ページビューメ-ター

2013年8月15日木曜日

アリスタンダー討伐隊凱旋祝い





アリンダー討凱旋祝い












1


クラークは王座で討伐隊の凱旋祝いの企画を立てていた。
「えー、ゲームのエンディングを参考に…
どうするかな。王様にあいさつして、そのあと城の兵士がラッパをならして、そのあと城の外の街の人たちに挨拶か…
王さまってオレか…
うん。第一話だとお姫様と結婚か。誰がするのよ…
おれたちが初めてパーカーとここにきて、獣王を倒した後のあれな。あのとき前王がやったな。
『仮面舞踏会』これよく知らないけど、たぶん、仮面で身元いつわっていちゃいちゃするんだ。浮気の温床だな。いやらしいし、マナー悪いし、下品だな。落第だな。
ああ、いっそ軍人だけでやってご婦人呼ばないか…
男性もいるからご婦人は地味な格好だな。うちの宴は私室じゃないし、羞恥心ないのお里が知れるからな。
こういうこと王様がいうと、いやがられるからな。
まえのときなんでもなかったけどな。この土地安全な風土だ。
嫌なこと考えるより楽しくしないとな」

クラークはうんうん企画を練った。
ほかの三国も参加するだろう。

パーカーから電報があった。
「電報って…メールと何が違うのよ。今の時代」

≪アリスタンダー討伐にはエジオンはアルセウスたち以外参加しなかったが、おめでとう。エジオンもおかげで侵略されなくて助かった≫

「おめでとうってなんか違うけどな。魔王倒してな」



2


クラークが秘書猫とエドガーにいった。
「人様に俺たちのしきたり押し付ける気ないけど、この国の風土だ。エカルテ風でいいだろ」
猫とエドガーはよくわからないようにこくりとうなずく。

「祝のしきたりにうるさいお祝博士とかいないか」
バズオーンに電話をかけたが知らないという。


「これもいいな。『サウルは千をうち、ダビデは万をうつ』凱旋といったらこれだろ。菓子くばって花ちぎって。花嫁への贈り物はアリスタンダーの首50でいい。だれも結婚しないな。ダビデのはだか踊りはダメだな。小便小僧出身の動く石像だとばれるしな。竜族は鱗はがされて痛いからダメだ」

エドアールは包帯を巻いた体でラグナクロクで休暇を取っていた。
「なんだよ。お前だけ休みか。駐屯地にいて」
「休みだが様子を見に来た。アリスタンダーは倒したぞ」
「お祝俺らも見に行くからな」

クラークはその後も企画した。
「こんなんでいいのか。クレーム来ないか心配だぞ」


アランはあの戦いのとき密かに空になった水薬に「アリスタンダーの血液」を入れたものを、ゴールド・ウィンのバズオーンにわたした。
バズオーンはアリスタルドール(メタルドールみたいな機械仕掛けのモンスター)をつくるといった。
魔王の血がエネルギー源で配線がむき出し、剣と楯をもったロボットだ。



3



アリスタンダーと闘った戦士たちが表彰される。
エカルテ城前でおこなわれた。
クラークが読む。
「えー、アリスタンダー討伐隊。魔王をたおし平和をもたらした。オレも戦ったけどな」
アルフレットが壇の前でいう。
「…クラーク君」
「人数が多いのでトロフィーはないが、賞金がでる。アリスタンダー祭は毎年やることになった。以下同文」
「…以下同文は違うだろう」
「第一回目はこんなもんだ。いい加減だな。来年からリズムわかるから本格化するな…」

「まあ、初回はこんなもんだ。だが、ほんとに討伐したのは今回限りだぞ」エドアールも少し後ろに整列してみていた。

クラークとアルフレットが壇で表彰される。

「…なんか、いつもと違って手際が悪いなあ」というヤジが聞こえた。

少し後ろに戦士が整列する。

エドアール、オーブリー、まだコインにいるカーター、杖をついたアルセウス、包帯ぐるぐる巻きのアラン、車いすのポール、時空警察のスペシャルゲスト、ジュール、ネオ、ジムがならぶ。

ひとり賞金10000出された。
勝利のテーマが演奏される。

「グッド・ソード一本分だなあ、世界を救ったのに…」またヤジがきこえた。{カタログでみた}
ザールたちは今回は街の人だ。


ヘラクレスのすがたも最後まで見られなかった。


表彰のあとは、街の人がシンバルやフルート、タンバリンなどで騒ぎ、
戦士たちの凱旋を見送った。

紙ふぶきとお祝いのお菓子がくばられ、おひねりも少し出たとかいう。

街の人に騒がれながら歩いていく。

ブロームイン王とザールがおくる。
「今回はわたしも剣を振るった。だが倒したのは君たちだ」

シールドとダガーは来ていない。
「おめでとう」

「真の勇者だ」
「魔王を倒すなんて夢物語だ」

ゴールド・ウィン王、ラグナクロク国王が挨拶する。
戦士は歩きながら通り過ぎていく。
「エドアールよく頑張った」
「伯父上…」

アルバリシアと両親、エドアールの両親もいる。
「エドアール…おめでとう」
「ああ、アルバリシア。戦ってきた…」
母もいう。
「おめでとう、エドアール」
「母上…」
カロリーナ姫もいる。
「オーブリーさん」
「…ハハ、戦ってきました」

ラグナロク軍の隊員、三人もいる。
「エドアール、やったな…」
「勝利のお祝いだ」
「ああ、おまえら」

笛の音がきれいな音を奏でる。
エカルテ軍の楽隊が音楽を鳴らす。

エドガー、ホワイト、猫が挨拶する。
「ポール、アルセウスは軍をやめたが、よく頑張った」
「おめでとうございやす」

紙ふぶきが風に舞う。

「時空警察ありがとう」の声も上がる。
「ハハッ、めったにないけど、ほめられたぞ」ネオがいう。
「コインか…いいところだな」ジムがいう。

アランの父母もきていた。
カーターはコインは初めてで自分がどこにいるのかよくわかっていなかった。バルハルのどこかかとも思っていた。
誰も知っている人はいない。

「アリスタンダーとの戦争の勝利、本当におめでとう」
「平和がもどった」



4


街の人には出店とポンチが配られた。
イスやテーブルも適度に並んでいる。

戦士たちは街の人のアーチをくぐったあと、裏口から入って城のホールに集まった。

クラークが先にきて酒を用意して待っていた。
「ワインがいい奴とビールとジュースしかないからな」
赤白ロゼと白シャンパン、ジュースはスパークオレンジとポカリ、コーラだ。

「怪我を負っているが血管が破裂してもいい。酒をもらう」アルセウスが杖をつきながらいった。

アランがクラークにいう。
「アリスタンダーの血をバズオーンにわたしてきた。人造人間を開発する」
「なに!?おまえそれでいいのか?そんなことして」

ジュールは「ぼくは戦闘しなかったからジュースでいい。スパークオレンジ…」
といってコップにトポトポいれた。

ジュールがアルフレットと話している。
「Tokyoの妖気は…幼女の悪魔とかかもしれないよ。ふだんかわいい子供として生活して、突然吸血鬼みたいに腕にかじりついたり、あっさり親しい人を殺したりするんだ。それでなんでもないような顔をして次の日サイクリングに友達と出かけたりするんだよ」
アルフレットは無言で聴いている。
うなずいているのがコップの酒を飲んでいるのか。

立ち飲みだったが、つまみが少しだけテーブルにのっている。

「空酒に近いなあ」アルセウスが酔っていった。
ポールがいう。「麻酔とまざって死ぬぞ」

ジュールが話す。
「サイコロキャラメルを用意しとかなきゃ。あれをあげとくと次の日にはぺしゃんこにされているんだよ」
ジュールが親善偵察隊として出発する少し前だった。

カーターがアルフレットを呼んだ。
「アルフレット、私は明日の午後の便で地球に帰る。長旅だが」
「ああ、お別れだ!ワトソンによろしく。エジオン経由か?」
「帰路、パーカー氏の惑星によろうとおもっている」

ネオはつまみを喰いながら話している。
「あのジュールってひと、よく知らないけど偉いのか?」
ジムがいう。
「軍は上下関係が厳しいぞネオ」
「やっぱりそうか…。オレなんか新隊員なのに特防隊に選ばれたからな。10000も入ったし、ボロいな」
「メガロポリスに戻ったら辞令式かな」

クラークがアルセウスにいった。
「空酒でまずいなら、そばの出前でも取るか。寿司でもいいけど、この国、海ないからな。ザルかかけそばにするか」

酒を飲んで塩ぽいものを食べたくなったアランたちは喜んだ。




5


カーターはアルセウス、アランとエジオン行きの船にのっていた。
「悲しい思いがないと感動しない。今悲しくない。このクラシックレコードを聞いて」

カーターはクラシック盤のジャケットをみていた。
指揮者が指揮している。
寒くなる季節の喫茶店の窓ガラスが湯気でくもってまわりがぼやける。
そんな風にジャケットの周囲がぼやけて見えた。


エジオン行きの船にはレコード盤が壁に掛けられて飾られている。
レコードをかけてもいい。

ヘッドホンをして座席にもたれかかる。

「他の客も多いな。大晦日の通りみたいだ」アルセウスがいう。
船に乗って以降、カーターとほとんど会話はなくなった。
アルセウスとアランがやりとりして、カーターはエジオンまで他の客に埋もれたかのようだった。

「パーカーに帰るとメールしておこう」
「オレがやる」アランがいう。

カーターはその後、地球の仕事をはじめた。
ストレート端末で書類を処理し、地球の部下に電話をかけた。
「おい、アメリカに帰るから、書き送ることを実行してくれ」
「カーター社長、ガンで入院していたのでは?」
「完全ではないが何とか治った」


アランはアルセウスにいった。
「エジオンかしばらくぶりだ」




6


アルフレットがラグナクロクのコンビニビルに買い物に来ていた。
ビルの一階の一角がコンビニになっており、ビルの正面玄関と別のは入口にもなっている。

「ああ、支払いをしたら、アリスタンダーを討伐して得た賞金なんて消えてしまった。生涯のすべてをレベルアップにつぎ込む人生のはかなさ。金銭的生活には恵まれない」

カップのスープにお湯を入れてもらい、ソーセージパンを買って、レジでじぇんこをはらう。
すぐそこの広場のベンチに座って昼ごはんとして食べる。

もぐもぐパンをかじり、熱いスープをすする。
ラグナクロクはアルフレットにとって、なぜか和やかだ。
暑苦しい温度がなくどこか他人事に感じる土地だ。

「誰もガンをつけてくるやつがいないからかな…」

お昼時刻、公園にはだれも見当たらない。
日当たりが良い。

(人生の苦労をすべて金銭に変えると、パワーアップの分が少なくなる。人生一瞬先は闇なんだ。ああ、無敵になるまでレベルアップをしとかなきゃ)


食べ終えた、パンの袋とカップをゴミ入れに捨てると、アルフレットは周囲を見渡した。

0 件のコメント:

コメントを投稿