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2014年7月11日金曜日

時空小説 マップ


夢十夜(後編)








夢十夜(後編)








1



第八夜


その日は朝から曇りだった。
城の中でも、昼間っから灯火やランプやローソクがほしいくらいであった。
朝のそんな早くない時間、ぼくがメリーサ女王の王座のまえにでかけると、女王はうなだれてうつむいていた。
「女王…おは…」
声をかけようとすると、女王は陰鬱な表情で顔をあげた。
天気が暗いせいかな、とはぼくでもおもわない。

「ああ、あなた…ワンウリー城にきてながいわね。…そろそろ、ここをでて里に帰る支度をしなさい。わたし、あなたとはいられないわ」
それだけ言うと、けだるいような陰鬱な表情のまま黙りこくった。

夢十夜といいながら、昼間の出来事だが、コインや旅先の時空警察、グレートシティやグラウディウス帝国のハイテクシティや魔人との決戦。華々しい出来事の多いそれらの国でのエピソードに対し、ここ惑星バルハルでの、ワンウリー城でのエピソードは辛気臭く、だけど、幼稚に感じられないせいか、もとの世界に帰った後、夜に酒を飲んだ時などこの時代のことを思い出し、新鮮な空気に浸ることがよくあった。
そういう意味で夢十夜なのだ。

都合のいいコインの世界などの出来事は小学生がはしゃいでいるのをでかくしただけみたいに幼稚に感じられなくもないのだ。
ここの頭の神経というより、内臓に負担が来そうなおもぐるしい、ハッピーとも違う空気は、知的にすら感じられる体験だった。

「…そうします。メリーサ女王。お世話になりました」
すこしだけ、機嫌が直ったように軽い表情にもどった女王は、リバーサイドドラゴンを再びたずね、もとの世界に帰る方法をきいてはどうかと打診してきた。

ぼくはかなり気圧されていた。逆らえない空気。女性特有の…なにかよくわからないが、神経質な不機嫌な意思決定。
だけど、こっちにしても、ハイそうですねと言わざるを得ない。
支離滅裂なアホな命令をしてこないところにメリーサ女王に対する安堵と好感を持てた。

ロビンが遅れてきたが、僕は女王の気分が悪いといって下がることにした。
女王はぼくらを呼びとめた。
「ああ、あなたたち…いえ、あとここにいるのも少しね」
そういっていた。



2



第九夜


「亡霊船!?」
女王はうってかわってカラッとした空気の表情になっていた。
「そうなの…海岸のほうの漁師たちが、恐れているわ。あなたたちの最後の仕事ね。いってらっしゃい」

夜…それこそ、第九夜は十夜だ。
海岸にロビンと二人で向かった。
ローソクと火打石をもって砂浜まで歩いた。
「夜の海は寒いずら。風が冷たいぜ!?」ロビンが寒がった。
「船をいつかは浮かべるんだろ」ぼくはそういって歩いた。
海辺に打ち上げられた木っ端が乾燥して落ちている。
その手頃なのを選んで、ブーメランのように海に向かってぶん投げた。
「その歳で、子供みたいずら」ロビンは僕(オーブリー)をみてあきれていった。

そのとき暗くて視界のきかない、夜の海の水平線あたりに鬼火のような明かりがたしかにみえた。
「ああ、あれずら」



3


「…ホントだ。確かに見える」
それとともにエンヤートット、エンヤートットという幻のような声が聴こえてきた。
「おい聴こえるか?」
「…ああ、恐ろしいずら…死霊の声ってかんじだ。かすかに」
なんというのか、遠くの声で幻聴か、風の音が間違って耳にはいるみたいに聴こえる。
死人の苦しさみたいな、怨念のような、あの世に行った現世と違う亡者の声のようだった。

ぼくはラッキーストーンをにぎりしめた。
「怖くないずらか」そういうロビンは落ち着いていた。
「アンデットごときでそうびくつかないさ。実際ゾンビをふっとばしたこともある…」

目に見えて襲ってくるゾンビと違う、はかない恐ろしさみたいなものはある。
夏の怪談で蒸し暑さが吹き飛んで背筋が寒いような。
あっちの世界からお呼びが来たような。

「で、対策はどうするんずら」
「…筏で船まで行くのも無理だ…」
「落ち着いてきたずら。害はないようだし」
「ああ」

そのとき風の乗って飛んでくる、宴会やお祭りの盛り上がって波が飛び散るみたいな、「ワッ」という、何か大変なことになったような声が聞こえたきがした。
あの世とこの世の境目で、あられもないことになったら怖い。

「…ひとごとだけど、やめてほしいずら…」
「…」

遠くに浮かんでんでいるような青白い船の幻が帆先の方からばっくり、海に沈んだ。
頭から海に顔を突っ込むように。

オン…オン…オン…怨

「やらせだ」僕は強がった。
「助けてやれないずら」ロビンは小石をひろって海に向かって投げた。



4



第十夜

「いよいよ、お別れね。明日の朝出発か…もし、縁があったらまたワンウリー城にきてね。そのときは私はもういないかもしれないけど」
「え?」
「大神との約束…この土地で女王を務める代わりに…任期を終えたら、華やかな土地に転生してもらえるの」
「そうずらか…」
「だから、あなたたちもしっかり。人生は修行なの!」

リバーサイドドラゴンの川にロビンと二人で向かった。
ロビンはできればコインについてくるという。
リバーサイドドラゴンが川からでてきて、事情を話すと、タイムテレポートの魔法をぼくらに向かってかけた。

ものすごい衝撃を感じた。
痛みではない。
決定的に神経が活性化した。

気がつくとエカルテの野原にロビンと二人倒れていた。
ぼくは家に帰らず、クラーク王に会いにいった。

「なんだって!?オーブリー!?バルハルにいってた!?」
「結構な長旅でした」
このときはまだ知らなかったが、長旅は連続してこの後のぼくの人生に降りかかってきた。
「そっちの弓矢の狩人は?」
「ロビン…森の勇士ロビンです」僕は紹介した。

ロビンは城の一室を借りて住みこむことになった。
ぼくといっしょでフリーに雇わられる、庸兵のような立場でエカルテ兵とは別にエカルテ王国に勤続することになる。

「エカルテか…お話に出てくる世界みたいずら…」
ロビンは結構感激し、エカルテの風土を新鮮に体験していた。
異世界に来てしびれるという感じらしい。
「ワンウリー城でも都会だって感じなのに…森の小屋で暮していたオイラには刺激的だな」










2014年7月9日水曜日

ネルガルの冥界下り






ネルガルの冥界下り








豊作のお祝いに、人間たちは牛と羊を屠り、お神酒とともに生け贄に捧げました。神々は宴(うたげ)をひらき、生け贄の炎と煙をかこみ、酒を飲みながら肉を食べはじめました。

天神アヌは冥界の女王エレシュキガルに御馳走と酒をうけとりに来てほしいと使者を送りました。天から冥界に御馳走や酒を送ってはいけない決まりになっていたからです。
冥界の女王エレシュキガルは父神アヌの使者の話を聞くと、従者のナムタルを天に使いにおくりました。

天の神々はナムタルを歓迎し、酒をうつわに注ぎ、御馳走でもてなすといいました。「豊作のお祝いに、どうぞ冥界の使者ナムタルよ、女王エレシュキガルのごきげんはいかがでしょうか」
ナムタルは天のお神酒にすっかり酔いしれると、闘神(戦争や真夏の太陽の神)ネルガル(エルラガル)にもっと酒を注げとからみました。
腹がたったネルガルは剣をとるとナムタルにいいました。
「無礼な。いくら冥界からの使者でも非礼である。剣をもって表に出ろ!」
めでたい宴の最中、本当に剣を抜くきかと、天の神々は慌てて二人を止めました。
ナムタルは冥界にもどると、ネルガルが冥界にたいして、敬意をはらわなかったと、女王エレシュキガルに告げました。
エレシュキガルは怒り、ネルガルを冥界によびよせました。

知恵の神エアにネルガルは相談すると、いくつか助言をしてくれました。
(ネルガルはエア神の息子であるともいわれます)
「冥界の七つの門に十四の鬼神をつれてゆけ、

冥界に剣をもっていってはいけない。
いろいろな木でできた杖をもってゆけ。
冥界の椅子にすわってはいけない。(おまえはなすべきこともなく座っているだろう)
冥界のパンを食べてはいけない。(おまえは死者として労働につかわれるだろう)
冥界の肉を食べてはいけない。(おまえは死者として労働につかわれるだろう)
冥界の美酒を飲んではいけない。(飲めばおまえは死ぬだろう)
足を洗う水が運ばれてきても洗ってはいけない。
女王が湯浴みをはじめても、それを見てはいけない。(おまえは誘惑されるだろう)

ところがネルガル神はエア神の忠告をきかずに冥界に剣をもっていきました。

冥界の第一の門にたどりつくと、グリムドラゴン(ムシュフシュの亜種?)が待ち構えていました。グリムドラゴンは炎をはいて襲いかかってきます。ネルガルは二組の鬼神と共に戦い、うちたおし、その首を切り落としました。

冥界の第二の門にたどりつくと、第二のグリムドラゴンが待ち構えていました。ネルガルと二組の鬼神は、その首を切り落としました。

冥界の第三の門にたどりつくと、第三のグリムドラゴンが待ち構えていました。ネルガルと二組の鬼神は、その首を切り落としました。

冥界の第四の門にたどりつくと、第四のグリムドラゴンが待ち構えていました。ネルガルと二組の鬼神は、その首を切り落としました。

冥界の第五の門にたどりつくと、第五のグリムドラゴンが待ち構えていました。ネルガルと二組の鬼神は、その首を切り落としました。

冥界の第六の門にたどりつくと、第六のグリムドラゴンが待ち構えていました。ネルガルと二組の鬼神は、その首を切り落としました。

冥界の第七の門にたどりつくと、第七のグリムドラゴンが待ち構えていました。ネルガルと二組の鬼神は、その首を切り落としました。

のちに、エレシュキガルはネルガルに滅ぼされた、七つのグリムドラゴンの首をつなげて、七つの首をもつドラゴンを創りました。


冥界の大広間に通されるとテーブルとイスが用意されており、肉と酒の御馳走がならんでいます。ネルガルが王座についている女王に敬礼すると足を洗う水が運ばれ、冥界のロウソクに火がともされると小粒のダイヤモンドのように光ります。
しかし、ネルガルはエア神の忠告を守り、飲み食いしませんでした。
しかし、エレシュキガルが湯浴みのため、席を立つと、ネルガルは誘惑され彼女をだきしめてしまいました。

七日後、ネルガルはまた地上に戻ることになりました。
冥界の女王に挨拶がすむと、七つの門を通り天に戻りました。
エレシュキガルは懐かしさのあまり悲嘆に暮れ、こういいました。
「エラ(ネルガル神)、力あふれるもの。勇ましき天界の強者。なぜ、わたしを置いて天に戻るのか…」
女王の従者ナムタルはこれをきき、再び天に戻りネルガルを説得することにしました。

天の神々の集まりの席にナムタルはこういいました。
「女王エレシュキガルは、『ネルガル神が冥界に戻り夫にならなければ、冥界の門を開き、死者が自由に地上にでられるようにし、生者より死者のほうがふえ、生者より多く飲み食いするようにしよう』といっています。ネルガル神よ、どうかお聞入れ下さい」
ネルガル神はこれをうけいれ冥界に下りました。
ナムタルは冥界の食べ物を飲み食いしても無事な作法を教えました。

七つの門をとおると、エレシュキガルが涙を流しています。
ネルガルはエレシュキガルを押さえつけ、刀を首にあてました。
「ネルガルよ、どうか命を取ることをしないで、わたしの夫となってください。冥界の王となり地下の世界を治めてください」
ネルガル神はエレシュキガルをだきよせました。


こうしてエルラガル(ネルガル)は冥界の王となり、闘神であり疫病と戦争の神、死の神となりました。
おそらく守護惑星は冥王星にちがいありません。







もとは現存し翻訳されている粘土板の神話である。基本的な翻訳を少しいじって改造してある。
グリムドラゴンとネルガルの戦闘などである。
ネルガルはクターの神である。


2014年7月8日火曜日

イシュタル女神の冥界下り






磔刑録 女性編 

イシュタル女神の冥界下り








天神アヌの娘、女神イシュタルは金星(エル・ゾフラ)の守護女神で、
愛と豊穣の女神でした。
あるとき、冥界にいる姉のエレシュキガルに会いにいくことになりました。

イシュタルは冥界の門番にいいました。
「門番よ、門を開きなさい。門を開かねば、かんぬきを壊し、死者が地上に這い出し、大地に生者より死者の数がふえるようにします」
門番は冥界の女王エレシュキガルにこのことをつたえると、
エレシュキガルは驚き、「なんのつもりで、イシュタルは冥界に下るというのだろう?愚かな妹女神を父神アヌはどう諫めているのだろう。門番よ、古いしきたりに従い彼女を門に入れよ」

イシュタルが第一の門に入ると、女神の王冠シュガルラを取り上げられました。
「門番よ、なんのために王冠をとりあげるのか」
「イシュタル女神よ、これが冥界のおきてなのです。おきてにはしたがわねばなりません」

イシュタルが第二の門に入ると、女神の耳飾りを取り上げられました。
「門番よ、なんのために耳飾りをとりあげるのか」
「イシュタル女神よ、これが冥界のおきてなのです。おきてにはしたがわねばなりません」

イシュタルが第三の門に入ると、女神のラピスラズリの首飾りを取り上げられました。
「門番よ、なんのために首飾りをとりあげるのか」
「イシュタル女神よ、これが冥界のおきてなのです。おきてにはしたがわねばなりません」

イシュタルが第四の門に入ると、女神の黄金のベルトを取り上げられました。
「門番よ、なんのために黄金のベルトをとりあげるのか」
「イシュタル女神よ、これが冥界のおきてなのです。おきてにはしたがわねばなりません」

イシュタルが第五の門に入ると、女神の杖を取り上げられました。
「門番よ、なんのために杖をとりあげるのか」
「イシュタル女神よ、これが冥界のおきてなのです。おきてにはしたがわねばなりません」

イシュタルが第六の門に入ると、女神の腕環と足環を取り上げられました。
「門番よ、なんのために腕環と足環をとりあげるのか」
「イシュタル女神よ、これが冥界のおきてなのです。おきてにはしたがわねばなりません」

イシュタルが第七の門に入ると、女神の聖なる衣を取り上げられました。
「門番よ、なんのために聖衣をとりあげるのか」
「イシュタル女神よ、これが冥界のおきてなのです。おきてにはしたがわねばなりません」

女神イシュタルはすべてとりあげられ、冥界の宮殿にたどりつき、女王の従者ナムタルが迎え、王座のある、広間にとおされました。
イシュタルの姉エレシュキガルは、生命のあるものが理由もなしに冥界に来たということで裁判にかけ、有罪の判決を下しました。
エレシュキガルの言葉は死のことばとなり、イシュタルを覆いました。
イシュタルは死体になり、宮殿の壁に磔にされました。
イシュタルが冥界で磔刑になると、地上の生き物が繁殖しなくなり、植物も茂らず、不作がおこり、動物も姿を消し始めました。

人々も天の神々も、困惑し、話し合いがおこり、エア神が助けることになりました。
知恵の神エアが小人を創りだし、命じました。
「エレシュギガルのもとについたら、冥界の女王の怪我を生命のエリクシルで癒し、裁判をやり直すようにお願いするのだ」
小人は首尾よくエア神の命を遂行し、エレシュキガルの許しを得ました。
壁に吊るされている、イシュタルに、小人は忘却(復活)のエリクシルと生命のエリクシルを振りかけると、ダイヤモンドのようにあたりが輝き、
イシュタル女神は復活しました。

エア神の小人がたずねると、女神は自分の恋人になるであろうという神が冥界にいるという話を聞いてここに来たと告白しました。
女王エレシュキガルがいうには、「そんな話は聞いたことがありません。七つの門をくぐって地上に戻るとき神の飾りものはあなたに返されるでしょう」
地上に戻るとエア神の小人はいいました。
「女神よ、あなたの恋人には、はるか時がたたねば会うことはできないでしょう。未来の恋人には七回寝て起きるころにあうとのお告げです」
そういうと小人はエア神の魔法が切れて消滅してしまいました。
あまり大それたことをせず、寝て待つのも女性の良縁にとって大切かもしれないというたとえ話。





有名なバビロニアの神話、イシュタル(イナンナ)の冥界下り。
それをもとにいくつ改変している。
とくに冥界に下る理由を明確にしているが、本来の神話がそうであったとはいえない。
神話的研究と空想から、理由を割り出した。




























時空小説予告:ゴッドハンター登場

時空小説予告:ゴッドハンター登場


奈落の肩あてを両肩につけ、レベルを最大限落とした状態で

アルフレット並の強さ。

「神々をかりとる」と豪語するが「一匹狼で仲間はいない」という。

修行を続け荒野をさすらっている…





2014年7月7日月曜日

Another War ―もうひとつの戦争― 第十五部






■■      ■■

 ■■   ♥   ■■

       ■■  ★   ☆  ■■













Another War  ―もうひとつの戦争―




Another War  ―もうひとつの戦争―











1



アルアロリアは窓の外を見た。
信じられないくらいの、美しい景色の森が見える。
それでいて、この城のすぐそばは都心部のような未来型のシティが続いているのだ。
その不自然さにいまさら驚いた。
誰か庭師が手入れしているわけでもないだろうに、天念の大自然のような森が終わらないかのように続いている。
アルアロリアは絵本に出てくる、大昔の時代の森のようだと感じた。
いろいろな種類の鳥たちが絶えずさえずり、なごませてくれる。
よほど未開拓の山の中や自然の残る土地でないとありえないはずであった。
窓の周辺から写真で切り取るか、絵にしたらさまになるほど、偶然とは思えないように整っている木や緑だった。
だれか計算して画家がうまく描いた額にはいった絵が飾ってあるかのようだった。

アルアロリアはそれでいてテレビの画面も見た。

アルアロリアは侍女のマルジャーナとノヴィ=ゾルカの三人でテレビを時間つぶしと娯楽のためにみていた。

マルジャーナは舞踏と剣舞の達人で機転がきき、工夫の才があり、度胸があって立ちまわりのきく娘だった。
修練を積んだクレアの剣とも違う剣術を秘めている。

そのとき、アルアロリアの侍女のセテカが部屋にはいってきた。
セテカがいう。
「アルアロリア様。美の小箱というものが紙の上の論理上ではなく現実に現存するという話しです。なんでもとても美しくなれる力を持った魔法の箱だとか」
「美の小箱…」

セテカは色が黒色で(地球でいう黒人)、すらりと細いが、ボッキリおれそうな細さではなく、しなやかな細長い腕を持ち、ヴェールを室内でもつねに身につけて顔を隠していた。
まつげがものすごく長く、砂漠が近くにある国で生まれたのかと疑うようであった。知性的な美しさに恵まれ、もうひとりの侍女ノヴィ=ゾルカとも似ているが違う知識に長けている。

「…それはどういうものなの?教えてちょうだい」
「…ふたを開ければ、美の力を分けてもらえると伝わりますが、災禍の魔をはらんでおり、それが美の小箱の難点であると。また、手に入れるにしても途方もない難しさで、地獄の番犬やら竜やらに守られているといいます」

「ぜひ、美の小箱が欲しいわね!」

マルジャーナがうれしそうに、しかし力強くこういった。
「アルアロリア様、その災禍はこの宝石の魔力で打ち払ってしまいましょう。そうすれば美の力を手にできましょう」
首の魔石を見せてそう力んだ。

【ネルアングリラの魔石:ブローチ】

セテカがいった。
「術を発明した魔術者の仕組みが違えば、はじけないこともあるかと」

「では、帝国の守護兵たちの力で解決しては…」マルジャーナがいった。
「禍がおこってしまっては遅いのかも」アルアロリアがいった。
「では、ヴィクター様の剣の輝きで守ってもらっては」セテカがいった。
「ヴィクター様しだいね」アルアロリアがそういった。
マルジャーナがなおもこういった。
「私ども侍女がヴェールを身につけ街に行って話を聞いてきましょうか?」
セテカがパンフレットをアルアロリアにさしだした。
「美の小箱は手に入れがたし。されど…新型の化粧品が特注で開発されたとアルアロリア様に届いております。口紅と口紅入れだとか」
「ありがとう。注文してみようかしらね」
マルジャーナがいった。
「アルアロリア様、剣を持ち、武力を磨いたわが身では殿方にお断りされるかもしれませぬ。男性に対抗する武力を持ち合わせたと」
ノヴィ=ゾルカがいった。
「わたしも…男性に勝る知性と学力、知識を保有したがゆえ、男性と結ばれるのが困難になったかもやしれません。ですがアルアロリア様でしたら」
「ひとを、何のとりえもないみたいにいわないでちょうだい」
「わたちたちは、取り柄を磨きましたが…男子の力の一部が我が体内に張り巡らされたのです」





2



ロームルス演説のときが来ていた…
ここロームルスの私城の高台でおこなわれる。
帝国の創始者。そして皇帝グラウディウスに実権をゆずりわたしてからは、ご隠居の身。
それでいて、帝国民の支持率はいまだ議会を揺るがすほどだった。
さらに、個人資産の莫大さと、各自帝国軍とは別個のロームルスの独自の身辺警護の軍隊も保有している。

高台からの演説といっても、最新高性能マイクを使っての演説だった…

セプティミウスが演説直前のロームルスの相手をしている。
「老王?!大丈夫?もう歳なんだかららさ」
「ああ、セプティミウス君。歳だから違う半面大丈夫だ。ずっこけても恥を感じにくいし、先も長くない。だが、スタミナとか別の半面、頑丈さが削れてきた。あれ、君。その指輪はどうした」
セプティミウスは指にはめた赤い小さな宝石のついた指輪をみた。
「これ!?前の魔戦争のときのビックスケルトン…、奴が指にはめていた。戦いの最中隙を見て盗んできたのさ。魔法の指輪で持ち主の指のサイズに変わる…」

【ネルアングリラの指輪】

「そうか、あのフェンリスウルフダンジョン探索のときの…さて、出番だ。いってくる」


群衆が城の眼下、広場のようになっているレンガの敷き詰められた地面にずらっと集まっている。
地方から来た者もいるだろうし、この土地から来た者もいる。
老王ロームルスの演説を聞きに集まっているのである。

兵士が警備にあたっていて、問題は起きていなかったようだった。

ロームルスは老いて枯れた喉から声を張り上げた。
「諸君!ファミリーレストランで金を払えば食える、ガーリックのきいた大根おろしたっぷりのステーキが食いたいか!?にんにくのあとから広がる香ばしさと香辛料、大根おろしの汁がソースにからまって脂肉のこってりした味と争って口の中で満足のハーモニィを演奏する。
確かにうまい味に見合う手ごろな金額を払えば注文できる。だが、それだけでは食えない。仕事をきっちりこなして、あるいは叱られて働いてきた涙の味だ!労働してこなければガーリックステーキランチは食えん。いいか!労働の汗と涙は働いたものは知っている。それがソースとなるのだ。ガーリックを味わうための…ソースのためのソースだ!」

きいている群衆のうち何人かは労働のあとなのに《ディナー》ではなく《ステーキランチ》なのだろうと考えたりした。

「女性でいえば、う、う。うん。女性じゃないからわからないが、悲しみは嫌な話だ。だがサラダにかけるドレッシングでもあるのだ。あえて不都合を呼び寄せることはない…だが、若いうちは嫌なことがあっても、神経質にならずスパイスやソースなんだ。ありがたい。なにがありがたいのかわからないが、飯がうまいのはそのせいのようだと、納得して通り過ぎるのが良いのだ」

演説はこのようにつづいた。

「さて…帝国は君たちが生まれる前の昔に比べ裕福になった。だが、ハングリー精神がなくなってはせっかくここまで来た帝国が傾く。そこで悪いがスパルタであり、納得がなかなかいかないような不平等は帝国に残る。いや、わざとじゃない。わざとじゃないがどうやったって問題はなくならない。だが、それは帝国が不幸だからだと納得するのではなく、自分に課せられた試練であり、うちかったとき、あながちありがたかったと思えるように生きてほしい。以上だ!」


拍手もおきたが、老王の思想を理解したものしないもの、反対派も実は何割かは来ていたのだった…。
テレビとインターネットに演説は流されていた。

帝国の時代はこのように流れ去ろうとしていた。




3



アルアロリアと侍女のクレア、マルジャーナ、セテカ、ノヴィ=ゾルカの五人が室内で談笑していた。
立ちっぱなしでいた、マルジャーナが一人掛けのソファに王様のようにどっしりと腰かけた。
アルアロリアが口を開いた。
「それにしても、最近ではモンスターが急激に強くなっているそうだけど、マルジャーナ、あなたち…よろしくたのむわよね」
マルジャーナはソファからとびおきると腰のレッドソードをはたいていった。
「イェッサ、イェッサ、  アルアロリア様はマルジャーナが夢見たマルジャーナになってくださいませ。このマルジャーナはどこか死ぬ覚悟ができております

アルアロリアが席を立ってなにか取りにいった。
冷蔵庫を開けてアイスクリームを取り出す。
「みんなで食べましょう。特製アイスクリームよ」

マルジャーナがいった。
「イェッサ・イェッサ・アイラブユー~♪」
クレアがいった。
「ああ、いただきます」
「結構なアイスクリームね」セテカがいう。
「わあ、すてき、ちょうど食べたかったわ」ノヴィ=ゾルカがそういった。
みんなでわいわい冷たいアイスクリームを食べた。


アルアロリアが提案した。
「ねえ、お夕食早めの時間にお庭で食べましょうか?」
「賛成」
「いいわね」
「でしたら、わたしが『ママカレー』を作ります、作ります」
マルジャーナがいった。
アルアロリアがいった。
「手伝うわ」
さっそく二人はキッチンに向かう。
エプロンをつけて手を洗い、二人並んでキッチンに立った。

「わたしたちは庭にテーブルをセットしてお皿や飲み物を用意します」セテカがいった。

涼しい風が少し吹いてきた初夏の気候に似ている帝国のコモンスル宮で五人は『ママカレー』を食べた。
独自のスパイスとマルジャーナの優しさが詰まったカレーライスだった。
日は傾いてきている。
「ところでヴィクター様のお母様ってどんなかたなの、アルアロリア様」ノヴィ=ゾルカがスプーンでカレーをすくいながら尋ねた。
「…あったことはないけど」


回想シーン

ヴィクター「母?ああ、おれの?アンドロメダ…母アンドロメダ」

「アンドロメダ姫?星座のような名前ですね」クレアがそういった。
「…なんでも、私があったとしたら私よりまだ若いって感じがするって…」
「どういうことですの?」セテカがいった。
「年齢は確かに年上だけど…とても「おもしろい方」だとか」
「楽しそうでいいですわね」マルジャーナがおもしろがった。





4



ロームルスの演説数日後…

「老王。演説はなかなかの反響みたいだけど…」
「それはありがたい」
セプティミウスと老王が私城で会話している。
この部屋は4階である程度の高さがあり、窓が広く作られた部屋だ。
ロームルスはソファに横になって倒れている。
セプティミウスは剣の鞘をいじりながら立っていた。

「でも、老王。なんで人生は思い通りにいかないんだろうね」
「セプティミウス君。思い通りにいかないのかね」
「ネットでいっつもやっている。なかにはキレて暴れている人も大勢いるんだ。創始者としていいの?」
「君たちの好きなネットか…わたしは今、ネットでもネットラジオに耽溺している最中だ。外の世界と室内にいながらにして交信している。帝国は広い。自分の知らない人の話が聞けてためになる。若者の好きなネットを普通に見ていると目が焼けないかね。老人なんで目を休めたくなる。耳だけのラジオは都合がいい」
「年寄りだから仕方ないけど…」
「人生の問題か。帝国の自慢は何だね。セプティミウス君。表面で考えないで奥深い骨格を掘り起こして思考する。実際むやみに探索するんじゃなく地図をたよる。地球儀でかんがえる。…で考える」
「それは知っているさ」
「モーターがある。これはうまくいっているんじゃないのかな。電池につなぐだけでちゃんと回るんだ。プログラムも。正しく組んでいると本当に動く。さっきの話と反対でうまくいっている例だ。技術とか工学みたいなもんだが」
「そうさ。システムがきちんと回っているんだ」
「うまくいかないのは。帝国民の政治かね」
「ぼくはわかるさ。うまくいっていて今くらいなんだ」
「セプティミウス君。自分は負けたんだと理解することだ」
「嫌だ。なんでぼくは負けなんだ。そんなのみじめだ」
「最後まで負けていろというんじゃない。今負けていると認識するんだ」
「それで勝てるようになるの?」
「こんな説が帝国にある。数学的世界と物質世界、精神世界の三つの世界が連動して成り立っているという説だがね。地図が数学的世界に対応する。惑星の実際の土地が物質世界。精神世界は人間の頭。脳とまでいいきらんが精神に存在する」
「それで?」
「物質世界は数学世界のいいなりだ。数学的規則に逆らえない。どうやってさからう。さからうとしたら次世代の技術みたいにプログラムの上から封じ込めないとダメだ。そんな堅牢な数学世界は誰に支配されていると思う。精神世界だ。精神世界が数学的世界を牛耳っている」
「グーチョキパーだ」
「そのとおりだ。精神世界のクリックはどうやるとおもう。スイッチを押すんだ。押したら世界が変わる。おっと…」
「自分たちの現実世界でなく、数学世界に命令がいく?」
「かもしれないし、今までと違う物質世界に転生するのかもしれない。パラレルワールドにさ。わけのわからない世界なんだろう?今の世界は。いうことをきかない。ならおつむだ。いいはるんじゃなくて気付くこと(アウェアネス)がスイッチだ。いいか、でも痛いぞ。気がついて理解するることが人間の自由になる脳、または心にスイッチなんだ。とぼけて気がつかないと押せないスイッチだ」
「なるほどね。心のマウスがアウェアネスか…」
「だが、くれぐれも…駄々をこねることはアウェアネスじゃないんだ。大人になること、現実を正しく理解することなんだ」




5



お茶の時間、アルアロリアがいつものように会話をはじめた。
「アンドロメダ様って…お母様って、ヴィクター様にいわせると、走っているって」
クレアがいった。「走っている?」
「『やつは走っている。横になって寝ころんでいるだけかと思ったら走ってやがる』って」
「やつ?」マルジャーナが紅茶をポットからカップに注ぎながら、首をかしげた。
ノヴィ=ゾルカがカップを並べながらいった。
「アルアロリア様、それは抽象的な話です。抽象的な話の危険なところは雲をつかむような話で、お互い意思の疎通が勘違いに終わることがあるということです」
皆はゾルカの顔をみあわせた。
「具体的な現実のエピソードならはっきり見えて、理解しやすく共通です。ですが…たとえば、アルツハイマーという病気。学問が進歩しないと違う病気と混同するでしょう。ある学者は似ているが違う病気と分類し、違う学者はアルツハイマーの一症状と認めます。意見が食い違いますが不思議はありません。解明されてないのですから。果たして事実はどちらなのでしょう」
クレアがいった。
「医学でなくとも…専門的な分野はみんな、相当修練を積まないと意味がわからない教科書となっているわよね。専門家でないと会話に意思疎通がうまくいかない…」
「それが、具体的なエピソードの会話と抽象論理的な会話の違いです。女性はおおむね、概念的な会話を苦手としますが…」ゾルカがそういう。
アルアロリアがいった。
「わたしなら…専門家の先生に任せるかしら」
「それも方法の一つですが…抽象的食い違いが夫婦であるとケンカになるというより、意思がかみあわないのです。夫婦でくい違うと衝突事故どころでは…」
アルアロリアがいった。
「ヴィクター様がいっていたわよ。『オレは仲間(セド)にもいわれたが、成長が止まっているのかもしれない。それでいて成長が完全に止まらない。仮死状態みたいに成長している』って」

セテカがクッキーをテーブルに添えた。
「専門的な会話、抽象的な会話はゾルカのいうとおりよ。でも、知らない外部の人が聞いたら秘め事みたいに聞こえて気分を害すかもしれないわ」
「シークレットをパスワードがないと読めない会話のようにおもわれるのでしょう」マルジャーナが敬礼のポーズをとっていった。
アルアロリアが紅茶を口に運びながらいった。
「そうでなくて…あいまいな世界の会話なだけだけど…」
ゾルカがいった。
「この世界はリアルの目に見える現実だけで成り立っているのではないことは、子供でも理科の時間に気が付きます。実際は8割も解明されていない、抽象的な現実が世界を占めているのではないでしょうか?」
「いえてる。知識の薄い世界なんて迷路というより理解不能なんですわね」マルジャーナがいった。
「ヴィクター様は…『夫婦はお互い理解者になるのが理想』だって、その抽象的であいまいな世界の理解に食い違いがあると…」
マルジャーナがいった。
「むしろ理解するというより、まるごと相手を信頼したほうが早いのかも」
セテカがいった。
「理解というより男性を信頼できるか…」






6



「老王手紙だよ。随分丁寧な封書だけど」セプティミウスが老王を起こした。
「うん、?ああ、サンキュー、セプティミウス君、どれどれペーパーナイフと眼鏡は…」
横になっていたロームルスは焦げたグラディーションの木製の書斎机からとりだした。

「うむ。アルアロリア譲と時空警察の若旦那との結婚に激励の詩文を書け!?グラウディウスだな。わたしになぜ内密にする、とごねたからこんなこと仕向けてきたようだ。わたしに二人の結婚にさわられると汚れるでいいんだ、この歳になると。おめでたいものはその位潔癖をつらぬいて結構だ。こんなのは詩人に任せた方がいい仕事だ」
「確かに老王の出る幕じゃないよ」
「そのとおりだセプティミウス君。ラジオでやっていた。労働勤務のあとはコミックを買うのが最適なんだ。わたしも昔そうだった。勤務のあとで読みたいコミックが販売されてないと悲しかった」
「コミック…昔読んでたけど、今読む気がしないよ。どっちかっていうとスポーツかアウトドアだ」
「君の任務は第一にわたしの相談相手だ。第二に戦闘、第三に諜報活動など。君のワークスタイルは自宅警備員だ。オフィスでも実店舗の売り場でもない。金持ちの豪邸で一日暮らすのが君の勤務なんだ。どうだ、夜学でも通って勉強してみるか」
「…考えておくよ…それより、アルアロリア姫って前いった、海を渡った大陸のフェンリスダンジョンのかなり近くにいるって」
「コモンスル宮だ。それでどうした」
「いや、別に…おめでたいけど、時空警察か、オーブリーとエドアールって友達ができたけど、残念ながら彼らは時空警察じゃないんだ。まだ向こうの宇宙の星にいるってさ。それに、なんと魔王アリスタンダーを倒した一行の一員だったって、すごいな」
「アリスタンダーか。君も魔戦争を停止させた。若いうちだけだ、そんな活動ができるのは」











2014年7月6日日曜日

わたしは以前、野生のカモシカだった




1 

わたしは以前、野生のカモシカだった。
水飲み場でみんなで仲良く水を啜っていた。
そのとき、人間の王女に飼われているライオンがきた。
ライオンは仲間に入れてもらおうと水飲み場に顔を近づけた。
わたしも皆もおどろき、逃げまどった。

2 

わたしは王宮で暮すライオンをうらやましく思うようになった。
あるとき、人間の兵士が水飲み場にきたとき、人間についていこうと考えた。兵士はわたしをつれて行こうとしたが、わたしは後ろ足で砂を兵士の顔にかけた。私は逃げた。
人間が扱う炎もわたしにはこわかった。

3 

人間の生活がいやなら文明から逃げて野生に帰るしかない。
人に心配をかけて喜んでいるようなものを誰も自由にさせておけない。
縛られ、繋がれるのである。それも嫌なら野生に帰るしかない。
人に怒られるのを喜んで後ろ足で砂をかけるようなものを誰も喜ばない。
自立してない人間は教育される。人に上から物を言われる。自立していないものは人に甘える。それでいて叱られるのを、心の中で嘲笑うものは野生に帰るしかない。自立した者は自分で考えるが、責任は自分に降りかかる。

4 

愛されたいと願いながら、快楽をむさぼろうとする。
野生の動物はそれで何も悪いことはない。
食べて、寝て、本能の欲に従うのが仕事。
人は、人間らしくなるほどに動物の苦しみから解放されてゆくが、人間としての苦しみを味わい成長しなければいけない。
苦しいという人は動物の苦しさにあえぐ。
人としての苦しみは感謝の気持ちとともにある。



プロメテウスの火 ―ギリシア神話とメソポタミア神話のあいだ風に―


あなたは、愛の炎に薪をくべず、砂をかけて必死に消そうとした。
愛の炎をつかいこなすには、自分が人間としての苦悩をうけいれることだから。ひととしての心が焦げるから。傷つけられるから。動物としての我儘を控えなければならないから。
燃えていた愛の炎は消えてしまった。
あなたが必死に消したから。

文明の炎をうけいれた人たちには、文明の光と道具と酒と宴。
都市と国家も栄える。
文明の力でふたたび、みたび、楽園に近くなる。
人のため家族のため骨を折るのを苦にしない。

文明の炎を消す人は
人としての心が無傷だから…
人の痛みが分かるほど傷ついた人は、人をいたわるから…










聖書など旧約は、あまり読んだことのない人の想像と違い、説教が並んでいるのかと思いきや、
史実や物語であり、新約聖書のイエスにしてもたとえ話などが多く、実際は小うるさい説教などあまりならんでないともいえる。
この上にあげた文は辛気臭い、いかにも古代の宗教、あるいは神話ふうの説教で、耳が痛くなりそうな文であろうか?棺から出てきたぶどう酒の瓶が、防腐剤もきかなくなり酢になっている…
そんな化石のような説教なのかもしれない。