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2014年12月22日月曜日

アンクルトム全集 2 カナダ




「さよ・なら、

アナタにあえて感謝して・マス

カナダにイテ・モ

わたしのことワスレナイデ

アリガト・親切なミズシラズノ・アナタ…」

 

アンクル・トム 「脳溢血にかかった私の妻の最後に聞いた言葉だった…

それから、一年後…カナダにいた私に連絡があった。

病院で妻が亡くなったと…」


(2011・11・13 脱稿)
   


次の全集 ■







アンクルトム全集 1 ホームパーティ


「愉快なマーティ一家」などみると、
アメリカのホームパーティはこんな感じだ。

 



トムおじさん 「どうしたジム具合でも悪いのか?」

ジム 「ああ…トムおじさん。ワインを半分飲んだらめまいがして」

トムおじさん 「君は飲む前から酔ってる。
だから少しの酒でオーバードーズするのだ。
悪いことはいわない。水を飲んで酔いなさい。
ジャパニーズ”養老の滝”」

ジム 「ああ、ありがとう、おじさん。そうするよ。そういや例の件だけど…」

トムおじさん 「君がじぶんで決めなさい…人に決めてもらうと、自分で決定ができない人間になる…

ただ、わたしなら保守的にいく。それじゃ、君もパーティを楽しんで…」

ジム 「ああ、ありがとう。おじさん」






つぎの全集 


World planet huger ワールド・プラネット・ハンガー 9







9


World planet huger
ワールド・プラネット・ハンガー

閉ざされた世界










32 スメルジャコフの魔術


休憩の時間、お茶を飲んで雑談していた。
「あはは」
マチルダもくつろいで笑っている。
一瞬蜃気楼のように温度が下がった。
誰かに見られている!

そう何名かが直感した。
スメルジャコフがなんでもないように室内に立っていた。
「てめえ、どこからはいった!?誰だ」
アレクセイは声を荒げた。

「まあ、落ちついて。マチルダ女王様にお花を…」
そういうとスメルジャコフはレンゲの花をマチルダにさしだしていた…
「あ、あの、あなたは?わたし…」
口をパクパクさせるマチルダ。
驚いているスピカ。
腰が浮いてイスから立ち上がろうとするホビン。
アレクセイは銃が別の部屋にあるのを考えていた。




そして、有無を言わせない。しかし物静かな態度であたりを静止させたまま、スメルジャコフはアレクセイにむきなおった。
「はじめまして、アレクセイ。あり得ない世界というのは、現象が著しく珍しいからおこる。シュミレーションしてみたまえ、めったに起きない計算とその結果は非常に稀有だ。だけどめずらしいだけで実在している。不可能のようで不可能ではない。気体を仕切りを入れたケースにいれて、複雑に仕切りを取り外していく…組み合わせの妙理によっては見たことのない世界で、見たことのない常識の世界に暮らせるぜ」
「そんなのマシンのカラクリを組むのと同じことだぜ。ワカサギ釣りでもスケートでも、スノボードでもな」
「フフフ…そうか、しばらく厄介になる」

スメルジャコフは催眠術でいつのまにかアレクセイたちの城で働いている…



33 スパイ


アイアンヘルムはスメルジャコフがどんな情報を運んでくるか考えていた。
「あいつは、オレに好かれようとは一切しない。…だが、役に立とうとはする…」
そういう性質の男だと考える。
「オレにも何を考えているのかわからない男だが…オレの中にない何かをつかんでくる。そういうやつだ…」
あとはどうする?
自分の藩を強めるには。
LEDで賢く省エネってか?


                                                          
「エソプレッソはいかがでしょうか。香りが高く濃厚な品質でして」
スメルジャコフがコーヒーを配った。
「スメルジャコフも手伝って」
(ちっ、スパイとはいえ、本当にこっちの家業を手伝うのか。スパイの仕事は…偵察先の仕事を一生懸命こなすことなのか…それとも…)



34 新入り



一晩おいてスメルジャコフは考えた。
(オークションのように、誰かがやりたがる仕事は人が群がる。反対には、誰かが嫌がる仕事はみんな引き潮のように誰もやりたがらなくなる。自分が嫌な仕事を部下に押し付ける上司は人望の何分の一かを失うだろう。上司であるという説得力に欠けるのだ。王のように、あるいは王ほどでもないが、それに近いものをめざしているものは人の嫌がる仕事をときとして引き受けなくては…
つまりは、いざとなったら自分が引き受けても引く気はない。そのくらいの気概がないと上は務まらない!)

スメルジャコフはやりたくない仕事を受けてもしり込みしないことに決めた。
そのうち、人気の仕事になり、仕事を奪い合う。
うまくいっている職場はみんなこうだ。
仕事から逃げている上司は部下もみんなやりたがらなくなる。

(だがな!アレクセイ。ぼくはスパイじゃない。いや違う。きみの上司や監督じゃないぞ。スパイなんだ!)

新しく女の子が職場に入ってきた。
ハーモット伯爵が採用したという。
小柄に近い女の子だった。

「やっぱ今の時代、就職じゃん。職業についてないと」

スメルジャコフは思った。
(ちっ、また余計な。オレが新入りで来たばかりなのに。催眠術で古株のようにふるまっているが…)

スピカはいった。
「よろしく。名前は?」
マチルダはいった。
「はじめまして。マチルダです。遠くから?」

アレクセイは思った。
(また女か。どうも男の人数が消極的なような。あのアーベルって野郎みたいにパワフルになりたい気がしてくる)



                                  
35 コメット



コメットという娘はよく働いた。
「型」として。新入りなのによく働くが、口がよく動く。というほどでもない。でしゃばるかというと、でしゃばるに遠い。「動き」が各方面に散って結果、どこも動くが動き過ぎない娘という感じになっていた。

「ふう、働いたけど疲れる…」
まんべんなく動くので仕事が終わった後は疲れるらしい。

休憩の時間はスピカと菓子を喰っている。

「…いいか、アレクセイ。君をこのシャーペンのなかに閉じ込めることだってできるんだぜ」
登場して視聴率をコメットにうばわれたかのような、スメルジャコフだったが、アレクセイに仕事中絡んできた。
「いいから、かたづけろよ」
(…以外とつまらないやつらだな。エスプリにかけるからつまらなくなるんだ)

彼はいった。
「いいか、エスプリだぜ。それがないから君みたいにつまらなくなる」
「なんだよ、エスプリって」
「…辞書で調べろよ。機智とか才気のことさ」
「…ふうん。悪くないな。研究しておけよ」

昼休みの後、アレクセイは城の大図書室で1時間さぼった。
「数理工学!?これだ!」

数理的な工学。ソフトのプログラムなんかにも使えるだろう。アレクセイが考えていたのと近いようだ。

「乱数の質。組み合わせの最適化、シュミレーション。アルゴリズム。難しいけど開発できたら力になる」
拾い読みしてみると何となくわかるような、理解不能のような。
「簡単だったら、アイデアか…簡単にまねされる。理解困難なものだと工学として独自を維持できるのかもしれないな」

これだ…!シュミレートって組み合わせって、オレも同じことを。なるほど全部計算しないで有効なものだけを予測するか。有限の計算は無限か…。無限ってことは永遠に飽きないゲームがつくれそうだけど…おもしろいゲームはその組み合わせの偏った一割とかなんだ。全部実行しても似たりよったりが繰り返される…。だから、ナイスゲームを予測する工学か。











2014年12月20日土曜日

ポールの勇気















1



ブロンドの髪のジュール、銀髪のヴィクター、黒髪のテモテ。

ジュール 「え?『ドラえもん』の中に入ってるのぼくで、動かしているって?どこでやっているんだい、そんなの。きいたことないよ」

テモテ 「ええ?いや…」

ジュール 「でも、ぼくはレンジャーの試験のとき、正体不明の蚊にさされて、普通だったら高熱を発症する熱病にかかったけど、綱わたりをあきらめなかったよ」

テモテ 「ああ、あの横に張った綱にしがみついてわたるやつだろ」

ヴィクター 「そこでギブアップしたやつもいたんだよな」



2




ゴールドウィン軍の機動隊の約二名がケンカを始めた。
ネオ 「あああっ、はじまった。誰か止めろ!」
ヨナタン 「オレ、ただのバイトだし」
ポール 「もー、なにやってんの。隊長よんで来い」

二人は乱闘を始めて大げんかになった。
ネオ 「機動隊がケンカしてどうする。違う警察に逮捕されるぞ」

まわりの兵士もとめようとして、簡単にいかない。
ドヤドヤさわぎになり、収拾がつかなかった。

そのとき、入口からザール王子がはいってきた。
「やめろ!なにをやっている。市民の生活を守る機動隊がケンカをするな!」
そういってわってはいった。
騒動はおさまった…




3



かつてさわがせた、暗黒魔獣王エンデパンダンスが狂ライオンを生み落としさっていった。
コインのブロームインに落ちていったが、それをアリスシスターは飲み込もうと襲いかかった。
「乗り物が欲しかった…てなづけてみせよう」

そう簡単に狂ライオンは従わない。
アリスシスターは四本の腕がのびている。
そして二本の足をライオンに突き刺して同化した。
「しずまれ、しずまれ」
「ヴぅううううう」

ギリシア神話のケンタウロスのような姿になってアリスシスターは進化した。

「暗黒魔獣を乗り物に…」

そして、ゴールドウィン目指して走った。



4


ポールは考えた。
筋肉が恐怖を吸収してくれるのは確かだ。
プレッシャーが豪風のようにふきつけるとき。
ただ、普段、筋肉のせいで緊張感が足りず脳が半分寝そうになることがある。

あと、体で恐怖を吸収してくれる器官。
脳、心臓、キンタマ…
内臓も実はそうなのだろうけど。
押し寄せる恐怖に対抗できる備蓄があとどのくらいか、だいたいわかる。
恐怖が足りなすぎると神経が機能しないで体が働かなさすぎる。
敵度なストレスが必須だ。

体の一部にストレスが偏るとそこだけ害する。
だから全体に配るように心掛ける。

でも、つったっているときは平気なのに食事のときは答えるかも。
ゴールドウィンの兵士がガハハと騒いで食っているとき、ポールは
「何となく気になるなあ…」
と食いにくさを感じる。
実際脳が圧迫を感じている証拠だろう。



5


ゴールドウィンの兵士はカード麻雀をしたり、お香をたいたりしている。
ヨナタンがいった。
「これだけホテルに兵士が集まっていればマジックギャルも安全だし。街にいって飲みにいきませんか」

半知りだった三人はゴールドウィンの国の繁華街にでた。
夜の繁華街、金を払えば温かそうだし、夜の道は適度に酔いをさます寒さだ。
歩道のわきにはきれいな店が並び、道路ではクラクションが鳴る。
一件入って飲んで外に出て三人で歩いていた。
「結構飲んだし」
「これ以上飲むとおえってなるから、もう帰って寝よう」ポールがいった。
そのとき、
ドン
ぶつかって猛烈ダッシュで走る男性。
「あっ、なんだ?!」
「おい、やめとけ、さされるぞ」ネオがとめた。
「そうはいっても、警察に近い軍でしょ、おれたち」ポールはダッシュでおいかけた。

【ジャポネロ】

ジャポネロを先頭に、ポール、ヨナタン、ネオとダッシュして追いかけた。
角を曲がるとジャポネロはもういない。
「あっ、これは」
その代り、血を吸われてミイラになっている死体が二体転がっている。

ゴールドウィンでは警戒体制を改めた。
ポールにクラークから電話がかかってきた。
「来るぞ…気を抜くな」




6



はげしい落雷のような音を立てて、ズドーンとアリスシスターがおりてきた。
「きたぞ、機動隊かかれ!!」


ゴルデンシールドをかまえた兵士がゴールドエクスカリバーを片手でふるう。
ひとつ目のライオンが吠える。
爪が光る。
ゴルデンシールドが爪あとでえぐれた。
だが、鍛えられた機動隊の剣!
狂ライオンの足に痛烈な一撃!

アリスシスターはバーラルレディヘッドをよびだした。
「このうるさい兵士どもを、なんとかせよ」

頭部だけのバーラルレディヘッドは女性の姿のバーラルレディにくらべ、威圧感はないが、おちょくるような、ユーモアにしては笑えない特徴をもっている。

体あたりでかく乱してくる。
機動隊は剣をふるうがうまく宙に飛んで逃げる。
「くそっ」

【エントロピーの崩壊】
パァン!
兵士はアパシー(無気力)に襲われた。

ヨナタンがライムウィンドウの魔法を唱える。
ライムのような球の風がふきつける。

アリスシスターに345ダメージ。

マジックギャルは「パワーアップしなくては」と思った。

才能本位で魔法を会得したのがマジックギャルだ。努力して修行して魔法を覚えたのがジルだろう。才能より後天的な努力の方が大きい。そして、剣があるから魔法はあまりいい、のがオーブリーだろう。
才能本位の能力は自分でコントロールしかねるケースが多い。意識して覚えた能力はコントロールがきくが、意識して抑えられないのが才能による力かもしれない。

アリスシスターは短い時間魔法が使えなくなっていた。
だが、バーラルヘッドをもう一体呼びよせてきた。

ネオマッハ
素早いカマイタチのようなので一瞬にしてスパッと切れる。
バーラルヘッドはまっぷたつになった。
「ぐぬ…」
アリスシスターは歯ぎしりする。

マジックギャルはライトニングボルトを唱えた。
「はあああーあ」
グルグルグルグルガガガアアアア

ゆっくりした電流!
ひとつ目ライオンは動きがスローになった。
電流が流れるとき時間がスローにならないか!?

そこを機動隊の剣が叩く!
784
火花が散る。
678

ポールの電撃剣!
一瞬まぶしく光り、次にはもう振り下ろされていた。
ガガガアアアン
1678
アリスシスターは体力の補給に血を吸ってきた。
【生き血を吸う】
ポールはすばやくかわした。

ネオは「制服で戦闘か。鎧は似合わないぞ」
そういって身軽にとび跳ねた。
【メガトンパンチ】
アリスシスターの四本の腕の一本が筋肉質に変化する
「ネオバリア」
片手で御坊さんが数珠をいじるときの手をつくるとバリアがシャボンのようにつつんだ。

パンチはバリアにぶつかり防がれた。
「少し卑怯だぞ」
至近距離のネオダイナマイト。
爆発の熱がアリスシスターを焼く。

ザール王子は自分の出番は今ではないと後ろで剣を杖にして立っている。

バーラルヘッドの怪奇光線。
目からビームが襲う。
「きゃあああ」
マジックギャルと機動隊の数名を破壊する。


ザール王子がポールに剣を渡した。
「これを使ってみろ。我が国の火で鍛えられた最新のソードだ」
【スピードソード】
「もしよかったら、あとで新品を買え」

「この剣!?」
レイピアより大きいが、長さも太さも重さも控えめでしまっている。
頑丈な剣だった。
機械剣のようなメカはないが、機能的なデザインでスピードをもってふるえる。

(ブロームインの王子か…)
ポールはもう一度電撃剣をつかってみた。

カッ
3451
ズドン
「おおっ、とうとうオレにもこんな大ダメージが可能に!」
飛躍的に強くなった。

ヨナタンはリバーキャップアクスをふるった。
【樵の斧】
ドガッ
ライオンから血が噴き出す。
だが、猛爪でヨナタンはクラッシュする。
「がっ」

「くうう、おのれえ」
まさかの劣勢。
【石になれ】
【石化離脱】
「あれ、石にならないぞ」
ネオはすりぬけるとネオマッハを喰らわせる。

「くううううう、こんな敵くらいでてこずるとは、いったん退却するか」
アリスシスターは地震とともに消えた。










2014年12月19日金曜日

次回時空小説予告:「アガメムノン」

『アガメムノン もしくはトロイア戦争』(トロイア戦争の奇跡)


として、ヘレナの続編を書くつもりだった。

ヘレネ王妃奪還するための戦争。

ヘレネの夫メネラオス王と彼の兄アガメムノンを総大将とした、

ギリシア連合軍とトロイアの戦争対決。

なんでも、ホメロスの時代には資料があったが、今では散逸してしまい、

ホメロスの「イリアス」はのこされているが、あとは話の骨子がのこるだけとか。

しかし、それを復元して「イリアス」に対抗するより、

時空小説に取り込もうと考えた。

「封神演技」や「バカガットギーター」のような戦争大叙事詩。

なぞの美女がグレートシティにやってくる。

アルアロリアと互角かと思われる美貌。

なんと、ネクロポリスから飛来した魔族だった。

ネクロポリスの魔族の総大将アガメムノンはいかりにまかせ

千籍の軍艦をくりだしてくる。

時空警察とネクロポリスの魔族との大戦争!





2014年12月17日水曜日

World planet huger ワールド・プラネット・ハンガー 8










 8


World planet huger
ワールド・プラネット・ハンガー

閉ざされた世界










26 仕事の疲労



午後4時すぎ、アレクセイもホビンもスピカも深く疲労してきた。
風邪を引いたときのようにけだるくなり、暖房のあたたかさでとろんとなりそうな。
パソコンをたたいているホビンもおとろえてきている。
スピカも枚数の多い書類の仕事をしているがスピードがとろくなっている。

アレクセイは腕時計を見た。
「ああ、もうこんな時間か。もうやめにするか」
マチルダがはいってきた。
「なんだよ、そっちももう終わりか」
「ええ、おしまいにしましょう」

スピカがいった。
「あー帰ろう」
「お風呂で温まりたいですね」
「ちゃんとパソコンの電源切れよ。照明の元栓も」



アレクセイはストリートリッチを少しずつ水に溶かしながら飲んだ。
仕事の後の愉しみとしてとっておいてある。
ゆったりとくつろぐ。
働いた分、きもちいいのがつづく。


アーベルがセバスチャンとワインを飲んでいた。
串にさした肉をくいながら。
「こう…胃がせりあがるんだ。欲張って酒を飲もうとすると。働きの分与えられる。酒もなければ楽しみはつけだが」
この世界では、それは多い。だが、今のように楽しみもあるのが事実だ。
「足手まといなんかそうだ。自分が無理なら罪にならない。だが、自分に余裕があればどうだ。自分の体で分かる。犯罪者なんか国の教育が悪かったといわれたらどうする?現実そんなのが無理なら仕方ないがこっちの努力が足りなければこっちの罪になる」
セバスチャンがいった。
「楽をしようと首をきれば、胃がせり上がる?」
「そのとおりだ。支えきれないなら仕方ないがな」



27 余暇


アレクセイは街に出かけ、碁を打った。
「これなんだ。勝ち負けにこだわる碁じゃない。過ごしやすく打つ!」

勝敗にこだわると疲れる。
それより時間をつぶすのに居心地のいい碁。
勝とうとしないが負けない碁に打つ。

「でも、おちょくられているみたいに感じるぜ」
対戦相手のオヤジはそういいながら煙草の煙を吐く。
「まあ、まあ」

不機嫌な碁や力んで神経痛になるゲームとの反対だ。
なんとなくただよう。


さらに、アレクセイたちにゴルフ場から無料クーポンが来た。
「このご時世だから、ゴルフ場っていっても客足が少ないんだとよ」
アレクセイ、マチルダ、スピカは休日に出かけた。

「ホールなんて無理だぜ。しろうとには打ちっぱなしからだ」
景色のいい打ちっぱなしでクラブを借りて打って見た。
自動販売機からゴルフボールがステンレスのバケツに落ちてくる。
「私にも打たせて」
飛んだり飛ばなかったりだ。
「ねじるなよ」


支配人がやってきてニコニコしてみている。
ホールもみてみませんかという。
行ってみて眺めてきた。
人気がやはりない。
緑がきれいだった。
風が透き通るように冷たい。




28 太陽の裏側


太陽の裏側にアルヘレンと同規模の惑星がある。
「その話で」
ホビンがいった。
「天文学者の研究だと」
「最前線かよ」
「ええ、人工衛星を送っても、電波が太陽の熱波に邪魔されて惑星アルヘレンに到達しないというんです。完全なアリバイだってはなしですよ」
「三角みたいに、反射させるとか」
「うまい!それだと計算や具体的な処理が山づみですよ」
マチルダがいいだした。
「私たちの任務にくわえましょう。どうせ書類の山が増えるだけです」
「おいおい、さばききれないくらいすでにあるからって投げやりだぜ」
「科学者と連携しますか?たいして当てにしないで向こうでもやるから。むしろ予算をせびってくるかも」
「素人の俺らが書類仕事で力になれるのかよ」


マチルダが手に負えない書類はアレクセイが玉ひろいをすることになっていた。
「これだけ余りました」
スピカがかかえてもってくる。
「そっちの大机にドンと積んどけ」
行方不明になった書類もあるかもしれない。




29 召使いスメルジャコフ



アイアンヘルムが瀟洒な部屋でコニャックを一杯やっていた。
窓辺にスメルジャコフがたっていた。
月明かりに照らされて、黒い顔が意味深に見えていた。
召使いだが、いったい何を考えているのかアイアンヘルムにもわからない謎めいた男だった。
アラビアンナイトにでてくる砂漠の国の色黒い人種やジプシーのような風貌で、かぶり物を頭からかぶり、それはずた袋のようなものだった(トウモロコシの袋のような布だった)。
寡黙かと思えば突然しゃべりだし、魔術や奇術を得意としているかのような。

「…アイアンヘルムさま。わたしが首都にでかけてみてきましょうか…さしでがましくなければ…ですが…」
「!、スメルジャコフ!…か…」

スメルジャコフは身軽に舞うと首都を目指した。




30 ソーセージ


仲の良い夫婦がいた。
焼き立てのパンとスープを美味しそうに二人で食べ、幸せに暮らしていた。
二人はお互いに満足していたが、余分な楽しみを望んだ。
それは食卓にソーセージのようなぜいたく品がならぶことだった。
ある日、念願のソーセージが食卓にきた。
だが…!ああ!
悲しいことに欲張った二人の夫婦は鼻がソーセージになって悲しいことになったのだった…!
ソーセージは食べられたけれども!
一週間、鼻がソーセージのままだった。



31 エスプリに欠ける



アレクセイは役所で働いていて、なにか新鮮な出来事が欲しくなった。
「コーヒー一杯くらいであとは無機質な書類の処理だけだぜ」
もっと新技術とかテクノロジーとか、時代を先取りして、ダサくない空間にしてくれるものを欲した。
まだ、マチルダなどメンバーは居心地がいい。
アーベルまでいくと、こっちの腹が痛くなる。
一分当たり計算をこなすと、未来の世界がやってきて乾いた空気が白銀のような空間に包まれるのかもしれなかった。
ホビンがいうには、「うちは労働して外部に計算結果をだしているんです。最先端の世界はお客さんなる市民が味わうんですよ。こっちは一分当たりださくなるのをがまんして出力しているんです」
「でもなー」

それに、危険の濃度が一分当たり濃いと、新テクノロジーの世界のようにかっこいいのかもしれなかった。
スメルジャコフの接近は、たるんできたアレクセイにいい刺激になる。
パズルのような数学工作によって、新しく作られたものは、味わうとだんだん古くなって消費されてしまうのだろう。
常につくって常に消費する。