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2013年5月22日水曜日

グレートシティ到着


    ☁☁☁     
            
ィ到着
                        




1


船は発進した。
「まあ、あと少しでグレートシティだ…」オーブリーがいった。
「ビール飲む?買ってくる」アルフレットが立ち上がり買いにいった。
「自動販売機か…」エドアールがつかれたようにいった。
「たぶん有料」

アルフレットが買ってきた缶ビールを開けて三人は飲みだした。
「なにも考えたくないぞ―」オーブリーは半分眠るかのようにくつろいで、飲みたいときにビールを口に運ぶだけだった。
エドアールもアルフレットも押し黙って座っている。

なにもしていないのに、たいくつでなく、ジーンと心地よい。
酒で座って休んでいるだけで何も気にしなくていい状態だった。

そしてあくる日、グレートシティのプラッホームについた。

「ついたぞー」
2



柱時計がボーンボーンと鳴る。
畳の室内。
畳のほし草くささが鼻につく。
誰もいない。
死んでいるような静けさ。
ちゃぶ台、ラジオ、とってが鉄のタンス。

安心して落ち着く。
誰も襲ってこない、静けさ。
だが、長くいると苦しくなる。
刺激のなさで塩を抜いたように…

無人の柱時計。
留守の畳の部屋。

西洋の鐘の音も静けさを連想させる。
刺激が脳に入力されないと、それを補うかのように、
過去の記憶がよみがえる。

もしかすると西洋の埋葬の儀のとき、教会の鐘が沈黙を破るのは、
個人を追悼するため、亡くなった人の思い出をおこすためかもしれない。
体験した時は強烈すぎて逃げたかったような出来事。
それが薄れて、忘却でうすめられて、見事な映画のように懐かしい。


グレートシティにおりると、刺激が四方八方から押し寄せ、オーブリーもエドアールも目が回った。
ステーションにひととおり、いろんな店などがある。

「ゴールド・ウィンもはなやかだったっけ…」オーブリーは真上を見上げた。
「コラ!きょろきょろするな、この、おのぼりさん!」アルフレットも真夏の日光を浴びたように目が見えなくなった。

入国検査がある。

クラーク王とラグナクロク王の推薦状と身分証を提示した。
許可がおりた。

無人のコンピュータが審査しているようだった。あらかじめ事前にパスのOKを提出している。
詰め所に警備員や係の者がわずかに待機している。

赤外線でモバイルにデータを受信した。
【あらかじめ、インターネットで時空警察所を訪問する予約をとれ】とある。



3


「まず、チェックインだ」アルフレットがいった。
「わかっている」エドアールがいった。
ステーションから入国検査場をぬけると、大型の建物の中にいろんな施設や店舗が大型ショッピングモールのようにじかに続く。
要塞のようにいりくんでいる。

「すぐ近くのホテルでいい」
陸続きのホテルにはいった。

「一番安い部屋でいいんだ~」オーブリーがいった。
「どのくらい滞在するんだ?」エドアールもいった。
「4日でいいんだ。4日でことを終わらせろ。部屋に荷物を置いたら自由行動だ。武器を買い、情報をそれぞれ何がしかつかんで来い。チェックアウトのとき情報交換だ」アルフレットが興奮していった。
「OKいいよ」エドアールがいった。

オーブリーは職業柄、周囲の会話が集音機のように耳にはいる。

ロビーで観葉植物の陰になりよく見えない紳士が会話している。
あいてはやや中年の女性だ。
「インターネット企業なんて奪ってのっとればいいと思えるだろ」
「まあね。自分のものにしてしまえばいいのに、株とかみたいに金が転がってくる印刷物のページなんじゃないの?」
「ところが、自分でサイトを操縦できない。他人のサイトをのっとってもパイロットがいないんだ。作った人しか運転できないのさ」
「なるほどね。それじゃサイトを運転できるパイロットを育てるのが仕事の一つになるのね」
「さあ、そういうのもあるのかな」
そういってパイプをふかしている。
敵度にざわついている。


4


4人用ルームだった。
「ソファベットでいいんだー」オーブリーがいった。
よくみてみると、ツィンルーム二つをコネクトした部屋だった。

アルフレットたちは先にドアの外に出た。
オーブリーがでると、アルフレットが待っていた。
「おっ、じゃあいくか。エドアールがせっかくだからイイモノ食いたいっていうんだ」
「おいしいもの!?」
「いろり風の焼き肉の看板があった」エドアールがいう。
オーブリーがいった。「焼き肉かー」

ホテルの正面をでると陸続きでいろんな店がならぶ。
エスカレーターでひとつ上のフロアにのぼると、レストランなどがすぐにいくらでもある。
人出が多く、お出かけの格好をしているようにみえる。
あるいは仕事の用事のビジネスマンのような人にもみえる。

「ここでいい。どれも同じだ」
看板と正確に同じかわからなかったが入った。

中華風と近代風のまじったような焼き肉店だった。




5


次の日


エカルテ城

クラークがいった。
「ひさしぶりに通信してみるか。やつらもう着いたか?」
スフィンクスに命令すると、向こうの置きスマホに呼び出しをかけている。


グレートシティのホテル

エドアールがアルフレットの寝ぞうを見ていった。
「なんだ!?服を着たまま寝てんのか。おまけに靴も」
アルフレットはジーンズのポケットに手を突っ込んでけつを持ち上げて寝ている。
「ふご?」

オーブリーはもう朝食をすませ、出かける用意をしている。
帽子をポンポンはたいてかぶる。
「お寝坊さんか~ダメだろー」

置きスマホが鳴った。
BUUUUUUU!

「クラーク王だ」

スイッチを入れた。
≪おう、いまどこよ≫
「グレートシティにはついたけど…」
≪ふーん。ホテルか。なにかつかめたか≫
「いや、これから…」
≪そうか。なにかあるか?≫
「いや、別に」
≪ふーん。じゃあ、またな≫

オーブリーは探索にいった。

アルフレットが洗面し整えいった。
「エドアールいかないのか」
「まて、いや先に行け。俺はこの映画を見てからいく」
大型TVに映画が映っている。

【グレートシティの映画】
『検索エンジンが消えた日』
みんなリンクをたどって次のページにたどりついていく。
リンクを発見しないと次のページにいかない。
雑誌をコンビニで買ってくるといろんなホームページのULRがのっている。

アルフレットは先に出た。



6


オーブリーは歩きまわり、ガンショップを発見した。
「ここがよさそうだ」


ストロービーム銃
5000
銃。カラフルな虹色のビームで攻撃
ビックガン
13000
どでかい銃。普通に玉を発射する
レジスタンスガン
5000
二発しか玉がない。レジスタンスの隠し武器
ライトフレームランチャー
24000
カラフルな銃を連想させないデザイン。ノズルから火焔弾を撃つ
オーバーランス
19000
巨大すぎて扱うには特殊な力が必要な槍。サスペンダーがしこまれている
プロペライニングホーン
17000
プロペラのカッターが宙を舞い四方から斬りつける。機械槍
ヘルメットホワイトグラス
20000
補佐・通信、ゴーグルにデータが。ヘルメットによって頭部を保護


「銃かー。剣はもういいし、槍なんか今からって感じだ」
レジスタンスガンを買った。
「いざというときのために仕込んでおくか」
5000




7


アルフレットは時空警察の実店舗にはいった。
カウンターの受付でコインメタトリーからきたソルジャーだと名のった。
店長はジュールから別の人になっていた。
「おまちください」
受付のコンピュータをたたく。
「あす、午後200に時空警察のジュールをたずねてください」
プリントした地図をもらった。さらにアルフレットの端末にマップデータの切れ端が赤外線で移行された。
「ありがとう」
ついでなので店の中を見て回る。
目が回ってすぐ何も見えなくなった。
「腹八分目だ。もう頭にインプットされん!!」
いろんなア―トや飾り、音楽がいちどに頭を直撃し、人ごみの雑踏で感覚がマヒした。

「なんだ、このかごは、タオル…」
「お顔を洗面いたしますか?」
「顔?エステかなんかか!?」
アルフレットははじかれたように別のコーナーに向かった。
「お、新型武器が展示されているぞ」

オーバーランスが展示されているのが目についた。
いくつか型がある。
ジュールやオーブリーがみたのより、やや小ぶりだった。
「フム、いいかも知れん」
口もとに笑みを浮かべ、ながめた。

その日の夕方。

エドアールはまだ映画を見ていて外に出なかった。

【グレートシティの映画】

「若!こういうときはいかがなされます!?」
盤面に軍事か政治の何やらかを書いたものを差し向かいではさみ、二人で思案している。
「余なら、ここをもってくる。これなら同時にできる。両方兼ねるではないか爺い」
「なるほど」

※※※※

「ずっとホテルにいたのか…」
アルフレットがいった。
「しまった、こんな時間だ。明日探る」
「君用の武器を買ってきた、オーバーランスだ」
「なに!?なぜオレの武器を」
「そのかわりステンレスソードを貸せ」
オーブリーも戻ってきた。

つつみをあけると巨大な槍だ。
「いいな。だが高いだろう」
「気にするな。なつかしいな、地球にいたときステンレスソードでインスマスと対決したけどね」

共通費残高 19300コイン=1ジャム9300コイン
オーブリーのビックガンー5000


8


3日目


それぞれ街を探索に出た。

エドアールがホテルを出てみわたすと要塞のような建物にずらっと店が並ぶ。観葉植物店にいろいろな植物やサボテンが並び、きれいな鉢、ハイドロカルチャーのカラフルな石ころがつまったビンの植物。ハンキングバスケット。ガーデニンググッズがならび、パキラやらベゴニアやら有名なもの、みたこともない草花が並んでいた。
プランターの水気のせいなのか、涼しく、電波でもでているのかのようにひんやりした落ち着いた匂いがあたりを包んでいた。
土のにおいがする安心感かもしれなかった。
女性の店員と中年の女性が話していた。
「ええ、なんでもバイオテクノロジーで新型のデザインの観葉植物をアートするのが今後の流行らしいですよ」
「あら、新しい花を?絵を描くみたいに」
「本当にそうらしいです」
「でも、雑草みたいに種がとんで繁殖しないのかしら?生態系を壊すとか、ホラ…」
「繁殖力をわざと弱めているらしいですよ。勉強会できいてきただけですけど」

エドアールは思った。
(なるほど…)

香水販売店から香水の香いが漏れ出している。
食料品の匂いと混ざり、デパート地下の熱帯気流のような匂いが流れる。
だが、風通しが良いので、風向きが変わると新鮮な空気が肺を満たす。

ブティックやら、子供用おもちゃまでいろいろある。

イヤリングを売っている店があった。
(アルバリシアにおみやげを買うか…共通資金は使えない。ポケットマネーで…)
「名もない無名のデザイナーが設計してますから保障はできませんよ。自分でいいと思うのを選んで買ってください」
(無名のデザイナー!?)
ルアーのようなフライのようなトンボの翅のようなデザインのイヤリングを買った。羽が何枚も重なっている感じだ。
「これにします…」
「まいど…」



エドアールはコンビニをみつけ、ラグナクロクのアルバシリアに輸送してもらった。



9


オーブリーは時空警察にかけあっていた。
若手警察官のジムだ。

「ええ、アリスタンダーですか。データバンクによると惑星バルハルに侵入している形跡があると、そのくらいですね」
「はあ、それしかつかめていないのですか」
「このくらいですね」

同じころ別の部屋でアルフレットはジュールと面会していた。
「そうだよ。アリスタンダーを追うならバルハルが間違いない」
「根拠は?」
「自分でいって確かめた方がいいよ」
「…」
「バルハルにはウェラストーンという貴金属の岩石が大量にあるという」
「ウェラストーン?」
「強力な武器の原料金属になるので高値で売れる。もし発見したら高く買うよ。うちの国では」
「…ミスリル(トールキンの指輪物語に登場する)とかオリハルコン(プラトンによるとアトランティス帝国で使用されていたという)みたいな
…」
「その現代版だよ」
「ああ」
「僕もあたらしい必殺技の開発に余念がない。打倒アリスタンダーだよ」

エドアールが買ったイヤリングの小粒(羽の部分は違う)にはウェラストーンが使用されていた。ただし純度は低い。


夜。


ホテルの自分たちの部屋。
「バルハルとしかわからなかった」オーブリーがいった。
「あそこか。コインと近い」

アルフレットが入ってきた。
「買ってきた」
そういってシェイクとハンバーガーの紙袋をわたした」
「ああ、」
「ありがとう」
「バルハルに向けていくしかないらしい」アルフレットが脱力するようにいった。
「やはり、そっちもか」

明日、バルハル行きの船に乗ることになった。
エアポートはバルハルに一か所だけある。
ギズモンド帝国の下方…南という表現は間違いだろう。
東西南北は地球の基準だ。
コインから来た時と同じくらいかかる。
カーターのいるバルハルに…



10



朝、オーブリーとエドアールがホテルのTVでゲームをやっていた。
「おっ、動かされたぞ」

アルフレットがおきてきてふたりとTVをみた。
「ビデオゲーム…?」
「そうさ、ネットで奥につながってるんだ」
エドアールがいった。
「奥?」
「みよろ、ブロックが積み重なっている」
おもちゃのトイブロックがカラフルだけどありがちにくみ立っている。
「それで」
「このサイキネイス・グローブでいじるんだ」
オーブリーがボクサーのようなグローブをはめている。コードがTVに接続している。
「あれはコンピュータ画像のブロックじゃないんだ」
現実どこかのトイ施設にブロックがガラスケースの中にある。ロボットアームがリモコン操作で動かしている。
「グローブでさわれる」
その通り動く。そのビデオカメラ画像を撮影してネットで再度閲覧している。
「ほかのユーザーも勝手にいじるんだ。コラ、こわすな」
みてみると別のロボットのアームとハンドがブロックを勝手に壊している。
「あっちも映像を違う角度から見ている」
「…最初からコンピュータグラフックでいいとおもうけどね」
アルフレットが眠たそうにいった。
「それだと、ただのビデオゲームだぞ」

三人はグレートシティを出発した。
そして惑星バルハルに到着した。

共通資金残高  もろもろの経費、宿泊費、ロケット旅行費
を清算すると

10150 チン!

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