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2012年10月15日月曜日

サンダーバードとザール王子



ンダバーザール王







1






クラークは工事に人でが足りないと報告を受けた。
エアポートの建築、ニュートラルブリッジの建築、宇宙戦艦の制作とエカルテだけ重なっている。
「うーん。ジョブチェンジしてもらってまで、工事人を増やすと建設が終わったとき、大量に人があまるよな。よその国でこれる建設会社募集するか。よその国まで仕事終わったときの心配しなくていいよな。国4つあるからリスク分散されるし」

クラークは職業紹介センターや求人サイト、求人誌、スペースネット広告に広告をだして工事の人出を集めた。

「ザールの親父か…ブロ-ムインはニュートラルの建築に4クラウン半だしてるしな…オートクチュール買っておつりがくる額だな」

「広告費と工事人の給料に多額の金消えるしな。エカルテの特産の仔羊肉(ラム)とオレンジ、ブドウをセールスするか…ここで消費しきれない分ならいいけど、あえて増産するとまたコストかかるな」
クラークは会議をして話し合ったら、きっちり買い取ってくれるなら、増産は比較的容易に可能だという。

「よその国で買い取る保証ないしな」
クラークは増産してもらうことにした。コインメタトリーで売れなくても、エアポートが完成したとき、船が入ってきて売れると考えた。


ブロームイン王はザールが帰還するとエカルテの話を聞いた。
「なら、ザフラはエカルテにのこったというのか……!?」
「ええ、エカルテの城にいます」
「クラークか…」

ブロームイン王はエカルテのポータルとクラークのSNSをみた。
「…………」
「彼をどうおもいますか?」
「民から、はったりが成功しなくて損害が出たらどうするのかと非難の声も出ている……が、宇宙人からの防衛に成功しているのが高評価だ。ブロームインはサンダーバードがいるため、外部からの侵略者がこないな。だが、その雷鳥に喰われる民がいる。交通事故のように考えるしかないという習わしだが…」
「わたしがとらえにいくという公約をはたしましょう」
「………」
「殺さなくても、知能があれば手なずけることができましょう。人肉を喰らわず牛や羊を喰うようにさせます。竜神は人語を話しましたので雷鳥も同じに知能があるとおもえますが」
「雷鳥が人と会話したという話は聞いたことがないがな…」






2





エカルテ・コインでは雪が降った。
「四季があるんだな」クラークはエドガーにいった。
「大地となる円盤を建造したときそう設定した。人工の四季だ。他の国では四季は存在しない」

さらに次の日、かなり積もっていた。
クラークは自分で3日休暇とした。

マフラーをして大型書店に歩いて行き、ロケットの操縦の本を買った。
そのあとコーヒーショップに入った。
ザフラと待ち合わせしていた。
コーヒーとイチゴケーキを注文した。
そのあと城に二人で帰った。
七面鳥を焼いて食べたが、雷鳥をとらえるという、ザールのページを思い出した。


そのころブロームイン


ザール王子は神剣と兜を装備し、雷鳥の巣があるという山に登っていた。
霧が出るあたり、見晴らしのいい崖があった。

見るとサンダーバードが翼をちじめてかがんでいる。
上から見下ろすような高圧的な目は人間的な精神からではなく、野生の獣の本能から来るまなざしだと、そのときザールは気づいた。

「なぜか優しいようにも、高圧的にも、悲しいようにも見える目だな」
そういうなり、神剣をさやから抜いて天高くかかげた。

そのとたん、雷が剣に落雷した。

ザアアアアアアンンン!!!

「うあああああ!?
電流が右手に流れるのを感じた。
そのとき神兜が光った。
稲妻をあたりに散らせた。
幸い心臓に電流が流れなかったものの右手が電流にやられた。

「クッ…さすがにガオンのようにいかなさそうだな」
見ると神剣は炎の剣になって燃えさかっている。

「おおう!
ザールは斬りかかった。
サンダーバードは動かない。
確実にダメージはあった。
サンダーバードの羽が舞う。山に特有の風が吹いて金色の羽が舞ったが電流の火花がちっている。

砂埃が怒り、すごい音と金切り声のような鳥の鳴き声が聞こえ、ザールは目をつぶった。次に目を開けると雷鳥は空を舞っている。

ザールは炎の剣を構えた。
敵は口を開くと雷と竜巻のまじった、嵐をはいた。
ガオオオオオオン
「グッ!」
兜が防いでいるのに気づいたが、熱くなっている。
ながく作動するとオーバーヒートして兜が壊れる。そう直感した。
ザールはジャンプして斬りつけた。
また羽が舞う。






3






クラークは王の事務室でいねむりをしていた。
とゴールド・ウィン王からインスタントメッセージが届いた。

ボカン!

ハンマーでアイコンをたたいて割ると、メッセージが壁に表示された。
≪クラーク殿、地獄の扉を久しぶりに開けて、中を点検したところ、別の扉がありそこに錠をさしこむと別世界があった。貴殿も付き合わないか。小世界に面白いものがある由≫

(小世界…楽園か…)
返信メッセージをおくった。
「楽園にあられるか」
すぐ帰ってきた。
ハンマーでカチンとわると、

≪楽園というには狭いが、庭園のような世界である。来てみればわかる≫

クラークは音速カーを走らせゴールド・ウィンとの国境に向かった。
(ニュートラル・ブリッジはまだ完成しておらず使えなかった)
遠回りだが建築現場を視察した。
「ホイ!差し入れのジュースとビールな。俺にかみつくと重役扱いにされるから気をつけてな。パートジョブだけど国王なんでな、その辺理解求めて悪いな。工事人やめて軍人のトップになるかや。ガオンけ散らせるがな」
みんなまじめに仕事していてクラークはバツが悪かった。



カーラジオをつけて走っていると、アナウンスがとぎれ、エカルテの特産品のラム(仔羊)肉とぶどう、オレンジの広告が流れた。モニターにスーパーの注文チラシがうつっている。タッチするとランダムメモエリアに保存された。
「売れるか?ほかの国でも食う分だけモノ食べれるから押し売りすると食生活変えること強要することになるんだな」

国境についたがいらいらさせられた。
動くエスカレータの床が止まってるので自力で走った。

ゴールド・ウィンにつくと、迎えの音速車がきていた。

国王は「これです」
と巨大な扉を開いた。
「おお」
「奥に行くと危ない。上から燃えたレンガが落下してくる」
すぐ横に美しい扉があった。大きさは普通のドアより小柄だ。
はいると小世界だった。
庭園のように計算されて樹木が生えているという感じだ。
お菓子の家のようなハウスがある。
中に老人が三人いる。囲碁を打っている。
そして、エコーのかかったような声でいった。
「あなた方は王だ。人間の裏切り、背信に何度も苦しむ。愛情をあだで返される。すぐ相手を怒らせる人は我慢のできない人」

「人間はすぐ攻撃し返す。何もしてないのに腹を立てる。それをみてあきらめないことだ。金と同じで我慢しただけ貯金ができると思いなさい」

「信頼しあうことの難しさ。都合が悪くなると手のひらを反す。程度の差こそあれ誰でもそうだ。信頼を買いたければ払いなさい。やりとりを大事にしなさい。理解と納得を大事に折れることを覚えなさい」

そういうと、黄金でできた楯をもってきた。光る赤い模様も付いている。
「大神ジォヴェの楯」だ。







4





ザールの兜はもう作動しなかった。
雷の直撃を受ける。

ザアアアアンンン!

「うおおお」
ザールは意識を失いそうになりながら燃える神剣をふる。

とどめとばかりいかずちが落ちる。

ドアアアンンンンン!!!

サンダーバードは巨大な翼を丸め、うずくまって、ザールを見下ろした。


≪もうよいでしょう。よくここまで、あたくしの雷に耐えました。ザール王子あなたは強い英雄です。さあ、もうお帰りなさい。あなたの妻もあなたのもとへと願ってます≫

「引き分けというより、勝てる相手でなかったというわけか………」

≪あなたは強いが人間です。あなたに私の羽をあげましょう。何か大切なとき、あなたのもとに舞い降りましょう≫
そういうと、サンダーバードは光り、そして消えた。

ザールは記憶がなかったが、気がつくと山のふもとにたどりついていた。







5







ザールはブロームイン城の庭で剣の鍛錬をしていた。
(最初は神剣から冷気が出た…その次に炎…おそらく、兜が防いだ攻撃が次に剣にでる…)

剣技の型をとってふりまわす。

(と、すると、次はいなづまが神剣からでる)

型の一行を素早い動きでこなした。


(雷鳥で不覚を取ったが…あの羽は兜にささっていた。もう一度挑みたい…)

クラークからインスタントメールが届いた。
神剣でアイコンのクッションのようなサイコロをたたくと、
≪サンダーバーどうなった?神剣の切れ味ためしたいなら、手頃なあいているぞ。相手にとって不足ないな。地獄の炎で死ねない巨人だ≫

「…………」


ゴールド・ウィン王はいった。「扉の中で闘ってもらう。万一逃げ出したら危険だ」
クラークがいった。ジォヴェの楯をもってホーリーランスをもってる。せなかにライフランスをかついで。「なんか、かわいそうだな。中のモンスター。やかれて閉じ込められて恐ろしいぞ。燃え盛るレンガふってきて……」

王はいった。
「そのくらいで反省するくらいなら初めから閉じ込められたりしない。精々無に帰されてるだろう。普通の極悪人などは。体が頑丈なうえ神の判決をうけつけない奴らだ。はっきりいって、神々など虫けらのように思っている連中なのだ。それほど体力とパワーに自信がある」

ザールがいった。
「おもしろい。雷鳥はしくじったが、確かに相手にとって不足なし…かつての聖戦で神々に挑んだ悪魔騎士だろう」

王が扉を開いた。

とたん、

目が血走り、必死になった狂人の巨人が走りでた。
ザールも、クラークも止める隙がなかった。

死に物狂いで走りでてゴールド・ウィンの街で暴れだした。