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2013年1月20日日曜日

それぞれの世界、私たちの住む未来


    それぞれの世界私たちの住む未来










1

クラークは、エカルテ城の大広間や広い部屋のいくつかを使って暮らしている。エカルテ王の特権で、地球の日本の総理大臣が官邸に住む要領だ。

クラークはアロンから借りた聖典の要約の写しを読んでいた。
絨毯に寝ころび、娘のトテッチが横で寝ている。
暖炉には火が燃えていた。
妻のザフラはキッチン室(厨房)で料理をしている。
パーカーにきいて、赤ワインの樽を地下室に貯蔵した。
夕食になると樽から汲んで瓶に入れてもってくるが、だんだんおっくうになってきていた。

「へえ、女性は男性のように物事の骨格を理解しないし忌み嫌う。自然現象でいう物理学だ。そのため、文明の開発は男性の仕事となる。女性は男性の文明の物事の表面だけをサルまねする。そのため大事なことを知らないで火事をおこす。そのかわり、全体のバランス感覚芸術センスが生まれつきのようにあり、男性が骨組みを組み立てるが、アンバランスにいきすぎたつくり、骨格だけが独り歩きした、(物理、数学など論理の独り歩き)ものを否定し、男性を戒めることができる。だが、女性だけだと、設計図や本質のない、見てくれに明け暮れることになる。
模型の全体像を見渡すのに女性が優れる。が、模型を設計できないのが女性で、男性の作品をうまく評価する。

女性は論理的に行動しない。思考して行動しないため、周りの条件に左右される。ちょうど魚が海の内陸に上がると呼吸できなくて死ぬように、海という外界がコントロールしている。男性は地図を見て道を歩くが、女性は車のクラクションに驚き、ステーキ屋の匂いにひかれ、鳥の鳴き声に道案内される。つまり、感情で動いている。そのため、外界がその女性の行動の50%を占めることになる。すなわち外界がまちがっていたら、彼女は行動を誤る。男性は論理で思考して、外界に適用する。男性は論理的に女性の行動を叱らなくてはならない。特に恐怖や快など感情で操作する。風船を団扇で誘導するがごとく。女性は地図が間違っているのではないかとか、理屈のいきすぎをバランスで監督する義務がある。でないと星は滅びる。戦争、飢餓、自然破壊、科学の欺瞞、政治判断、上下関係… なるほど…難しいけどな」

そういってクラークは横にいるトテッチをみた。

「でも、論理を追及する学問なんか、哲学、医学、物理学、なんか人の罪を暴いているみたいで怖い気持ちになるな。大昔の錬金術師やパラケルスス、コルネリウス・アグリッパ、ファウスト博士の気分だ」

そういって、また開いた。

≪女性だけで人とつながれない。感情が行動を左右するため、人とつながるということは動物には不可能だ。感情だけで人はつながれない。論理がないと組織や仲間は生まれない。蟻や蜂はそれとはまた別の本能で集団を組む。論理だけの男性のほうがまだ仲間をつくって協力し合える。女性は男性のまねをしたがる。だが、論理がないため表面だけまねして失敗する。女性はサルだから、論理を嫌うのではなく、大神によって、そう作られている。男性で論理ではなく感情的に行動するのは、恐怖を克服しないものである。自立した者は自力で論理にたどりつかねば死ぬ。被保護者に守られているもの(男性)は論理を知らないし使えない。人がいう論理を眉つばと笑う。あるいは恐れて知ろうとしない。国のトップなど、保護する立場であって、保護してもらえない。(護衛や案内などならいようが)、論理を知らなければ、身を守れない。
女性がつながるには論理を知る者が、論理ではなくいわばクッションのようなガードレールを(感情を動かす)しかないと、できない≫

クラークはクリスマスツリーのイルミネーションの明かりの電源のコードが絨毯を伝っているのを見て美しいと感じた。

「女って紙芝居でいったら、だされた画面だけ見てる感じだな。うらのメカニズムとか考えないもんな。こうだから次はこうで、レールみたいに組み立てないんだな…たぶん情も…男性は理屈で人を憐れめ、教科書に角角かいてあるから、だ。女はその場限りの無責任な感情だけの愛情だ。男は不謹慎だから我慢する。女は心で憐れむ、男は考えて憐れむ。自分より辛い人がいるとうれしいけど、男みたいに論理で抑えられない」

善悪は、男性なら世界のため大勢のためなら犠牲を出す。
論理が善悪を決める。
その方が世界のためになるなら生き物を殺す。
女性はその場の感情で善悪を決める。
それぞれ善し悪しである。

男性から見ると女性は冷たく見えるが、論理的な男性は女性から恐怖にみえる。


2


時空警察 エリア27

晩餐会の準備がされている。時空警察内のセレモニーホールである。
大勢の人が準備している。
落ち着いたデザインの飾り付けがあり、やけに高級な造りにしつらえている。
ジュールがはいってきて、上官にあいさつした。

「ずいぶん立派な飾り付けですが…僕の送別会ですか…ハハハ」
「ジュール君。そういうとき、軍隊などではこうやる。“バカ者!!君らのためにあつらえた会場ではない!!かかっている金額が第一違う。私に敬礼しないであの方に頭を下げよ!!なにがあってもあの方にぶしつけな態度は許されない。粗相があった場合懲戒免職も辞されないであろう。とてつもなく階級の高い方が挨拶に伺われている!!”こうやられる」

「…とてつもなく偉い方?どうりで高そうな…」

「それに、上から神託だ。ジュール君、君は赴任先から戻ってきてこういうだろう“魚なんて工場みたいに(この世界ではロボットがほとんどやるが設計など手仕事)手を動かして働かなくても自動で水の中で育ってくれるんだ。それに網を入れて取るだけなのに、あそこの人たちは取ろうとしない。それ以上取ろうとすると怪訝な顔をされる”とな」
「…?魚…ぼくは肉も魚も食べるけど…」
「あそこの人たちはあまり食べないと」
「…食料難…?」
3


オーブリーは夕暮れ、エカルテのギャラウェイとおりの端の郊外に来ていた。
「いてて…まだ、やつにやられた傷が痛む…」

みると公園のブランコにこしかけ、腕組みをしてうんうん悩んでいる中年過ぎの親父がいた。
「どうした、おっさん?」
「わたしは、クラーク王の分身だ。王が悩まなくていいように、かわりにここで悩んでいる。ふむうふむふ」
「なんだって?そりや割損な役まわりじゃないか」
「悩むだけで、あとは何もしなくていいから、割がいい。ふぶう、ふむう」
「そうかい、それじや、あんまり体を壊すほど悩まないようにな」

「大変なものを見てしまったぞ」(独白)



アルフレットは大型書店で本を見ていた。
(おお、英語の本があるぞ。コインにも英字があるとは…。なるほど、共通語が母国語で、第二母国語としてさまざまな言語があるのか宇宙は…。英語の詩が読めてうれしいが…。文化として言語が残るから、共通語があっても消えないのか。海のない惑星もたくさんある。が、人が住んでる…)

『英詩Ⅰ・Ⅱ』
『英字新聞年間』
『海のない惑星、海しかない惑星』