二層式洗濯機置き場の雑談
昭和40年代。
しなびたコインランドリー。
夜の3時半にやってきた二人組。
一人は推定年齢40歳。もう一人は推定20歳。
「おっ、和風人形、福助になってるよ」
「ホントだ。このほうがいいですよ」
「前の人形が悪いわけじゃないけどな。このほうがここにあうよな」
「いやー、ここまで素直に頭さげられちゃうと、
素直にお金入れちゃうなぁ」
「絶対ここのオーナーの策略だよ」
「ここだけの話だけどな、『ラジオ恐怖小説』の
大先輩の『世にも奇妙な物語』が何十年か後に
『奇妙な出来事』として放送されるんだよ。
今日TV局行ってきたら、みんなで相談してた」
「いや、何の営業なんですか」
「ん、あとで教える」
「でも絶対に『見たら最後』はみるなよマジで怖いからな。
あんなのよく作って恐ろしくないなって尊敬しちゃうよ」
「どんな話なんですか」
「ん、怖い。本当はもう一回見たいんだけど怖くて一人じゃ見れない。
お前こんどつきあえ」
「おれって、お酒は微妙ですけど、
たばこはちゃんと二十歳すぎてからなんですよ」
「ふーん、今何歳 ?」
「いや、今二十歳なんですけどね」
「いや、田中角栄とか豊臣秀吉に似てるよな」
オチなし