して筋肉がつかれてそれを休めるみたいな」
「そう」

そのとき、かけているふたりのホワイトグラスに通知がはいった。
≪‘’ジュール、メラネウス重大事項の緊急招集だ。マンデンブルー大佐の専用会議室まで来るように≫

「やれやれ、ホワイトグラスのせいで休憩中も休んでいる気がしないよ」
「たしかに…勤務中は義務だ」
専用会議室に二人は入った。

マンデンブルー大佐がふたりにいった。
「アンシャルとキシャルが滅亡したと正式に報告が入った」
「ええ!?以前からうわさされていましたけど…」
「そうだ。あまりに遠いため、電磁望遠鏡でもそうみえない。うわさがどうやら今度こそ確からしい。パトロール中のわれわれ時空警察隊が救助したのはアンシャルとキシャルのはずれに住んでいた人間だというのだ」
「はずれ…」
「そうだ。アンシャルとキシャルなどわれわれのテリトリーの1億倍以上の広さだといわれている。そして我々の祖先はそこからやってきた。かなり確かにそう書かれている」
「古代の歴史書にそう書かれていますが」
「ぼくも学校で習った…」

「それが大爆発があってがれきの山になったとか。彼らはエリアの相当端にいたため逃げられたという」
「理由は?」
「仮説として考えられるのは、銀河の衝突。何千もの恒星が一度に大衝突だ。大惨事になる。それから、危険なエネルギー装置の開発。大戦争説などが考えられる」
「救出に行かなくてよいのですか」
「ううむ。先祖の土地といえ、あまりに遠い。我々よりはるか高度な楽園だと伝説にあるが…片道で、人間の寿命の全部を使い果たすだろう。さらに冷凍冬眠しても帰ってきたら浦島太郎だ」

「…」



19


アルフレットは新しい術を開発した。
「ぼくのオーラの新技術」

ナイトキャップ 

キンキンギン

バーラルレディは眠ってしまった。
「ZZZ…」
「眠ったか…命は助けるか…いや、こいつは危ないからな。きっちり殺しとこう」
そういって、アルフレットは剣で喉を切りつけた。
ブシュ!!
鮮血が飛び散る。
「ううっ。きれい好きなぼくは血を見ると心が痛む」

ゴゴゴゴゴ…
バーラルレディから黒い煙が巻き起こり、まむしとムカデの体になった。

「うお?グロテスクだ!5mはあるぞ。こんなのと戦うのか」


20


エカルテ城

クラークは今日は国民の休日で家にいた。
アロンから借りた聖典の要約を読んでいた。

女性はパートーナーとの思い出のある、仕事、職種、遊び、デート、土地、ことがら、レストラン、食べ物などなどに対し、強力なこだわりを見せる。
男性はそれほど、意識して肩入れしなくても、男性の趣味や先の事柄に対して、盲目的な愛好を維持することがある。
ふたりを結びつけた出来事を死ぬまで(あるいは死後も)固執したりもする。

「なるほど…俺なんか国王を遊び半分でもなく、生真面目でもなく、キツネにつままれた気持ちでやってるけどな…」


アロンからクラークに鶏肉が送られてきた。
「アロン。出エジプト記にでてくるぜ。マナと鳥肉」
クラークはアロンから送ってきた鳥肉をあきるほど食べた。